紅茶を500円で売って50円稼ぐような慎ましやかな商売をしているのだけど、1円玉拾い放題のテーマパークのアトラクションの入園料が5,000円で、一日がんばってもカツカツなゲームに参加しているような感じです。収入どころか持ち出しばっかりでいやになっちゃいます。お金も人手もあらゆるリソースがない(‘・c_・`)
ものの値段についてあーじゃねぇこーじゃねぇという議論がネット上にあるようです。面白そうなので参戦してみます。
ものの値段が安すぎる!
lkhjkljkljdkljl.hatenablog.com/entry/2012/12/19/112633いま、何の話をしているのか。
d.hatena.ne.jp/Rootport/20121220/1356010215「いま、なんの話をしているかわからなくなった」
lkhjkljkljdkljl.hatenablog.com/entry/2012/12/23/080622
そもそも、いま本当にデフレなのか?
毎月発表されている消費者物価指数(CPI)は 2012/10の最新速報で総合-0.4%、生鮮食品を除く総合で-0.2%確かにわずかながらもデフレです。
www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001033702&cycode=0
特に酷いのはここらへん。
教養娯楽用耐久財[62.5%] 家庭用耐久財[75%] 生鮮食品[94%]
生鮮食品のなかでも果物や生鮮果物は92%、91.3%で-8%もの物価下落がみられます。(前年同月を100%とする)、しかし、物価上昇しているものもありエネルギーなどは[111.6%]となっています。
これらを総合すると-0.4%となるわけです。
コンビニなどで日常的に購買が繰り返される生活日用品は、毎日買われるので商品の価格弾力性が低く、わずかな値上げにも消費者は敏感に反応し途端に売れなくなります。だから食料品は価格は変わらずに内容量がどんどん減っていくわけですね・・・。
耐久財の価格が下がっているということは、消費が落ち込んで売れないことを表しています。
耐久財というのは一度買えば数年もつよーという意味です。ドラクエに例えるなら使ってなくなるアイテムが消費財。武器屋や防具は耐久財です。(なんちゅう説明!)
というわけで耐久財の値段が下がっているということは、消費者がいますぐ必要ではないものを後回しにしてしまっているので売れないっちゅうーことでしょう。
耐久財はすぐダメになるものではないので製造による在庫調整がそこまで柔軟にはできません。
武器職人が武器が売れないからといって、武器をつくらないでいたら稼ぎがなくなってしまうので、作らないといけないわけです。が、作ったらこんどは売らないといけない。耐久財は保管にもコストがかかるので、値段を下げでも販売していかないといけない。日本の場合、人件費のほうがもっと硬直的ですから。
昨年は東日本大震災があり、各地でお祭りが中止になるという副次的な影響がありました。
その結果、うちの隣の町会ではお神輿を通常価格の半額で買えたといいます。泣き付かれて買ったともいいます。
商品は半額になりました。だけれども、人件費や原材料費には変化はなかったはずです。
はたして、これはデフレでしょうか?
経営コンサルタントのショーン川上さんがラジオで、今は「川上インフレ川下デフレなんです」と言っていました。
消費者に近いところは物価の下落がみられるが、川上、つまり上流部分の値段はインフレしていると。
ここでは比較しやすいために先物の原油あたりをみると、またリーマン・ショック直前の水準にまで上昇してきています。
今は、円高でその影響が見えにくくなっていますが、原材料は2倍以上になっているのに最終製品は0.4%の値下がりをしている。
果物を作ったりするのが前よりお金がかかるようになっているのに1年かけて作ったら前より安い値段になってしまった!!
これは苦しい!
10円玉拾い放題で入園料が1,000円であったテーマパークの人気アトラクションが、1円玉拾い放題で入園料が5,000円になったようなものです。
あーー、元とれねーわーこれー
みたいな。
半製品や製造加工をするような会社はどんどん厳しくなっているはずです。
さっきお店の仕事をしていて、紅茶をいれるアルミの袋に値札が貼ってあって気がついたのですが、紅茶を入れる大きい袋はここ何年かで2381円から2751円になったようです。
ティースプーンのような金属系の商品はもっと露骨に仕入れ価格が上昇しています。数年前におきた原材料高から回復していない。ものの値段はあがってるなと商売をやっていると感じます。
逆に客単価はうちのようなお店でも下がってます。あぁぅー、きびちぃ。
200%あがっている原材料に対して2%のインフレターゲット。
国債利率-物価上昇率の日本ボーナスを消すと円安になって余計死ぬのではなかろうかという恐れもあります。
金利のボーナスについては下記について書きました。
日本 0.74%[国債]-(-0.1%[物価上昇率])=0.84%
アメリカ 1.680%[国債]-2.4%[物価上昇率]=-0.72%
今、何がおきているのかは観測できますが、ぶっちゃけ何をやればいいかはわかりません。もっといえば何をやれば儲かるかはわかっていてもそれをやりたいかとはまた別問題です。タンポポのっけてるほうがいいっていう人もいるだろ。
2%のインフレターゲットでいいような気もするしダメな気もする。予測はできるけれどもその予測にそって行動をする事ができる以上、予測なんぞ大人プレーヤーの駆け引きによってなんぼでも覆すことができます。
新規参入の脅威や競合の脅威はその利益が平準化されるまで続きます。
それを阻むものが技術や設備であったりといった属人性や属地性による競争優位なのですが、この障壁もいずれ食い破られるでしょう。
利益が出た成長期はみんなでどう分前を分担するかを決めるのが政治などの役割はよかったのかもしれませんが、いまは若者は減って老人が増える衰退期です。衰退期にはどう負担を分け合うかが問題になるのですが、まだ老人達のマインドは利益分配、利益誘導型ですね。我田引水するほど水なんかねぇょみたいな。
自民党の石破幹事長が、製造品への投資をするといっていました。
普通の法人の営業活動におけるキャッシュフローを考えた場合、投資活動におけるキャッシュフローだけが先行してふえていいのは発展途上の企業だけです。
営業活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフロー
kabukiso.com/apply/zaimu/cashflow.html
財務CFも営業CFも▲な国が投資活動をさらに増やすとか企業団体でみたらダメな典型です。営業活動で収支がプラスになることを目指さないでどうすんのと思ったりもしますし、それこそ耐久消費財への投資は保守コストが怖いです。
最後、話しはずれたけど、多分このままいくと2%じゃなくて2倍ぐらいの金余り奔流の王蟲にセンタードーム食い破られるんだろうなとか思ったりなんだりしながら、きっとなんくるないさー的に紅茶のんでます。
紅茶はいらんかねー。