カテゴリー: 国際

  • 相互関税と国家と国際企業群

    ぶっ壊れな昨今いかがお過ごしですか。春うららで桜がきれいですね。

    アメリカ・トランプ大統領が日本時間の5日午後1時すぎに、すべての国や地域を対象に一律で10%の関税を課す措置を発動し世界に激震が走っています。日本には、日本時間の9日午後1時すぎから24%の関税が課されます。日本は来週にも電話会談できたらいいなーぐらいのおおらかな対応をしていますが、お花見で忙しいのでしょうがないですね。

    アメリカの相互関税をどう考えたらいいのでしょうか。
    日本という国からみれば、自縄自縛をしているようにしか見えません。大丈夫かいなと思うんですが、日本の最大の取引相手である以上、その影響は甚大です。

    いったい何を考えているのでしょうか?
    ありもしない理屈を探るだけになるかもしれませんが、なんとかにも3分の理などともいいますので理屈を考えてみましょう。

    ・マッドマン戦略
    ・ドアインザフェイス
    ・国家のガラポン

    ここらへんかな?

    マッドマン戦略

    「非合理的で気まぐれだと思わせ、交渉の場につかせる」戦略です。ニクソン大統領、あるいは王政の時代でもやられていた伝統のある戦略です。

    織田信長みたいに、無視できないほどの権力や武威があると、周囲は相手のきまぐれに付き合わざるを得なくなるので、無理難題に絡めて交渉を優位にすすめることや、忠誠心を量ることにも使えます。かぐや姫もやっていましたね。
    跪かせて、股をくぐらせ、靴を舐めさるようなハラスメント行為をすることで、ボスとしてマウントが取れていること、序列の喧伝にも役立ちます。程度を間違えると、謀反をおこされて火をつけられるけど・・・。
    マッドマン戦略でwikipediaを見に行くとトランプとプーチンがあげられていますが、そうれはそう。

    この戦略を取るもの同士が顔を合わせると相性が悪いですね。例えば、今回の相互関税に中国は報復関税を直ちに選択しました。最大のライバルに「交渉の場につかせる」ことに失敗していますが、その他の国はトランプ詣でを始めるので、これで世界のチーム分けをしようとしているのかもしれません。

    お猿さんも群れのボス争いのためにディスプレイという示威行為をするので、その時代からの踏み絵要求ですね。群れわけの選別が裏目論見かもしれません。

    ドアインザフェイス

    「無理難題で交渉を優位にすすめる」
    最初に相手にふっかけることで、目標とする数字を超えるやり方です。
    途上国の値段交渉なんかでもよくつかわれます。
    50ぐらいの価格かなと思ったら、最初に100で要求しないと、50にならなかったりします。
    「100でどうだ」「いや25だな」「じゃあ50で手をうとう」みたいな、あれ。

    今回もなんの根拠もない(相手国との貿易赤字を2で割ったような数字)みたいな高めの数字をとりあえずあげつらうことで、相手が根拠に基づいた数字を出してくるのでそこから交渉、調整します。
    現在5ぐらいのものを10に上げる交渉をするときに、10を最初に出したら6~7が落とし所になる可能性が高いけれども、24とか無理めの数字をあげておけば、ワンチャン12ぐらい取れるかもしれない。みたいな交渉戦略です。
    でも、相場が未成熟であることとか相手をみてやらないと、スンって席を立たれて終わりです。

    国家のガラポン

    非常に浅慮であるとするならば・・・、旧態なラストベルトの復興のためには関税をあげて保護主義を強める必要がある。よそから物が入らないのであれば自国産業が息を吹き返すと考えた。まあ、全品目関税ではそれは達し得ないんだけど、そこは後から交渉していけばよいので、まずはふっかけた。

    んー。だとしても怖いけどね。
    そうじゃない遠謀深慮なパターンも考えよう。
    そもそも関税をあげることにどれだけの意味があるのか?
    現在4~5%程度の輸入関税を大幅にあげたところで、予見されるのは急激な物価上昇で、苦しむのは自国民。

    かつての固定為替、貿易戦争時代ならいざ知らず、現代は現地生産に切り替えがすんでおり、二国間のEPA/FTA(自由貿易協定)、TPP(環太平洋自由貿易協定)、EUCU(欧州連合関税同盟)みたいに国家間の関税をなくすのがトレンド。いまさら関税をあげてもね?と首をひねらざるを得ない。

    歴史をたどる。
    アメリカで相互関税の大規模な引き上げは南北戦争の要因となった1828年と世界恐慌中の1930年。
    つまり、アメリカは戦時モードに切り替えるべく物流に制限をかけた。

