カテゴリー: 財福主義

  • 最終 第八夜 ちどり足の格差論

    マンション組合の会合で年配の女性がまだ若い女性と一触即発の空気をつくりだしていた。

    「共働きで忙しいから無理って、負担金もお金に余裕がないから無理って、なんでもムリムリいうものじゃないわよ!」
    ピシッ
    「だいたい共働きなのになんで生活が苦しいの?」
    ピシッ
    「わたしがあなたぐらいの年齢のときは、お父さんの稼ぎだけで生活できたものよ。贅沢してるんじゃないの?旦那は仕事してないんじゃないの?」
    ピシッ
    ピシッ
    ピシッ!

    マンション組合の会合などに出たことはないし、まったくの空想であるが、似たような世代ハラスメントは各地で繰り広げられているのかもしれない。
    http://togetter.com/li/836975

    完結 財福主義

    忘れてたわけじゃないんだけど… もうかなり書いた気がするので完結させることにした。

    序論 盗人と資本主義
    第一夜 自然科学と経済の白熱教室
    第二夜 社畜という現代奴隷の重要性
    第三夜 区切られた財。奪えども足りぬゆえ格差
    第四夜 CO-枯れた才能
    第五夜 資本と時価
    第六夜 時間選好による隠者の経済 リスクフリーレート
    第七夜 この規模のマネタリーベースでおきたら大変トリクルダウン

    格差は縮まる、広がる?

    経済学者クズネッツ氏は、1971年に「格差は縮まる」 との論文でノーベル賞を受賞した。
    経済学者ピケティ氏は、2014年に「格差は広がる」 との著書で、まるでロックスターのような扱いを受けた。

    経営学において、完全競争業界は他の産業より利益がある場合、新規参入が相次ぎ利益は平準化する。
    しかし、法規制などの競争障壁が構成されることで参入や競争はされなくなり暗黙的談合がおこなわれ、小資本者がジャイアントキリングをおこなうことはなくなる。

    化学において、例えばNaClを水に溶かすと、分子活動により時間経過とともに濃度はやがて均一になる。
    しかし、大量の溶質を加えたり、溶媒の温度を下げたりすると、溶解平衡に達し飽和状態になり溶けない溶質はその場に留まる。溶液の粘性をあげたりすればもちろん濃度にはばらつきが生まれる。

    人口動態経済

    日本は労働人口が減少する局面にある。非生産人口は増えている。
    かつての中国やブラジル、いまのインドネシアやフィリピンのように人口ボーナス期のように熱量があり、価値創造がどんどんなされている拡大成長時であれば、なるほど格差はやがて縮まるであろう。ここまではクズネッツだ。

    人口減少局面においてはどうなるか。作り出せる富が平衡に達したときはどうなるか。利益ではなく不利益が発生した場合はどうなるか。不利益も平準化するだろうか?どうやらしないようだというのがピケティなのではないだろうか。

    歴史を紐解けば天候不順などにより飢饉が発生した際には、一揆や戦争という暴力的な解決にいたる例は枚挙にいとまがない。疫病や飢饉など大きな不利益が発生したときは、地域や身分などによる隔離というゾーニングで不利益が拡散しないようにする解決策が多いように思う。富は増えても減っても混乱がつきまとうようだ。

    ランダムウォーク

    あるギャンブラーが同率の勝ちと負けを繰り返した場合どうなるか?
    たとえば掛け金の30%増と、30%減を繰り返した場合だ。
    同率の勝ち負けを繰り返しているだけなのにこのギャンブラーはやがて破産する。
    親のハネマエ、テラ銭率の話しではない。

    1000*130%=1300
    1300*70%=910
    910*130%=1183
    1183*70%=828
    828*130%=1077
    1077*70%=754
    754*130%=979

    わずか7回の繰り返しで勝っているのに元本を割り込むようになってしまった。
    この30%の勝ちに対義するのは30%の負けではなく100/130、76.92つまり23.08%の負けである。
    倍の対義は半分であるが、50%増の対義は33%減であるし、50%減の対義は100%増である。

