1968年からの地震空白域


プレート型地震の仕組みと地震の震源地で調べた過去1973年からの地震震源地と1968年の十勝沖地震での震源地、そして今回の2011年の東北域での震源地のマッピングを画像を重ね合わすことで可視化してみました。

貞観地震(DC869 仙台沖とされる)などの科学的データが残っていないものはプロットできておりませんので、あくまでご参考までに。

 

今回の地震の震源地といままでの震源地の模式図を重ねあわせたものです。

今回の地震と1973年~から記録されている地震震源地を重ねあわせたものです。

 

今回の地震の震源地地図と1968年の十勝沖地震の震源地を重ねあわせたものです。

 

今回の地震と、1973年から記録されている地震震源地、そして1968十勝沖の震源地を重ねあわせたものです。

1968年十勝沖地震の震源地を赤色で略式的に塗り、これらを重ねても見やすいように不必要な部分を削りました。

 

これらを考慮するとまだ地震がおきていない空白域がおぼろげに見えます。黄色は比較的浅いところでのプレート崩壊、水色は深いところでの崩壊がおきていないのではないかと思います。

 

関東近辺の黄色は、東京湾北部地震、都心西部直下地震、南関東直下地震などとして想定されている空白域なのではないかと思います。いずれも政府の被害想定によればM7程度が予測されておりますが、今回の地震でこれらが余震として誘発されることはちょっと考えたくありません。実際プレートの崩壊は千葉県犬吠埼沖で止まったとされていますが、これは南から入り込むフィリピン海プレートの北東端にぶつかったからだと考えられています。

地殻の破壊、茨城県沖で止まった…その理由は?

地殻の破壊、茨城県沖で止まった…その理由は?

最大余震で素人ながら考えられるのは、今回の震源地のプレートの入り込んだ先、つまりユーラシアプレートと北米プレートの境界線、日本海側の部分(水色部分)で起きるケースと、今回の震源地から南東に約50キロぐらいの、福島の東の黄色で塗った地点あたりなのかなーと漠然と思うのでした。
あと、長野栄村での地震などを見ると、フィリピン海プレートの北西端、ユーラシアプレートの東端あたりの複雑な構造の部分も、空白域といえば空白域になっているので怖いところではあります。あくまで素人がデータを眺めてて思った所感であります。まあ亀裂の伝達ということで考えればプレートの玉突きで反対側のプレートが動くことを予測するよりも破壊の進んでいった延長線上の空白域で発生すると考えるほうが自然かもしれません。スマトラ地震の時には震源の南で最大余震がおきてますね。ただ日本のようにのっかてるプレートが4枚ともなると正直素人にはなにがなんだか…。

スマトラ島沖地震

スマトラの場合は200キロぐらい離れてますね。M9クラスだとそれぐらい離れるのかな…。日本で200キロだと、東京、千葉沖か盛岡沖ぐらいかな?盛岡沖は十勝沖でくずれてるから大丈夫だとおもうんだけどなー。襟裳岬南沖?襟裳岬のところの北米プレートはなんでこんなに回折しているのだろうか?地球ってわからないことだらけですね。


プレート型地震の仕組みと地震の震源地


地震観測の模式的な仕組みについて、この短くて完結な動画を御覧ください。

書かれているStuckポイント、プレートをロックする”ひっかかり”ポイントは、アスペリティなどと言われます。このひっかかり部分が巨大な地震をおこします。地震の空白域は、このアスペリティがなく、スムースに地盤が入り込んだか、もしくは現在チャージしているかのどちらかだと考えられます。リミットブレイクすると地震がおこります。
今回は、いくつかの学術的に纏められたデータをさらに抜粋してみていきます。考察を控えめにデータ抜粋に努めます。次のエントリーで地震の空白域のマークしてみたいとおもいます。

TOHOKU, JAPAN Earthquake – 2011 March 11
Preliminary Data and Related Links
www.iris.edu/news/events/japan2011/

3.11東北沖地震の余震の震源地分布と、日本を取り巻くプレートの位置。日本は4つのプレートの上にのっている。今回のプレート境界面での震源の深さは20~40Kmに集中する。

Recent Earthquake Teachable Moments
www.iris.edu/hq/retm
■23 slide Powerpoint presentation (zipped ppt/animation 4.21 MB / pdf 2.91 MB)
www.iris.edu/hq/files/programs/education_and_outreach/retm/tm_110311_japan/110311japan.zip
このパワーポイントはかなりよくまとめられています。(英語です)

