ノロ対策としてのマスク


料理人にマスクは有用→わかる
ノロ対策で手洗いは有用→わかる
ノロはお口からも出る→わかる
ノロ対策でマスクは有用→わからん。感染してるぞ、そんな装備で大丈夫か?

タイムラインでのやりとり見て思わず横レスしちゃったので、反省してブログにまとめておきます。

料理人にマスクは有効

人の口腔内は、身体において出口についで雑菌が多い部位なので「菌」が料理につかないようにするマスクは有用です。

「菌」は、栄養があるところにつくと自己増殖をして数が増える生き物です。
料理をして火が入った直後が最小で、そこらから時間経過で親子孫ひ孫と倍々ばいばいんっと増えていくので、その菌の中に有害な菌が混じってると食中毒などの危険も増していくわけですね。

なので、調理から食べるまで数時間がみこまれる給食やお弁当では、菌を食材に「つけない」ための対策、マスクや手袋、帽子なんかが重要になります。

逆に調理後すぐ食べる家庭での料理や飲食店の場合、人間の口腔由来の菌がつくことによる食中毒の危険性はほぼ無視できるので、マスクなどの有用性は下がります。

それよりは、
ヒトの口腔由来ではない、非加熱食材の菌が料理につかないようにすることや、
しっかり火を通して混じった菌を「ころす」ことがより重要です。

保温や冷蔵などもありますが、これは菌を「ふやさない」ための対策ですね。
「つけない」「ころす」「ふやさない」が菌による食中毒の基本対策です。

菌とウイルスの違い

さて、ここで食中毒としても名高いノロウイルスですが、これはウイルスです。
菌は生き物ですが、ウイルスは生物と石ころなんかの無機物の中間ぐらいのなにかです。
ウイルスと呼ばれています。中国語だと病毒。漢字のほうがイメージしやすいでしょうか?

ウイルスが生物に分類されないのは、自己増殖しないからです。
生物(宿主)の生体活動にタダ乗りして増殖します。しますという自発性があるもののようですが、振る舞いは砂埃のようなものです。うっかりウイルスを取り込んだ細胞が、間違ってウイルスのほうを増やしちまって、んー、パニック!パニック!みたいな感じでしょうか。

なので自己増殖できないウイルスは、料理についたとて増えません。
料理は生命活動をしていないからです。

ウイルスがもし、料理に「ついてしまった」としても、食中毒のリスクは、
菌とは逆に、料理直後(付着直後)が最大でそのあと時間と伴に減少します。

ウイルスは、生き物ではないので生物学的にはウイルスが死ぬとかいう表現はしません。
不活とか失活化したと表現します。生きていないので殺せもしない。
壊れる、壊れたという表現のほうが近いです。
水に濡れたから壊れた、乾燥して壊れた、光にあたったから壊れた、それくらいのものです。

ですが、そんなものでも、短い時間で完全に不活化しようとする場合、紫外線をあてたり、アルコールや、次亜塩素酸などの消毒対応が必要になりますし、もし、それが細胞内に入ってしてしまったら免疫が感染細胞ごと破壊したりと厄介なことになります。感染した細胞は、そのウイルスを複製して放出して、近くの健康な細胞にも感染するので、ん~厄介厄介。

ウイルス対策としての手洗い

ノロウイルスは人間の場合、主に腸管(小腸)の細胞に感染し増殖します。
なので病状としては、嘔吐や下痢のような症状に現れます。
コロナウイルスの場合、上気道の細胞に主に感染するので咽頭痛や、咳などの呼吸器疾患ですね。

で、なぜ手洗いが有用かを説明すると、感染者がなんらかの形で放出したウイルスを健常者が消化吸収系まで取り込まずに済む可能性があるからです。

なんらかの理由で付着したウイルスが細胞に取り込まれる、これが感染成立です。

手から口→胃→腸で腸の細胞に取り込まれて感染なので、手や皮膚の細胞の表面についたぐらいの段階では、まだ細胞内には取り込まれていないので感染はまだ成立していません。
手で栄養吸収したり、呼吸をしたりする人間の方はあまりいないと思うので、手は洗い流せればえんがちょバリアセーフなわけです。

ノロウイルスに感染した二枚貝を料理人が手で触ったぐらいでは、料理人には感染は成立しません。
手洗いは、非感染者を非感染者のままでいさせるための主要な手段になります。

