ガソリン爆発、京都アニメーション、水素燃料


京アニの放火に巻き込まれた方が2ヶ月以上、経った今、また一人が亡くなられた。 先日全員快方へと報道があったばかり、また一人、才気溢れ若く前途有望なクリエイターが失われた。
深い悲しみとともに、ご冥福をお祈りします。

京アニ放火、玄関から逃げた女性死亡…死者36人に
www.yomiuri.co.jp/national/20191005-OYT1T50170/

犯行動機が「書いていた小説がパクられた」というなんとも頭を抱えてしまうものであるようだが、いまだ犯人の逮捕に至っておらず被疑者の回復を待っている状態である、言いたい事は山程あるが、犯人についてはここで私などが言っても詮無き事なので触れるのを辞めておこうと思う。

ガソリン放火

犯行の手段であるガソリンを用いた放火について。

この事件が起きるまで、実は私はガソリンはなかなか爆発しないものだと思っていた。 無知だねと思われるかもしれないが、言い訳をすると、少しだけ専門知識がある故、一周回って無知になっていた。
自分は大学の化学科を出ている。化学科を出るとガソリンスタンドの危険物取扱者の乙種4類を持っている資格の一個上の危険物を全種類取り扱える甲種の受験資格がおまけでついてくる。資格は取得していないが、その程度には可燃性危険物の危険性は知識としては持っていたつもりになっていた。

さて、なんで爆発しないと思っていたのかについてだが、ガソリンというものは、空気中の酸素と気化したガソリンである可燃性混合ガスの比率割合のレンジが非常にシビアに狭いため、濃度が一定以下でも、一定濃度以上でも爆発しない特性があるのだ。だから簡素なガソリンタンクに保管できるし、車にガソリンを入れるために蓋をあけた静電気で着火しても、ガソリンタンクに火が回り込んで吹き飛ばずに済んでいる。
素人がセルフで給油できるぐらいには、安全な危険物なのだ。

だから、たとえ車が横転して火がついても、よほどの事がないと爆発しないし、十二分の避難の時間があるものだと思っていた。実際にF1などでも消化器で消火できている。

ガソリンの爆発限界は1.1~7.6%と非常に狭い。かつ、密閉容器内で放っておくと56~79%まで気化するため、タンク内は自然と7.6%以上の濃度になるので火がタンク中にまで回りこまない。

容易に着火はするが、爆発させるには条件がある。これがガソリンの特性だ。

2003年の名古屋の立てこもり放火では、ガソリンを撒いてから着火まで3時間があった。この3時間で予混合がおきたため、着火時に爆発がおきた。・・・と考えられていた。

だが、今回はガソリンを撒いた犯行直後、みなが逃げ遅れる火災が起きた。

拡散燃焼

ガソリン爆発でないなら、では、京都アニメーションでは何が起きたのか。
ガソリンを撒き散らして火を着けた。化学的には拡散燃焼と呼ばれる現象だ。

爆発音が聞こえたとの証言もあるが、一部条件が揃ったところで、爆発がおきたかもしれないが、建物の内圧が高まって大きく吹き飛んでいないことからも、起きたのは爆発ではなく拡散燃焼からの予混合火炎であろう。

火災と、爆発では100倍ぐらい早く、発熱速度も100倍になる。
だが爆発は起きなくとも、通常の火災より素早い火炎の伝播がおきる。

ガソリンスタンドも少なくなった昨今では灯油のストーブも無くなりつつある。
ガソリンの気化がマイナス40℃で始まるのに対して灯油は44℃まで温めてあげないと火もつかない。

もし灯油を零してしまっても、すぐには火がつかないから安心して後始末ができる。・・・はずだ。
だが、その灯油でさえ、芯を使わなくても火をつける方法がある。
火炎放射器のように噴霧にしてから火をつければ拡散燃焼により素早く火炎が燃え広がる。

福知山花火大会露店爆発事故は、温めた炭酸のようにガソリン携行缶からガソリンが噴霧状に吹き出し、その先に火種があったことで被害が拡大した。

京都大学が放火火災の分析をしてくれている。

図5
5秒で螺旋階段が煙で埋まり、わずか10秒で1階は約 1218℃にもなる。
15秒で3階階段が煙で埋まり41℃、20秒で3階が255℃になる。
20秒で3階が352℃、30秒で2階上部まで煙で埋まり164℃。

