日本の個人資産1500兆円は正しいのか?


なんか俺が子供の頃から日本の個人資産は1000兆円あると言われたままあまり動いていない気がする。

日本経済凄過ぎワロタwwwwwwwwwwww
alfalfalfa.com/archives/6262676.html

経済が凄いかどうかは置いておいて、今回は個人資産1,500兆円という本営大発表はどれくらい信じられるのかについてかるーく調べてみようと思う。
まず、個人資産1,500兆などとマスメディアや政治家が口にする根拠は、日本銀行の資金循環統計による。

 

最新のレポートを貼っておく。

資金循環統計(2012年第3四半期速報):参考図表
www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf

まずここから家計の金融資産の残高を抜き出す。

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※右側に今季の四半期ごとの図がでてくるが通期のみでみるのには邪魔なので削った。
マネタリーベースやサプライは日銀さんを信用するしなかいので置いておいて、比較的考慮しやすい、株式・出資金に注目したい。残高の推移でみると05年、06年が多く、他の年では半分程度になっている。

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他方、こちらはTOPIX東証株価指数のここ10年のチャートだ。
stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=998405.T&ct=z&t=ay&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130&a=

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TOPIX東証株価指数でみると、2006-2008年にピークがきている。このずれが意味するところはなんであろうか?

家計残高の株式・出資金は時価の取引価格ではなく、取得額の価格をベースに計算していいるということではないだろうか。

 

次に注目したいのは、保険・年金準備金だ。家計のなかで現金・預金につぐウェイトをしめている。これは、企業が積み立てている年金などを含む資産だ。
年金は、厚生労働省の年金積立金運用報告書から裏付けることがImage4できる。

 

 

平成23年度 年金積立金運用報告書 – 厚生労働省

クリックしてhoukokusho_h23_01.pdfにアクセス

39ページ目に「(参考3-1)年金積立金額(簿価、時価)の推移」という表があり、そこに感心なことに時価まで乗っている。

 

この10年で簿価ベースで30兆円吹っ飛んでるのはちょっと引いちゃう渾身のギャグだとして、平成6年から運用スケールという点ではあまり大きな推移はない。こちらにも時価の計算は償却原価法でというような制限はあるようだ。しかしグラフからみると400兆円分ぐらいありそうな年金は100兆しかないことがわかる。年金の3倍、300兆ぐらいが民間保険などの積立金であるようだ。

 

結論。実際に資産としてお家に持って帰えって自由につかえるお金として個人資産1,500兆円が存在するわけではない。あくまで年金や保険を含んだ、帳簿上の資産ということになる。
たとえば、わたしは個人事業主の延長で一人で有限会社をやっているが戻るあてもない資本金も個人資産として簿価計上されているし、個人事業主の運転資金も資産としてカウントされていることになる。

 

この帳簿上の資産、例えば債権などを自由に使えるお金としてみんなが現金化しようとすると、信用収縮がおきてしまうので、正確にそれがいくらあるのかなど測ることは難しいのではあるが、1,500兆円のうち半分は株券や債権と、また株や債権で運用されている年金、さらには正体不明の保険ということでした。

チャートのカーブでみるとこの失われた20年で本来増加するはずであったであろう3~400兆円分ぐらいが海外に流れたのかな?家計にしめる保険をもっと踏み込んで探ると面白そうだけど淵が深そうなのでやめておきます。

 

最後に「(図表5-1) 一般政府の金融負債」

Image5
無理ゲー・・・( ´,_ゝ`)

 


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