線をひけばすぐわかるヴォイニッチ手稿のイラスト


いきなり結論。

こんな珍妙な形の植物は存在しないので、
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このように 線をひけばいい。

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ただの時系列での観察スケッチじゃねコレ?

7-voi
以上。これが見てすぐに気がついた所。

 

ヴォイニッチ手稿とは

400~600年ぐらいまえに書かれたと考えられている謎の植物と文字で構成された、未だに誰も解読していないという謎の奇書ヴォイニッチ手稿。かの天才ノイマンも解読に失敗したんだとか。だがしかし、その文字列の繰り返しの出現頻度やアクセントの付け方が音楽のシンコペーションっぽいので演奏手法が併記された文字譜、つまり、これって楽譜じゃねぇのと以前ブログにちろりと書いた
同じように、挿絵のイラストを眺めてたら比較的にすぐに気がついたことがあるのだけど、ま、これまた大した事とも思えなかったので、そのままにしてたんだけど、最近新しいヴォイニッチのページが復元されたとかで、それを見た人が「これって絵が下手なだけじゃねww」なることが言われているのを見かけたので作者故人に成り代わり反論いたしたく候。

作者の観察眼と知性

作者は絵が下手なわけではない。写実的な表現ではないので美術的な評価は得られないだろうが、うまいと思う。なんで上手いのかをこれから説明いたすでござる。イラスト部分。本編は何パートかに分かれているが、後半にある12星座のパートからみていきたい。ここではイラストは附則的につけられていて、植物のパートに比べると かなーーり小さく 雑 に描かれている。
ここで注目するのは魚座の魚と山羊座のヤギの絵だ。
星座パートに書かれているスペイン語っぽい単語の綴りを見るべく絵を拡大したときにあることに気がついた。

これは主題が魚座や山羊座の星座であるので、魚は魚と認識できる程度でよいし、ヤギはヤギと認識できる程度でよい。絵はおまけだ。
しかしながら、魚というモチーフを書こうと思って描いたのであろう絵を見てみると、魚には鮭(マス、鮭に代表されるサケ目サケ科)と思しき生物学的な特徴があることがわかる。立派なくちびる、くちばしと、そして背びれと尾びれの中間にある脂ビレだ。

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脂鰭(しき・あぶらびれ)を持つ魚類は少ない。(wikipediaによればサケマス類やナマズ類、カラシン類だそうだ // 正真骨下区(Euteleostei)の8目 salmon.fra.affrc.go.jp/event/column02fin/column02fin.htm

そしてこちらはヤギのイラストだ。
このような小さな絵の殴り書きであってもウシ科ヤギ目の特徴である「ケヅメ」がきちんと書き込まれている。

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イラストを見てわかるようにこれは静物写生ではない。観賞用の美術作品でもない。

だが、魚のイラストで脂ビレを描く、ヤギを描くのにけづめを書く。いくらそれが生活の身近にあったものだとしてもイラストを描く訓練をうけていないものが描いているのだ、普段からの観察眼とそれをイラストに再構成する力(抽象化力)をそれなりにもった描き手だということがわかるだろう。これらが創作上の偶然ではないことは2匹の魚のヒレの数が揃っていること、すべての足に蹴爪がついていることからも十分に推測できるだろう。このような人物の出現割合は現代の平均的な日本人に照らし合わせても上位5~10%程度には相当するのではないだろうか。手本をみせず「鮭を描いて」と、中学生の一クラスの子どもたちにお願いしたら、パック入り切り身を描く子より脂ビレを描く子の方が多いとはとてもではないが思えない。

14~16世紀のような生物門の体系化が終了していたわけではない時期にこれを記せるという背景を鑑みて、描き手に相応の知性があることを伺わせるに十分である。馬鹿じゃぁない。そして絵が下手なわけでもない。

ありえない植物がなぜ描かれたのか

さて、描き手の知性は標準以上。そして、科学的な観察眼がある人物だと仮定しよう。異論はあるかもしれないが、まず仮定だ。
作者は観察眼があって、標準以上の知性がある人物だぞ。っと。
それを踏まえたうえで、あらためて「ありえない植物」のイラストを見てみる。