    話しが余談にそれたが、まあ、何がいいたいかというと少なからぬ人が勝ちと負けの線引をしくじっていることがある。
    そして、率で考えた場合、増加よりも減少のほうがシビアで、その影響は元額面が大きいほど顕著であるということだ。
    さらにおおよそ負の財産は許容されない。
    金持ちはけちくさいという社会通念があるが、保持しているものが大きければ勝ちよりも負けに強くこだわらなければならなくなる。まあ、それをケチくさいというのかもしれないが、この線引がわからないと前述のギャンブラーのように勝ってるつもりが負けていて細かく破産を繰り返すことになる。

    振幅の大きい社会(でかいボラティリティ)においては、小資本と大資本の結果の差は出やすい。
    太宰治の実家は東北でも指折りの資産家であったそうな。金貸しをしていた。
    天候というものは定まらぬもので、不作や凶作になる年が出てくる。近代農法以前の東北では更に顕著であったそうな。
    凶作時、資産に余裕のあるものは金を貸し、生活もままならないものは小作に身を落としたり子供を年季奉公に出す。
    これを繰り返すうちに、富める者はますます富み、貧するものはますます貧するという金持ちが数本の指に収まる社会をつくりだした。

    その時代、資産(ワンイヤールールに当てはまらない固定資産)が集まったのは凶作の時代だ。
    土地という資産が、凶作により流動資産に変換できずに土地や人を処分する。
    豊作の時代になったときには今度は土地も人もないのでその恩恵に預かれない。

    今世紀になって、農地だったものが、産業資本、金融資本、不動産資本だのに変化しても、その本質は変わらないようだ。
    地政学的な情勢不安や社会保障不安などで経済が縮退し、思ったような利益があがらないようになると産業資本を処分される。金融資本はより安定的で高利率な地域に流出する。アベノミクスの恩恵にあずかるには不景気時に金持ちでなければならない。
    なんらかの契機で、好景気に循環したとしても、エンジンを手放した車が走り出すことはない。

    アルコールは少量づつ保管するよりも、まとめて保管するほうが蒸発しにくい。
    また、少量づつアルコールを製造するよりも、まとめて製造したほうが効率がよい。
    経済、世の中の価値生産がランダムウォークであるならば、その増加期には格差は縮小し、減少期には、格差は拡大するのであろう。

    なるほどr>gなのかもしれないが、dも加えてやってくれ。

    d(有利子負債増加率)>r(資本収益率)>g(経済成長率)

    結論

    それでも、格差は縮まっている。
    豊かさ、それがただの銀行貯金の多寡だけしか意味しなくなってきたからだ。

    労働と勤勉さだけでは、相続財産とそこから生まれる所得による快適さの水準を達成できないという。
    だがしかし、貸借対照表の資産の部からは奴隷という勘定科目はなくなったのだ。
    丁稚や年季奉公もいなくなった。

    現在議論されている格差とはおおよそお金に帰結する格差だ。
    もしかしたら将来、才能の格差や、機会の格差、容姿の格差、隣人の格差など、%で課税しても減らない、お金には不換算なものが格差の中心として議論される時代がくるかもしれないが、1900年代と比較しても、1600年代と比較しても、800年代と比較しても、格差は縮まっている。千鳥足でも時代は進んでいるのだから。

    おまけ。ピケティや皆様への質問

    考え事をするのに、どうぞ。

    1.税による再分配所得は当初所得の格差解決策?