ウイルス対策としてのマスク

で、元ネタ。
たぶんですが、ノロウイルスが唾液腺からも確認されたというニュースを見て、ノロウイルス対策としてマスクが必要だという発想になったのだと推測します。
ですが、ウイルスが主要経路以外で感染能をもったまま他の細胞からみつかるのはままあることです。

そしてなにより、腸で増えたウイルスが口から出るのはそんなに驚くべきことのほどでもありません。生物の基本構造は腸と入口出口であとは付属パーツで、口から腸までは一本の管。そりゃ口からも普通に出でます。
おならを我慢したら、血液から吸収されて肺にまわって口から出たり、汗腺に回って体臭になるみたいなものです。

正直、今回の新型コロナ騒動まではウイルス対策としてはサージカルマスク程度では効果がないものだとおもっていました。ウイルスのサイズは菌の数十~数百分の1と、とても小さいので、素焼きの植木鉢を水が通り抜けるぐらいの感じで貫通します。

ですが、感染者が唾液とともに放出する唾液コロイドを捉える程度には十分細かいので、ソーシャルディスタンスな距離を2mから50cmにすることができます。感染を完全には防除することはできませんが確率を下げました。感染防止策というより、感染者数拡大防止策として抜群の効果がありましたね。水は漏れてるけど、水浸しにはならずに済んだ感じですね。

というわけで、ウイルスは細胞外で増えるものではありません。
感染した細胞をもつもののみから放出されます。

なので、ノロウイルスの食中毒対策としてマスクが意味あるケースは、マスクをしている人物が感染者であるケースです。

この時、マスクにどれほどの効果があるのか?
この答えは、今のところわかりません。あるかもしれないし、ないかもしれない。
ただ、調理人がマスクをしていたか否かぐらいでそれを食べた人が助かる確率は、今まで知られている情報からすると、かなり一か八かもしれませんね。

ウイルス力価について

細胞に感染が成立する、そのウイルス量のことをウイルス力価とか、ウイルス価、ウイルス感染価と表したりします。
ノロウイルスの場合、感染に最低限必要なウイルス価がとても少なく、ほんのわずか数十個で感染が成立するといわれています。

これはかなりつよつよなウイルスです。
つまり、ノロウイルスはマップ兵器です。大規模呪文に相当します。
キッチンに感染者に入りこまれた時点でほぼ全滅覚悟を覚悟されたし。

感染者が道端で吐いてもどしたゲロの横を通ったら、乾燥した部分が空気中にまいあがってそれが呼吸とともに口にはいって感染とか、感染者がトイレをつかって、フタを閉めずに流したらその飛沫が30分間空気中に漂っててそれを吸って感染とか、それぐらいの勢いです。
ちょっと大げさかもしれないけど、そういう実例がある程度にはそれほど大げさでもないぐらいの列伝で名を馳せているツワモノです。

うんこの匂いは臭いですよね。
なぜ物体から離れているのに匂いがわかるのでしょうか?
糞から分離したアンモニアなり、スカトールなりインドールなりな分子が空気中を漂って、鼻の嗅細胞にとりついて嗅覚神経を刺激しているから臭いと感じるわけです。
つまり、うんこが臭い範囲、そこはうんこの制空圏なわけです。
インドールの分子量(117)と、ウイルスの分子量は50KDa(分子量換算5万)ぐらいなので、500倍もかわらんわけですよ。
もし、マスクごしにうんこの匂いがわかる場合、そんな装甲はとうに抜かれているというわけです。

無いよりはあったほうがいいでしょう。
でも、そんな装備で大丈夫か?

参考

検体中のSARS-CoV-2ウイルスコピー数とウイルス力価に係る考察
www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2502-idsc/iasr-in/10133-491d01.html

新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の基礎知識
エイズ治療・研究開発センター センター長 岡 慎一
www.acc.ncgm.go.jp/pdf/SHC-COVID_20200416.pdf

ノロウイルスの不活化条件に関する調査 報告書 国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000125854.pdf


磯焼けと海苔の不作からすける除草剤の残効


有明海だの瀬戸内海だの、千葉だの各地で海苔が不作であるそうだ。わかめや昆布も大変で、海の砂漠化、”磯焼け”なんてワードもよく聞くようになってきた。

海中カメラで調査したらチヌ(クロダイ)が食い荒らしてたとか、アカモクを食い荒らしているのはイスズミだとかはたまたウニが全部食べちゃうとか。はたまた温暖化による海水温の変化が原因だなんだと騒がれている。

あのー・・・もしかして除草剤じゃね??