植物学者が「こんな植物は実在しない」と言明するのはなぜか、または逆にこの程度のイラストなのに明言できるのは何故か。答えはシンプルだ。花の特徴から同定できる植物と、葉の特徴から同定できる植物が既知のそれと異なるからだ。言い換えればこんな植物は存在しないと言えるほどに植物特徴が列挙されているとも言える。

これは最初のほうのページにある植物のイラストである。
こういう植物は一見ありえそうである。

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www.bibliotecapleyades.net/ciencia/imagenes_manuscrito/manuscrito006.jpg
(線をみやすいようにトーンカーブを弄ってあります。)
花が伝える特徴、立ち上がった花弁、飛び出た雌しべはユリの花の特徴を抑えている。

では、現代の人たちが美術的に描いたユリの花をみてみよう。
検索キーワードは「百合 日本画」で画像検索してみる。
参考までにスクリーンショットを貼っておこう。
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www.google.co.jp/search?q=%E7%99%BE%E5%90%88+%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%BB&espv=2&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=UaaJVJvyOuO-mwWIiIDYCA&ved=0CAYQ_AUoAQ&biw=1920&bih=842
なんで「日本画」というキーワードが追加されているかについては、お察しください・・・百合で検索するとえらいことになるんよ。

 

比較して気がつくことはあるだろうか?
そう。葉っぱが違う。

ユリ目は「単子葉植物綱」である。しゅっとした細長い葉っぱが特徴である。現代でユリを描いた人々は誰しもがそのように葉も描いている。
だが、ヴォイニッチ手稿のユリのイラストではまあるい葉っぱとなっていることに気がつけるだろうか?

ユリは単子葉植物綱、ユリ目、ユリ科、ユリ属の植物である。ユリ網と現すこともあるほど単子葉植物綱の代表的な植物である。その代表的な植物がなぜに双子葉植物綱のような、網レベルで違う植物の葉をつけているのだろうか?
花が伝える植物としての特徴と、葉が伝える植物としての特徴がまったく異なりすぎている。尖った花弁に丸い葉??
さらに根の部分。ユリ根、食されたりすることでも有名であるが、ユリは「球根草」である。これどうみても球根ではないよね。まあ同じユリ目のヤマノイモ科の根とみることもできるかもしれないけど、だとするとこんどは花に芋の花の特徴がない。つまり異なる特徴を同時に持つこんな植物は普通に考えればデタラメなのである。

継ぎ植物

しかし、前提を思い返して欲しい。これは特徴を書き表すことができる聡さをもった人物が書いた絵なのだ。
「この絵のおかしなところはどこだい?」と、師匠から問われているのだとする。
あなたはなんと答えるだろうか?
「お師匠、この絵は花と葉では特徴がまるで違います!」
ここまで答えて及第点なのではないだろうか。
まあ、そんな弟子へのクイズ用にお師匠さんが夜なべしてつくったイラストかもしれないが、それにしては凝りすぎているので、もう少し踏み込む必要があるだろう。

花がユリと同定できるレベルに特徴を平面に再構成し、葉や根も花の特徴とは結びつかないことがわかるように表現されている。
そうわかるように描かれているのだと仮定しよう。
つまり、この絵が書き記したものが全て正しいと仮定して、どうしたらこのような植物が実在するか、できるかについても考えてみようではないか。

花と葉の特徴が一致しない。そんな植物はありえるのか?

 

ある。

1花と葉を「継げ」ばいいのだ。
もしかして、これは「継ぎ植物」のイラストではないだろうか?

つまり、この絵にはここに線を引くことができる。
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そう新たな仮定を持って、再びその他のページを眺めてみよう。
新たな発見はないだろうか?
あるページに、こんなデタラメな根を持つ植物のイラストがあった。

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www.bibliotecapleyades.net/ciencia/imagenes_manuscrito/manuscrito075.jpg

気持ちの悪い根だ。こんな根っこはみたこともない。存在しそうもない。まさに異世界植物ww
なるほどね。
でも、聡い人物が観察可能なものを描いたのだと仮定したとすると、絵への感想もかわってくるはずだ。
いったい何を描いた絵なのだろうか。何を抽象化し再構成した絵なのだろうか?

根の部分をよくみてみよう。
なんだろう、この生えかけの芽は。
右に行くほど、伸びている?