    実際、この数年で失われた人口や経済を見ても、数十年後に、この数年は第三次世界大戦中だったと定義されていても驚かないぐらいのダメージがある。

    南北戦争は南北で発生したが、海運が主の自由貿易経済下では、経済格差は沿岸部と内陸部で発生する。これはアメリカや中国でもそう。共和党と民主党の支持基盤図の変遷を見てもうかがえる。政党指示が裕福度を表すものではないが、まあ、多分代替変数ぐらいにはなるっしょ。

    House elections 2018

    House elections 2020

    House elections 2022

    House elections 2024
    https://en.wikipedia.org/wiki/2024_United_States_elections#/media/File:US_House_2024.svg

    湾岸部かそうでないかは、ロジスティクスの観点で拭い難い経済格差につながる。
    内陸部は鉱物資源や、農作物などの供給資源地にはなりうるが、先進国の労働法制、環境規制、流通コストを鑑み、他国からの輸入を比較優位で上回ることは難しい。

    国家は土地に縛られるが、人や企業はそうではない。
    さらに悪いことに、昨今付加価値を生んでいるのは、金融など、より無形のサービス企業郡だ。
    アップル税やアマゾン税、ネットフリックス税などと揶揄される通り、圧倒的な資本力を持つグローバル企業は、国家の課税にも似た徴税行為がおこなえるが、国家は逆にこれらの企業に適切な課税を行う方策がなくなってきている。

    従業員もどこにいてもよい、登記上の本社などケイマン諸島のようなタックスヘイブンにおけばいい。売上に課税しようにも、ポイントなど法定通貨を経由しないまま価値交換がなされる。これに課税することは困難だ。
    溜め込んだ資産に課税するにも、株の等価交換などで簡単に出ていくし、美術品でフリーポートだし、キャピタルはフライトするし、あげくは暗号通貨なんてものまででてきた。交渉相手は国家ではなくなってきた。

    だけれども、人は品質のよいものが多く、安く手に入る湾岸部に集まる。
    つまり、国家が国際企業群や高等遊民に対してマウントを取ろうと思ったら、物の動きに制限をかける関税をかけるという選択肢で自縄自縛が選択肢にあがったのではないかと、下衆の勘繰りをいたすのでございます。

    ま、何考えてるのか、わからんよ。

    参考

    狂人理論
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%82%E4%BA%BA%E7%90%86%E8%AB%96
    アメリカ合衆国第37代大統領リチャード・ニクソンの外交政策の要として広く知られる理論あるいは戦略である。ニクソンおよびニクソン政権は、東側諸国の指導者たちに大統領が非合理的で気まぐれだと思わせることに腐心した[1]。ターゲットとした国家に挑発行為をやめさせ交渉の場につかせるために、アメリカがとる行動が予測不可能であると思わせるのがこの理論の骨子であ

    https://x.com/Cathcath2424093/status/1908717331699925428
    ① 1828年「忌まわしき関税(Tariff of Abominations)」
    •大統領:ジョン・クインシー・アダムズ(John Quincy Adams)

    ② 1930年「スムート・ホーリー関税法(Smoot–Hawley Tariff Act)」
    •大統領:ハーバート・フーヴァー(Herbert Hoover)
    •世界恐慌の最中に成立。

    バフェット氏「トランプ政策評価」は噓 バークシャー声明
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04E0R0U5A400C2000000/

    「相互関税」にサマーズ元米財務長官「私なら抗議の辞任」、ノーベル賞・クルーグマン氏「完全に狂っている」
    https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250404-OYT1T50206/

    トランプ政権 9日に相互関税を発動の方針 世界経済への影響は
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250406/k10014771431000.html

    欧州連合関税同盟
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E9%80%A3%E5%90%88%E9%96%A2%E7%A8%8E%E5%90%8C%E7%9B%9F

  • 中国と米国の衝突がまじでやばげ

    2020年8月13日からアメリカで施行される法律がある。輸出管理改革法(ECRA)だ。
    「ファーウェイ、ZTE、ハイクビジョン、ダーファ・テクノロジー、ハイテラの中国5社製の通信・監視関連の機器やサービスを利用している企業の製品やサービスを米国政府調達機関が調達することを禁止する」というものだ。これは軍需に関わらず、どのような製品、サービスにも波累する。そして来年同日には関連取引業者、サプライチェーンにも拡大することが法律できまっている。