日本のまわりでどこで地震がおきているかを表した図。色は震源地の深度。
 

上の図のマークされている部分の断面図。地震の震源の深さがプレートの境界面でおきていることがわかる。
内陸ほど震源地が深くなる。

こちらは過去の震源がどこであったかを模式化した図
Aftershock Animation – Penn State
Seismicity Animations, Fault Rupture Model, etc. of the Great 2011 Tohoku-oki Earthquake Sequence
eqseis.geosc.psu.edu/~cammon/Japan2011EQ/

http://eqseis.geosc.psu.edu/~cammon/Japan2011EQ/theModelAshocksTopoHistoric.png

こちらは1973からの震源のプロット

これでどの地域で地震が”まだ”おきていないかわかりますね。

1968年の十勝沖地震は十勝沖というにはあまりに東北沖に近いので重要参考性を鑑み、今回の抜粋対象とする。
1968 Tokachi-oki (Japan) Earthquake
www.iris.edu/seismo/quakes/1968tokachi-oki/

Summary of 1968 Tokachi-oki Earthquake (1973): A two-page
www.iris.edu/seismo/quakes/1968tokachi-oki/Tokachi-okiEQ_Summary.pdf

  1968 5/16 01:04 UTC  40.99N 143.25E  mb=5.7
  1968 5/16 06:36 UTC  41.12N 143.01E  mb=5.6
  1968 5/16 08:58 UTC  41.48N 142.73E  mb=5.5
  1968 5/16 10:39 UTC  41.59N 142.79E  Mw=7.8
  1968 5/16 16:13 UTC  39.82N 143.59E  mb=5.6
  1968 5/16 18:43 UTC  40.79N 142.13E  mb=5.8
  1968 5/16 20:22 UTC  41.48N 142.68E  mb=5.6
  1968 5/16 23:04 UTC  39.88N 143.22E  M=7.2 
  1968 5/17 13:02 UTC  41.49N 142.86E  mb=5.5

1968年の十勝沖地震の地震発生域。

ちなみに今回の地震震源地とエネルギー規模を模式化したアニメーションは当方が作った下記からもみることができます。
kuippa.sakura.ne.jp/quakes.php

今回、999の震源地までプロットしたままにできるようにプログラムを変更しておきましたので、見て見てください。(ただしマシンスペックに大きく影響をうけます)


最大余震または関連地震発生の予見について


体感地震の数もだいぶ落ち着いてきたように感じる。一時期は関東でも大げさでなく5分に1度揺れており、いいとしぶっこいたおっさんも怖くなっちゃうぐらいだ。なにせ、マグニチュード5以上の地震が、今IRISのデータを数えたら3/9以降900回以上観測されているのだ。そりゃ怖くならないほうがおかしい。むしろ慣れてしまってはダメなことだ。
日本の気象庁の発表によればは、M7.0以上は3回(7.7、7.5、7.4)、M6.0以上は64回、M5.0以上は381回との発表。余震についても十分な警戒を促すものの3/29現在で、4/1までに震度5以上を記録する確率を10%としたことが各種報道で確認できる。(オフィシャルの官報で確認できないのはいかがなものか。)
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第31報)
www.jma.go.jp/jma/press/1103/31b/201103311700.html

M7以上の余震発生確率は10% 気象庁が下方修正
www.asahi.com/national/update/0329/TKY201103290382.html

報道は原発関連に終始しているが、本来これは震災なのだ。原発事故が被害状況の把握をより困難なものにして指揮系統を混乱させているが、有事であればこそ、原発だけではなく、同時に地震に対してもできうる限りの安全を確保しなければならない。
そこで、最大余震について改めて真剣に考えておこうと思う。
最大余震。こなかったらこなかったでいい。でも、次こそ想定していませんでしたじゃダメなんだ。前回よりも小さな規模、例えば福島原発に5mの津波がくるぐらいのリスクアセスメントは想定しうる範囲だ。こんどこそ想定していませんでしただと済まされない。

まず余震について基本的なお勉強。

www.seisvol.kishou.go.jp/eq/aftershocks/kiso_aftershock.html
最初の大きな地震を本震、その後に引き続き起こる地震を余震といいます。
最大余震のマグニチュードは、平均してみると本震のマグニチュードより1程度小さくなります。
余震の中で一番大きなものを最大余震といいます。
最大余震は多くの場合、内陸では本震から約3日以内に発生しています。海域ではこれより長く、約10日以内に発生しています。

今回の地震をIRISのデータでM6.2以上のデータをフィルタしてみてみると、
2011/3/9 2:45:18 38.51 142.79 7.2
2011/3/9 18:44:35 38.49 143.19 6.3
2011/3/11 5:46:23 38.32 142.37 8.9 ←本震
2011/3/11 6:06:11 39.03 142.32 6.4
2011/3/11 6:07:21 36.4 141.86 6.4
2011/3/11 6:15:45 36.13 140.23 6.8
2011/3/11 6:25:51 38.07 144.56 7.1
2011/3/11 6:48:47 37.99 142.76 6.3
2011/3/11 6:57:14 35.76 140.99 6.3
2011/3/11 7:14:59 36.65 141.81 6.3
2011/3/11 8:19:24 36.34 140.63 6.5
2011/3/11 11:36:39 39.28 142.52 6.5
2011/3/11 19:46:49 40.47 139.07 6.6
2011/3/11 20:11:22 39.03 142.65 6.3
2011/3/12 1:47:16 37.59 142.68 6.8
2011/3/12 13:15:42 37.26 141.19 6.3
2011/3/12 22:12:46 37.66 141.96 6.3
2011/3/22 9:44:29 39.86 143.44 6.3
2011/3/22 7:18:47 37.25 143.96 6.3
2011/3/25 11:36:24 38.76 141.94 6.4
2011/3/29 10:54:33 37.41 142.25 6.3