もしや、これはパラパラ漫画よろしく、時系列を表現するイラストを一枚の絵に再構成したものではないだろうか?
時間経過をつなげてひとつの植物にまとめてしまっているので珍妙な形状になってこそいるが、これも線をひけばすぐわかるのではないだろうか。
線をひいいて現代風にしてみよう。

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我々が慣れ親しんでいるコマ割りに変換するだけで、これが何を書かんとしたのか、どのような意図で書こうとしたのかがわかるようになったのではないだろうか。

なんでつなげた!と説教したくもなるが、「色をぬるときにめんどくさかったから繋げたった」ぐらいのものなんだろう。400年前の人間なんだ、悪意があるとも思えない。現代人がそう見ることに慣らされているイラストの体裁なぞの常識が400年前の人間に通じるわけもあるまい。この作者が創意工夫をして時系列観察図をこのような独自形式を発明したうえで記したのだ。むしろがんばったね作者と褒めてやるべきだ。下手くそと言われようとも、何人かはわかってやらなきゃダメよダメダメ!

こうやって改めて見ると切られた茎が再生途中に花が継がれた時系列のイラストと見ることはできないだろうか?
観察眼がある人間が書いたとわかれば、同様に他のページもいろいろと発見することができる。意味のわからない文字列に注力し惑わされてはいけない。

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www.bibliotecapleyades.net/ciencia/imagenes_manuscrito/manuscrito139.jpg

ブドウの取り根

前にも書いたけど、こういう気持ち悪い一見意味のわからない絵のだって、女の人達がワインをつくるためにやるブドウ踏みの絵なのではないかと思う。ブドウというなら、この血管のパイプみたいなやつは、「取り根」(もしくは「取り木」)なんじゃないかとか。いろいろ類推できるようになると思うのです。

ブドウは挿し木のように切り口を土につけてやることで根を再生して株を増やすことができるのだが、茎を切らずとも外皮に傷をつけてやって、絵のように茎の途中で植木鉢のようなもので覆ってやると、茎の途中から根が再生する。挿し木のように切ってから根がつくかわからないというリスクを犯さずにブドウの苗を増やすことができるわけだ。

ぶどう盆栽 「小川式鉢植えぶどう育成専用パイプ棚」


blog.livedoor.jp/gospel_ogawa/archives/cat_32070.html

 

キウイのとり木


e.gmobb.jp/siki-sora/sasiki.html

右上の蜂の巣みたいなのはとてもブドウには見えないが、ブドウのピクトグラムが丸いつぶつぶになったのは現代人がそれをブドウだと認識するアイコン表示に慣れているからだ。現代に流通しているブドウ以外にもいろいろな種類のブドウがある。
最近すこし見かけるようになってきたマニキュアフィンガーとか、欧州系ブドウのマリオとか、こういう形をしたブドウの房は現代でもまあ見かけないでもない。(それが、どんな形か気になるひとはぐぐれ)
現代人の我々は房切りされて形を整えられたブドウを見ていることを思い出さなければいけない。

thebeast.com.au/wp-content/uploads/2010/10/wine-grapes.jpg ワイングレープ

植物キメラ

こうやって全体をあらためてみると、ヴォイニッチの著者は継ぎ木とか、挿し木とか、その手の研究でもしてたのかもしれないなとおもえてくる。
いってみれば実験ノート。
STAP細胞のあれこれで話題になりましたが、あれは動物の細胞外環境からのストレスで初期化をどうこうというものでしたが、生物学の歴史を愚弄しているとまでいわれたその歴史を数百年遡れば植物は細胞外環境からの刺激で分化状態を初期化できるというのが大発見だった時期があったわけです。例えば人参の切片を水に着けておくだけで、切り口から根や葉に再分化再生する。それが発見だった時代にさかのぼったに過ぎません。