    つまるところ何がおこるかというと、これから1年の間にこれらの製品を自社製品作成のサプライチェーンの中で使用していないことを証明できる状態にしないと日本企業ですら米国の経済圏から締め出しをうけることになる。この動きはアメリカだけでなくイギリスやフランスなどでも発生している。ドイツだけスタンスが緩かったがこれも雲行きがあやしい。

    対共産圏輸出統制委員会「COCOM(ココム)」や、ワッセナーアレンジメント(通常兵器の輸出管理)のような厳格な対応が求められう。第二次世界大戦前夜、日本がABCD包囲網でおこなわれたかのような規模の広範な対中経済制裁だ。

    だが、日本ではこの20年で在中製造や対中貿易を事業ドメインに組み込んでしまった事業者も多く、パージが容易ではない企業も多いのが現状だ。そしてそれよりも悲劇的なことは、何がおきているのかも気がついていない会社が多いことかもしれない。

    囁かれていた2020年騒乱

    2020年には中国は台湾や南シナ海でなんらかの軍事的アクションを起こすのではないかという、きな臭い推測がかねてよりあった。現段階ではインドとの小競り合いで死者が双方数十名単位ででているが、現在中国は全方位多正面作戦を実行中だ。まさに中華的。

    背景には最近発表されたcsisのレポートにもある通り2015年からの急激な中国の景気減速、2018年から発生した米中貿易戦争にある。

    中国の公的統計情報や経済指標の発表は他の民主主義国の発表する経済指標と単純に並べて比較できないものであるが、こと貿易においては相手国の統計をもとに推測できるのである程度反面調査が効く。

    最近ベイルートで硝酸アンモニウムが爆発したが、2015年にも中国天津で同じような事故があった。肥料系の副生成物なので、 保管が不適切なまま輸出がだぶつくとこのような事故が起こりやすくなる。日本でも鉄スクラップや廃プラスティックの輸出が落ち、保管ヤードなどで火災がおきている。急速に悪化した循環不全によるものだ。

    中国には14億人もの人口がいて、内需だけでまわる。とても有望な市場だ。なんてうまい話しにほだされて中国進出した在邦企業もおおいかもしれない。
    有望な市場がそこにある、なるほど、そうかもしれない。
    だが、他方で世界の工場たる中国で作成しているのは結局のところ中間財が多く、最終財やサービスを輸出できているわけではない。最終消費地はアメリカやEUなどに依存している・・・というような事を聞いたことがあるが、真や否や。

    今はどうだろうか。
    李克強総理は、ここに来ていまさら「中国には月収3.3万円以下 困窮人口が9.6億人存在する」という驚きの発言をした。面子や体面を大事にする中国共産党指導部から困窮しています、経済格差がありますなんていう発言があるのだとしたら、なにか別の意図があるのではないかとすら勘ぐりたくもなる。

    LIBRAが話題になったときに人民元の仮想通貨を発表するなど、中国政府は基軸通貨への意欲を見せた。 おそらくここらへんが、アメリカが中国を看過できなくなったティッピング・ポイントだったのであろう。
    何がおきていたのか。オーストラリアへのサイレントインベーションにも詳しくかかれているが、この数年であらゆるチャンネルで他国への政治浸透工作が各国で露見した。いや、そんな事は前からわかりきったことだったのだけど、黙認されてきていたのが証拠固めをされることで、ファイブアイズ西側諸国はアリバイというストライクを積み上げてきたのだ。

    そしてその狼煙を嗅いで相次ぐ中国企業のアメリカ市場への上場や、米国内での5000万人におよぶ中国共産党員の関係者の米国内資産差し押さえの匂わせなど、着実に駒が動かされてきた。8月の局面が終われば、米大統領中間選挙の10月がまっている。トランプがどう動くか、どこまでやるかは正直わからないが、このままの局面を放置すればトランプにとっては厳しい選挙戦となることだろう。アメリカ経済も厳しくなるのは目にみえているのだ。第二次世界大戦でアメリカはおよそ29万人の死者を出したが、 コロナ禍ではわずか半年で16.3万人が亡くなられているのだ。

    企業が中国国内で会社をつくる場合は、共産党委員会を経営に入れなければならない。日本のような外資が現地に工場をつくったら最後、基本、資産の持ち出しや撤退はできない。
    一方で、中国国内でなんらかのほうほうで蓄財され、アメリカに不正に持ち込まれた資産は一説には3.1兆ドルにも登るとか言われている。架橋がもつ表にでてる分だけでも20兆ドルあるだとかなんだとか。

