カテゴリー: 考古学

  • なるべく科学的になぜ皇統は男系男子であるべきか

    ひとことで言うと、現在の科学では累代すると純粋な母系か男系しか安定的に追跡することができないので、人類の継代観察の標準コントロールグループを途中で変えるべきではないから。

    ・・・と、ひとことでは納得できない人のためにいろいろ書く。
    とてもセンシティブ案件なので、前段部分には理解に必要そうな、ある程度コンセンサスのとれている科学分野の辺縁的な知識を記載し、それを踏まえ後段に推論や私見を書く。歴史文化史的側面や、あるいは宗教についてはここではできるだけ触れないようにする。言及しないことで不満を覚えるかもしれないが、そのような意図はなく、ここではあくまで科学的な側面からの追求であるのだとご容赦いただきたい。

    あるいは、その逆に、血統や出自によって何かが決まることは優生思想ではないか、など忌避感を覚える人がいるかもしれない。優生思想と優生学は別のものなのだが、不幸な人類史などを持ち出して科学とは別のレベルで感情的に納得できない人もいることだろう。あるいは遺伝や統計的には理科の素養が必要になるので人によっては理解が難しいかもしれない。ここでは近代の権威争いの権勢史とは離れ、自然科学史、分子生物学的な観点から論建てをするつもりだ。

    参議院選挙の候補者で女性天皇や女系天皇でもいいという主張があった。
    文化史的な側面から男系男子でなければならないという逆の主張もあった。
    エクスキューズが長くなったが、なぜ皇統は男系男子でないとだめなのか。
    科学的な側面をあげるので議論の一助になれば幸いである。

    気候について

    ・地球の地軸は歳差運動により2万6千年周期で傾きが一巡する
    ・地軸の傾きが変わると海流や気候が変動し植生が変わるため動植物の生息域が変動する
    ・地球の気候は長期には氷期と間氷期を繰り返す。現在は間氷期。
    ・最終氷期は11.5万年前に始まって1.17万年前に終了した。
    ・最終氷期最盛期は21000~20000年前でその時期の海水面は現在より約-100m低い。

    類人猿について

    ・ホモ・エレクトス(北京原人)70万-30万年前
    ・現生人類ホモ・サピエンスはアフリカ中央部で20万年前にルーツ
    ・小型ホモ・フローレシエンシス 10万-6万年前(インドネシア)
    ・ネアンデルタール人(3万年前まで)、デニソワ人(1万年前まで)と現生人類は一部混血

    噴火について

    ・7万4000年前のインドネシアのトバ火山の破局噴火(火山爆発係数VIE8)
    ・25,700年前ニュージーランドのオルアヌイの破局噴火(火山爆発係数VIE8)
    ・北海道破局噴火VIE7:支笏カルデラ(BP44000)、屈斜路カルデラ(BP39000)
    ・九州破局噴火VIE7:姶良カルデラ(約2万9千年前)、鬼界カルデラ(約7300年前)
    ・VIE8の噴火では地球規模で大量絶滅が発生する。デス・ストランディング(と言いたかっただけ)。現在の遺伝子多様性からトバカタストロフで生き残った現生人類はわずか数千ペアと推計されている。
    ・VIE7の噴火では地域の大量絶滅が発生する。アカホヤ鬼界噴火の火砕流は山口、四国にまで到達。九州側の縄文人は全滅したとされる。

    日本列島への人類の流入と海水面について

    ・2万年前の最終氷期最盛期で海水面は最大120~130m低下
    ・海水面低下7000年前は浅底の瀬戸内海は陸地
    ・対馬海峡、津軽海峡は深さ130mあるので本州が確実に陸続きは30万年以上前
    ・津軽海峡は最終氷期最盛期において2~9mごく短期間陸橋が成立した可能性はある
    ・対馬海峡は最終氷期最盛期でも幅10~15キロ深さ10m程度の水路状に残ったと推定がある
    ・6000年前の縄文海進時には海水面は約+8m上昇
    ・1万5千年前の縄文時代に九州方面から日本にたどり着くには最低10キロ以上の航海技術が必要
    ・神津島や北海道の黒曜石が本州の縄文遺跡から出土(航海技術の傍証)
    ・日本人の流入は縄文期、弥生期、古墳期におこなわれた三重構造説が有力

