地形を観察する


先日の投稿でまとめた過去の地震の震源地の地図をプレート構造などをもとにすこし分かりやすく描きこんでみた。日本の地形はとても面白いなと改めて思った。

画像なのでGoogleMapではありません。動かないよ!

上は、前回までの分析を模式的にわかりやすくした図です。

下の図は、そこに警戒空白域を書き込んだものです。

黄色丸の赤!は、現在までの地震の1968年以降の空白域で個人的な予想ですが、今回の地震の震源地とプレート壊裂上にあるので、次におこるのはこの延長線上の空白域なのではないかと考えています。最大余震は気象庁の案内によれば、海溝部の場合平均で10日ぐらいで発生するといわれています。その慣例に従えば次に発生が予測される地震は”余震”には分類されないのかもしれません。

ただ、過去の大地震を紐解くに、マグニチュードで1落ちた程度のものが最大余震として警戒すべき値であります。M8.9(9.0) の最大余震はすると、7.9ぐらいの地震となります。4/8に発生した7.2で終わりと安心したいところではありますが、外れてもいいから警戒だけはどうかあと3ヶ月はとかないでいただきたいところです。

スマトラ島沖地震
2004年12月26日 M 9.1 スマトラ島北西沖
2005年3月28日 8.6 メダン南西沖
間隔約90日

ニュージーランド地震
2010年9月4日 (Mw)7.0ニュージーランドカンタベリー
2011年2月22日 (Mw)6.3
間隔約160日

明治三陸地震
1896年6月15日 M8.2~8.5 現・釜石市の東方沖200km
1896年8月31日 M7.2 (陸羽地震)
間隔約75日

関東大震災
1923年9月1日 M7.9
1924年1月15日 丹沢地震 – M 7.3
間隔約135日

地震というのはテーブルクロスがずれるようなものなので、片方のシワがよれば反対側でも動きます。地球からみれば一瞬ですが人間には相応の期間だったりします。だから人間の尺度で日にちが経過したから、または場所が離れているからという理由で、決して楽観をしていいものではありません。
まあ、1ヶ月ぐらいで最大余震が過ぎているものもあり、あまり心配するのも気に毒です。油断せず、かつ天地杞憂にならぬよういきましょう。
earthquake.usgs.gov/earthquakes/world/historical_country.php#japan

マグニチュードが1違うと32倍エネルギーが異なるわけで、地震にすると10回分ぐらいの違いとなるそうです。日本の場合どこにいても地震などの自然災害とは無縁ではいられないので、備えあれば憂いなしということで十分に備えていただきたい。

日本の地形は眺めているだけで実におもしろいですね。この岬なんだろうと調べると、中央構造線だったり、でっぱっているところにはその地下にでっぱった理由が何かある。プレートの重なりあって、ベクトルが回析するような場所にはその先に火山があったり、なんだり。

中央構造線(メディアンライン)は地図をみてもわかるほどなのでみてて美しいです。綺麗に一直線にだれかが描いたような線がはいっています。フォッサマグナはプレートの重なりを考えると日本アルプスや富士山がそこにあるのもうなずけます。

静岡や長野栄村でも大きな地震があったのも北米プレートの動きをみれば納得できますし、大分県や和歌山、沖縄でもマグニチュード4以上の震源地が観測されていますが、これもプレートがぶつかりあっていることを考えれば自然なことなのかもしれません。

ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%B7%9A


1968年からの地震空白域


プレート型地震の仕組みと地震の震源地で調べた過去1973年からの地震震源地と1968年の十勝沖地震での震源地、そして今回の2011年の東北域での震源地のマッピングを画像を重ね合わすことで可視化してみました。

貞観地震(DC869 仙台沖とされる)などの科学的データが残っていないものはプロットできておりませんので、あくまでご参考までに。

 

今回の地震の震源地といままでの震源地の模式図を重ねあわせたものです。

今回の地震と1973年~から記録されている地震震源地を重ねあわせたものです。

 

今回の地震の震源地地図と1968年の十勝沖地震の震源地を重ねあわせたものです。

 

今回の地震と、1973年から記録されている地震震源地、そして1968十勝沖の震源地を重ねあわせたものです。

1968年十勝沖地震の震源地を赤色で略式的に塗り、これらを重ねても見やすいように不必要な部分を削りました。

 

これらを考慮するとまだ地震がおきていない空白域がおぼろげに見えます。黄色は比較的浅いところでのプレート崩壊、水色は深いところでの崩壊がおきていないのではないかと思います。

 

関東近辺の黄色は、東京湾北部地震、都心西部直下地震、南関東直下地震などとして想定されている空白域なのではないかと思います。いずれも政府の被害想定によればM7程度が予測されておりますが、今回の地震でこれらが余震として誘発されることはちょっと考えたくありません。実際プレートの崩壊は千葉県犬吠埼沖で止まったとされていますが、これは南から入り込むフィリピン海プレートの北東端にぶつかったからだと考えられています。

地殻の破壊、茨城県沖で止まった…その理由は?

地殻の破壊、茨城県沖で止まった…その理由は?