    アメリカの本気、英国の肚ギメ

    香港国家安全法により一国二制度は50年という約束を反故にされた英国は肚を決めたように見える。 属地主義を無視した域外適応、法の施行前に遡及して取り締まる遡及適用。 事態を重くみた英国が香港人に英国海外市民パスポートを発行したが、そんなものの有効性を認めないとは中国政府の弁。
    パスポートはその発行国がそれを持つ人の身分を保証するという書類だ。パスポートを無効にしたり、域外適用をすることは他国の主権を否定することに等しい。英国は空母クイーン・エリザベスをはじめとした空母打撃群をインド太平洋に展開し、日米の軍事演習に参加させることにした。

    アメリカの本気度はもっと笑えない。
    コロナウイルスによるビザ配給停止をおこなった。学生ビザを含んでいたので大きな混乱がおきたがそれすらもわざと事をおおきくするための策に見える。
    輸出管理についてはCOCOMからワッセーナーアレンジメントを4/28に一律適用し、中国系の民間企業を政府機関、外国機関として扱うようにした。中国系の私企業は設立時に必ず公としての共産党を受け入れなければならないので、完全なプライベートカンパニーというものが存在しない。だからそれは政府機関でしょというのはアメリカなりの詭弁だ。だが、事実でもあり不可分でもある。
    その対応が、180日以内におこなわなくてはならない。4月から6ヶ月というと、これも10月いっぱいでけりがつく。弾圧がどうこうのリストを作れない場合、米国内の銀行口座が凍結される。

    BLM運動の裏で暴動を煽動した・・・のはまだ建前では言ってないんだっけ? 産業スパイ活動工作の拠点になっていたとしてヒューストンの中国領事館の閉鎖を指示した。中国はカウンターで成都のアメリカ領事館を閉鎖を指示した。

    アメリカは戦争をするのに躊躇いのない国だ。大量破壊兵器があるかもしれない程度のいいがかりがつけられればいよい。「コロナが中国の研究所から漏れた」はそれらしく聞こえる。第二次世界大戦以降、軍需を経済エンジンにしてしまってらいミサイル在庫一掃処分が景気浮揚策なのはまちがいない。

    米中双方ともに核兵器大量保有大国であるため、安易な武力衝突はないかもしれないが、ロシアにやっている規模での経済制裁は展開されることであろう。

    香港ドルの米ドルペッグが終わらせ、米国に上場している中国系企業の在中国側の連結が監査できずに上場廃止においこむやもしれない。

    中国側の不正蓄財は米国や日本に流れる。日本のアングラマネーは香港やマカオ、シンガポール、フィリピンに流れる。英米を抑え、豪も締めたら、香港も口実は十分だろう。シンガポールはもとより金融立国でアジア金融危機のときから狙われていた。最後まで逃げ道として残しておいてからでもできるだろう。

    であれば、この包囲網で中国側の呼吸穴、資金の逃げ道、そして障害になりうるのは日本だ。 「China’s Influence in Japan」のレポートでもばんばん日本の親中派政治家の名前が並ぶ程度には、日本はすでに巨大な中国の影響下にすでにある。そこで効いてくるのが冒頭にあげた輸出管理改革法なのだ。


    コロナで弱った旧態大企業は、どちらにつくのかの絵踏みを迫られる。
    苛烈に、そして湧いたようにある日それは姿を現すだろう。TikTokにおきていることは明日の日本大企業にもおきうることだ。

    参考

    ファイブアイズ UKUSA協定
    https://ja.wikipedia.org/wiki/UKUSA%E5%8D%94%E5%AE%9A
    アメリカ合衆国 – アメリカ国家安全保障局(NSA)[1]
    イギリス – 政府通信本部(GCHQ)[1]
    カナダ – カナダ通信保安局(英語版)(CSEC)[1]
    オーストラリア – 参謀本部国防信号局(英語版)(DSD)[1]
    ニュージーランド – 政府通信保安局(GCSB)[1]

    Proclamation Suspending Entry of Aliens Who Present a Risk to the U.S. Labor Market Following the Coronavirus Outbreak
    https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/proclamation-suspending-entry-aliens-present-risk-u-s-labor-market-following-coronavirus-outbreak/

    中国、ロシア、ベネズエラ3国への規制 輸出管理改革法(ECRA)
    米商務省、懸念国への輸出管理規制を強化、一部パブコメも募集
    https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/05/7015fbaea6701793.html

    アメリカはどう中国を追い詰めるのか
    https://www.youtube.com/watch?v=94_qIvuRukQ

    アメリカの労働者ビザが停止され、新規の就業が不能に
    https://seattle-life.hatenablog.com/entry/2020/06/23/143515