    日本の場合は税による再分配効果はほとんどなく公的移転による再分配がおこなわれています。
    現役世代から老齢人口に対しておこなう構造です。一般に若者より老齢層のほうが資産を持っていているわけで、そういう意味においては貧乏人から金持ちに配る構造になっています。

    厚労省の所得再分配調査によれば当初所得格差は拡大してますが社会保障費含む再分配所得の格差は縮小しています。
    年齢階層別所得再分配状況を見ると、59歳以下は全世代において再分配係数がマイナスになっています。
    日本では税をあげても当初所得の改善には影響しないとおもいますがどうでしょう。

    cf.所得再分配調査
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/96-1.html
    http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12605000-Seisakutoukatsukan-Seisakuhyoukakanshitsu/h23hou_1.pdf
    3 税・社会保障による所得再分配 内閣府
    http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/pdf/09p03023.pdf

    世帯主の年齢階層別所得再分配状況(図表抜き出し)
    kuippa.com/blog/wp-content/uploads/2015/01/66ae752e8a4310a357a2a27379077a74.png

    公的移転による再分配効果、税による再分配効果(図表抜き出し)

    2.資産運用における不確実性を無視しすぎじゃないですか?

    資産の追跡調査をできるのは、市場に残留しているプレイヤーだけなので、統計としてまとめてしまうとわからなくなりますがその内訳、プレイヤーは異なっているはず。不確実性の値踏みをせずにリターンが高いって指摘はずるくないですか?

    3.ゼロとかマイナスうろうろしているのにrがとかgがとか言ってる場合じゃないんじゃないですか?

    日本の前年度比名目GDP(支出)で+1.8%、GNIで+2.5%。しかし1994年から2013年までの20年でみれば日本のGNI/国民総所得は+0.32%、国内総生産(生産側)はマイナス2.52%。1995-2013のGDP比較ではマイナス4.26%。
    現在の国債利回りは0.254%。国債の取引ではマイナス金利も発生。
    日銀は2%の物価成長目標だそうですが、でも住宅ローンフラット35は35年フラットで1.370%が設定されました。

    もしピケティが言うように資本による収益率の想定が正しいのだとしたら、家計の部で1,654兆円(2014年9月末)も保有している超資産家の日本の成長が20年で0~マイナスをウロウロしているのはどうしたわけでしょうか。住宅ローンのほうが物価目標より低くされているのはどうしたわけでしょうか。

    成長分野の利益を失敬して、非成長分野に付け替えても、再投資ができないから超低成長になるのは日本が既に証明したのでは?

    d(有利子負債増加率)>> r(資本収益率)≒ g(経済成長率)

    実態はこんなんだったりしませんか?

    cf.国内総生産勘定
    国内総生産(生産側)(単位:10億円)
    1994/495,612.2
    2013/483,110.3
    国民総所得
    1994/499,504.9
    2013/501,063.3

    内閣府ホーム > 統計情報・調査結果 > 国民経済計算(GDP統計) > 統計データ > 統計表(国民経済計算確報) > 2013年度国民経済計算(2005年基準・93SNA)
    http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h25/h25_kaku_top.html

    内閣府ホーム > 統計情報・調査結果 > 国民経済計算(GDP統計) > 統計データ > 統計表(国民経済計算確報) > 2013年度国民経済計算(2005年基準・93SNA) > 2013年
    http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h25/sankou/materials_j.html

    4.お金の流通量が増えてますよね?考慮しなくていいんですか?

    富めるものはますます富むとありました。時間経過のなかでお金で計量すればそうかもしれませんが、そもそも世界のお金の流通量(マネーストック)が馬鹿みたいに増えてる最中です。日本だけでみても「日本銀行が供給する通貨(マネタリーベース)」はわずか1年で倍になりました。このご時世にお金をモノサシにして過去との比較はどうなんでしょう?
    もし供給されたお金が全部市場に流通したら物価は偉いことになりますよね。

    日本のマネタリーベース平均残高
    2013/1/1 1,319,205億円
    2015/1/1 2,753,859億円

    マネタリーベースとは、「日本銀行が供給する通貨」

    日本銀行 ホーム > 統計 > 日本銀行関連統計 > その他 > マネタリーベース
    https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/index.htm/#p03

    日本銀行 ホーム > 統計 > 通貨関連統計 > マネーストック
    https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/index.htm/

