偲ぶサイ享年102歳


祖母が亡くなられた。享年102歳の大往生である。
100歳を越えてからは養護施設に入っていたのだが、亡くなられる直前まで夜勤のかたと普通に会話をしていて、夜の見回りの際に亡くなれているのを発見したそうだ。

深夜12時20分ごろ家の固定電話が鳴る。たまに深夜に変な宣伝FAXが紛れこんだりするのが、その日は留守電を残している気配があったので階下に降りて確認したら介護施設から。至急連絡を下さいとのことで折り返したところ、夜勤の方から上記を告げられた。
幸い極近所の施設なので一人深夜に駆けつけ応急対応させてもらった。医師の死亡確認や両親は明朝になってからの対応。深夜にあなたの親が死んだと叩き起こしても、寝不足の人間を増やすだけだ。

亡くなられる前日、37度代の発熱があり翌日には下がったと両親から聞いていたので、深夜の電話にも予感はあったのかもしれない。

最後のお世話をしてくださっていた夜勤の方によると、熱は下がったのだけれども、血圧は高い状態は続いていて、本人も食欲がないから夕飯はいらないよとなどと話していたそうだ。寝る間際にベッドをリクライニングから戻し、点滴のガイドベルトなどなどが緩んでいたのを自分で直されているぐらいには元気で、ほんとしっかりしていて・・・普段と変わりがなかったのになどと会話。多くのかたを見送られたであろう施設のかたにも動揺があった。最後まで丁寧に仕事をしてくださって感謝しかない。

家から出ることもなかった専業主婦。著名人でもないごく普通に生活をし、ただただ長生きした祖母。ここで私が書き記してでもおかないと誰が追悼文をあげてくれるわけでもなし、記憶とともに偲ぶことにする。

いっとき書道が趣味で、家にいくつか作品がある。
なんて書いてあるかは読めない・・・万葉集とかかな?

最晩年

施設でも最高齢の102歳だが、頭のほうはかなりしっかりしていた。
入所されている方は70歳代でも痴呆と見受けられるかたもいらっしゃり、人の老い方には様々だと知らせてくれる。身内贔屓かもしれないが、101歳ぐらいまでは歩行補助具だけで自分でトイレに一人で行けていたのは、普通にすごいなとおもう。

耳は遠く、ほぼ聞き取れていないなかったのではないか。
最初のうちは会話はなかなか成立しないのだが、やり取りしていくうちに意思疎通できるのは、本人の推測による補完なのかもしれない。認知能力はたいしたもので、ホームでは掛け算とか漢字の読みとかを答える問題などがリクリエーションとしてあったのだが、正直、漢字などは高校生でも読めない子が半分以上いるぐらいのレベルの問題をやっていた。お花の名前の漢字シリーズなぞ俺だって危うい。

連れ合いの祖父に先立たれてからは100歳まで一人暮らしができていたというのが、そもそも驚異的なのかもしれない (しっかりしていたため要介護認定がとれなかった) 。もちろん、訪問介護やデイケアなどを利用しつつではあるし、別棟ではあるが私の店というか小屋や家があるので、目が届く範囲であったというのはあるが、足腰が立たなくなり呆けてしまうと、こうはなかなかいかない。

祖父の最晩年も頭は比較的しっかりしていたが、だんだん歩けなくなったり、電子レンジの使い方がわからなくなってしまった・・・とか、尻もちをついたとき立ち上がりかたがわからなくなってしまったとか、本人が自覚しながら自分の体の機能がだんだん停止していく。そんな風に老いがすすんでいった。祖母の場合は最後まで認知はしっかりしていた。死ぬのを忘れているんじゃないかとか、このままのペースでいったら120ぐらいまで余裕なんじゃないかとか思ったりもしたが、そんなことはないわけで、胃腸が機能不全におちいり栄養吸収ができなるパターンでいっときは個室で看取り待機となっていた。まあ、持ち直したんでそっから8ヶ月ぐらいずっと看取り用の個室だったんだけど。さすがに100歳をすぎれば時間の問題ではあった。最後は心臓が鼓動を。もしくは肺が呼吸を忘れたんだと思う。死因には老衰と書かれていた。