今回は火災発生現場と上階まで抜ける螺旋階段をつたって煙突効果で火が上階まで登ってしまった、外部非常階段がなかったなどの建築構造物などのいくつもの不幸もあったが、なによりも、犯人はバケツにガソリンを入れて撒き散らかすことで火災延焼の速度を知ってから知らずか獲得してしまった事が最大の不幸だ。

仮設トイレでメタン爆発

仮設トイレでタバコを吸ったために爆発がおきて亡くなられたという、なんとも可哀想な事件がアメリカの方でおきた。

糞尿からメタンガス(いわゆるおならの成分)が立ち上り、これに火がつくことで爆発がおきたわけだ。
上のガソリンとメタノール(簡単にいうとメタンガスの液体)の図にもある通り、メタノールの爆発限界は6.7~36%と結構広い。(メタンガスだと5~15%?)

メタンの爆発事故は地中でメタンアーキアなどの微生物による分解の過程で生じるため、温泉ガスなどに交じることもあるので、比較的頻繁に爆発事故がおきていて、大惨事になることもある。

爆発の常識

トイレが爆発するなんて思って生活している人などほとんどいないだろう。

原発がある町で小学校時代を過ごした。
「原発ってのはとても頑丈に作っているからジャンボジェットで突っ込んでも大丈夫なんだ!!」と大人たちは言っていた。福島原発事故がおきるまで、私もそれを疑おうともしなかった。

ガソリンも爆発はなかなかしないものだ。比較的扱いやすいものだと考えていた。
もしかしたら火炎瓶闘争世代が、意図してガソリンの危険性を下の世代に教えないようにしたのかもしれないが、安全性バイアスであったのかもしれない。

例えばタワーマンションでの火災は、防炎扉でほとんど被害が十二分な消火や避難の時間は稼げる設計になっているはずだ。
だが、悪意をもってエレベーター付近で凶行に及ばれた場合、それらの安全策はどこまで機能するだろうか。それが拡散燃焼ではなく爆発だった場合は?

テロのソフトターゲット以外でもロンドンのグレンフェル・タワー火災のように、施設の老朽化とともに通常火災が深刻化するというのは十分に想定しうる未来だが、残念なことに、悲劇というのは起きてみないとそのような事が起きるなど思いもしない事ばかり。

水素燃料と水素爆発

福島原発で建屋を吹き飛ばしたのは水素爆発である。
水素は水に電気を流すだけでもつくることができる基本的な元素だ。
昨今は、燃料電池などとして期待されていて、ガソリン車の代わりに水素燃料電池の車や鉄道などが開発されている。

だが、この水素控えめに言ってもこと爆発に限ってはガソリンなどと比べるべくもない超危険物質である。

燃焼限界:水素4-75% メタン5-15%
着火:水素0.02mJ メタン0.3mJ

つまり、水素は低濃度でも高濃度でも爆発する。
静電気のパッっていう火花すら必要ない。ガソリンなどは、酸素濃度で爆発しないようコントロールできるが、水素は燃焼に酸素を必要としないのでできない。
つまり、水素がこんにちはしたら爆発までは時間の問題だ。

水素「きちゃった・・・。」

水素下限4%上限75%

水素は静電気のパッチっというのの1/10ぐらいのエネルギーで火が着く

爆発は2.67乗、威力150倍

水素燃料電池おっかねぇ

参考

2017年度「東京大学公開講座「爆発」」
ガス爆発・粉じん爆発の現象解析と防御技術
土橋律「ガス爆発・粉じん爆発の現象解析と防御技術」ー公開講座「爆発」2017
www.youtube.com/watch?v=xLpRQ5eSQZ8

2019年7月18日に京都アニメーション第1スタジオで発⽣した放火火災の分析
www.dpri.kyoto-u.ac.jp/news/12644/
www.dpri.kyoto-u.ac.jp/contents/wp-content/uploads/2019/08/Analysis-of-Kyoto-Animation-Arson-Fire_20190802-1.pdf

仮設トイレ爆発炎上で黒こげ遺体 タバコ吸ったとたんに爆発か
news.nicovideo.jp/watch/nw6007988

www3.nhk.or.jp/news/html/20190605/k10011940911000.html
燃料は水素 JR東日本 燃料電池で走る鉄道車両開発へ
2019年6月5日 4時15分
JR東日本は、燃料電池で走る鉄道車両を開発し、2020年代半ばの実用化を目指すことになりました。