    ワッセナー・アレンジメント第25回総会
    https://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/n_s_ne/page23_003194.html

    留学ビザ規制、中止求め提訴 米ハーバード大とMIT 2020/7/8
    https://this.kiji.is/653604289389806689

    米トランプ政権、対中政策の実施状況を報告、長期的な敵対関係を想定
    https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/05/1f6e96dcb67797a0.html

    United States Strategic Approach to the People’s Republic of China
    May 26, 2020
    https://www.whitehouse.gov/articles/united-states-strategic-approach-to-the-peoples-republic-of-china/
    https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2020/05/U.S.-Strategic-Approach-to-The-Peoples-Republic-of-China-Report-5.24v1.pdf

    米国の中国に対する戦略的アプローチ 石川幸一 2020.06.22
    http://www.world-economic-review.jp/impact/article1789.html

    China’s Influence in Japan Everywhere Yet Nowhere in Particular
    https://csis-website-prod.s3.amazonaws.com/s3fs-public/publication/200722_Stewart_GEC_FINAL_v2%20UPDATED.pdf

    独の香港との犯罪人引渡し条約停止、国際法違反と中国大使館
    https://jp.reuters.com/article/hongkong-security-germany-idJPKBN24Y01N

    香港、米国民を指名手配 国安法、外国人初適用か
    https://this.kiji.is/662258802850841697

    香港国家安全維持法 “香港市民以外も取締り対象”
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200802/k10012546081000.html

    TikTok、ウィーチャットと取引禁止 トランプ氏が大統領令
    https://www.sankei.com/world/news/200807/wor2008070027-n1.html

    Announcing the Expansion of the Clean Network to Safeguard America’s Assets
    https://www.state.gov/announcing-the-expansion-of-the-clean-network-to-safeguard-americas-assets/

    中国企業製通信・監視関連機器等の米国政府調達禁止に関する QA 風解説
    ―サプライチェーンに関わり全社的検証・検討が必要な問題―
    2020 年 8 月 7 日 CISTEC 事務局
    https://www.cistec.or.jp/service/uschina/25-20200807.pdf
    中国 5 社製の通信・監視関連の機器やサービスを利用している企業の製品やサービスを
    米国政府調達機関が調達することを禁止する
    どのような製品やサービス
    今年の 8 月 13 日から施行される
    ファーウェイ、ZTE
    ハイクビジョン、ダーファ・テクノロジー、ハイテラ
    来年(2021 年) 8 月 13 日までに、自社では中国 5 社製の通信・監視関連の機
    器・サービス利用されていない場合であっても、「“domestic concerns”である子会社又
    は親会社で利用されている場合は、自社にも政府機関との契約禁止が及ぶとする規則改
    正を行う可能性がある」

    中国には、月収3.3万円以下「困窮」人口が9.6億人存在する…
    国務院総理の李克強
    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73569
    【李克強総理】
    「中国は人口が多い発展途上国であり、中国国民1人当たりの平均年収は3万元(約45万5000円)ですが、月収1000元(約1万5150円)の人たちが6億人います。」
    月収2000元(約3万300円)以下の人口が9.64億人 13.93億 (2018年)

    香港の英国海外市民旅券、中国「有効性認めない」 習政権 中国・台湾 2020/7/23
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61887550T20C20A7PE8000/

    焦点:中国に不可欠な香港ドルペッグ制、米国と対立で存亡の危機https://jp.reuters.com/article/hongkong-dollar-peg-factbox-idJPKCN24E1CM

  • 隠されもなくなったサイレントインベイジョン

    目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画 (日本語) 単行本 – 2020/5/29

    読了。
    2018年2月、出版の本なので今更感はあるのだけど、邦訳が先日出たので読んでみた。
    出版当時、舞台となったオーストラリアを始め世界に衝撃を与え、その後の各国の対中政策にまで影響を与えた。あれから2年が経ち、ファーウェイの副会長がカナダでの電撃逮捕、米中貿易戦争が本格化、香港デモ、そしてコロナ禍がおきた。そして今はBLM運動による各国内の騒乱がおきている。米国で黒人が警官に取り押さえられ亡くなる動画がセンセーショナルに繰り替えされ、そして今は白人女性が黒人に無抵抗に殴られる動画がSNSで拡散されている。情報の広がり方や、このテーマを次々に替えて検証を振り切るやりかたは、インフォデミックのお手本のような手法なので、何故このタイミングでBLM運動が起きたのかなどは、各国での広がり方などを含め数年かかけてでもきちんと情報分析されるであろうことを願っている。