私の直系尊属はみなさん長生きで、102、98と99、95かな?
長命種のエルフとかドワーフなんじゃないかと思う。さしずめ母型がエルフで父型がドワーフかな。手先器用系だからって冗談だけど。単に医療技術の高度化が甚だしいのだとおもう。そして戦中を生き抜いた人たちの逞しさよ。現代科学は遠からず不老ぐらいは実現するかもしれないが、それはそれで恐ろしい世界だ。ご長寿老の人達をみてきて、長生きの秘訣があるとすればストレスのない生活と、不健康から離れていたからの結果でしかない。ストレスだらけで不調を抱え、欲望に飲まれ、ただ生きながらえるだけならば、それはそれは本当に恐ろしいことだ。胃ろうとかの延命治療だけは絶対にしないでくれとは俺が申し使っている両親からの数すくない希望ではある。

個人像

名前を「さい」と言う。わたしがごく幼少の頃は「さいは何歳?」とか、そんな言葉あそびをしていたな。
栃木の生まれで、「い」が「え」になるので、もしかしたら親とかは「さえ」と呼んでいたのかもしれない。あるいは「い」ではなく、「ゑ」「ヱ」なのかもしれないが戸籍上は現代ひらがな。ちなみに祖父は「ひ」が「し」になる江戸っ子なので子供の頃は二人にいろんな言葉を言わせるのが面白くてしょうがなかった。

祖父とは見合い結婚。両親だかが決めた結婚で、目黒雅叙園でやった結婚式だか、その前日に初めてあったと聞いた。結婚式当時どのひとが旦那かわからなかったと婆さん談。昔しっぽい。

そう、ドワーフ。
かつて士農工商に身分制度が別れていた頃なら双方間違いなく職人系の家系で、祖父方は金細工、祖母方は人形師だったと記憶している。(確認したら正式には農家?)
多分だけど、手先の器用さとか幾何系理解には遺伝要素がそれなりにあって、そういう職能目的で昔の人はインブリードしてたんじゃないかと思う。幾何系に興味を持つのはスキゾイドパーソナリティ障害(社会的関係への関心の薄さ、感情の平板化、孤独を選ぶ傾向を特徴とする人格障害)などと現代では分類されたりするが、職人像とか職人気質がまんまあてはまるよね。アスペかスキゾイドみたいなのしかいない理系男子は恋愛とかに興味が薄いひとが多いので、放っておくとオタク趣味に走るだけで結婚とかに興味を持たないことも多い。だから親というか家が適当に結婚させちゃうっていうのは、まあ、ある点では昔ながらの知恵なのかもしれない。孤独が好きっていう配向性をパーソナリティ障害とか言われてもねぇ。恋愛至上とか経済至上とかと別の世界線に混ぜても肉食に狙われるだけだし不幸だとも思う。

まあそんなわけで、祖父も祖母も喧騒とか怒りとか諍いとか妬みとか嫉みとかそういう負の感情からは程遠い人たちだった。家を建て替えるときとかに祖父母達とも一緒に住んだこともあるのだが喧嘩とかしているのもみたことがない。にこにこと穏やか。感情が平板とかいわないで欲しいな。

二竿の和ダンスを背にこたつを横に2つ並べ、電気ポットを真ん中に挟んで、ちょっと高くした座椅子に横に並んで座る。祖父が向かって右側、祖母は左側。七福神が揃いで宝船に乗っかってるぐらいの福徳さ。じいちゃんが縁側で一人囲碁の棋譜を並べているときは、ばあちゃんはお茶を飲みながらただ穏やかに眺めてたな。
私が子供の頃からお年寄り然としていて、そして亡くなるまでおじいちゃんおばあちゃんだった。

祖母の弟が家を訪れたとき、この二人を評して「なんとも福徳」と言っていたが、まさに言うて妙だとおもった。さすが人形師は言うことが違う。

さてこの、大叔父が来たときが私にとってはほぼ唯一の祖母方の実家家業を祖母以外から聞く機会だった。
祖父の金細工の商売はモノがモノなのでどちらかというと皇族とか華族、国外の王族とかが相手だったので戦争を挟んで贅沢品と禁止され、戦中は手先の器用さのために軍需に駆り出され、戦後はあれもそれもGHQに禁止されと、細工技術としては断絶した。生き残りはやがて時計メーカーとかに纏まっていって活路を見出したと聞いている。電気とか半導体とかもか。逆に人形のほうはそのまま職能として残り、なんか私が子供の頃はテレビCMとかしていたようないくつかの人形メーカーに纏まったと聞いた。最近は少子化の関係で産業事態もうないかもしれない。ひな祭り人形とか五月人形とかまだ職人さん達つくっているのだろうか? 上野の東側に仏壇屋と並んで専門街があった気がするけど、買ったなんて話しは、あまり聞かなくなったね・・・。