キメラ動物は現代でも難しい技術ですが、キメラ植物はちょうど1600年ごろには最先端の技術でした。
ナスやトマト、ピーマンなんかは現代でも台木に苗を継いで育てられます。現代でも園芸などをやるひとには馴染みのあるものですが、あたりまえすぎて逆に知られてないのかもしれません。キメラというと、遺伝子操作がどうこうというイメージがあるかもしれないけど、植物の場合はカミソリでスパってやって洗濯バサミでつなぐだけで融合がおこります。イギリス人が柿を喰わないのは渋柿の根に甘柿を接ぐ方法をしらなかったので渋柿しかないからだ!(たぶん)
食べられない果物を食べられるように変えたり、弱い植物を強く変えたりするのに不可欠な技術なのです。これがあるとないとで食文化がかわるほどです。それほど植物を継いでつくられたキメラ植物は現代の我々の生活とは切っても切れないほど身近なものになっているのです。

現在、果菜類ではキュウリ、スイカ、メロンなどのウリ類と、ナス、トマト、ピーマン(一部)で接ぎ木苗を利用した栽培が行われています。

www.takii.co.jp/tsk/y_garden/spring/point03/

接ぎ木で人工的に作り出したキメラ (中略) 1664年にフローレンスで初めて記録されたビザリアオレンジが、その最初期の1つとされています。
www.jspp.org/cgi-bin/17hiroba/question_search.cgi?ques=true&quesid=0465

1600年ごろは植物の継ぎや交配などの技術はもちろん現在のようにな水準にまで達してもおらず、体系化もされていないので、失敗を繰り返しながら観察したものの実験ノートとして記録を残すことにも価値があったものと思われます。ちょうど1600年ごろから地球規模で気候が安定しだしたので、文明レベルが一気呵成に伸びました。ヴォイニッチがつくられたと思われる頃は植物キメラの研究こそが人類未踏の最先端領域なので、科学的探究心がある人が挑むにはちょうどよいテーマであったように考えられます。

で、まあ文字の部分については、やっぱりページ内の構成からも、あまり重要さを感じません。絵が先だったり、文字が先だったりで絵と文章を同レベルの重要度で書いたとも思えないんです。文字にイラストのキャプションや補足的な説明がはいっているとも思えず、紙が高価だったから使いまわしたった程度のことなんじゃないでしょうか。唯一交じり合ってるのがブドウ踏みの絵だとおもうんだけど、これもブドウ踏みが音楽的だからなんじゃないかな。おじいちゃんが残したイラストに孫が余白に楽譜を書いたとかそんな程度なのかもしれないし。あんま関連性はないと思うのです。文字は文字。絵は絵で考えたらだめなんでしょうか? こういうことを書いちゃうと、また、ヴォイニッチ・クラスタの人たちからこれまでの研究を愚弄しているとか言われちゃうのかもしれないけどね。まあ謎のままのほうがロマンがあるかもしれませんが。でも、植物キメラの実験ノートって言えば、それはそれでロマンがあるでしょ?

どうしてもイラストと文字っぽい何かを関連付けるのだとしたら、暗号じゃなくて、やっぱりこの繰り返しの多さからフィボナッチ数っぽい何か、例えば「葉の間隔」とか「維管束」を記したものとかかな?人間が心地よく感じる音楽もそうだけど、植物の葉の間隔の出現率や、間隔比率、自己相似性、繰り返しは似たようなもんがあるから、そういうものかもね。
ただ。この文字が暗号だとしても非圧縮っぽいし、自然言語だとしても表音文字だろうからイラスト以上の情報量が文字にはいっているとも思えない。絵がキメラ植物の合成のスケッチだとしたら、得に補足的な説明がいるわけでもないですし、きゅうり× ナス○とかその程度の実験結果が書かれてるぐらいなんじゃないかな。

そんなわけで作者はイラストが下手なわけではないと私は擁護したいと思います。

まあでも、こんな絵を見ると、頭が途中でおかしくなったのかもしれないけどねw
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www.bibliotecapleyades.net/ciencia/imagenes_manuscrito/manuscrito063.jpg
頭から植物生えちゃいました。てへっ。

ところで、この文章の下書きに「会質値他」と書かれてたんだけど誰かこの暗号をといておくれよ。なんのメモだっけかな・・・。
ちなみにヴォイニッチ手稿は↓のURLで見ることができます。
www.bibliotecapleyades.net/ciencia/esp_ciencia_manuscrito07.htm#top