与太郎さん100年未来を考える


有識者とかお偉い未来学者とかが考える100年先の未来とかは公演されてたり白書になったり本になってたりする。でも商店街のおっさんが現場で働く感覚で予想する未来予測ってあまりない気がするので書いてみることにした。きっかけは先日の三鷹でおこなわれた「100年先を見据えたまちづくりを考える」から。

想像力たくましく結論から言うと、多分人類は海洋に都市をつくってムー大陸とかアトランティスとかニライカナイとか名付けるんだと思う。・・・こう書き出すと、読むの辞められちゃいそうだけど結構真面目。でも与太話。どっちだろ。

人口推計は人類が予測しうる未来予測のなかで確度の高い予測。これをベースに100年前はどうだったのかを考えながら未来がどうなるのかを考えたい。あと、今ファクトフルネス読んでるのでちと影響うけてる。

子供

日本固有の問題ではなく東アジアでの少子化は苛烈。特に韓国、中国は日本よりその人口動態の変化速度が早い。 日本では1920年代は100人の労働人口に対して子供40人だったが現代は20人。待機児童問題などと言われるようになったが子育ての社会負担は減っている。世界でも子供の数は頭打ちになっているので、人口増加は近いうちに平衡に達するだろう。

離島性仮性知的障害のように、幼児が接触しうる人間が少ない離島や僻地だと知的発達に問題があるという研究がある。園庭がある幼稚園とない保育園ではその後の運動能力にどのような差が出るかを調べた論文とかは見つけられなかったが、園庭の状態で運動能力には差がでるという調査はあったので、それなりの影響があるだろう。ざっくりとした感想だが、ある程度子供が集まるところ、かつ、体を動かすことができる場所で育てたほうが良さそうだなという仮説が立ちそうだ。

おらが商店街は今年度は2件の保育育児施設加入があった。 保育園などが子供を遊ばせる公園はあちこちにあるし、1〜2キロも行けば井の頭公園やもっと自然に近い野川公園など巨大な公園もある。うちの街では子供の未来は明るそうだ。相乗効果でもっとよくなるだろう。フィードバック効果がありそうなので、悪いところは余計悪くなるかもしれない。

老人

うちのばーちゃんは100歳だ。100年先の未来というと途方もなく先な気がするけど齢100を前にすると大して未来でもない気がしてくるから不思議。

100人の労働人口に対して、1920年は老人10人だったのが現在は40人に増えている。2050年ごろには従属人口指数は120となる。

梅崎 昌裕「現代社会に生きる人間の生態」ー公開講座「人間は進歩しているか?」2014

10:2だったものが10:12になるということのは今までと同じやり方は維持しようもない事を意味する。解決手段は老人を老人でなくすか、掛ける人手や費用を1/3にするかである。
費用1/3については、努力とか工夫、人件費の安い国から人を入れたぐらいの伸長では達成しえない数字なので、無人化などイノベーションを起こすよりない。

単純平均ではなく、高齢者になるまで存命した人の平均を考えると現在でも女性は平均90まで生きているそうで、老齢期になってからの生活が40年もある状態だ。QOL、健康寿命を伸ばすために廉価で簡便な再生医療が開発されるだろう。強化外骨格のようなウエアラブルな補助装身具も汎用品になるかもしれない。・・・100年だとサイボーグ化とかバイオロイド化は無いと思うんだけどどうだろうね。あるか。あるかも。

労働と職業

労働は経済的価値を産まなくなる。
現在の多くの生産活動は人を介在させない無人化する方向にある。人間は居てもその人の能力に依存させないよう交換可能なモジュールとしての労働力にするよう務められている。

過去から参考する。産業革命で1ヘクタール耕すのに人類は下記のような進歩をたどった。

人間 400時間 194,000キロカロリー
畜力、牛(2頭) 65時間  31,525キロカロリー
トラクター(50馬力) 4時間   2,400キロカロリー

産業革命でこの99人は失業し、別の職業に従事できるようになった。大量生産品などの企画、製造、販売に従事だが、IT革命でこれらからも99人が失業することになるだろう。
商店街からも物売りのお店は消えていく。新規開業はそのほとんどがサービス業になっている。人間という労働力が必要な職業は、反復が少なく適時対応が必要なものだ。商売とは税務署的定義では反復継続するものなので、反復しない商売をしなければいけないという背反は経済的利潤を得にくくなることを意味する。