大叔父も、その時は、文化財みたいなすごく古い人形を直すぐらいだなぁと言っていたが、そういう伝統技術もやがては失伝していく。息子さんも継いではおられないそうだ。その時こられていた大叔父のお子さんは、数学だかの学者になったとかそんな事をいっていた。旧姓でciniiとかでググってもでてこないし違うんじゃないかと思うんだけど。まあ、ここでは本題ではないので置いておく。

旧姓を調べたら、全国人数400人しかいないみたいたので伏せておかないとね。もっとポピュラーな名前だと思ってた。ちなみに現在の姓は約7000人だ。そりゃ氏族としてはうちは繁茂はしねぇわな・・・。絶滅しかねん。

・・・。
英語だったら出てくるかなと調べたらなんかいっぱいでてきた。音でしか聞いてなかったから漢字を間違えていたみたい。こっちの漢字だと1700人はいるみたいだ。栃木に多いみたいだし、こっちか。ググったらインタビューとかが出てきちゃうし、ちょっと立場のある人みたいなので文中の特定に結びつきそうなところは遡り削除しました。ああ、出てきた顔写真の目元とかばあちゃんに似てるな・・・。・・・。ホロリとする。

兄弟間では、頭しっかりしていうるちにと別れは済ませ没交渉にするようなことを言っていたので、これからどこまで訃報をまわすかは悩むところだが、連絡先がわからないと思っていたので有名人だと少し助かる。

うちの雛人形は、人形だけじゃなくて、藁にさしこんだ人形の首がいくつもあるなと子供心に不思議に思ってたんだ。三人官女とかのさらし首かな、おっかねぇなと。お金がなくて体が買えなかったのだろうか。とか。だけど、そういうじゃなくてばあちゃんの実家が人形師だったんだね。さらし首にどんな意味があるのかは聞いておけばよかったな。・・・。ちょっと調べてみたけど、人形師でも頭師ってやつなのかな??

栃木の実家では家の中の土間のようなところに小川が流れていて、そこに金魚とかが泳いでいたそうだ。橋のたもとかなとも思わなくもないが、事実だとしたら風流なもんだね。どんなものだったのか見てみたい。

水道がなかった時分は家の中に小川を引き込んでいたものなのだろうか?
なんか富山あたりには今でも炊事場用の共同利用の井戸端小屋があるのを見聞きしたことがあるが、寡聞にして家の中を小川が流れるなどという屋敷は聞いたことがない。湿気で建物が傷んでしまいそうだ。いや、それを寛容するぐらいのなにかこだわりがあったのだろうか? 思えば自分も店に木を生やしてるし血は争えないのかも。

祖母は水戸黄門の「ちゃんばら」すら怖くてみれないレベルの怖がりだった。
驚くほどの心配性。
だから祖父が亡くなるのが怖すぎて見舞いにいけず祖父も呆れていた。いよいよ臨終というときに家のすぐそばの病院に駆けつけようというときも、何も聞こえないふりをして、どん兵衛にお湯を足しだしたときは、さすがにそれに付き合って自分も死に目に立ち会えないのは嫌なので置き去りにしてしまった。ごめんなさい。

祖父が亡くなれてから数十分後、ばあちゃんが遠方から駆けつけた叔母に連れられて病院に来た。祖母はただ家の前で待っていたそうだ。ただ、ただ、心配で、怖かったのだと思う。

召集令状の赤紙を片手に走って爺ちゃんを迎えに行った話しや、息子を栄養失調で殺す気かと医者から怒られ自分の実家に疎開させた話しなどは何度も聞いた。もしかしたらそういう経験が死に対する激しいトラウマになっていたのかもしれない。だけどもう何も心配はいらない。しっかりものの爺ちゃんもそばにいるはずだ。なんの心配もいらない。

この1年はコロナの影響もあり、ほとんど面会をすることもままならない状況であった。
面会にも予約が必要で、最大で1家族で2週間に1度という制限。面会も玄関のガラス越しにタブレットで最大15分のみ通話会話。亡くなれた翌朝も施設に行ったのだが、多くの家族が面会時間のため建物の外に列をつくっていた。