国宝がみたいので国宝展にいってきた


2014-12-06 18.52.56

120点もの国宝が集結するという。いかねばなるまいと思っていて、ついつい会期の最終日一日前になってようやく駆け込みでいってこれた。20時まで閉館時間を延期に感謝。
東京国立博物館の中にはいるのは初めてかも。うん。

さて、国宝展の詳細レビューはいろいろなヒトがもうやっていると思うし、どうせ会期も明日で終わりなので独断と偏見にまみれた感想をわすれぬうちに。
kokuhou2014.jp/

No04. 直刃 号 丙子椒林剣

はいってすぐのところにある。聖徳太子とゆかりがある細身直刃のこぶりな刀。
装飾刀に近くあまり実用性はなさそう。造りが独特な感じがした。レイピアっぽい。日本刀の作成技法が出来る前の現存する刀だそうだ。
3重ぐらいのヒトの頭越しでよくみえなかったので、手をのばして頭上越しにアイフォンでぴろーんって撮影したら、「撮影だめ、消して下さい」って立ち会いのもと消させられた(´・ω・`)刀も撮影禁止なんだね。。。

フラッシュとかで絵が焼けるからってので撮影禁止なのはわかるんだけど、なんで刀とかもだめなんだろうか?所有者との契約の問題?それとも撮影会になってしまって観覧者がさばけなくなるから?信仰物系もあるから?詳細を後でみたかったのになー。撮影禁止って書いてなければ撮って大丈夫だよってネットでみかけたんだけど、聞いたら国宝展ではそんな場所はないそうです。残念だね。なんで撮影禁止なんだろうね?
www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%99%E5%AD%90%E6%A4%92%E6%9E%97%E5%89%A3&espv=2&biw=1117&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=kFGDVLfTGNC48gXooYCwDw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch&q=%E4%B8%99%E5%AD%90%E6%A4%92%E6%9E%97%E5%89%A3+%E5%9B%BD%E5%AE%9D
参考画像もあまりいいのがありません・・・。

No28. 地獄草紙

列が動かなくてちっとも見れない人気の作品でした。なのでほとんどみれませんでした。どふ。
が、ニワトリ地獄とか解説がちょっとおちゃめで想像たくましく、おもしろうそうげ。じっくり見てみたかったです。
普段は奈良国立と東京国立にあるようで、奈良の国立のほうでWebサイト上にあります。
www.narahaku.go.jp/collection/v-644-0-2.html
> 第一段糞屎泥地獄、第二段凾量地獄、第三段鉄鎧地獄、第四段鶏地獄、第五段黒雲沙地獄、第六段膿血地獄、第七段孤狼地獄
あー、WEBページでおちゃめな解説と迫力が再現できてない。なんだこのくそフラッシュ。

No41. 普賢菩薩像

あまりみられていなかったけど実物はその他の国宝とくらべても図抜けてよいとおもいました。
www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A1
www.tnm.jp/uploads/r_collection/L_C0016809.jpg

No43. 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図 第四幀

www.chusonji.or.jp/guide/culturalassets/
紺地の紙の色もみないような色ですし、遠目に見ると金彩で描かれた塔なんですが、これ全部細密な文字(経?)なんですね。いってみりゃアスキーアートなんだけど、なんていうかその他の部分も含めて実に緻密。まさに気の遠くなるような曼荼羅図をみた気がしました。

No48. 土偶 中空土偶

土偶の中でフューチャリングするのは中空土偶です。その他の国宝土偶は女性をかたどったセクシーな感じなのですが、この中空土偶はたぶんおっさんで、何かへその部分とかあごひげの部分とか、籐みたいな中空植物の茎とかでスタンプしたようなひげだとか、へそ毛とかが表現されてて、うわぁむさぁ・・・と思いました。あと、なんか格好がモンゴル相撲っぽい。
そのほかのビーナス土偶については、裏にまわりこんで見ると結構いろいろな発見があると思います。仮面の女神の後頭部のなんと表現したものでしょう?男性器のような後頭部と、素焼きで焼いたら絶対割れるからやめとけというような感じのほそづくりの浮き造形がいくつもあって、これは焼くのも大変だったんじゃないかとか思いました。縄文時代の技術の高さを思い知ります。