    遺跡と文明について

    ・最古の農耕テル・アブ・フレイラ(現シリア)1万3000年前
    ・ギョベクリ・テペ(現トルコ南部)1万年~8000年前
    ・メソポタミア8000年前
    ・エジプト文明(エジプト先王朝時代)5100年前
    ・黄河文明9000年前
    ・長江文明9000年前(1.6万年前栽培前段階)
    ・縄文時代16000年前
    ・青森県三内丸山遺跡は栗栽培、定住大規模集落。縄文中期5900~4200年前
    ・日本列島では縄文後期ごろに稲作開始(イネゲノムから栽培原種は長江流域)
    ・九州吉野ヶ里遺跡は弥生時代

    メンデル遺伝の法則とY染色体とミトコンドリアについて

    メンデル遺伝の法則の基礎。
    オスメスがある両性生物は互いの遺伝子を半分ずつ受け継いだ子孫をつくるが、その際、同じ染色体上にある遺伝子はメンデル則に従い交配する。
    親の遺伝的特徴を子どもは継ぐため遺伝的特徴は継承するが交配しているため、まったく同じではない。

    しかし性染色体についてはメンデル則に従わない。
    メスはXX接合体だがオスはXY接合体。
    オスの性染色体は対となるペアがないので交配しない。
    ホモ・サピエンスの場合は23番目のY染色体は父系からのコピー染色体となる。
    息子のY染色体と父方の父方の父方のY染色体は同一のものとなる。

    他方、女子のXX接合体はXとXで同形なのでメンデル則に従い交配する。娘のX染色体と母の母の母のX染色体とは交配するため性染色体であってもX染色体からは遺伝的純系は追うことはできない。遺伝的に近しいと言うことはできるが、同じではない。

    ミトコンドリアは真核生物の細胞と共生している細胞小器官である。
    対象の生物の持つDNAとは別にミトコンドリアDNAという別のDNAを持つ。
    胚の元となる受精卵は、細胞分裂の元となった卵子から続くので、母方の母方の母方であれば、ミトコンドリアのDNAはまったく同じものとなる。人のDNAからは母系の遺伝的純系を追うことができないが、ミトコンドリアのDNAを使えば母系の純系は追うことができる。

    母系でも男系でもない場合は、世代数が離れすぎると交配による置き換えが多すぎるため遺伝的系統を追うことは困難。
    遺伝的影響は世代を追うにしたがい1/2、1/4、1/8、1/16、1/32と乗数で希釈される。
    10世代遡れば1024人のご先祖がおり、100代も遡れば10の30乗(126穣)ものご先祖がいることになる。
    現在の日本人の人口は1億2000万人だが、卑弥呼の時代には2~300万人(3×10の6乗)、関ケ原の時代(1600年)に1200万人、1700年頃の江戸時代で2500万人ほどだったと推計されている。

    つまり、ご先祖様はかなりの数どこかで重複している。
    たいがいは親戚であるが故、数十代も遡ると遺骨があったとしても現代の科学では遺伝情報からは本当にご先祖であるかは判別できないのである。
    いまの科学では10の30乗も居るご先祖のうち、純粋な母系か純粋な男系のご先祖しか追うことができない。

    Yハプログループ、ミトコンドリアハプログループ

    DNAの転写ミスで変異がおきることがある。
    人の場合、2億5千万塩基対からなるが、わずか数文字が変わっただけで、目の色や肌の色が変わる。
    7万年前にわずかなペアからスタートした遺伝子群は、少しづつ変異を重ね系統をつくっていく。

    人間の場合1万~数千年スケールで、そのオリジナルグループからは枝分かれ(フォーク)した別グループと呼ぶべきものになることもある。それがハプログループだ。
    変異はその子グループや孫グループにも引き継がれるので、順次派生していくことになる。