養護施設はどこも入ったら最後、認知症の老人がどこかにいかないような造りになっている。エレベーターのボタンを同時押ししなきゃいけないとか、下駄箱の中のひとつに文字ボタンがあって決められた順番でおさないと自動ドアが開かないとか脱出が困難なつくりになっている。だが、コロナ下ではそれに加えて入るのも困難な建物になっていた。ほんの気軽な訪問が多くの老人の命を奪いかねないのだから致し方がない。

うちからも近い施設だったので、1~2週間にいっぺんぐらい出荷のついでにちょっと足を伸ばして顔を見にいっていたのだが、この一年は数ヶ月に1度程度の頻度となっていた。ばあちゃんが事態を理解していたかはわからないが、さみしかったことと思う。

生前は、お正月の面会が最後か。緊急事態宣言がでていたので、ガラス、マイク越しの面会。 俺が生まれる前に閉店した祖父母がやっていた時計屋があるのだが、それを改修して、開けるねって話しをした。太宰治なども来ていたお店なのだが、シャッターを閉めたまま当時のまま数十年。だが家主が不在の1~2年で建物は人が住んでいないと途端に痛むのだということをまざまざ思い知らされた。風はときどきは通してはいたんだけどね。

ばあちゃんはできあがったら写真を撮って見せてねと言っていた。
間に合わなかった。見せられなくてごめんなさい。

その何回か前の面会のときは、俺が生まれた子供を紹介してくれた夢をみたと言っていた。 見せられなくてごめんな。

ばあちゃんのことだからあらゆることが心配だったに違いない。
だけれども何の心配もいらない。生きている人たちでなんとかするよ。心配しないで。だだ、すれば。


湿度が高いと感染者が増えるのかも


東京都における気温、湿度、日照時間とコロナウイルス感染者数を調べたよ。
陽の光でなら殺せるって炭治郎も言ってたし、その実、太陽光によるウイルス不活化はとても優秀なので「あれ、もしかして日照時間と感染者数」って関係あるのかな? と、最近日の入り時間が日に日に長くなってるのを体感しながら不思議に思ったので調べました。データセット揃えてくれてるって便利!ありがとう偉い人。

で、結果、

「なんの発見もありませんでしたぁぁあああ!!!」

まあ、そんなもんだよね。
で、日照時間調べるついでに引っ張ったデータの中に、湿度や気温とかもあったので、ついで気温とか湿度も調べたよ。

で、結果

はっ?

このグラフは東京都感染者数と5日前の湿度をあらわしたグラフの12月から1月部分である。

あれ・・・?
湿度が高くなると感染者数も増えるんじゃね???

という、湿度高いほうが感染者増えるとか、いままでの常識とは逆のなんとも微妙な仮説を得たのでご報告します。もうちょっと精査なデータ持ってるチームあったら研究よろぴこ。

日照時間とウイルス感染

デッドバイデイライト。あいつらは日の光に晒すと非常に短時間で死ぬ。死ぬというか、ぶっ壊れる。

ウイルスの不活化、消毒方法は大別すると3種類しかなくて、熱、紫外線、化学。
生物系の研究室でも熱(オートクレーブ)か紫外線(紫外線ランプ)、まああと、俺がいた研究室なんかは扱ってるのが菌だったので電子レンジ(チンで細胞膜がぶっ壊れるのでお手軽)をつかったりしてたけど、まあそんなもの。

コロナは92℃でも15分壊れないので熱消毒は生活空間では現実的ではない。(※1)
化学的消毒は、正直今出回っている消毒方法、ちょっと物申したいものばかりで、それコロナにも効くかもしれんけど、お前の遺伝子も壊れんぞ的な感じなので、「かんたんマイペット、キュキュット、ジョイ コンパクト、ママレモン、チャーミーマイルド」とかのそこらで売ってる界面活性剤系が俺てきにはおすすめ。つまるところ、こまめな手洗以上の効果は期待すんな。手洗え、手。

うちの商店街の会合で利用する地区公会堂は、使用後アルコールスプレーでテーブルの上を拭き掃除とかさせられるんだけど、あんなんは逆に怖い。

赤い霧吹きと、青い霧吹きを2つ作って、シューと霧吹いたあと、清拭したとしてさ・・・。
うまく色が混ざって紫になっていたら、うまく消毒できたところ。赤が手についてたりテーブルに残ってたら汚染。トレーニングもしてない人の清拭じゃ、汚染域が引き伸ばされるだけで、手も真っ赤になるわ。無理。