No59. 短刀 銘 来国俊 正和五年十一月日

出刃包丁と柳刃包丁を足して2で割ったような短刀。5mm程度の肉厚さと、鋭い切っ先、直刃。
品があるとてもいい作でした。とてもいい。もう一回見に行ったぐらいよい。
www.atsutajingu.or.jp/jingu/bunkaden/possession/19.html
www.atsutajingu.or.jp/jingu/bunkaden/possession/

No85. 孔雀明王像

よいですね。
www.emuseum.jp/detail/100158/001/003?word=&d_lang=ja&s_lang=ja&class=&title=&c_e=&region=&era=&cptype=&owner=&pos=9&num=8&mode=detail&century=

No91. 金銅密教法具

地金の色は気に入らなかったんですが、五鈷杵や三鈷杵がセットになっているのは見たこともないなと。なんかカブトムシとかクワガタとかヘラクレスを並べられているような感じで妙なワクワク感がありました。
www.pref.hiroshima.lg.jp/site/bunkazai/bunkazai-data-101040050.html

No108. 飛青磁花生 龍泉窯

姿も美しいですし、デザインもその色合いもみたこともない感じでファンタスティックでした。ファイヤーキングのガラスかってぐらい釉薬がガラス化しててどんな窯なんだろうとか不思議におもったんですが、日本の作でないというのを聞いて、あぁなるほどねっと。
www.sumitomo.gr.jp/related/masterpiece/03/index.html

No109. 玳玻天目 吉州窯

たいひてんもくと読むようです。こちらも海外作の国宝ですね。
どれか一個もってかえっていいよッて言われたら、間違いなくこれ!!次点で短刀の正和五年十一月日かな。
日本書紀とか、土佐日記とか文化背景までを含めての国宝も多かったのだけど、来国俊の刀も、玳玻天目茶碗も、まあ上にあげた個人的に気に入ったものは単純に美術品としてのバランスだとか、それを作るための技術に粋を感じて評価しています。でも、その中でも玳玻天目茶碗は、なんだこりゃどうなってるんだ!?って感じに素晴らしかったです。
bunka.nii.ac.jp/db/SearchDetail.do?heritageId=71152
ありゃ、この写真こんなか、残念ですね。今日みたものと同じものとは思えない写り映えです。
実物は、光が屈折するんでしょうな。多層構造になっているのか、角度によって色目や文様がかわるので、すごい面白くてぐるぐる周りをまわってしまった。
あの茶碗があればしばらくニヤニヤできますね。三代将軍家光の長女に嫁いで来てもらわないとダメな代物なんですが。

No115 普賢菩薩騎象像 (大倉文化財団)

仏像の表情もいいんですが、乗っている象がこれまた素晴らしかったです。まだ象がみられたことがない時代(12世紀)の作なんですが、牛っぽいお尻に骨盤を感じさせる膨らみがあったり、よくよく前足をみると膝の部分にもういっぽんの指?があったりして、とてもおもしろい!
これの作者はなんていうか真面目なやつというか、おもしろいやつというか、たぶんいいやつ!
ま、冗談さておき細部に見入っても発見が尽きない作品というものを後世にまでのこせる才というのは素晴らしいなと感服つかまつりて候。
www.google.co.jp/search?q=%E6%99%AE%E8%B3%A2%E8%8F%A9%E8%96%A9%E9%A8%8E%E8%B1%A1%E5%83%8F+%E5%A4%A7%E5%80%89&espv=2&biw=1117&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=MkGDVMbwGeXZmgWmzoHACw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch&q=%E6%99%AE%E8%B3%A2%E8%8F%A9%E8%96%A9%E9%A8%8E%E8%B1%A1+%E5%9B%BD%E5%AE%9D

国宝展レポは以上になります。
以上、120点のなかからお気に入りの国宝でした。

・・・。
ひといっぱいで疲れました。

常設展の会場にもそのままいけるのでそちらも愉しみましょう。そっちのほうが見応えがあります・・・。ヒトも少ないし。アジア館の階段なんてホコリが積もってるぐらい・・・。
なにげに本館にも国宝があって、長船長光とあったし。刀剣ではやっぱり長船が私は好きですな。
思えば小学校の頃初めてひなびた地方の博物館でみて名前を記憶したのも長船長光であった。やっぱり日本刀を個人的な好き嫌いで言えば長船がいいなーと。
ここには珍しい長槍もあって、嬉しくなりました。
www.emuseum.jp/detail/100191/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E5%85%89%E5%BF%A0&class=&title=&c_e=&region=&era=&century=&cptype=&owner=&pos=1&num=3