    Yハプログループやミトコンドリアハプログループを調べれば、どの時代で分岐した兄弟系統なのか、追うことができる。

    図:Inferring human history in East Asia from Y chromosomes より

    ここからは推論、私見

    人類史について言えばトバ噴火で滅んでるので7万年よりこちら側だけを考えればよい。日本列島への人類の流入については、陸続きになった可能性のある2万年前だが、7000年前の鬼界噴火で南側は滅んでいる。間氷期に入り島国と化した日本は遠洋航海技術が発達し稲作が伝来するまでの約2000年前と朝鮮半島経由の古墳時代がメインとなる。

    日本の皇室は人類史上最も長く男系男子で継代観察がなされている系譜である。
    日本で現存する最古の家系図を持つ家系は皇室ではないが、日本で最も身元が確かな一族であることは間違いない。
    衆人環視がなされてきただけでなく、陵墓も残っている点も大きい。
    技術革新があり縄文人からもDNAが採取できつつある。様々な理由で天皇陵とされる前方後円墳などを暴くような調査はなされないだろうが、保管されているというのは非常に重要だ。
    人類の100代の継代観察の集大成でなお今も続いているのは驚愕に値いする。

    分子生物学的にはYハプログループが途中で別のグループになることはない。
    しかし、Yハプログループが途中で入れ替わることは社会生物学的にはありうる。養子や托卵、嬰児すげ替えなどいくつかの可能性がありうる。

    男系が絶えてしまったため先帝と4親等以上離れた継体天皇(507年)や、戦国時代、葬儀もままならなかった後奈良天皇(1536年)、後柏原天皇(1521年)。江戸幕府の大政奉還と遷都があり幼帝で即位した明治天皇(1867年)など幾度となく危機はあった。だが、それも含めて傍流を追えばどこで何がおこったのは検証可能だ。エビデンスなにそれと対極の世界。

    男系を追跡していたのに、もし世代を重ねる途中でYハプログループが変わっていたら、それはそういうことだろうが、だがそれを含めて人類史だと思うし、これを同じような経過観察するためには、家系図的な系譜の記録と、1000年以上もの継代が必要となる。

    皇族のハプログループは今のところ秘匿されているが、源氏平家含め数多ほどの傍流を産んだと考えると日本人で多くの割合を占めるハプログループのどれかであることは間違いない。
    日本人に見られるYハプログループを現代日本人に多い順に下記に軽くまとめる。

    Dグループであれば、皇族が稲作と共に弥生時代などに伝来。
    Bグループであれば、中国南部、ハワイ、南米までの縄文海洋系。
    M7グループはBよりも更に古く幻の大陸スンダランド。
    Gグループは中国北部で枝分かれしたグループ。
    Aグループ。シベリア側からの流入組。
    N9グループ。カムチャッカ
    Fグループ。東南アジア。海洋民族
    Zグループ。シベリアから北欧まで。
    M8aグループ。中国漢民族
    Cグループ。中国北部

    DeNAのサイトから並べて見てるんだけど、あれ、このサイトO2bがないな・・・?

    イネゲノムは長江流域なのでチベット側から稲作とともに来たのならDグループ。
    ポリネシア系の航海技術とともに渡来した最古期の海洋縄文人をルーツならBかM7グループ。でも国譲りの神話からするとこれはないかな?
    北のハプログループとなると、黄河流域組なので、栽培原種でいうと稗や粟など。どちらかというと坂上田村麻呂にやられた側で皇室でない側ではないか。
    中華の王朝交代に伴う大量流入。商とか殷、古墳時代などの流入であれば中華系であれば、蘇我氏や秦氏のような技術伝来時に日本書紀、古事記編纂時にちょっとやった可能性がある。

    もしかしたら膠着語という日本語の言語特性からすると、中央アジアやバイカル湖周辺のアルタイ系でもっと古くNとかZとか。

    卑弥呼の時代からやってることは変わらない。
    桃を全国から集めて評価して、美味しいやつを増やして下賜する。おっと、これ以上はまずいから辞めよう。皇室が少ないから男系男子が現実的ではないというのは本末転倒だとおもう。