日光の話しに戻る。
それに比べてなんと日光の優秀なことか。
ステンレス表面に付着したコロナウイルスは、不活化まで湿度80%で6時間かかるところ、太陽光が当たると2分で半分になる。湿度20%なら1分半!!(※2)

1分半、つまり90秒で半分ってことは、900秒(15分)なら1024分の1に。
つまり日がさすところは、科学的消毒とかしなくてもお天道さまが全部やっつけてくださる。あ、窓ガラスは紫外線カットするのでお掃除するときは窓をあけてね。

ってなわけで、接待を伴う飲食店とか夜の街で増えるのも然りで、感染者が闊歩したあとは、夜が明けるまでそこには汚染域になる。
手にもった小さなアルコールスプレーと、形ばかりのマウスガードでマップ兵器に立ち向かう勇者に幸あれ。

・・・。
気象庁から東京都の日照時間と、感染者報告数のデータを拾い集め。
感染者数(左軸)、日照時間(右軸)、日時(横軸)

なんかでこぼこしてるだけでさっぱりわかりませんね。
感染者数は、病院や職場が休みとかの曜日の影響を強くうけるし、日照時間は晴れ、曇天でギザギザ。

しかたないので、ちょっと均すために5日で移動平均をつくりました。

うん。ごめん、なんの知見も得られませんでしたーーー

湿度

日照時間のデータの横に、湿度と気温のデータがあったので、せっかくなので、湿度と気温についても調べておこうと思った。

感染者数(左軸)、湿度(右軸)、日時(横軸)

最小湿度と平均湿度のグラフ。
最小湿度のほうタイトル間違ってるね。ごめんして

うん。
・・・あれ。なんか平均湿度のスパイクと、感染者数のスパイクになんか変な一致があるな。

5日ほどシフト。

11月あたりのスパイクには相関連動がみられないんだけど、12月からなんか妙にきれいに揃ってね?

PCR陽性確定まで前は2週間ぐらいかかってる感じだったけど、もしかして今は5日ぐらいに短縮できるようになった?なんか12月からなんか違うな。

感染から発症まで5日が最頻値だったよね。東京都のデータセットからcountifで集計したんだけど、これって発症日だっけ?

んー、このグラフから得られる仮説なんだけど、

湿度は高いほうが感染者が増える。

考察

湿度と感染症の通説は逆。湿度が低いとだめというもの。
空気が乾燥すると、分泌された粘膜も乾燥してしまう。口腔や気道、鼻の粘膜はウイルス蛋白を溶かすのでウイルス感染を防いでくれる。また、インフルエンザやコロナのようなエンベロープ(蛋白外殻)を持つやつは、湿度40%以下だと感染拡大するっちゅうようなことが言われてて、だから乾燥を避けるために加湿器を使いましょうねと。

でも、新型のコロナウイルスが出たころ、加湿器はウイルス生存時間を伸ばすからだめとレポートしてくれるのがいくつもあったよね。東南アジアのような高温多湿のところでも感染広げてるから湿度関係ねぇぞみたいな。逆にウイルスの感染能力を長くするぞ。みたいな。

コロナもエンベロープ系なので物体表面付着時には室温21度で20%湿度と80%湿度で18時間と6時間なので、圧倒的に多湿のほうが不活化までの時間は短くなる。

しかし、問題は空中。エアロゾルのウイルス。
コロナはインフルエンザより細かい飛沫で感染性を有する。
同じ飛沫でも、インフルエンザ>コロナ>麻しんって感じだそうな。

感染者の呼気により吐き出された細かな飛沫は、 100μm以上の 大きいものは2mも飛ばずに落ちるが(マスクやソーシャルディスタンスが大事な理由)、非常に細かくなった飛沫は自重により落下せずに空中に30分程度浮遊する(密閉がだめで換気が大切な理由)。

だが湿度が高いことで空気中に浮遊するウイルスが乾燥を免れ感染性を有したままとなる。 それはつまり、30分前そこで呼吸をしていた感染者の影響もうけるわけだ。換気されない空間では30分間そこで呼吸をした人たちの密を考えなきゃならん。

なお、マスクは5μmとかのエアロゾルを防ぐものでははない。(換気が大切な理由×2回め)

「湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する」
www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278