経済的利潤を得るためには労働資本を貨幣に変えるのではなく、金融資本に働いてもらうほうがますます高効率となるのは間違いない。個人的にはどうかと思うが、まぁ、歴史からすると然り。富める人はますます富む。まあ不健康な人はますます不健康にぐらい当たり前の事ですな。行動をあらためるか生活習慣をあらためるかぐらいの話。

通貨

ブロックチェーンとかがもてはやされてるけど今はまだ未熟で未完成なものに見える。と言っても、貨幣経済の歴史を振り返っても、金本位制から抜けて、現在のマネタリーベースとかの世界的な積み上がりを見ると、ここらへんもう制度疲労だよね。

企業価値を評価する手法がある。同じように社会資本や教育資本など、いままで貨幣経済のものさしの上にのってこなかったものをバリエーションする方法が開発されるだろう。ブロックチェーンみたいなピア方向の評価によるものなのではないか。お金では買えないものなんだよ!っていう思い、将来はもっとふわっとせずに他人に伝えることができるようになるかもね。

例えば価格があってないような美術芸術品などは、現在取引発生時に競りによる貨幣評価が行われているが、これが貨幣に兌換する必要がなくなる可能性がある。
トレーディングカードゲームなどで、一度中古販売店に売って金にしてから別のカードを書い直すより、カード同士で交換されたほうが、価値の毀損がないよね。貨幣という共通利便性と分散と信用の変化は大きくあるとおもう。

国家観

自由貿易を取り入れた共産主義や、監視統制をひきたがる資本主義など、お互いがいいところ取りで発展していくのであれば、国際間の通貨制度のアップデートと同じようなタイミングで、なにかしらの全球的なシステムが導入されるかもしれない。

イデオロギーの問題もあり、もし世界的な移行がおきても日本やその他先進国ではその移行は遅行するかもしれないが中堅国が牽引してくれることだろう。シンガポールポジション。EUやTPP、ASEAN経済共同体のように、貿易経済圏ができて、国家間の衝突も避けられるようになれば、国という枠組みは、市や県や州といった地方自治組織の一つのレイヤーとなりうる。日本も一律悉皆的に地形も人口密集度も産業も違う地域に同じシステムをデプロイするのは非効率だ。憲法のアップデートよりもハードごと替えた方が早いってなるかもね。

法律

日本の法律は目的が1条一項に書かれてたり書かれてなかったり、修正修正のバッチだらけだったり、改修も100年単位でできていなかったりする。動いているんだから触るな状態。法律もコードと言うが、同じコードでもプログラミングで言ったらコーディング規約すらない糞コード集だ。

運用でカバーされてたり、バッドハックや判例法などで動いてしまっている面も多くあり、こういう大規模システムはシステム開発に習えばぶっちゃけ更新できない。できるわけがない。憲法はこれらの最上位にある基底OSのようなもので、俺の感覚では更新できたとしても小手先の表現だけで、リファクタリングすら困難なのではないかと思う。小さい改変でも影響範囲がでかすぎるのだ。
明治維新みたいに既存のシステムをディストラプトして更新なんて荒療治をせずに、ソフトランディングさせようとするなら、システムの並行稼動をするよりないと思う。それは、特区制度のような部分的なものぐらいが精々かもしれないが、動かしたこともないシステムをローンチするよりは混乱がなくてすむ。

江戸時代の北町奉行所、南町奉行所みたいに最初から輪番制にしておいて、システムを冗長化しておいて並行稼動させておけば、アップデートも簡単なのにね。現在法律はその国の自然言語で書かれているけど、これはコンピューター、ことAIには判読させづらいから、100年内には論理記述に変わると思う。裁判官の仕事も変わるだろう。

移動・流通

おらが商店街はちいさい病院が多く遠方から年寄りがくるのが大変だからミニバスを通してくれと先生がたが息巻いている。健康な人だとバス停行くより歩いて駅とかまで行ったほうが早いぐらい路線バスのバス停離れてるんだ。ミニバスも通ってるんだけど、なぜか路線バスと同じ路線を通ってるらしく意味がない状態。行政はめんどくさいから変えたくないのもわかる。文句もでるだろうしね。