あと、何があったっけかなー。
法隆寺宝物館の1Fの仏像ずらーのところで、ほぼどれも面長頭でっかちの4頭身なんだけど、右前前列右から3番目ぐらいになんか初音ミクかって感じのフィギュアっぽいスタイルとポーズがあって、なんかすげぇなって思った。気のせいかもしれない。
www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=3903

他にもいろいろおもしろいものがあったのだけど、あんだけ人だらけだったのに「あなたが国宝ですか!」とか、国宝級美人に声を掛けられなかったのが残念だったぐらいです。
国宝をみて気分が高まったところにある、鶯谷のラブホ街とうち流しのコンクリの床の起伏がすばらしい木造駅舎でどーんと現実に引き戻されたので国宝展は終了となります。


アベノミクスとか金融と経済とかのとある意見


かいつまんで、都内某所で金融と経済のmoocの反転授業で聞いたとある先生とよばれる人の現状見解をまとめてみる。
まあ背景を説明したうえでの極論なので、極論だけをまとめると怒るひとがいそうなので誰が言っていたかは伏せます。
そういう見方もあるなー程度に。ドゾ

  • アベノミクスは名目物価をあげるとはいっているが実質をあげるとは言っていない。
  • 物価はあがるが賃金上昇が伴わなければその分貧しくなる。
  • 年収450万の人は物価上昇と消費税あわせて年18万負担が増える。18万以上給料があがってなければ生活が暗くなる。
  • 短期的な未来の予想は難しいけど10年先の未来を決定する要素はすくないからわかる。
  • 国債発行残高と国内資産額がとうとうイーブンになった。あとはインフレさせるか税金をあげるしかない。
  • インフレさせるというと聞こえがわるいからデフレ脱却といっている。
  • 日本はあと数十年は貧しくなる一方だ。
  • 姥捨て山をつくるしかない。世代間闘争になる。
  • 生活を維持したければ日本人は昔のように働け。休みは正月三ヶ日だけだ。隠居するな死ぬまで働け。
  • 数年で女性活用なんてできるわけがない。人が育つのに何年かかると思ってるんだ。
  • ブラックカンパニーのようになるしか今の生活を維持することはできない。
  • 日本が貿易黒字だったことなんて、弥生時代から2,000年間のあいだでわずか数十年しかない。
  • 技術はだれでもあつかえるようにできるもののこと。
  • 日本は技術立国なんかじゃない。職人芸はあっても日本発の技術なんてない。
  • 途上国のほうがいまや最新の工場、設備機械をつかっているのに教えられるわけがない。
  • 日本は貿易立国なんかじゃない。韓国は80%、日本は2~3%しかない。
  • 日本は内需国だ。
  • 米と味噌をくってれば栄養素は足りる。鎖国ができるぞ。だが食料自給率が足りない。
  • 失われた20年っていうが経済成長は名目も実質も伸びている。
  • 1997年の細川内閣で消費税をあげられなかったのがポイントオブノーリターンだった。
  • 政治家がバカなんじゃない。選んでいるのは国民なんだから我々がバカなんだ。
  • 数十年かけておかしくしたものが治るのには数十年かかる。
  • ドイツはユーロ圏があるが日本には日本円圏しかない。
  • アメリカに宣戦布告して翌日に降伏すればアメリカの属国になれる。
  • 消費税増税しても国債の利払分にしかならない。インフレにするしかない。
  • 日本の実効税率は他の先進国に比べて低い。アメリカは除く。
  • ∴税金はあがるし、物価もあがる。

個人的感想。

なるほど、安倍政権は景気をよくするとは言っているけど、誰の景気はとは言ってないね(´・ω・`)
1の矢はともかく経済成長や財政規律のところは増税で完全に挫けたなと思ってたんだけど、最初から確信的だったのかもね。日銀は中央銀行としての独立性と物価安定のための機関としての役割を捨てて、財政ファイナンスをしていると判断されてもしかたないなと思っているんだ。政府も消費税増税時に議論していた財政健全化なんてやろうともしてないし。