    日本人のY・mtDNA系統分布とハプログループ研究

    最後にChatGPTくんにDeepリサーチかけさせてそれを軽くまとめてもらったので追記しておく。

    日本人男性のY染色体ハプログループ分布を見ると、弥生時代以降に渡来した大陸系集団由来のO系統(特にO1b2)が優勢ですが、縄文人由来のD1b(旧名D2)やC1a1も一定数存在します。実際、鳥取・青谷上寺地遺跡(弥生後期)の出土男性骨のゲノム解析では、O1b2系統とともにD1bやC1a1といった縄文型ハプロタイプも確認されており、現代日本人に見られる大陸系と縄文系の混合型構成が示唆されていますpref.tottori.lg.jp。また現代の調査では、大和民族ではおおよそO系優位ながら、東北や沖縄の一部ではD系(縄文系)が高頻度となっています。母系(mtDNA)の分布では、ハプログループD4・D5(東アジア広域に分布する系統)が約40%と最多で、次いでB群(約15%)、南方系とみられるM7a群(本州約7.5%、沖縄約25%)、北方系N9群、稀に欧州系などが挙げられますterumozaidan.or.jp。これらのハプログループ構成から、日本列島は縄文人(D, C, M7など)と弥生系渡来人(O系統)の混血によって形成されたことが裏付けられます。

    参考

    一応あれこれ調べて書いたんですが、Chat GPTに数字の校正をしてもらいました。

    図 2: 機械学習による日本人集団内の微細遺伝構造の可視化
    https://research-er.jp/img/article/20250718/6879eed79ae7e.png
    https://research-er.jp/articles/view/146584

    最終氷期の海水準変動に対する日本海の応答
    -塩分収支モデルによる陸橋成立の可能性の検証
    https://www.kyotofu-maibun.or.jp/data/kankou/kankou-pdf/ronsyuu7/1nakagawa.pdf

    最終氷期の海水準変動に対する日本海の応答-塩 分収支モデルによる陸橋成立の可能性の検証
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqua1957/37/3/37_3_221/_pdf

    DeNAがDNA解析!日本人の祖先のルーツをたどる
    https://dena.com/jp/news/3157a/

    パレオゲノミクスで解明された日本人の三重構造
    https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/96414/

    Inferring human history in East Asia from Y chromosomes
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3687582/#:~:text=paternal%20Y%20chromosomal%20and%20maternal,specific

  • 調布の外郭環状道路陥没事故で地学を学ぶ

    調布のつつじヶ丘で陥没事故がおきたらしい。

    https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201018/1000055145.html


    幅5メートルほどの穴で、ヘリコプターの動画を見ると大きく空間が開け地下に水が溜まっているのが見える。
    こういうときこそドローン撮影すればいいのに・・・。

    ちょうど直下、地下30mで外郭環状道路の大型掘削機シールドマシン「みどりんぐ」が掘り進めていたようです。 東京都調布市東つつじケ丘2丁目
    http://tokyo-gaikan-project.com/progressmap/?code=3

    18日の調布での道路陥没。外環の地下トンネル計画線(赤線)を示した航空図(国土交通省東京外かく環状国道事務所)に陥没地点を重ねてみると、工事中のトンネルの真上にあたることが分かる。黄色は陸上の都市計画線。図の右下方向が北。https://t.co/lZ7dwJV6Tf pic.twitter.com/ApFM9cWmq2— 上川瀬名 (@Yokohama_Geo) October 18, 2020

    なるほど、GoogleMapと重ねてみた。

    ネクスコのホームページにある地図は 縮尺も方位もN北の地図じゃないので、目でレイヤーを重ねると、みどりんぐに近いところで起きた事故であろうことがわかる。まぁだからNEXCOが事故対応しているんだろうけどね。

    博多駅前道路陥没事故や東急直通線新横浜トンネルなどの地下鉄工事など、たまに崩落があるけれど、今回の事故は近場に住んでいることもあり比較的土地勘がある場所だったので、あー、ここらへん武蔵野台地のヘリだからその関係もあるんじゃないかと国土地理院の起伏地図をひらいてみた。

    ブラタモリ風にいうと、高低差。
    じつにきれいな河岸段丘が見えますね。

    ↓ この中央付近の十字のばってん付近が崩落事故現場。

    https://maps.gsi.go.jp/#14/35.656843/139.579840/&base=std&ls=std%2C0.9%7Cslopemap%7Cslopezone1map%7Crelief%7Chillshademap&blend=0010&disp=10011&lcd=hillshademap&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m