    中国が今代のキー国であることは間違いない。
    オーストラリアより、より中国に物理も文化も近い日本としては既知な内容も多いのだが改めてオーストラリアの状況は知っておいたほうがいいかもしれない。二年遅れというのもあれだが、入ってこないよりはなんぼかという感じだ。日本においては、もはや隠されもしなくなったが報道されもしない浸透工作について、気になった項目をまとめつつ、あれこれ書き書きする。

    属国化戦略

    三国志好きで戦略ゲームやciviとかが好きな人は、中華思想というものを体感的には理解している可能性が高い。東夷、南蛮、西戎、北狄。その中心に中華があるというそれは帝国主義というよりは、もっと、実利、合理に近いものなのではないかと思う。落とせる時は落とすし、併合コストが高すぎるならば傀儡属国都市国家として他の国に宗主国を取られないようにしつつ放っておく。算盤と天秤だけでなく、一党独裁だからこそ10年、100年という時間を考慮できる強かさがそこにはある。

    イデオロギー国家において影響力や拒否権は重要だ。
    WHOのような国際的な組織であっても、アフリカ諸国経由で決定権を実質保持できるならそうするし、一帯一路でお金を貸してもそれ以上のメリットがあるならそうする。影響力はただ一つの太陽のようであるべきだ。それが中華思想。

    共産党のイデオロギー教育

    世界を見ると第一次世界大戦のときなどに徹底した赤狩り(反共産主義)がおこなわれた関係で、共産党が法律で禁じられている国は存外多く、民主主義を標榜する国家においては現役の共産党議員がそもそも居ない国は多い。
    オーストラリアはどうなのかと調べてみたら1991年に共産党は解党しているようだ。((https://en.wikipedia.org/wiki/Communist_Party_of_Australia))
    日本はGHQによる占領下であらためてレッドパージが行われたが、その後、ふがふがもごもご・・・。このあたりのことを書くとめんどくさいことになりそうなので日本のことは省略。

    中国では国という組織より上に、ホールディングスとして共産党がある。
    中国人民解放軍は中国共産党の軍隊であって、国のための軍ではない。

    一応は中国にも複数政党が存在し選挙もおこなわれるし、国も軍隊を持っていいことになっているが、共産党の指導に従いという前提がつく。香港が民主選挙で親中派に勝利しても、体制や方針を変えることができないのは、行政長官は選挙委員会が選出し、中央人民政府が任命するからだ。立候補は中国当局の同意が必要なので、そもそもな話しである。ついでに言うと北朝鮮にも選挙や野党があるのだとか。

    国や軍は共産党の指導に従う。
    共産主義というイデオロギーがまずあって、その下に国家がぶら下がるという構造を意識しなければいけない。
    さて、で、イデオロギーの教育がどのようにおこなわれてるかについてだけど日本では逆にそっちのほうが当たり前すぎて改めて書くまでもない気がするんだけどどうじゃろ?むしろ我々は資本主義、お金の回しかたとか民主主義、選挙についてのほうの教育うけてないよね。

    華僑の動員

    長野オリンピック聖火リレーのとき対チベットについて、国内4000人の中国人が動員され示威行動があったのを記憶している人はいるとおもうけど、この本曰く、留学生にとってもっとも怖いのは中国領事館だという。
    世界に広がる500万人以上の華僑を動員するための豊富な資金と精密なプラン僑務工作がおこなわれているそうだ。 オーストラリアには中国系の人々が100万人以上いる。
    ここらへんは9章の「一万人の華僑動員」「ヒューミント(ヒューマンインテリジェンス)」あたりでも詳しく書かれている。まあこれも日本ではよく知られてるのであまり書く必要はないかもしれないかな? 日本にいる中国人の留学生の子や職場の人に聞けば別に悪いことでも特別なこととも思ってないので教えてくれるんじゃないかな。面白い話し聞けたらおしえて。

    ちなみに、日本を調べてみたら、

    平成30年末現在における中長期在留者数は240万9,677人,特別永住者数は32万1,416人
    http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00081.html
    (1) 中   国      764,720人 (構成比28.0%) (+ 4.6%)
    (2) 韓   国      449,634人 (構成比16.5%) (- 0.2%)
    (3) ベトナム      330,835人 (構成比12.1%) (+26.1%)
    (4) フィリピン      271,289人 (構成比 9.9%) (+ 4.1%)
    (5) ブラジル      201,865人 (構成比 7.4%) (+ 5.5%)
    (6) ネパール       88,951人 (構成比 3.3%) (+11.1%)
    (9) インドネシア     56,346人 (構成比 2.1%) (+12.7%)

    中華系は76万人だって。おや? オーストラリアより少ないんだ?