    主要時系列統計データ表(月次)
    http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/m.html

  • 第七夜 この規模のマネタリーベースでおきたら大変トリクルダウン

    とある喫茶店。たまたま相席になった2人。2人ともお金にまつわる仕事をしているらしい。

    「利子は俺が決めている。」
    「へぇ、お宅も利子を決める仕事をされてるんですか?私もです。」
    「うちはトイチじゃねぇトゴ(10日で5割)だ。」
    「to go?あぁ、そうですよね持ち出しばっかりです。」
    「あん?きっちり詰めて返させぇのか? おたくんところは貸し玉いくら溜まってるんだ?」
    「いやぁ。ついに780(兆)を超えちゃいましてね。」
    「あぁ? よく780(万)も貸したな…。ジャンプでもさせてるのか?」
    「ジャンプ? ジャンププロセスですか?いやぁ、まあ一気に返済されても困ったことになるんで。」
    「で、利子だけ返済させてるわけだ?」
    「いやぁ、入りの43%は返してもらってますよ。新規に建ててもらってます。最近はほとんどゼロ利子ですし。」
    「はあぁっ!?」
    「こないだなんか利率マイナスで取引されてしまって。」
    「ああぁぁあっ??」
    「でも上司が『まだまだだ、ヘリコプターから撒くつもりでどんどん行くぞ』って」
    「えっ!なにそれ。」
    「で、実際ばらまきはじめちゃってるんですよ。」
    「えぇぇぇっ!?なにそれ。こわい!!」

    ※この物語はフィクションであり、実在および漫画の世界の主人公とは一切関係がありません。

    平成27年度日本の一般会計予算によると、税収は54兆5,250億円
    歳出のうち国債費は23兆4,507億円(利払101,472億、償還133,035億)
    現在は予算の約4割、36兆8,630億分が新規の国債発行でまかなっている。
    これはつまり将来には償還額として36兆の予算が組まれることを意味している。

    ※この数字はリアルであり、実在の人物および団体に関係があります。プライマリーバランス?なにそれ美味しいの?

    トリクルダウン?

    トリクルダウンという言葉から想起されているものが、これ↓だとしたら、こんなものはおきねぇよ。


    https://twitter.com/soinlove/status/528603411319500801/photo/1

    公共事業というものが念頭にあり、政府、大企業、中小、従業員というお金が流れの図解にしたのかもしれないが、金融政策においては政府、銀行、その他であって、議論をするにもちょっといろいろごっちゃになりすぎ。
    2014〜2015の時代においては、銀行がおこなう信用の再創造がどの程度の効率でおこなわれているのか? 銀行の預金に対して貸出、預貸率はどうなっているのか?などの方が話題にされるべきだ。
    喩え公共事業であっても、耐久消費財であるコンクリートに流してしまってはトリクルダウンはかなり減衰したものになる。閉鎖していない系に質量保存の法則は効かない。

    中央銀行

    建前上、中央銀行は政府からは独立している。
    中央銀行が独立していなければいけないのは、まだ独立していなかった中世~近代に戦費の調達をお金を刷ることで解決し、激しいインフレが起きてしまったからだ。為政者の求めるままお金を刷ると物価の安定がおこなえない。だから中央銀行は政治の都合に左右されないように物価の安定を第一とする。であるので今回も政府の方針ではなく中央銀行の方針で異次元緩和はおこなわれた。…ということになっている。

    これは日本に限らない話しなのだけど、今は中央銀行の独立性が怪しなってきている時代なのではなかろうか。
    というより、物価を維持するためには結局中央銀行は政治の思惑に沿った行動を余儀なくされるので中央銀行と政府の利害が一致してしまっている。だから政府の発行した国債を中央銀行が直接引き受けるという禁じ手ともいえる財政ファイナンス紛いのこともおこなわれる。これはかなりダメなことなのだと思うのだけど、他の国がもっとダメなのでじゃぁうちも解禁~みたいなノリでルール無用のステゴロファイト真っ最中だ。

    お金が増えたり減ったりする?