気温

11月中頃がピークだ。家に帰るど、3週間後に会いましょう!の動画をつい先日みておもわず笑っちゃったんだけど、気温が下がって、湿度が下がると感染者が増えるのはまあいままででは自明に近い道理だよね。

今回の新型コロナウイルスは、各国で夏にも猛威を奮ってたので、あんま気温関係ないきがするんだけど、一応調べてみたよ。

やる気のないグラフw
わかんないね。

最高気温、最低気温、平均気温が右軸、感染者数が左軸。

これは、前日との気温差でみてみたよ。
なんで前日との気温差を見るかというと、喫茶店をまあ、いっぱしに十年もやってると、変な知見が溜まっててさ、人の出とか客の入りとか、その日が寒いかどうかよりも、前の日より温かいかどうかのほうが影響あるんよ。で、人間が感知できる気温差は3度からとか言われてるよね。

で、3度以上違う日とかをみてみるけど・・・
あー、うん、なんにもわかりません!!

で、ちょっと均すために平均気温の移動平均をとってグラフをつくったよ。

あーー、うん。ここから得られる仮設は、

寒くなると感染者が増える。

かな、
寒くなれば、換気もされないし、体温も下がって免疫も落ちるので風邪が流行る。 ま、そんなところかも。

日照時間なんかあるとおもったんだけどなー。なんもひっかかりがなかったのは残念。
湿度、高いほうで露骨に変な相関が出てたのは、すごく意外だった。
でもま、ただの変な偶然なだけかもしれないから、他の都市のデータとか、一年後とかにまた追ってみたいですね。

では、みなさまご健勝に。

参考およびデータもと

気象庁::ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 日ごとの値
www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2020&month=11&day=&view=p1
東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細
catalog.data.metro.tokyo.lg.jp/dataset/t000010d0000000068

(※1)
熱 コロナウイルスは結構熱に強く、人間が生存できる温度帯では不活化できなさそう。92℃で15分
www.wowkorea.jp/news/korea/2020/0420/10256654.html
紫外線 日光だと1分20秒~2分で半減期。瞬殺。
www.wowkorea.jp/news/korea/2020/0424/10257002.html
化学的消毒消毒用エタノール(濃度70%以上95%以下のエタノール)次亜塩素酸ナトリウム (0.05%)、界面活性剤、次亜塩素酸水

(※2)
太陽光は新型コロナウイルスを急速に不活性化させるのか? 論文の公開求める声も
www.afpbb.com/articles/-/3280303

(※3)
www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278
wired.jp/membership/2020/11/27/covid-winter-is-coming-could-humidifiers-help/
news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20210108-00216585/
taisho-kenko.com/column/detail/28
室温(約20℃)では低湿度(相対湿度30〜50%)より高湿度(80%)の
環境でより迅速に不活化される一方,6℃では80%でも長い生存性を示している。
www.saaaj.jp/covid/pdf/covid02.pdf
QT:
湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する

グラフ作成につかったエクセル、DropBoxにあげておくよ。ほしければどぞ。https://www.dropbox.com/s/styr5zbq82j4evi/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%97%A5%E7%85%A7%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A8%E6%84%9F%E6%9F%93%E8%80%85%E6%95%B0.xlsx?dl=0


2類から5類にすれば医療崩壊しなくてすむってさ


大手門に敵が殺到しているから、門をあけて敵を引き込めば前線崩壊ではない。
ウォールオブマリアが破られても、なに、まだ壁はある。

言っているのはまさにそういう事でしかない。
指定感染症の2類からインフルエンザ並みの5類にすることで、なるほど医療崩壊はしないかもしれない。 だが、それは医療崩壊という言葉の定義を変えているだけ。敗走ではなく、転進といえば負けじゃないといっているのに等しい。

世の言説は明快を好むためか、白黒、明暗をつけたがる。
フェイクだファクトだ、言った言ってない、正だ否だとで揉めがちだけど、下手な嘘にだって真実は散りばめ混ぜられるもの。自然科学でもだいたいの事象はグラデーションだ。花が咲いたという観測をしても、観測者や観測対象木によっては咲いている、散っている、まだ咲いていないなどが入り交じる。

さて、現場で観測している人たちが、「もう限界だ」「これ以上は持たない」と声をあげている。
まず現場の声は尊重しなければならない。
そんなはずはない、病床はまだある。弾は十分にあるはずだ。まだ戦えるはずだとかいうのは、現場の声を見なかったこと、聞かなかったことにしているだけだ。