30分以内にM7前後の余震が群発していることがわかる。
そして約10日後に3/22にセオリー通りに比較的大きめの余震が続いている。

最大余震は本震からマグニチュードにして1落ちたぐらいの規模で発生するそうだ。
M9.0に対して余震の規模が少し小さい感があるが、M8相当の地震が発生しないぶん、緩やかだが数多くの地震がおきているのだろう。そう思いたい。
だが、スマトラ島沖をみても、ニュージーランド地震をみても被害をもたらすほどの最大余震/関連地震は、おおよそ3ヶ月後に発生している。

スマトラ島沖地震
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E5%B3%B6%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87
2004年12月26日 スマトラ島沖地震 (2004年) 9.1 スマトラ島北西沖 
2005年3月28日 スマトラ島沖地震 (2005年) 8.6 メダン南西沖 
2007年9月12日 スマトラ島沖地震 (2007年) 8.5 ブンクル南西沖 
2009年9月30日 スマトラ島沖地震 (2009年) 7.5 パダン西北西沖 
2010年4月6日 スマトラ島沖地震 (2010年4月) 7.8 バニャック諸島付近 
2010年5月9日 スマトラ島沖地震 (2010年5月) 7.2 バンダアチェ南南東沖 
2010年10月25日 スマトラ島沖地震 (2010年10月) 7.7 パダン南沖

ニュージーランド地震
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%9C%B0%E9%9C%87_(2010%E5%B9%B4)
カンタベリー地震(カンタベリーじしん)はニュージーランド時間2010年9月4日4時35分(UTC=3日16時35分、日本時間=4日1時35分)にニュージーランドカンタベリー地方で発生したモーメントマグニチュード(Mw)7.0[2]の地震。
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%9C%B0%E9%9C%87_(2011%E5%B9%B4)
カンタベリー地震(カンタベリーじしん)は2011年2月22日12時51分(現地時間[2])にニュージーランドのカンタベリー地方で発生したモーメントマグニチュード(Mw)6.3の地震

明治三陸地震
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%BB%E4%B8%89%E9%99%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87
明治三陸地震(めいじさんりくじしん)は、1896年(明治29年)6月15日午後7時32分30秒に発生した、岩手県上閉伊郡釜石町(現・釜石市)の東方沖200km(北緯39.5度、東経144度)を震源とする地震。M8.2~8.5という巨大地震であった。

ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B8%E7%BE%BD%E5%9C%B0%E9%9C%87
陸羽地震(りくうじしん)は、1896年(明治29年)8月31日午後5時06分27秒に、秋田県と岩手県の県境にある真昼山地の直下(北緯39.5度、東経140.7度)で発生した内陸直下型地震である。マグニチュード(M)は7.2

いくつか関連のアプリをつくっていて地震発生のデータを眺めていて、これだけバックログが貯まると気になるのだ。フォワードテストをかけてある程度予見可能なのではないかと。

複雑な物理演算をしてシミュレーションしなくても、一枚の岩盤が壊れる”亀裂伝播”なのだからシンプルだ。発生しているエネルギーと位置から、結構近似的ないい線いく値がでるのではないだろうか?
結局まだ地盤がすべらずに残っているところはひっかかり、アスペリティがあるのだと思う。簡単な算数で残存エネルギーと、その位置がある程度わかるのではないかと思う。これは長くなりそうなので、また別にまとめてみたいとおもう。

 では、次にそれはいつおこる?
地震の予測は困難だ。なまずが暴れるのをみるより他ない。だが、さすがにこれだけデータがあれば、いろいろ有意統計が取れるんじゃないかと思う。
素人考えながら、潮位のデータが発表されているので、この900件の地震情報と、潮位データのつきあわせとかをやってみて、相関性がないか調べてみたいと思う。
あと、なんだ?本震はスーパームーンだったけど、月の起動とかも関係あるのかな?
低気圧とか…。ここらへん関連のありそうな仮説を適当に並べながら実際のデータと突き合わせをしてみたいと思う。

ダムに水を貼ると地殻が壊れて「ダム誘発地震」がおこるとかいうし、潮位もそれなりには関係あるんじゃないかなと思ったりもする。
これも長くなりそうなのでまた別にまとめる。