    ピケティの21世紀の資本論では富めるものがさらに富み格差がというような論があった。
    ここで、少し極端だけど世の中のお金の価値が倍になったと仮定してみよう。
    同じ数字が掛けられるのであれば、そりゃぁ持っている数字が大きいひとの方が影響はでかくなる。
    100円持ってる人と、1000円持っている人がいたとすると、双方等しく倍になっても結果の不公平感を感じることだろう。プラス100円なのか、プラス1000円なのか、大抵の人々は手元に入ったお金を足し算で考えるからだ。

    お金の価値が倍になるという言い方がわかりにくければ、物の価値が半分になったというのでもいいし、なんでもいいが、お金だけを唯一のモノサシとしてしまわないようにしてもらいたい。
    我々は「なにか」でお金を購入している。その何かは労働かもしれないし、物を売却したものや資産を貸し出したことによるものかもしれない。その「なにか」側から見ると、お金は実によく価値の動くものだということがわかる。

    意図せざるにしろ、選択して現金を「購入」しているという視点が必要だそうだ。少し難しいメタ視点かもしれないが、これが無いと、モノの価値が変わったのか?お金の価値が変わったのか?の区別ができないし、選択できる利殖も相当限られたものになる。

    税額が変わる前と後ではお金の価値は一緒だろうか?
    通貨発行高、税額、政策金利は時々刻々と変わっている。
    たとえばそれは原油価格高騰や原材料高、円安円高、何年ぶりかに行われたベースアップや、はたまた増税などに現れる。

    同じ金額で買えるりんごの量が1個から2個、2倍になるなんていうことはありえなくもない。
    しかし、それが季節が違うなど林檎の価値の問題なのか、それと林檎以外の価値の問題なのかは切り分けが必要だ。

    マネタリーベース、マネーストック

    いま注目してもらいたいのは世界の通貨流通量だ。
    マネタリーベースとは供給された通貨量のことで、マネーストックとは金融と政府を除いた経済主体の保有する通貨量だ。
    マネタリーベース=流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)+「日銀当座預金」
    マネーストック=みんなの預金額(ただし銀行や保険会社、政府系は除く)

    マネータリーサプライだの言いそうになるが、日銀はいまはマネーストックという統計をつかっていて、マネタリーベース、マネーストックについての詳細な説明は日銀のホームページにわかりやすい記述があるのでみてみてねっと。

    で、このお金の流通量を測る統計値。今どうなってるかご存知?

    記録が残ってる1970年からのマネタリーベース
    マネタリーベース1

    (財務省統計局データからグラフを作成した)

    マネタリーベース2
    2013/1に1,319,205億円だったものが、2015/01には2,753,859億円になっている。
    わずか2、3年で2.5倍近く、流通現金が増えている。

    マネーストックをみてみよう。
    マネーストック1

    マネーストック2

    こちらはマネタリーベースと比べるとほとんど増えていない。
    つまり、通貨は大量に発行されているが、市中にはまわっていないことを意味する。
    それどころか最近発表されたデータによると家計の部はマイナス転だって!

    預貸率の低い世界ではトリクルダウンなんておきねぇけど、もし本当にこのじゃぶじゃぶのお金でトリクルダウンなんかがおきたらおきたで大変なことになるね。

    マネーサプライ世界
    http://dollardaze.org/blog/?page_id=00023
    参考までに世界の通貨流通量の積み上げグラフはこんな感じ。
    流通するお金が増えるとお金の価値はどうなるか。お金持ちはどうなるか。それは日本の中だけでなのか。日本は世界から見るとお金持ちか、貧乏か。いろいろ考えてみてください。

    他、参考

    日本銀行 ホーム > 統計 > 日本銀行関連統計 > その他 > マネタリーベース
    https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/index.htm/#p03