でも、100年先を考えたら自動運転さすがに来てるよね?
幹線道路と生活道路を明確にわけて、車両侵入禁止にする道路とかを法律で区分の準備はもうしないと数十年先にも間に合わないんじゃないかと思う。パーソナルモビリティももしかしたらドローンタクシーみたいに空を飛ぶようになるかもしれない。そうなってくると落下したときのために、電線の上にネットを貼ってこの上を飛びましょうとか、そういう既存インフラの再利用がなされると思う。これも日本は世界から15年ぐらいは遅行しそうだ。 できれば一部都市だけでも先行してがんばってもらいたい。がんばれよ!

化学

これから100年先、いや30年ぐらいかな?もっとも変化が激しいのは化学合成の世界だと思う。 今まで五里霧中の試行錯誤であったものが、莫大な演算力の獲得で力技によるシミュレーションができるようになる。試行錯誤速度の爆速化はこれは創薬や有機合成、素材化学のような分野に効いてくるだけでなく、いままで巨大化してきた化学プラントのような製造の現場にも効いてくる。この業界におきることはかつて鉄鋼や造船といった業界に起きた小型化、モジュール化が待っているのだ。

例えば今まで化学肥料などの製造に必要な窒素固定は膨大なエネルギーが必要であった。これに耐えうる構造のために湾岸部に巨大な工場を作らざるを得なかったが、小屋サイズでそれらが一気通貫に製造できるとなれば、消費地生産が可能となる。これはかつて街が炭鉱で賑わったというような、都市構造変化をもたらすだろう。

生物

再生医療のようなわかりやすいものだけでない。
生物の中には、深海の熱水鉱床という数百度の温度で活動する細菌などがいる。熱水で壊れない蛋白と、水素原子1個で動くような生体モーターをもっているわけだ。鋼鉄より硬い蛋白を合成する生き物もいるし人類が研究室レベルですら中間体も合成できない薬効成分を持った植物もある。これらが遺伝子解析により合成できるようになる、バイオプラントが実現する公算は高い。
メタンガスを発生させるメタンアーキアや、石油を作る藻類のオーランチオキトリウムなど、生物による炭素固定ももっと種類の研究や、高効率株の分離などがおこなわれるようになるだろう。 トンボの羽の風を捉える能力とか梟などの風切り羽の静音性とかバイオミメティクスは、工業、医療などの産業にも基礎的なアプローチになる。

物理

自然界にある4つの力のうち何故か重力だけが距離による減衰がない。そのため宇宙は力としては弱い重力によって支配されている。アインシュタインは一般相対性理論に宇宙定数をぶっこみまたそれを後悔したりと迷走しているが、現代になり超弦理論や重力波、ニュートリノ、ダークエネルギーあたりの研究がすすめばなにかここらへんで解決できる説明ができるようになるかもしれない。この分野よみきれない。
量子テレポーテーション、量子のもつれとかをつかって光速を超える通信が可能になったり、もしかしたらもしかしたら次元情報伝送とか、4次元ポケットとかつくれるようになるかもしんない。なれ!なったらいいな。

飛行機・船

飛行機が飛んだのが115年前。その頃の飛行機による死亡事故数はとてつもなく多かった。現在の飛行機の事故による死者は鉄道よりも少ない。

飛行機や大型輸送で問題になるのは騒音問題であるが、エネルギーが音に変わって漏れていることにほかならず、それだけエネルギーを無駄にしているということを意味する。
化学プラントが巨大になる原因と同じものがここにはある。流体は流速と流体の粘度、またそれとこすれる表面摩擦係数によって、乱流になるか層流になるかが決まる。レイノルズ数2100(だっけ?)を越えると乱流になってしまって渦巻いちゃってどう流れるかわからなくなるので、管幅を広く、ゆっくり流さなければいけない。これが巨大化や製造効率にも影響してきた。

電車もとんがった流線型のモデルになってきているが、これも高速になればなるほど空気と表面部分の摩擦係数で、進行体の周りに乱流(渦)が生じて騒音になったりエネルギーロスになってしまうからだ。
流体が乱流になってしまうと複雑系になってしまうので化学工学ではとてもじゃないけど計算ができない。できなかった。だけれども量子コンピューターほどまでに演算力があがれば、正確な計算はできなくとも、確率的にこう流れるはずというシミュレーションはガシガシできるようになる。