    河岸段丘とは、河川が侵食した地形のこと。

    武蔵野台地が終わるこのあたりは、「はけ」とか「まいまいず」とか井戸を掘らずとも湧水がわくので縄文時代からの遺跡が多く出る。

    3つの筋の右側が、仙川。左側のくっきりした崖線があるのが野川。
    野川のほうが大きな川でたまに洪水警報がでたりしますね。
    仙川は今ではほとんど流れておらず、うちの近くでは暗渠になってしまって上にマンションや家が立ったりしています・・・ね。
    右上は井の頭公園かな。
    で、この問題となっている十字印から始まる筋は、三鷹市民には馴染みがありませんが、入間川という川らしいです。

    もっと引きでみるとこんな感じ。南側におおきな崖線をつくってるのが多摩川です。右上は神田川と善福寺川かな?
    入間川の上流部は東八道路のあたりまで伸びているように見えますが、ここらへんに今は湧き水スポットはなかったと思うので現代では深大寺の御池のあたりまで湧水高度が下ってるのかもしれません。

    何万年もかけ河川が侵食した谷底にやわらかな堆積土が地表を覆い、地下を流れる伏流水にかわったのでしょう。地下水脈が流れるところに既に大きな空洞ができていたのかわかりませんが水脈と喧嘩しちゃったようですね。

    シールド工法だから落盤事故でもないかぎり上が抜けることはないですが、地下30mぐらいであれば、銀座線が渋谷では階上数階のところに出たり、四谷や春日で上の階を地下鉄が走るような感じで、地下を進んでたつもりが、谷でひょっこりはんしちゃったのかもしれませんね。地下30mの世界では地表ではなく、岩盤層から堆積層へと。

    しかし、このヘリ、実に縄文遺跡出そうですね・・・。古代人にはめっちゃ住みやすそうです。もう、出てるのかな?
    野川と仙川に挟まれた、武蔵野メソポタミアをつくるならここらだな。などと、地図をみながら思ってました。なんか遺跡でてこないかな。

  • 二酸化炭素と地球温暖化2020

    おけおめ!

    地球温暖化は無知や疑似科学に政治とかが絡みついて毎度変なことになるね。
    科学は常時アップデートしてるんだけど、義務教育のときにインストールした知識のままアップデートされてない人が多く問題を複雑化させている。

    また偏った情報が発信されていることもあって、多く人々が正常な判断をできない分野として確固たる地位を確立してきている。心配。

    地球温暖化は信仰に近い存在になりつつあり、少しでも教義と違う示唆や別軸からの考えをぶっこむと攻撃でも受けたかのように反撃される。だからといって放置するのもなんなので2007年のIPCCレポの頃に某増田掲示板で書いたツリーをちょいと書き直した。当時と比べ温暖化なのか寒冷化なのかの議論は既に決着してると思うので気候変動に的をしぼる。