    中国の法律の範囲の広さ

    鄧小平の姪とつながりのある会社と対立関係にあったオーストラリア国籍のジェームズ・ペン・ジアンドンをマカオで拉致、本土に連れ去りでっち上げの犯罪で投獄、八億ドルが奪われた(P73)

    ・・・。この一文が本書のなかで一番インパクトありましたわ。

    判事達は買収されて、指示された通りの判決を言い渡す。中国の法定では有罪率が99%である(ちなみにオーストラリアの刑事裁判ではおよそ87%)中国の最高裁は政治体制からの司法の独立を「誤った西洋の思想」だと拒否している(P76)

    日本の刑事裁判の有罪率99.9%でごめんなさい・・・っ!
    カルロス・ゴーンで国際的に日本の刑事司法が取りざたされたとき、日本の法相も同じような事言ってたしね。

    われわれはどれほど依存しているのか?

    2016-17 中国人の農地の所有数は上昇しており、その数は10倍に増え動物性タンパク質の欠乏を克服するために、オーストラリアの農業に注目(P155)

    コロナ騒動の直前に中国でアフリカ豚コレラ(アフリカ豚熱)が流行っていて、結構養豚に深刻なダメージを受けてる。その後詳報でなくなったので逆にやばいかもしれない。
    アフリカ豚熱の前は普通の豚熱(これは日本にも残念ながら流入してきてしまった)があって、豚が足りなくなってアフリカから豚を入れた結果起きた惨禍だった。

    豚熱はイノシシにも感染するので、今日本がやっているように山にワクチン入りの餌をばら撒くなどして対処療法的な対策をしなくてはならないが、アフリカ豚熱はそもそも普通の豚熱とは根本から異なる病気で未知のウイルスに近く、どんなウイルスの仲間だかもわかってない。だから、そもそも予防法もワクチンもない。

    それに加えて、蝗害(サバクトビバッタ)の被害が東アフリカから中東に海を超えて渡り、パキスタンとインド国境付近にまで被害が拡大した。ヒマラヤ山脈をサバクトビバッタが超えることはないが、歴史的に見ると、バッタの大量発生期と、中国の蝗害(イナゴ)の時期が重なるなどの被害懸念がある。

    世界的な穀物不足と、動物性タンパク質の不足が予想される中、中国政府は、オーストラリアの食肉輸入や、米国からの農産物品の輸入停止を発表した。

    中国内陸物の耕作適地と人口を考えると、「われわれはどれほど依存しているか」でなく相互依存状態にあるとおもうのだがと心配してしまう。

    中国、豪産食肉輸入を一部停止 コロナ発生源調査に反発か
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59044550T10C20A5910M00/

    中国が米国からの一部農産物輸入を停止、貿易協定に暗雲-関係者
    https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-01/QB8N2YDWLU6S01

    ノルウェーとダライ・ラマ効果

    ある国の首相がダライ・ラマに会えば、対中輸出は8%下落する (P194)
    https://www.amazon.co.jp/War-Other-Means-Geoeconomics-Statecraft/dp/0674737210
    注釈を見る限りオリジナルはこの本かな? 未邦訳みたいね。

    農産品や食肉を停めてまで何を守りたいかといえばメンツだ。党独裁国家において、体外上のメンツは民の腹よりも重要な問題だ。数千万人の餓死者を出した大躍進政策は中国国内ではどう伝わっているのだろうか? 中国SF小説の三体などを読むと、伝承はロストしたわけではなさそうだけど。

    フィリピンは北京からの影響に弱い。中国系フィリピン人はフィリピン資本の半分を握っていると考えられており、全人口の1.5%しかない集団としては飛び抜けた政治力を持つ。2007年、フィリピン政府が中国の国家電網公司にすべてのエネルギー網の管理件を与えた。(P200)

    フィリピンの状況、これだけ聞くと素で恐ろしい。

    日本は親中派(パンダハガー)の議員が与野党メインストリームにいるので、近しい状態になっているように見うけられる。例えば北海道の土地が中華系に静岡県分ぐらい購入されているとか、都市部の高級ペントハウスの億ションなんかは中華系が抑えてるなんて話しも。ソーラーで電力網や通信網は日本も似たようなものか。