最大余震で素人ながら考えられるのは、今回の震源地のプレートの入り込んだ先、つまりユーラシアプレートと北米プレートの境界線、日本海側の部分(水色部分)で起きるケースと、今回の震源地から南東に約50キロぐらいの、福島の東の黄色で塗った地点あたりなのかなーと漠然と思うのでした。
あと、長野栄村での地震などを見ると、フィリピン海プレートの北西端、ユーラシアプレートの東端あたりの複雑な構造の部分も、空白域といえば空白域になっているので怖いところではあります。あくまで素人がデータを眺めてて思った所感であります。まあ亀裂の伝達ということで考えればプレートの玉突きで反対側のプレートが動くことを予測するよりも破壊の進んでいった延長線上の空白域で発生すると考えるほうが自然かもしれません。スマトラ地震の時には震源の南で最大余震がおきてますね。ただ日本のようにのっかてるプレートが4枚ともなると正直素人にはなにがなんだか…。

スマトラ島沖地震

スマトラの場合は200キロぐらい離れてますね。M9クラスだとそれぐらい離れるのかな…。日本で200キロだと、東京、千葉沖か盛岡沖ぐらいかな?盛岡沖は十勝沖でくずれてるから大丈夫だとおもうんだけどなー。襟裳岬南沖?襟裳岬のところの北米プレートはなんでこんなに回折しているのだろうか?地球ってわからないことだらけですね。


プレート型地震の仕組みと地震の震源地


地震観測の模式的な仕組みについて、この短くて完結な動画を御覧ください。

書かれているStuckポイント、プレートをロックする”ひっかかり”ポイントは、アスペリティなどと言われます。このひっかかり部分が巨大な地震をおこします。地震の空白域は、このアスペリティがなく、スムースに地盤が入り込んだか、もしくは現在チャージしているかのどちらかだと考えられます。リミットブレイクすると地震がおこります。
今回は、いくつかの学術的に纏められたデータをさらに抜粋してみていきます。考察を控えめにデータ抜粋に努めます。次のエントリーで地震の空白域のマークしてみたいとおもいます。

TOHOKU, JAPAN Earthquake – 2011 March 11
Preliminary Data and Related Links
www.iris.edu/news/events/japan2011/

3.11東北沖地震の余震の震源地分布と、日本を取り巻くプレートの位置。日本は4つのプレートの上にのっている。今回のプレート境界面での震源の深さは20~40Kmに集中する。

Recent Earthquake Teachable Moments
www.iris.edu/hq/retm
■23 slide Powerpoint presentation (zipped ppt/animation 4.21 MB / pdf 2.91 MB)
www.iris.edu/hq/files/programs/education_and_outreach/retm/tm_110311_japan/110311japan.zip
このパワーポイントはかなりよくまとめられています。(英語です)

日本のまわりでどこで地震がおきているかを表した図。色は震源地の深度。
 

上の図のマークされている部分の断面図。地震の震源の深さがプレートの境界面でおきていることがわかる。
内陸ほど震源地が深くなる。

こちらは過去の震源がどこであったかを模式化した図
Aftershock Animation – Penn State
Seismicity Animations, Fault Rupture Model, etc. of the Great 2011 Tohoku-oki Earthquake Sequence
eqseis.geosc.psu.edu/~cammon/Japan2011EQ/

http://eqseis.geosc.psu.edu/~cammon/Japan2011EQ/theModelAshocksTopoHistoric.png

こちらは1973からの震源のプロット

これでどの地域で地震が”まだ”おきていないかわかりますね。

1968年の十勝沖地震は十勝沖というにはあまりに東北沖に近いので重要参考性を鑑み、今回の抜粋対象とする。
1968 Tokachi-oki (Japan) Earthquake
www.iris.edu/seismo/quakes/1968tokachi-oki/

Summary of 1968 Tokachi-oki Earthquake (1973): A two-page
www.iris.edu/seismo/quakes/1968tokachi-oki/Tokachi-okiEQ_Summary.pdf

  1968 5/16 01:04 UTC  40.99N 143.25E  mb=5.7
  1968 5/16 06:36 UTC  41.12N 143.01E  mb=5.6
  1968 5/16 08:58 UTC  41.48N 142.73E  mb=5.5
  1968 5/16 10:39 UTC  41.59N 142.79E  Mw=7.8
  1968 5/16 16:13 UTC  39.82N 143.59E  mb=5.6
  1968 5/16 18:43 UTC  40.79N 142.13E  mb=5.8
  1968 5/16 20:22 UTC  41.48N 142.68E  mb=5.6
  1968 5/16 23:04 UTC  39.88N 143.22E  M=7.2 
  1968 5/17 13:02 UTC  41.49N 142.86E  mb=5.5

1968年の十勝沖地震の地震発生域。

ちなみに今回の地震震源地とエネルギー規模を模式化したアニメーションは当方が作った下記からもみることができます。
kuippa.sakura.ne.jp/quakes.php

今回、999の震源地までプロットしたままにできるようにプログラムを変更しておきましたので、見て見てください。(ただしマシンスペックに大きく影響をうけます)