    気候変動

    ┌→しているよ─┬→人類の活動が原因だよ─┬→二酸化炭素を削減しないとだめだよ
    │ │ │ ├→火力発電を改善しよう
    │ │ │ │ ├→セクシーに高効率化すすめるよ
    │ │ │ │ └→カーボンキャプチャー頑張ろ
    │ │ │ ├→風力、太陽光、水力発電を推し進めるよ
    │ │ │ │ └→環境への負荷も心配だね
    │ │ │ └→原子力発電を増やすよ
    │ │ │ └→日本人への強烈なトラウマ
    │ │ ├→温室効果ガスに気候変動をおこすほどの能力はないよ
    │ │ │ └→地表付近だけ気温が上昇してるよね
    │ │ ├→二酸化炭素削減ぐらいしか人類にできないよ
    │ │ │ ├→排出権取引などをするべきだよ
    │ │ │ │ └→削減しても影響は数十年後だよ
    │ │ │ └→排出量はエネルギー効率のものさしだよ
    │ │ ├→森林伐採など自然破壊が原因だよ
    │ │ │ ├→焼き畑は逆に二酸化炭素吸収量増えるよ
    │ │ │ └→砂漠化の原因になるよ
    │ │ │ └→温暖化なら緑が増えるよ
    │ │ ├→都市化による吸熱、排熱が影響してるよ
    │ │ │ └→アスファルトやエアコンだよ
    │ │ │ └→都市化の影響は10年で0.006℃だってよ
    │ │ └→雲が太陽光を反射したり熱放射を防ぐよ
    │ │ ├→排ガスのNOxが地表近くに雲をつくるよ
    │ │ ├→電離層や水蒸気に電波があたるせいだよ
    │ │ └→飛行機のコロイドが上空に雲を作るんだ
    │ ├→太陽の活動が原因だよ
    │ │ └→太陽の黒点とかの活動周期のせいだよ
    │ ├→地球の活動が原因だよ
    │ │ ├→約25,800年周期の地球の歳差運動だよ
    │ │ ├→磁極は結構激しく移動するからだよ
    │ │ └→地磁気が弱まると宇宙線が上空に雲をつくるよ
    │ │ └→ポールシフト!破局噴火!俺はくわしいんだ・・・
    │ │ └→ 話しは聞かせてもらった、人類は滅亡する!
    │ ├→北極振動などの偏西風ジェット気流の変化が原因だよ
    │ └→海流の変化が原因だよ
    │ ├→海洋大循環が止まったことは地球史では何度もあったよ
    │ ├→海水温の変化の結果、放出される二酸化炭素が増えてるんだよ
    │ └→気候はもともとが安定的なものじゃないよ

    └→してないよ─┬→してるとしてもいつものことだよ評価の時間軸次第じゃない?

    └→気温の観測方法、算術平均の評価がおかしいだけだよ
    └→観測結果は都市化の影響をうけてるよ
    └→地球規模の気象観測が始まったのはたかだか数十年前だよ

    気候変動に対する個人的意見

    私はどちらかと言えばナチュラリストだし、たぶんエコ派。ずぼらともいう・・・。

    気候変動については、評価軸にだいたい時間と気温の2軸が使われる。
    そのため観測場所は固定であったり、均すため算術平均がつかわれたりするが、熊谷の最高気温問題に見るように、観測場所の問題はついてまわるし、その他の条件や時間粒度の取扱がいい加減なことだ。

    気温は昼と夜で変化する。四季を通じても変化するが、その気温の変化を均して平均化してしまったり、最高気温や最低気温だけを比べたりする。
    年で追うのか、数十年単位で評価するのか、世紀で評価するのか、千年単位、万年単位、億年単位で評価するのかで異なる結論になるはずだが、数万年前の古気象でさえ、現在の気温観測のスケールで評価されて気候変動だと騒いでいる。その図、時間ログスケールだからな・・・?

    近代的な気象観測が始まったのは、わずか150年程前で、高度気温観測や衛星を使っての全球的な気象観測ができるようになったのはわずか70年ほど前にすぎない。

    杉並区議の小林ゆみさんが、

    このツイートが少し炎上気味にバズっていた。条件反射的に否定する人たちがことの外多いことに少し不安を覚えるが、ここ数十年の、長くみても140年しかない近代気象観測の細密データと氷床コアや湖底泥からの類推できる粒度のデータを同じスケールに並べて作図したデータをぶつけるのは筋悪でしかない。

    この100年で飛行機が飛び、自動車が普及し、道路は舗装され、道路上下水が完備され、下水にはお湯が流れる。屋内を暖かく、または涼しくするために、そのエネルギーは屋外に放出されるようになった。
    気圧、湿度、大気組成が異なるものを温度という一軸のみで時間で丸めて評価する。乱暴だなと思うし、対数表をみてもわからない人は、急激なグラフの伸びをみて怖い!となるのもわからなくもないけどただ単に煽られてるなと思う。恐怖の存在というよりはファクトフルネス。

    二酸化炭素については、暖めた炭酸コーラに二酸化炭素ガスが溶けていられないように、温まった海水からは溶存していたガスが抜ける。気温と相関はあるが因果ではないんじゃないかと思ってる。
    また、温暖化が進むと砂漠化が進むと考えられているが、実際は多雨化し植物の育成に適した条件になるので実際は逆の減少が起きる。植物は二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出すことで光合成をおこなう。植物は成長のためにはもっと濃い二酸化炭素が必要だ。グリーンハウスエフェクトというが、文字通り温室栽培においてオランダなどでは二酸化炭素を農家に販売するビジネスがあるほどだ。

