お前らもっと緊急地震速報ソフトの凄さを知るべき


東北で地震がおきたことを知ったのは東京が大きく揺れる30秒ぐらい前だった。
その日の朝に海で溺れる夢を見て目が覚めた。でも、何もそういう予知夢だとか白昼夢でうんぬんというわけではなく、目は覚めていたし、誰もが認知できる形で事前に知ることができた。純粋なテクノロジーの進歩によって。

その時パソコンで仕事をしていた。警告音とともに最前面にポップアップしてきた地震P2Pソフトの感知情報の広がりを見てまた東北で地震なのかなと思った。その数日前に起きた地震と同じような箇所が余震で揺れたのだろうと……。
紅茶をいれたところだった。ヤカンの火を消してあることを確認し、開いていた棚の扉をなんとなくとじた。遠くの地震なので、あまりこちらは関係ない事だと思い感知情報を受信中の画面を裏においやってそのまま仕事を続けた。

お店がある地域は地盤が固いらしく、東京が震度2ぐらいだと気を付けないと揺れに気がつかない。だが、その日はカタカタと揺れだした。東北じゃなかったの?あれ?と、思っていると揺れがどんどんひどくなってくる。長く強いP波、これは駄目だと思い庭へと飛び出した。
庭は土なのだが、周りのビルが鳴るよりも激しく、足元、土の下から恐ろしい音、振動が伝わってきた。そしてまもなくして激しい揺れに襲われた……。
地震の予知は現在の科学水準からはできない。できるとすれば観測機器設置が充実している東海沖地震だが、過去に成功した事例はなく、結局発生してから検証してみないとわからない。
だがしかし、津波の到達より地震波の到達のほうが早い。そして現代では地震波よりも情報の伝達速度のほうが早いのだ。まだ万能なわけではないが、緊急地震速報速報や地震情報の共有というテクノロジーの進歩が利用できるのであればなぜ利用しないのか?何も高い装置を買う必要もない。その多くは無料だ。そして、おそらくおこるであろう次の余震、もしくは関連地震に対して沖縄から北海道まで日本中が警戒しなくてはならないのだ。警戒する必要がないという理由でもあるの?

そんなわけで自分もつかっている代表的な2つをご紹介しておきます。

P2P地震情報

www11.plala.or.jp/taknet/p2pquake/

通称:地震ピアツーピア
概要:ユーザーの地震感知の情報共有により地震を感知するタイプのwindows用ソフト
インストール方法:ダウンロードして、msiをクリック、指示に従いインストール。感知のためにインターネットに接続している必要あり。
特色、メリット、デメリット:ユーザーの地震感知を共有し、その信頼度が一定以上になると地震感知警告を発する。また、気象庁からの震度情報が発表されたらそれを表示する。
震源地や正確な震度を追うことはできないが、感知の広がりを追うことで、地震の規模をある程度推測することができる。気象庁の緊急地震速報よりも早いことがある。
P2Pなのでピアが少ない地域や、悪意をもって悪戯をする人達に対して弱い。
その他、設定:地震後に福井のあたりで悪戯情報を流す人がいて一時期、使えなくなってしまった。このような悪意には弱い。感度は悪くなるが、最近は特に地震が多いので地震感知情報の表示閾値を2~3%ぐらいにしておいてもいい。
さすがに3%ぐらいにすると、通知までの速度が落ちるので、気象庁の緊急地震速報に負けることがある。自分は今3%で運用している。

SignalNow Express

www.estrat.co.jp/download.html

高度利用者向け緊急地震速報専用受信ソフトウエア:SignalNow Express

通称:かえるさん

概要:気象庁の高度利用者向け緊急地震速報を受信し、予測震度、到達秒数を計算し、報知音と表示でお知らせしてくれる。
インストール方法:ダウンロードして、zip解凍。64ビット版のパソコンにした覚えがなければ32ビット版のフォルダを開いて、msiをクリック、指示に従いインストール。感知のためにインターネットに接続している必要あり。まだ64ビット版のマシンを持っているひとは25%ぐらいしかいないので、windows7以前のマシンなら32ビットでいいと思う。設定にはパスワードが必要で、パスワード取得のためにメールアドレスの登録が一応必要。
パスワードの取得はここからできる。
www.estrat.co.jp/agree.html
特色、メリット、デメリット:ウルサイ……。こわい。
地震がくるまでの到達時間や、地震規模を知ることができるのでよい。揺れないなどの空振りも多い。
その他、設定:最近は地震が多いので、マグニチュード4~5で、震度3以上とかにしておかないとうるさくてしょうがないです。