魚は何故減った?

先日、「魚はなぜ減った?見えない真犯人を追う (東大教授が世界に示した衝撃のエビデンス)」なる本を読んだ。

東京大学大学院新領域創成科学研究科 山室真澄教授
陸水学、沿岸海洋学、生物地球化学

この本を買ったのはこの講演動画が面白かったからだ。

「魚はなぜ減った?~見えない真犯人を追う」
www.youtube.com/watch?v=gDSlR1ZEJmE

毒舌なので講演のほうがおもしろい。本のほうはデータや引用論文が豊富。

ざーーくり要約

山室さんは閉鎖水系、汽水域の研究をしていて、30年にわたってシジミと寒さに負けずに頑張っている松岡修造で有名な島根県、宍道湖(しんじこ)を中心に調査されていた。

ネオニコチノイド系殺虫剤が日本国内で許可された1992年から、うなぎ、ワカサギ、シラウオの漁獲量の激減とともに、底生生物、オオユスリカのような節足動物、ゴカイのような環形動物、エビのような甲殻類が減っていることを見つけたという。

残留濃度は人間や魚には影響がないようにデザインされているので魚が死んで浮かぶようなことはないので気がつきにくいが、無脊椎動物にとってはそれらは十分に致命的な濃度だという。まあそのための殺虫剤ですから。餌がなくなりゃそりゃ魚も減るよねって話。

で、本の内容なのでここでは踏み込まないが、いろんなエビデンスが載ってる。海老のエビデンス!(ここでぐらいしか使えないから許して欲しい。おじさんなのだ。)

様々なデータをあげて、富栄養化も貧栄養化でも、溶存無機窒素量、化学的酸素要求量(COD)でも、湾岸改変でも農地基盤整備でも、はたまた水温変化でもねぇんじゃねぇかってさ。

で、ここからは素人の推論と仮説

長年みているyoutubeチャンネルに、ただひたすら海に潜ってただウニをわりつづけているチャンネルがある。ただ割れていくウニとそれをついばむ魚を見るのに理由が必要な人は見ることはないだろう。

大成功を収めたアカモク育成のラストにまさかの事態が起こる【アカモク育成最終回】

何年も前からただウニを叩いていたのだけど、最近とうとう砂場でのアカモクという海藻の繁茂に成功しいて、逆になんで?と思った。え、磯場のときは駄目だったのに砂場では成功できるん?っと。逆になんでなん??と。

ちゃんねる主は食欲旺盛なイスズミ(お魚の名前)の回遊路から外れたからではないからと考えているようだけれども・・・。自分の中ではあまり腑に落ちしなかった。

ヤギがいる畑で作物を育てるのは難しいが、ヤギが居ないところなら育つ。

じつに正論。

しかし、どちらかといえば海の中で育つ海藻は雑草が持つ恒常性と均衡に近い。
雑草は管理して繁殖させようとするのは難しいがヤギが食べればなくなる。ヤギがいなければ増える。

このときその地域のヤギの頭数は雑草の繁茂力と同じかそれ以下で均衡するはずである。
釣り合っている状態のことを平衡に達したという。

繁茂力が食欲が下回るとき、それはヤギにとっての飢饉なので、ヤギが移動不能(閉鎖系)である場合はヤギは減り、食料の供給率に達するまで頭数を減らすことになるだろう。
ヤギが移動可能(開放系)である場合、その地域の雑草を食い尽くしたとき移動することになるだろう。

捕食、被食関係で均衡が破れるケースは捕食側の変化、被食側の変化によるものである。
捕食者側に考えられるケースは異様繁殖などによる要求量の増大で、被食者側の場合はなんらかの理由による増殖や成長率の鈍化が考えられる。

開放系ともいえる海の中で、捕食側の食害で食い尽くされて絶えるなんてことがあろうだろうか?
バッタの蝗害みたいな群生発生と高度回遊がおきているわけでもないのに?