    気候が安定的なものであるとする前提は完全なる誤りだ。
    気温が安定的であったことなどほんのこの数十年ですらないことで人類史でも比較的珍しいことだと思う。

    数百年

    世界最古の気象観測の継続的データは、実は日本で見ることができる。
    長野県諏訪湖の御神渡り(湖面が氷結することで、湖面が割れ神様が通った道のようになる)の観測データだ。


    諏訪湖の御神渡り 米山啓一

    1440年頃から、律儀に記録された御神渡りの記録は、その当時の最低気温を類推することができる貴重なデータだ。1400年頃は今よりも寒く、1900年は暖かな時代であったことがわかる。
    その他、和歌や日記など、24節季と梅の花などの開花時期などからも当時の気温は予測できる。平安時代などの十二単衣を着て着ぶくれしていた頃は今よりももっと寒かったであろうと考えられている。

    数千年

    湖底に沈んだドロに含まれる花粉や、氷床コアなどに含まれる大気組成、発掘された土器に含まれる植物オパールなどからその当時の気候が推測される。今では年単位で特定が進むようになってきたそうだ。

    1万数千年続いた縄文時代。この時間スケールでみると氷河期と縄文大海進が進んだ時期を含み、気温変化が激しかったことがわかる。縄文海進の頃は今より海水面が7メートル高かったし、逆に、100メートルほど海水面が下がった時期もあった。

    そんな縄文時代の1万年でさえ、古気候の分野で言うと比較的安定的な気候であったことが知られている。
    それより前の1万~12万年前は、わずか50年ぐらいで年の平均気温が10度ぐらい変わる短周期気候変動(ダンスガード・オシュガーサイクル)などもあった。そんな時ですら人類は生息していたのだ。


    佐藤 宏之「日本列島の人類文化の起源」ー高校生のための東京大学オープンキャンパス2017 模擬講義

    原生人類がこの数万年で農耕ができるようになったのは単に気候が安定したからだとも言える。

    数万年

    鬼界や十和田、阿蘇のように10万年に一度ぐらい、地球は破局的な噴火を繰り返す。噴煙が地球全体を覆い数年間の急激な気温低下が発生し、地上に生物の大量絶滅をもたらす。7万年前のトバカタストロフィのときは人類もほとんど絶滅しかけた。

    地球は万年単位のスケールでみれば激しく活動しているのだ。
    地球の地軸はコマの軸がゆれるように25,000年周期で動いている。北極の軸が変わるのだから、当然今の気候とは変わる。エジプトでピラミッドを作っていたり、メソポタミアやインダス文明が栄えた頃、その地域は温暖で緑が豊富な地域だった。青森の三内丸山遺跡で栗を育てられたのは、地球全体ただ単に温暖だったからではない。

    数十万年、数百万年、億年

    数十万年単位にまで広げると、数十万年サイクルで訪れる地磁気の低下による本格的氷河期の到来を考えなければならない。また地球にエネルギーを降り注ぐ唯一の存在である太陽活動のきまぐれに遭遇する確率が高くなってくる。億年単位になると地球に天文学的単位の偶然による他の天体の衝突や、他の系外からの宇宙性放射バーストなどの影響が確率的に考えなくてはいけなくなってくる。
    ジャニベコフ効果のように、地球がくるっとポールシフトしてしまう事だって、まあ無いこともないだろう。そんときはそんときだ。こんな感じで地球がくるっと回るんだろうな。

    恐怖の存在

    ジュラシックパークや、ER緊急救命室を書いたSF作家、マイケル・クライトンが書いた2004年の小説『恐怖の存在』は、疑似科学に政治が絡んだエコテロリズムの存在を描いており、まさに今現在地球的な政治的ムーブメントを描写している。

    今年は、二酸化炭素をからめて、ちょいとスマートアグリやらなにやらをやろうと思っています。
    興味ある人いたら声かけてね。

    その他、参考

    https://anond.hatelabo.jp/20071021175310

    氷河期から未来まで …「湖底の泥」で気候変動の謎を解き明かせ!
    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66089