それが意味するところは、飛行機のジェットエンジンが回すタービンのプロペラの風切り音なども、どんどん無駄なく静音性を増すということだ。100年内に飛行機はひゅんひゅんとUFOのように飛ぶだろう。

船も航行のエネルギーが少なくて済むようになる。複雑に流れる風をコンピューター制御で捉えてその推力を正確に計算できれば、最新の船は実は帆船になるという未来すらあり得る。そうしたらそうだな・・・、海賊王に俺はなる!

自然脅威

地球温暖化は世界的な懸案事項だ。IPCCなんかが驚異を話しあったりしているが自分はちと疑問を覚える。エネルギー消費の無駄をなくしましょうという理念には共感を覚えるが、地球の気候を人間がコントロールできるとは思わないほうがよい。というのもなによりもでかい地球の気候変動の主ファクターは人類ではなく地球、そしてなにより太陽だからだ。

地球の歴史過去300年ぐらいは比較的気候が安定していたが、その300年間でさえ、浅間山や富士山の噴火による天候不順による飢饉はおきている。その前はマウンダー極小期でもっと寒い。寒すぎたおかげで大航海時代や産業革命がおきた。

それよりもっと昔。縄文期より前になると、50年ぐらいで年平均気温が10度ぐらい変わるダンスガード・オシュガー・サイクル(短周期気候変動)になる。50年で10度もの平均気温の変化があった。これじゃ果樹業や林業もままならないよね。人類の大移動は気候変動により発生している。

地球の気候が安定して温暖なのは地球の歴史上は珍しいことであり、その中でも特に安定したこの300年間ぐらい。人類はこのわずかな間隙を縫ってよくもここまで進歩できたものだと関心する。

アメリカさんなぞは進化論すら未だ否定されてしまうので紀元前の話しなぞ無視されてしまってもしょうがないのだが、日本の方は冷静に思い出してほしい。次の100年で地球の平均気温が3度上昇する?まじで?10度上がったら?10度下がったら?
5000年前の縄文大海進の頃、海水面は平均で7メートル上だった。それより前は100メートルも低かったが、どちらもほんのこの1万年の間の出来事である。

日本の都市計画、そんなに局所集中で大丈夫かと思う。約7,300年前に噴火した鬼界アカホヤ火山は九州の縄文文明を全滅に追いやった。約75,000年前のトバ・カタストロフで人類はほぼ数千人という絶滅の縁にまで追いやった。30万年単位の破局噴火まで100年先のタイムスパンで考慮しろとは言わないけど、あと100年もあれば3年ぐらいは人類を飢饉においやる天候不順をもたらす規模の噴火はおきるし、想定はしておいたほうがいい。

海洋進出

経営戦略では経営資源に近いロケーションが競争の源泉になるという。ここでいう経営資源は、販売業であればお客さんであったり、労働資源であったり、生産業であれば原材料やエネルギーへのアクセスである。

はたして次の100年、資源になりうるものはなんであろうか?
かつて空気からパンを作るといわれた窒素固定の技術は、ここに来て大きな変化のタイミングを迎えようとしている。窒素固定も炭素固定も小さいモジュールでおこなえるようになる未来を考えると、資源となりうるのは水や空気、そして太陽光である。その他は地球にほぼ無尽蔵にある元素だ。あとは半導体やバッテリー、太陽光発電などでいくらかの希少元素が必要となる。

これらを解決するロケーションは海洋上である。海底にはコバルトリッチクラストやマンガンノジュールがあるし、素材科学の進歩で鋼鉄以上の強度と経年耐性を持ったバイオプラスチックがつくれるようになれば浮かぶ高層ビルと呼ばれる豪華客船よりも安定なメガフロートを安価に建造できるようになるかもしれない。まさに浮く大陸が技術革新の如何によっては最もロケーション優位になりうる地点だと思う。

宇宙進出

海とくれば宇宙か。 宇宙への実験的移住はあるかもしれないけど、適地生存しようとしたら熱帯で進化したホモ・サピエンスの遺伝子情報は大幅に編集する必要がある。それはもう遺伝的には人類とは別種なので、考えるのをやめた案件。