自分は今マグニチュード5以上、震度3以上で感知するようにしている。

他の感知ソフトや情報など

2011/3/11 東北地方太平洋沖地震(東北関東大震災)の東京都中野区の揺れ

こちらの感知ソフトは Weather Newsのサービス”The Last 10 Second”だそうです。

東北地方太平洋沖地震発生時の全テレビ局同時マルチ映像

「地震予知、即刻中止を」 東大教授、英誌に掲載
www.47news.jp/CN/201104/CN2011041301001002.html
「日本政府は不毛な地震予知を即刻やめるべき」などとする、ロバート・ゲラー東京大教授(地震学)の論文が14日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

タイトルは考えるのがめんどくさかったのでホッテントリメーカでつけました・・・。釣りっぽくてごめんなさい。


地震調査委は余震長期評価を見直しました


ようやくですが、政府の地震調査委員会の見解が変更になったようです。

政府の地震調査委員会は11日の会合で、「今後もマグニチュード(M)7を超す余震が発生し、周辺でM7~8程度の地震が誘発される可能性がある」との見解をまとめた。三陸沖から房総沖で起こる海溝型地震の規模や発生確率を調査委が予想した長期評価が、実態とずれている恐れがあり、見直しを行うことも決めた。

素人の予測よりも専門家たちの意見のほうがみなさんに説得力があると思うので、貼っておきます。

余震域周辺でM8も=長期評価見直しへ-地震調査委
www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041100959

阿部勝征委員長(東大名誉教授)は「余震がどう減るか、半年は様子をみないと分からない」と指摘。南北約500キロの余震域以外に東北、関東、中部地方の内陸部などで、大規模な地震に警戒すべきだとした。

先日の記事(kuippa.sakura.ne.jp/blog/2011/04/11/%e5%9c%b0%e5%bd%a2%e3%82%92%e8%a6%b3%e5%af%9f%e3%81%99%e3%82%8b/)でいう、地震空白域を評価したのだとおもいますが、中部地方の内陸部まで警戒の対象にいれたようですね。ユーラシアプレート境界と、フォッサマグナを評価したのだとおもいますが、ユーラシアプレート境界を評価したのであれば新潟や長野北部も警戒域にいれるべきなのではないかと思いました。

M9クラスの地震がおきてしまうと、中央構造線沿いと糸魚川静岡構造線沿いにはひずみの解消のため地震がおきることも考えられます。大分などでおきている地震を考えるとその影響は広範囲であると考えていいとおもいます。

もともと宮城県沖地震は30年以内に巨大地震が発生する確率は99%でした。

宮城県による死者想定は今からすると164人であります。誠に残念ながら津波被害による被害想定が1行も書かれていません。

www.pref.miyagi.jp/kenan/taisin-program/miyagi-taisin-program-outline.pdf

www.jjjnet.com/jishin_kakuritsu.html

日本を襲う主な巨大地震の確率今後 30年以内 に巨大地震の発生する確率
根室沖 40%
三陸沖北部 90%
宮城県沖 99%
首都直下型 70%
東海地震 87%
東南海地震 60%
南海地震 50%
安芸灘~豊後水道 40%

これらの確率も今後5年以内での確率で再評価しなければならないと思います。

あと、みなさん地元の自治体などの防災被害想定は一度通読しておいたほうがよいとおもいます。

東京
www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/material_h.html
神奈川
www.pref.kanagawa.jp/osirase/saigai/chousakekka/soutei.htm
千葉
www.pref.chiba.lg.jp/bousai/jishin/higaichousa/h20-04.html
埼玉
www.pref.saitama.lg.jp/page/h19higaisoutei.html

内閣府
www.bousai.go.jp/5jishin/index.html
www.bousai.go.jp/syuto_higaisoutei/pdf/higai_gaiyou.pdf