    日本銀行 ホーム > 統計 > 通貨関連統計 > マネーストック
    https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/index.htm/

    主要時系列統計データ表(月次)
    http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/m.html

    アベノミクス:首相「トリクルダウン、我々の政策と違う」
    毎日新聞 2015年02月02日 18時50分(最終更新 02月03日 00時40分)
    http://mainichi.jp/select/news/20150203k0000m010025000c.html

    日銀審議委員に原田氏起用へ 早大教授、リフレ派 2015/2/4 2:00
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF03H17_T00C15A2EE8000/

    日銀審議委員、原田泰・早大教授で調整
    http://www.asahi.com/articles/ASH243301H24ULFA003.html

    伊藤元重「瀬戸際経済を乗り切る日本経営論」
    黒田日銀が追加緩和を決定、「異次元の金融緩和」の意味を考える
    nikkei BPnet 2014年11月6日 
    http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141106/423243/

    財務省 2. 国の財政の現状は?
    http://www.zaisei.mof.go.jp/theme/theme2/

    財政ファイナンス
    http://www.ifinance.ne.jp/glossary/japan/jap130.html

    あとがき

    なんか久々に書いたら。もはやピケティ関係なくなってきたww

  • 第六夜 時間選好による隠者の経済 リスクフリーレート

    世の喧騒に飽きて身をかくすように迷彩を施し隠者を気取る。
    時間選好に身をまかすと、いつのまにか隠者からただの世捨て人のそれになっている。
    侘しさを解する風流も、花も付けぬ枯木に求めたる由もなし。

    ・・・なんのこっちゃ。
    まあ、そんな感じです。今回はなにがおこってるのかわからない金利の回なので、なんのこっちゃ回です。

    世の賢人はr>gだという。だが、もし、r<gだったりr=g だったらどうなるか?
    経済成長率のほうが資本収益率より高い世界を想像してみよう。
    それはもしかして既にある世界かもしれない。

    リスクフリーレート

    新発10年ものの国債の金利のことをファイナンスの世界ではリスクフリーレートという。
    リスクがフリー。つまり、不確定要素から開放されているというレートのことだ。

    通貨が信任されている世界では資金の運用先として一番リスクのない運用先は国債である。
    通貨の価値を決めるのは政治とは離れた中央銀行の役割で、ものの価値を測るのが通貨となっている以上もっとも確度が高いのが通貨の価値すらも決定してしまう国債ということになる。であるならば、この国債の利率より低いリターンしか見込めないのにリスク(不確定要素)も高いものがあればそれは運用先、投資先としてはまったくの価値がないものである。

    企業は資本を銀行や投資家から調達して利益を稼ぐ。銀行には金利を、資本家には配当を払う。
    これは企業側、会計財務では資本調達コストという考えで計算される。営業の原資を調達すればそのお金には紐がついていて、いくらのリターンをつけて返してねということが期待される。であるから調達するお金にはコスト計算が必要となる。一般には銀行より再劣後債権者である投資家のほうがリスクを負うことになるので、投資家の資本調達コストのほうが高く計算される。

    企業が営業活動をおこなうには「このリスクフリーレートは最低超えてね」という命題を抱える。
    いろいろな不確定要素を抱え込んだ事業計画の段階で最低限超えてきてねというリスクフリーレートのハードルすら超えられないのであれば営業体としては投資価値がないので、実行されないというわけだ。

    株式会社という仕組みは、未知の航海へ旅をして黄金にも匹敵するスパイスを持ち帰るからという約束で出資者から軍資金を募った。冒険者は生死というリスクを、出資者は資金というリスクをわけあった。
    しかし、期待されるものがリスクフリーレートすら下回るなら寝かせてたほうがいいということになるわけだ。資金も人も。そこには冒険の価値もない。みんな港で酒でも飲んでろって話しだ。