あれこれ参考

梅崎 昌裕「現代社会に生きる人間の生態」ー公開講座「人間は進歩しているか?」2014
youtu.be/BfoW4Pi0Ekg

鎌田 実「超高齢社会に向けて変わらないといけないこと」ー公開講座「変わる/変える」2013
youtu.be/t4Q_nawaya8


鬼界カルデラ活性化



日本の人口はおよそ1億2千万人である。そのうち1億人が死んでしまうような破局噴火の可能性がある火山がこの狭い日本に少なくとも4つある。そのうち2つの阿蘇と鬼界カルデラが活性化している。

おおよそ十万年単位でウルトラプリニー式の破局噴火がおきる。それよりも小規模なプリニー式の噴火は日本の過去12万年で10回おきている。さらにそれより小規模の破局噴火は数百年から数千年単位でおこっている。カルデラ破局噴火で予期される死者数の期待値は毎年507人、100年で5万人であるそうだ。これは地震や津波とくらべて決して低くはない数であるが時間軸が人間の寿命よりはるかに長いため軽視されがちである。

  • 1707 宝永の大地震(南海トラフ)
  • 1707 富士山宝永大噴火 VEI5 ← プリニー式
  • 1783 浅間山大噴火 VEI4

千年万年という時間軸で活動している地球にとって10年や100年などは誤差の範囲。どちらも45億歳の地球からみればほぼ同時の出来事である。マグニチュード8以上が予想される南海トラフ巨大地震では日本の人口の6割が被災すると言われている。あと百年もまたずにくるだろう。便意のようなもので、いつくるかはわからないが地球の生理的にこない可能性はむしろ考えなくてもいいぐらいだ。

で、地震がくれば、噴火もくる。大規模な地震がくれば、他の地殻も動く。大規模な噴火もくる。プレートテクトニクスやマグマがあがってくるホットプルームは地震よりさらに長いタイムスケールであるため、数千年数万年の誤差があるかもしれないが地震がおきる箇所ではいずれ噴火もおきる抱き合わせセット販売品である。

 

噴火VEIについて

ここで、通常の噴火と破局噴火について規模の違いを説明しておく。

プリニー式噴火というものは噴火するときに、勢い余って山体をふっ飛ばす威勢のいいやつだ。

ウルトラプリニー式になると、噴出物が数年間ものあいだ地球を覆い地上に太陽光が地表に届かなくなるため、規模によってはほとんどの動植物が死ぬ。文明の崩壊どころか種の大量絶滅をもたらす。1万年しか文明を構成していないとされる人類には未知の領域であるが、地球の歴史を振り返ると何度となくあったことなので充分想定しうるものである。

 
地震のマグニチュードのように噴火にもVEIがある。
噴出物の量をスケールしたものでVEIが1あがるごとに噴出量は10倍になる。

火山爆発指数

ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%B1%B1%E7%88%86%E7%99%BA%E6%8C%87%E6%95%B0

 
maps.ngdc.noaa.gov/viewers/hazards/

 

  • 2000年 三宅島 VEI2
  • 2014年 御嶽山 VEI3
  • 1933年 口永良部島 VEI4
  • 1663年 北海道有珠山 VEI5
  • -4350年 喜界島 VEI7

1990年 フィリピン バギオ大地震 マグニチュード7.8

1991年 フィリピン ピナトゥボ大噴火 VEI6

 

このときの噴火では北半球の平均気温が0.5度低下した。

ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%8A%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%9C%E5%B1%B1
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%B1%B1%E3%81%AE%E5%86%AC

 

トバ・カタストロフ理論
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%95%E7%90%86%E8%AB%96

7万5000年前のトバ火山の折には平均気温が5度低下し、6000年間劇的な寒冷化が続き氷河期に突入した。
人類はこのとき1万組まで減少した。

 

阿蘇山の活性化

2016年10月8日阿蘇山、中岳第1火口で爆発的噴火をして、兵庫まで広く降灰した。
www.asahi.com/articles/ASJB80J85JB7ULZU00Y.html

阿蘇山、中岳第1火口で爆発的噴火 兵庫まで広く降灰か 2016年10月8日05時39分
www.asahi.com/articles/ASJB80J85JB7ULZU00Y.html

 