そして、最近それがごく短い期間でそれが全部なくなったというのを見て、やっぱり仮説を強くした。

あ、やっぱこの時期? 海藻にも除草剤の残留効果が原因じゃないのかなと。

環境水中の残留除草剤

前述の本によれば、河川、水道水中における残留除草剤の濃度は田植えが盛んな地域では5月1週目が最高濃度となっているデータがあった。

除草剤のクロルニトロフェン(CNP)は胆のうがんに繋がり、人体にも影響があるということで農薬取締法改正により改善したのかその後はよくわからんが、現代も環境水中の除草剤の濃度は5月の上旬が一番高いであろうことは容易に推測できる。

除草剤はその後も進化し、人間にとってはより安全に、そして雑草にとってはより過酷に。自然界で分解するのに効果日時も持続するようになった。

ここに日本固有の特殊事情が加わる。
日本では畑だけでなく水田が存在する。田植えは一年に一度で地域で同じ品種をつくるため、同じような時期に一気に作付けをおこなう。都会に出稼ぎにでたやつも戻って実家を手伝えというゴールデンウィークというやつだ。
結果、水田に撒かれた水溶性の除草剤や殺虫剤はそのまま河川にごく短期間高濃度で流出し海に出る。

水田に撒かれる除草剤は、初期、中期、後期と一発処理剤に分かれるそうだが、田植え後に撒かれる初期一発剤は除草剤のなかでも自然分解までの期間が長く処理後30~50日と残効期間が続く。

そりゃ30日もあれば海にも出るわな。
海に出ても除草剤の効果は損なわれない。
水田に撒く除草剤は、稲を枯らさぬように沈水植物にも効くように作られたものなのだから。

「宍道湖における沈水植物大量発生前後の水質 」

www.jstage.jst.go.jp/article/rikusui/75/2/75_99/_pdf

2006年5月から「食品中の残留する農薬等の基準に係るポジティブリスト制度」が施行されたことにより、それまで検出されたらアウトなブラックリスト方式であった残留農薬基準がこの物質がこれ以下ならいいよというホワイトリスト方式に変更された。

その結果、宍道湖のシジミからホワイトリストにない除草剤が検出されたことから、周辺農家に除草剤の使用量や使用方法の働きかけがなされ除草剤の残留濃度に大きな変化が出た。で、宍道湖の沈水植物の大量発生に繋がる。

流れ込む除草剤が減ったら藻が昔のように増えた。
流れ込む除草剤が増えれば海藻が減るというエビデンスは今のところない。

なにせ調査がないのだから。
だからこれはただの素人の仮説にすぎない。

環境水のモニタリング

残念ながら日本では環境水中の濃度に関する研究がほとんどなされていないそうだ。
先の本の中では1999までの論文で殺虫剤であるネオニコチノイドの環境水中濃度についての調査は一件もなかったと嘆かれていたが、2023現在ciniiを検索すると、近年増えてきているようなので、将来に期待である。
自分みたいなノラにも読めるオープン論文はないので、指を加えてリストを眺めるだけだ。

ネオニコチノイドやその他残留農薬は水溶性なので堆積物からの過去の調査を行うこともできないそうだ。
さらに残念なことに日本の環境モニタリングでは降雨による影響がないよう濁水を採取しないことになっているそうで、田面、水田土壌、化学物質の影響が検出されにくいのだという。されにくいというかできないんじゃ?

そりゃ駄目だよね。
東京オリンピックのときにトライアスロン会場の大腸菌が話題になったが、日本の下水道は多くがいまだ雨水合流だ。特に戦後復興を急いだ東京23区では8割が未だに合流式下水道である。
昨日の大雨で目黒川がクサイとTwitterで話題になっていたがあたりまえだ。それ本当に下水だもん。

クリックして09gouryu-kubu.pdfにアクセス

雨の量が一定レベルを超えると、下水処理施設の限界を超えるため、トイレットペーパーとかそのままに東京湾に放出される。神田川とか目黒川とか渋谷川とかのガンジス川モードだ。

そりゃ、そんな濁水をモニタリングしたら、いろんな環境基準に触れて一発アウト。知恵を絞って考えたのだろう。データがなければ大丈夫ンゴ!!って。

濁水のデータもモニタリングするべきだとは思うけど、そのお金や対策費はどうするんだってお話しになるので、みんなそっと蓋を閉じるのかもしれないね。箱のフタを開けて観測しなければ猫は死んでいるか生きているか確定しない。そのシステムは今、動いてるんだから触るんじゃねぇってね。

豊洲市場の排水ピットに長靴でばちゃばちゃ入って、ジャムの瓶に濁水くんで、アルカリ性ですだの、環境基準の何倍も出ました!!とかをやれというわけではないが、なんでこう極端から極端しかねぇんだろ。
データが貯まればいいとおもうし、濁水のデータもとったほうがいいよね。
研究者に予算つけてあげてとおもうのである。