東京都の場合、被害想定では帰宅困難者は約392 万人(首都圏では650万人)を想定しています。今回の東日本震災では300万人が帰宅困難になったと推定されています。今回は直下型でなく震度5でこれでした。また、一部地下鉄、電車などの公共交通は実際には動いているものもありました。かなり良い線を行っているとは思いますが、実際はもう少しおおくの人がと考えたほうがよいかもしれません。

すでに想定されている地震の調査レポートがあるのであれば、危機感のあるうちに自分の住まう地域の被害想定を読んでおくべきです。もし、被害想定が十分になく納得がいかないようであれば、働きかけていかなければいけません。「言い訳は想定外」を許してはだめなんだぜ。


地形を観察する


先日の投稿でまとめた過去の地震の震源地の地図をプレート構造などをもとにすこし分かりやすく描きこんでみた。日本の地形はとても面白いなと改めて思った。

画像なのでGoogleMapではありません。動かないよ!

上は、前回までの分析を模式的にわかりやすくした図です。

下の図は、そこに警戒空白域を書き込んだものです。

黄色丸の赤!は、現在までの地震の1968年以降の空白域で個人的な予想ですが、今回の地震の震源地とプレート壊裂上にあるので、次におこるのはこの延長線上の空白域なのではないかと考えています。最大余震は気象庁の案内によれば、海溝部の場合平均で10日ぐらいで発生するといわれています。その慣例に従えば次に発生が予測される地震は”余震”には分類されないのかもしれません。

ただ、過去の大地震を紐解くに、マグニチュードで1落ちた程度のものが最大余震として警戒すべき値であります。M8.9(9.0) の最大余震はすると、7.9ぐらいの地震となります。4/8に発生した7.2で終わりと安心したいところではありますが、外れてもいいから警戒だけはどうかあと3ヶ月はとかないでいただきたいところです。

スマトラ島沖地震
2004年12月26日 M 9.1 スマトラ島北西沖
2005年3月28日 8.6 メダン南西沖
間隔約90日

ニュージーランド地震
2010年9月4日 (Mw)7.0ニュージーランドカンタベリー
2011年2月22日 (Mw)6.3
間隔約160日

明治三陸地震
1896年6月15日 M8.2~8.5 現・釜石市の東方沖200km
1896年8月31日 M7.2 (陸羽地震)
間隔約75日

関東大震災
1923年9月1日 M7.9
1924年1月15日 丹沢地震 – M 7.3
間隔約135日

地震というのはテーブルクロスがずれるようなものなので、片方のシワがよれば反対側でも動きます。地球からみれば一瞬ですが人間には相応の期間だったりします。だから人間の尺度で日にちが経過したから、または場所が離れているからという理由で、決して楽観をしていいものではありません。
まあ、1ヶ月ぐらいで最大余震が過ぎているものもあり、あまり心配するのも気に毒です。油断せず、かつ天地杞憂にならぬよういきましょう。
earthquake.usgs.gov/earthquakes/world/historical_country.php#japan

マグニチュードが1違うと32倍エネルギーが異なるわけで、地震にすると10回分ぐらいの違いとなるそうです。日本の場合どこにいても地震などの自然災害とは無縁ではいられないので、備えあれば憂いなしということで十分に備えていただきたい。

日本の地形は眺めているだけで実におもしろいですね。この岬なんだろうと調べると、中央構造線だったり、でっぱっているところにはその地下にでっぱった理由が何かある。プレートの重なりあって、ベクトルが回析するような場所にはその先に火山があったり、なんだり。

中央構造線(メディアンライン)は地図をみてもわかるほどなのでみてて美しいです。綺麗に一直線にだれかが描いたような線がはいっています。フォッサマグナはプレートの重なりを考えると日本アルプスや富士山がそこにあるのもうなずけます。

静岡や長野栄村でも大きな地震があったのも北米プレートの動きをみれば納得できますし、大分県や和歌山、沖縄でもマグニチュード4以上の震源地が観測されていますが、これもプレートがぶつかりあっていることを考えれば自然なことなのかもしれません。

ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%B7%9A