阿蘇火山中岳の噴火情報 [2016年10月8日]
www.gsj.jp/hazards/volcano/aso/index.html

比較的大規模な噴火ではあるが通常の噴火である。
阿蘇山が破局噴火をした際には九州が火の海に沈み火砕流が海を超えて山口県にまで達した。


gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/aso/fig/fig4-1p.html
gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/index.html

 

この火砕流がない中央の部分がカルデラ(火口)である。
通常の噴火と規模の違いがみてとれると思う。現在では火口に街がある。

  • Aso1 : 約26.6万年前[8]、噴出量 32 DRE km3[9]。
  • Aso2 : 約14.1万年前[8]、噴出量 32 DRE km3[9]。
  • Aso3 : 約13万年前[10]、噴出量 96 DRE km3[9]。
  • Aso4 : 約9万年前、噴出量 384 DRE km3[9]。

ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E8%98%87%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%A9

阿蘇山 有史以降の火山活動
www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/fukuoka/503_Asosan/503_history.html

 

鬼界カルデラの活性化

活性化しだしたのは阿蘇山だけではなかったようだ。

九州南方海底に活動的マグマ 神戸大が確認
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161119-00000001-kobenext-sctch
〔副振動〕鹿児島県の沿岸で顕著な海面昇降 船舶などへの被害に注意(11/27) 11月27日 20:00
news.goo.ne.jp/article/rescuenow/nation/rescuenow-00000005095698.html

実際に観測された潮位をみてみると、ちょっとした津波並の潮位変動が観測されている。

気象庁:ホーム > 防災情報 > 潮位観測情報
www.jma.go.jp/jp/choi/index.html?areaCode=215
九州地方南部および奄美地方

 

鬼界(きかい)カルデラが約7千年前、破局噴火をした際には火砕流が海の上を走り、九州の南部にまで到達した。

紀元前-4350年 VEI7規模


海の中に没しているので見えないが、硫黄島や竹島がカルデラの縁(ふち)である。
完新世(約 1 万年前以降)における地球上で最大の噴火をしてくれちゃった比較的最近の若者だ。

 

 

南九州からトカラ列島のカルデラ群


www.eri.u-tokyo.ac.jp/people/fmaeno/Kagaku_201401_Maeno.pdf

鹿児島 トカラ列島近海で地震相次ぐ 12月8日 21時09分
www3.nhk.or.jp/news/html/20161208/k10010800201000.html
「広域的な火山防災対策に係る検討会」 (第1回)【大規模火山災害とは】
www.bousai.go.jp/kazan/kouikibousai/pdf/20120803siryo2.pdf


姶良カルデラ(あいら)


ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%B6%E8%89%AF%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%A9

 

カルデラの規模って凄いよね。鹿児島の桜島はいまも活発な活火山だけれども、あれもカルデラ火山の辺縁。

世界で50万都市が活火山の近傍にあるのは世界広しといえども日本だけらしいよ。

日本って地殻変動のフロンティア。非常に興味深いですね。

 

 

参考

現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価
早川由紀夫(群馬大学教育学部)
www.hayakawayukio.jp/bosai/hakyoku/hakyoku.htm
日本列島では数千年に1回,全地球では数百年に1回の頻度で,文明を滅ぼすようなカルデラ破局噴火が起こる
カルデラ破局噴火のリスク期待値が毎年507人であることがわかる.100年あたり5万人
カルデラの一覧 (日本)
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%A9%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7_(%E6%97%A5%E6%9C%AC)

 

南海トラフ巨大地震の被害想定項目及び手法の概要
~ライフライン被害、交通施設被害、被害額など~ 資料4
中央防災会議 防災対策推進検討会議
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ
www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg/pdf/20130318_shiryo4.pdf

 
スミソニアン博物館の地震とか噴火の地図

How Earthquakes and Volcanoes Reveal the Beating Heart of the Planet


CSVでデータダウンロードできる。
VIEデータなし。緯度経度、山の標高、写真、最終噴火年などの情報あり。
有名な噴火のリスト
dyna.geo.kyushu-u.ac.jp/~yoshida/japanese/science-notes/volcanoes/famous-eruptions.html
Mapping the largest Holocene Volcanic Eruptions
scottyhq.github.io/blog/2014/02/08/mapping-volcanic-eruptions/
Interactive Map of Active Volcanoes and recent Earthquakes world-wide
earthquakes.volcanodiscovery.com/