国内の銀行による信用再創出に限界がくると国債の引受先がなくなるから、中央銀行が支えるというような真似事をしなきゃいけなくなって、そりゃマイナス金利とかになりますわいな。なるほど今が分水嶺というか、緩衝作用の滴定限界なのかもね。緩衝が崩れると早いから注意しなきゃ。ま、逃げようがないんだけど。

でも、税金をあげるしかないっていうのと、日本は実効税率が低いってところはなっとくいかないな。
たしかに個人所得の課税所得で1,000万以下はかなり低いほうだけど、でも累進性が高いし。
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/028a.htm
www.pwc.com/jp/ja/tax-keywords/effective-tax-rate.jhtml

財務省ペーパーだと必ず地方税がアメリカのなかでも高いカルフォルニアが出てくるけど、ここらへんのデータこそ鵜呑みにしちゃいけないと思うんだよね。
あと、比較値にでてこないもの。法人税の実効税率とか、実際のモノやヒトが動いたときに発生するお金。共益費だとか、NHKとか年金とか健康保険とか、電気代とか通信費とかいろいろあるじゃない? 最低限の生活を維持するための維持運用費用が高い。税金とは別の扱われ方をするけど、天下ったところがあれしてるだけでこんなん正味のサービス価格じゃなくてかなりの割合に税金的な要素がのっているよね。

そこらへんで、関係費がでていくから、建てたとたんに価値が半分になる不動産とか、高い土地代とか、固定資産税とか、相続税とか。建物にかかる税金が高くなるから家賃もあがる。
ここらへんが全部積み上がって国内総生産、内需をおしあげているだけで、すっきりさせたら、もっと惨状なんじゃないかな。労働力や資産、そしてそこにかかる税の仕組みをなんでリファクタリングしないんだろうと思うんだよね。法律とか税とかパッチだらけじゃない。法律なんかコーディング規約もないんだぜ。

各国の可処分所得で検索して、データをみると、11カ国の1世帯当たりの正味資産額平均値(市場レートで換算)で日本は平均で325,400ドル(105円換算で 3,400万円)もあることになってるんだけど、そんな資産があるわけないじゃない? 取得時価格で減価償却するだけで、時価評価による価値算定とかしないから、おかしな値になってるだけなんじゃないかなと思いますよ。

GDPの押上げにつかわれている、公共投資だってこれが人件費に流れてればまだいいんだけど、相当の部分が耐久消費財に使われていて、それって輸入品だよねとか、その維持費用や廃棄費用のことどう考えてるの?と、ちょっと問い詰めたくなりますよね。

あと失われた20年は国内総生産でみるんじゃなくて、国民の消費行動とかでみるべきなんじゃないかなって思った。
国民の可処分所得や消費行動が端的に現れる住宅価格の推移を見れば、

住宅価格

www.stepon-contents.jp/contents/column/ig/201107_01.gif
www.stepon-contents.jp/contents/column/archives/2011/07/post_57.html

国際比較で見る1世帯当たりの資産と負債
www.nli-research.co.jp/report/econo_report/2007/ke0706.pdf

まあ97年当時の円高を基準にして国際比較をするのもあれなんですが。やはり1面だけとらえて成長をしているというのは難しいのでは?

あと国債発行残高ふやしてるんだし、実質国内総生産額みて経済成長はしているというなら、国債分も割り引いて考えてやらないとだめなんじゃないの?

国債残高

実質GDP

最近20カ年間の年度末の国債残高の推移

つか、国債を毎年3~40兆円発行してて、この20年で普通国債で580兆、建設国債で120兆円も増えてんのに、毎年50兆投資して国内総生産が5兆も増えないっておかしいよね。
いやおかしいんだよ。実際。

われわれのやっている施策は正しいんだとの論拠のためにゲタ履かせすぎて、もうなんだかよくわからないことになってるよね。粉飾の塊すぎて、なんかもう判断もできないや。オープンデータなんで夢の夢だな。

財務省ホーム > 国債 > 関連資料・データ > 国債等関係諸資料
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/
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www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html