    集団的酔狂

    それでも冒険に出たがる酔狂者はでてくる。
    平和な日本に暮らしているとISISに行きたいとかいい出すやつは一定の割合で出てくるものだ。ああ、できれば、そういうやからは希望としては少ない割合であってほしいと願うが。

    ところが、日本ではあまりの低成長が続いたために、結果として国債のレートを超えられないような投資先が増えた。
    結果として、寝てたほうがマシだったねというのが多い方の割合をしめるようになってしまった。


    https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/foreignbondfund/images/index-img-01.gif
    https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/foreignbondfund/


    http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2014/3q/images/i140710-03.gif
    http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2014/3q/MFA120140710.html

    不動産、株式ですらリスクフリーレートを下回っていて・・・、えっと、これはかなり悲劇的なことなのだけど、あまり話題になることはない。これを話題にして利する立場の人間はいないのであたりまえといえばあたりまえか。話題にもあがらない不遇の時代である。国債を営業で売りたい人が、国債は有望な投資先ですよと宣伝するときに使われるぐらいのものである。

    だが、繰り返すがこれはかなり悲劇的なことなのだ。冒険に出た連中は死んでだれも黄金のスパイスを持って帰るものは居ませんでした。だから、ほら、リスクなんて取らなかったほうが利益高いでしょ?っていう証明をして誰が幸せになるというのか。

    リスクを取らないリスク

    できてしまった慣習から抜けきることは難しい。雇用がどうだとか、建ててしまった建物がどうこうと、いちど背負ってしまったポジションはなかなか解消することができない。変更することにより不確定要素がまじりこむからだ。

    ピケティは「資本収益率>経済成長率」と言った。
    しかし、少し調べてみて欲しい。
    日本の経済成長は1994年から20年でわずか2%である。
    20年でわずーーかに2%。
    アメリカが120%、ポーランドあたりの10年で200%とかというような成長もなければ、資本収益率もリスクフリーレートすら下回る有り様。
    (※ここらへんは自国通貨建てでみるかどうかで割合が変わるので別のところでデータを並べる)

    0.33%、これは日本の2015/02/06 現在のリスクフリーレートであるが、この低ハードルすら超えられない。(参照: http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html )

    rもgもどちらも超がつく低水準。
    低水準すぎて業界によっちゃr=g、場合によっちゃg>rになっているのだ。
    リスクを取らないほうがリターンが多かったと分かっていたとしても、ギャンブルと同じ。辞められないのである。あるいは辞めたくても辞めことによる不確定要素が大きすぎて辞めるのもままならない状況に追いやられているのである。
    いや、事業者の判断だけでなく、文化的や法律的にも失敗や撤退を許さない仕組みなのかもしれないが、

    金利

    住宅の貸付、フラット35の金利はさらに最低水準を更新した。
    住宅ローンが35年の固定で1.370%になった。これは貸し出すほうの経済性に従えば利益は 1.370%以下しか期待されていないということだ。
    http://www.flat35.com/

    日本の政府は2%のインフレを目指すと言っている。
    金利は35年固定で1.37%で運用するよといっている。
    あれ? なんかおかしくない??
    資本収益率のほうが経済成長より上にいくなら、だとしたら資産増やし放題だ!やったね!

    政策金利と国債

    金利のさや取りで最近恐ろしいことがおきた。
    先日スイスの中央銀行が持ち上げておいてから数日後にはしごを外すという、どえらいことをぶちかましてFXの人たちを阿鼻叫喚地獄に叩き込んだ事件をご存知だろうか。

    もともとスイスは日本と同じく超低金利(政策金利0%)で有名で、金利の低いスイス通貨を売って金利の高い他国通貨を買うというようなクロストレードをする堅実な人が多く居た。なのにコツコツ堅実に稼いでデタラメなほど負けるというかわいそうなルートが発生しており、いやはやなんとも声のかけようもないことである。投機的に動いて失敗したような人はともかくとして政策金利差を埋める市場の需給調整帯まで完膚なきほどなぎはらわれたのをみてこれがマッターホルンの北壁アイガーかと後の世に語られたという(?)