頑張れ研究者、ネバー ギブアップ

参考・引用元

海の水質向上で神戸の「養殖ノリ」が激減? 収穫量は20年前の2割減 原因はチヌの増加か…
www.youtube.com/watch?v=S6ROO82UNgI

minorasu.basf.co.jp/80228

ci.nii.ac.jp/author/DA15881523

www.jstage.jst.go.jp/article/rikusui/75/2/75_99/_pdf


コロナウイルスについて


商店街でコロナウイルスがらみで回覧板をつくるついでで、ちょっと修正してこっちにもあげておきます。 ちなみに添付した紙(PDF)については、参考に一覧でのせておきます。
ご年配者を不安がらせちゃだめかなっとおもって載せなかったこととかはその下にかいたよ。

新型コロナウイルスについて

中小事業者への経済支援策などが出始めております。市役所などから情報がきておりますので回覧いたします。申請代理業者の営業も多いですがまずは商工会や市に確認してください。

新型コロナウイルスについては、判明している情報や情勢が刻々と変化しており、何々が効くなどといった明らかなデマも出回っております。厚生労働省や東京都特設のホームページをご確認ください。いくつかご参考に手洗いパンフレットなど印刷し添付いたします。対策の助けとしてください。原本は厚労省ホームページからダウンロードできます。

ヒトがヒトに伝染す病気です
換気の悪い密閉空間、人が密集、近距離での会話が行われるという3つの条件を重ねないようにしましょう。

・「ウイルス」と「ばい菌」は別ものです、ウイルスは感染者の細胞でのみ増えます
・咳、くしゃみ、会話などで感染者からウイルスが放出されます
・菌には殺菌除菌ですが、ウイルスはうがい手洗いで流すか消毒(不活化)します
・スギ花粉をバレーボールサイズとするとマスクはネット、ウイルスはお米粒1つの大きさ
(スギ花粉30μm、菌は数μm、コロナウイルス0.08μm)
・新型コロナウイルスも空気中で3時間、プラスティック、ステンレス表面で3日、ダンボール上で1日程度感染力をもちます。浮いて漂ってるうちに換気しましょう。
・風邪流行期の35%の原因は従来型コロナウイルスによるものです。うつらないように、うつさないようにする対策は同じです。新型はたちが悪く、まだだれも免疫をもっていないので感染連鎖に気をつける必要があります。
・感染から症状がでるまで潜伏期間が1~14日(最頻5~6日)で、感染しても8割は軽症のため気が付かず感染をひろげてしまうことがあります。冷静なご対応を。

ネットリテラシーあるヒトむけぐだぐだ追記

こっちには不確かな情報も書くよ。

マスクして、花粉の一個も防げないならウイルスをマスクで防備しようなんてお笑い草だよね。バレーボールネットでライスシャワーを防ぐようなもの。感染者がツバを飛ばさないことにこそ威力を発揮するのだからマスクは花粉症の人に融通してあげて。

感染症における人間は、スギ花粉症でいうところの杉の木。
スギ花粉症の人が杉がいっぱい生えた密室に閉じこもって、木を揺らしてる様を思い浮かべねぇ。いかに、3密を避けるべきか、換気が重要かがわかるっしょ?

ウイルスのRNAなら紫外線でも容易に壊れるので、お外に出しちゃえば感染のリスクなんてほとんどなくなる。 春だし陽気もよくなってきたし、換気しなー。花粉症にはつらいかもしれないけど。

ヒトヒト感染であるていど市中感染までいってしまえば、生物学的には封じ込めはまず無理。
ワクチン開発には短くても数年、下手したら数十年かかる。薬は効くなにかは出るかもしれないが、そもそも一本鎖RNAはとても変異がしやすい。あまり薬をつかうとすぐに薬剤耐性ついたのがでてくる。ウイルスの増殖や変異、進化は人間の細胞の比ではない。
インフルエンザワクチンを打っても別の型が出たり、毎年打たなきゃいけなかったりすることや、いまだに風邪を根絶できてないことからもわかるとおり、こういうのでパンデミックしちゃったウイルスは根絶は不可能に近い。国境封鎖して、物理学的にも生物学的にも封じ込めれば根絶できるかもしれないけれども、それでも数年はみる必要がある。しかし今回は軽症者や無自覚症状が8割にあたる。正直無理だろう。

ウイルスは宿主を殺してしまうような強毒性のものは共生に失敗している状態なので、長い目で見ると淘汰され、ウイルスとしては弱毒化するほうこうに進化する。人間にも免疫があるから普通は心配しなくていい。今回のようなぽっと出の新人が加減がわからずやらかしてしまわない限りは。