    日本人は中国から財産を持ち出したり中国の土地を買うことができないのだから、こちらができないことは相手側にも許可しないという相互主義が妥当なのだが、すでに決定について影響力を排除できないので、対策や対応をとるのはかなり難しいとおもいます。

    中国かアメリカかの踏み絵を踏まされ、どちらかの市場かを選択を迫られる未来は日本も遠くはなさそうです。

    1000人のスパイと情報提供者たち

    ファーウェイの浸透範囲

    エネルギー網や金融ネットワークなどの超重要インフラにバックドアのついた機器を埋め込むことは、中国にとって計り知れない武器となる(P217)

    「アカデミック・マルウエア」としての孔子学院

    2004年から 世界中に500校、中国共産党の中央宣伝部から教育部を通じて提供される、2013年シドニー大学ダライ・ラマ招聘を中止、中国の暗黙の言語統制を邁進し、それによって北京に拒否権を与える、西側の防諜当局は「孔子学院を中国政府が使用している一種のスパイ機関と認識している」、(P296)

    これについては、もうなんていうか日本については今更というか、むしろ日本でそのやり方が洗練されたというか、醸成されたというか、なんというか、かんというか。
    ウミガメ政策とかも、個人的には心配してないっていうか。
    技術とか知恵って人についていくものだし、留学先とかで違う情報に少しでも触れたら朱に交われば赤くなるというか、資本主義陣営からみて孔子学院をアカデミック・マルウエアと評したように、自由な風紀に触れ留学から戻ってきた海亀は共産主義にとっては逆に風穴をあけかねない。留学先で他の言語や価値観に触れてしまった子は、多分堪えられないよね。角を矯めて海亀を殺すか、海亀を自由に泳がせて技術を得るかの違いだと思う。まぁ他で水が合えば帰ってこないだろうし。なんていうか、金の切れ目は縁の切れ目っていうか、威力を持って従わせたところで、長続きはできないっていうか、紐で縛り付けたものは、糸が切れればかんたんにバラバラになっちゃうからね。完全統制下でうまくハンドリングし続けるのは、そう長くもできんでしょ。
    中田敦彦youtube大学みてたら、プラトンだかが独裁政治、寡頭政治、民主政治、カオスを繰り返す。カオスんときは生き残って下さい!言ってたが、中国は今どこなんだろうね。全人代7人だから寡頭政治まで来てる?
    トランプやボリスをみてるとカオスから独裁にフェイズが移りつつあるのかなとか思ったり。
    日本は、安倍一強って言われるぐらいだから独裁フェイズなのかな? 麻生ラインもあるから寡頭政治まで来てる?あと5人ぐらい元老クラスのパワープレイヤー居ないと駄目なら民主政治はまだ遠そうだね。もっと長い時間スケールで見れば、江戸幕府開闢ぐらいが独裁政治で、老中御三家あたりで寡頭政治、明治維新あたりで民主政治で、戦中あたりがカオスで、三角大福中あたりの独裁を経て2代目、3代目の禅譲型寡頭政治とも見ることができるし、ま、切り口次第か。

    読みがな

    本書の内容からは遠いところで、どうしても言っておきたい。
    例えば、周を「チャウ」にしたり「しゅう」にしたり、マンダリンピンインでZhouにしたり、ジェームスだったりな英米ビジネスネームまぜたり、ミドルネームが入ってきたり、性名なのか名性なのかもう頭こんがらがる。ルビもひらがなだったりカタカナだったりもう自由かっ!
    下記にいくつか例を書き出す。

    周文重 しゅう ぶんじゅう(Zhou Wenzhong)
    周澤栄 チャウ・チャクウィン
    劉暁波 りゅうぎょうは
    梁光偉 リャン・グァンウェイ(Liang Guangwei)
    邱維廉 ウイリアム・チウ
    杜建華 ジェームス・トウ(James Jiann Hua To)
    黄錚洪 ホーリー・ホワン(Holly Huang)
    黄清 ホワン・チン(Huang Quentin Qing)

    邱はキュウだからチウだとしても維廉でウイリアムなんか!?キラキラネームかっ!?みたいな。
    本文と関係ないところが気になっちゃって読むのが大変だった。

    まあ、個人ブログで国家安全保障に立ち向かうつもりもないので、DDOS攻撃とか喰らいたくないし、毀誉褒貶とは遠いところでだらだら書いたつもりだけど、長くなったわりに知らん人は知らんし、知ってるひとは知ってる程度の内容になってしまったね。 最近文章がまとまりつかん。ごめんちょ!