    スイスフラン騒動で大儲けした人と大損した人の阿鼻叫喚の叫びまとめ #fx
    http://matome.naver.jp/odai/2142132210649651101

    海外投資データバンク. HOME > 債券投資 > スイスの長期金利推移
    http://www.world401.com/saiken/bond_swiss.html

    主な国の政策金利
    Screenshot 2015-02-08 02.55.38
    https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/interest_top.html

    スイスの政策金利 3month LIBOR Target Rate -1.25%~-0.25%
    http://www.gaitame.com/market/swiss.html

    -1.25%ってどういうことだろう・・・ね。
    お金借りたら年々返す額が少なくなるとてもやさしい世界・・・。

    日本の国債と金利


    http://www.tdasset.co.jp/column/kamiyatakashi/vol109/img/vol109_1.gif
    http://www.tdasset.co.jp/column/kamiyatakashi/vol109/

    日本 無担保コール翌日物 0.073%
    日本 公定歩合 0.30%

    世界で金利のマイナスがおきはじめている。日本でもとうとうマイナス金利だ。

    短期国債、再びマイナス金利 最高落札利回りは初 2014/10/30 23:42
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC30H0V_Q4A031C1EE8000/

    金利。もう何がおきているのか意味がわからない。
    マイナスってなんだ???
    「今年の林檎の収穫はマイナス1個です。」
    「???????」

    定着するマイナス金利、銀行再編の引き金となるか
    滞留するマネーを刺激する劇薬の合理性
    倉都 康行
    >>バックナンバー2012年8月8日(水)
    http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120806/235362/?rt=nocnt

    金利がマイナス。なにそれ・・・。
    何がおきているのか?
    わからない。これをどうこう言えるのはもう少し先の未来なのではないかな。

    利益率と歴史

    誰だい?「資本収益率が歴史的に4-5%で安定している」なんて言ったのは?
    まあ、「歴史的に地面は安定している」(ただし地震がおきないとは言っていない)

    そんなものかもしれない。
    株式のROEなどは5%程度で見るぐらいがいいだろうし、この5%という規模感は自分も首肯できる。でもいまおきてるそれを説明するものではない。

    この、いくつかの国でおきている金利の問題は、いったいなんなのだろうかと思う。
    物価上昇にみられる実質と名目の差や、政策金利、ここらへんを勘案したら、資本収益率はいったどのように捉えればよいだろう?
    アベノミクスは成長戦略だとうたっているが、成長を戦略にしなければいけないほどの現状とは??

    であるならば、この状態を時間選好に任せたら一体どうなるのだろうか?
    成長度がマイナスに育つ木を見たことがあるか?
    そこあるのは枯れ木だろうか、それともこの枯れ木に見える枯木には時分の花が咲くのであろうか。

    つづく

    今回はよくわからない回でした。金利については正直何がおこってるんだかよくわかりません。
    率じゃなくて量で、マネタリーベースとサプライあたりで追ったほうがよさそうな気もします。

    21世紀の資本読んで熱が維持できたのは5日ぐらいでした。
    なんかCODEvsとかいうAI戦わせるプログラムとか書いてうほほーいって遊んでたら、すっかり忘れてしまっていた経済の話。
    GDPや企業のROEの推移など、まだ掲示してなかったっけか?
    データ・セットで調べたものを貼っつけて無い気がするので、次回はグラフだけの回にしようかな。
    これだけ書いて、まだ書くことがつきないんだけど、だいぶいい加減になってきてしまったね。

    21世紀の資本論からの参照箇所等

    P373
    時間選好の問題
    伝統社会の農地収益率は今日の社会の不動産の収益率同様リスクの少ない投資形態 4-5%
    これらは現在が優先される時間選好という概念にもとづいている
    時間選好率θ
    効用関数
    資本収益率が歴史的に4-5%で安定しているのは最終的には心理的理由によるものだ