ステンレス上表面でも3日感染力を持つと書いた。だが、ウイルスなんだから保存状態がよければ数千年ぶりにミイラからとか5万年ぶりに永久凍土からでてくるなんてこともあるわけだ。

感染は連鎖する。ブタや鳥のような家畜だと、感染しているしていない、症状でてるでてないに関わらず一帯の家畜ごと殺処分して地中深くに埋めているのはこういうわけ。人間もかつての疫病のときは村ごと焼き払ったりしていた。

疫病とかを本能てきに忌避できる仕組みがあるからこそ人類は継続してきたわけだけど、本能に理性がおいつかないと世界ではアジア人差別や、感染者差別にもつながる未来は容易に見える。ウイルスより怖いことがおきる可能性はそこここにある。

NIHやNIAIDがstableと表現している、ウイルスについて生存とか翻訳して流している国内メディアは害悪でしかない。そりゃトイレットペーパーの買い占めから食料の買い占めまでおこるわ。インフォデミックスの脅威。ほんとだめ。

東京都の緊急会見で国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏いわく、

「この病気の怖さというのは、WHO(世界保健機関)が出している数字にもありますが、8割の人は本当に軽いんです。歩けて、動けて、仕事にもおそらく行けてしまう。ただ残り2割の方は確実に入院が必要で、全体の5%の方は集中治療室に入らないと助けられない。」
www.j-cast.com/2020/03/26383042.html?p=all

間質性肺炎にまでなってしまうと人工呼吸器でもなかなか血液に酸素を送り込むのが難しいそうで、子供の頃から笑わせてもらった志村けんさんが心配である。

喫煙がリスクをあげているとの不確かな情報。
また、70歳以上、これは不確かなことを書き連ねるが、日本株のBCGのワクチンのせいじゃないかとかもオーストラリアではいきなり医療従事者に臨床試験はじめたとかでてて理解がおいつかない。
菌性のBCGでなぜかラッキーなことにロシアと日本のBCGのワクチンでなにがしかの免疫を得ている可能性があるのだとか。

あとは、マスクのせいじゃないかとかいう話しもある。
マスクとウイルスのサイズ比を考えても、マスクが防疫の助けになるエビデンスはなんにもないのだけど、感染者数の増加をみるとマスクをする国とマスクをしない国では明確な感染者数増加に影響があるようだ。
ツバが飛ばないとか、上気道が保湿されるので喉や鼻が乾燥しないためウイルスが細胞に取り込めないまま胃に落ちるとかなんかいろいろ言われてるが、いまのところよくわからない。

インフルエンザのように夏になれば収まるという季節性は諦めたほうがよさげ。なぜなら温帯な湿度の高いところでも流行ってるから。

逆に、加湿器が空気中にただようエアロゾルが乾燥をするのを防ぎ感染力を長く保持しつづけるみたいなReportも見た。部屋の湿度はひくいほうがツバは漂わず、口元は湿度が高いほうがいいのか。まあ茶でも飲んでろよと紅茶屋としては押したい。

まあ、あと、なんだろうな、物流や経済がとまるのはリアルにやばそうだ。
見たことない光景になりそう。

コロナウイルスがいくら流行ったところで、一年に一回しか収穫できない米の供給量に影響がでるわけではないのだけど、山手線のように過密に過剰最適した社会において、幾人かのパニックが引き起こした遅延は、山手線全体を止めてしまうことがあるからだ。実際そうなりつつある。

家内安全、ご健勝ご多幸に。

参考

手洗い
www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf

マスクについてのお願い
www.mhlw.go.jp/content/10900000/000594878.pdf

国民の皆さまへ(予防・相談)(密を避けて外出しましょう)
www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610429.pdf

新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために – 厚生労働省
www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601720.pdf

身のまわりを清潔にしましょう
www.mhlw.go.jp/content/10900000/000614437.pdf

三鷹市:不況対策緊急資金融資あっせん制度
www.city.mitaka.lg.jp/c_service/004/004016.html

新型コロナウィルス感染症対策経営相談窓口の設置のお知らせ
www.mitaka-s.jp/shimin/20200326.html

New coronavirus stable for hours on surfaces
www.nih.gov/news-events/news-releases/new-coronavirus-stable-hours-surfaces

豪 BCGワクチン 新型コロナウイルスに有効か臨床試験へ
www3.nhk.or.jp/news/html/20200327/k10012354671000.html