崩壊にも段階があって、最先端の医療体制のキャパシティオーバーとか、救急の医療体制のキャパシティーオーバーとか、町医者まで死に絶えるとかいろんなステージがある。いま、その最前線の戦線が崩壊しているところだ。

為政者が被害をへらすためにやるべきは法律の定義の変更によるごまかしでなく、ニューヨークのように1,000床からなる野営病院や臨時病院をいくつも建てることだ。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=410AC0000000114_20190914_501AC0000000037

「一類感染症」
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
「二類感染症」
急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルス)、中東呼吸器症候群(MERSコロナウイルス)、鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ)
「三類感染症」
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、
「四類感染症」
E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、ボツリヌス症、マラリア、野兎と病、既に知られている感染性の疾病
「五類感染症」
インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

感染症の分類というのは上記のようになっている。
疫病を無為に広げないために、感染症の取り扱い方法が定められている。
なんていうか、法の素人から見ても下手くそな立法文書。「新型インフルエンザ等対策特別措置法」とかもそうなんだけど、法律のなかに直値で病名が書き込まれている、メンテナンス性の低いコードだ。
なので「新型コロナウイルス感染症」が、政令で二類感染症に追加指定された。オーバーライド(上書き)だね。

(新型コロナウイルス感染症の指定)
www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78ab7336&dataType=0&pageNo=1

なんていうか、プログラマブルじゃないバッチの当て方。つくづく筋が悪い。
まずもって病名に「新型」とかつけちゃうところがセンスないよね。ファイル名に「最新版」「最終版」「納品版」とかいっぱいつけちゃって、どれが一番新しいんだかわけわかんなくなっちゃうやつみたいだよ。
変異でSARS-CoV-3とかになったら、新々型コロナウイルスとかにするつもりなんだろうか?

五類には後天性免疫不全症候群(AIDS)とか、最近日本で感染者が増えている梅毒、麻しん(はしか)とか、危険な病気も混じっている。しかし、ワクチンの開発や国内では一旦は終息を迎えたものが対象で、正直まだワクチン接種率が国内0.001%もないcovid-19を五類にするのは、一個前のエントリ、季節性インフルエンザとコロナの致死率、重症率比較のところでもみてもらった通り、危険すぎる。侮りすぎだ。

四類は、最近国内で14年ぶりに感染が確認された致死率100%の狂犬病、映画とかでもバイオテロに使われがちな炭疽菌が属する。発生例が少ないか、ウイルス性肝炎のように発生件数は1000件近傍あるものの減少傾向にある病気だ。

三類は、下水道などが完備されていない途上国に行く際には、予防接種か旅行保険をがっつりかける必要があるタイプの病気だ。O-157などはたまに国内でも流行が見られる。

二類は、今回の新型コロナウイルス(covid-19/SARS-CoV-2)と、致死率40%とか20%のSARSコロナやMERSコロナがいる。致死率2~4%程度の新型コロナウイルスがここにいるべきかという議論はあろうが、感染爆発をしているとそれだけ変異は頻繁に起きるので、長い目でみれば宿主を殺さない方向に弱毒無害化した株が席捲をするだろが、うっかりSARSのように苛烈なやつになって強毒化タイプに変化しないとも言い切れない。というか、変化するだろう。

現在4000種類ほど変異株が見つかっているというが、イギリス南西部、南アフリカで7割ほど感染力がある変異株がみつかっていて、実行再生算数を0.4ほど押し上げる可能性があるという。金利で言えば40%が80%になる世界線だ。Rt1.8とかになると人口密集地では簡単に感染限界上限に張り付く。そして、感染者が増えれば、突然変異数の可能性も増える。

現在コロナウイルスは7種類みつかっていて、そのうち3種類、SARS、MERS、SARS2(今回の新型コロナ)が指定感染症となっている。

それ以外の4種類は、まあ、普通の風邪だ。
風邪の流行期には35%がコロナウイルスを原因としたものだと言われている。 コロナはただの風邪というのはその側面では正しい。無症状の人もいるし、熱が出ても37.5℃とかなので動けもする。ただ、重篤な肺炎やサイトカインストーム、血栓症をおこすので致死率が段違いというだけだ。風邪なみの気軽さで伝染るけど、インフルエンザの数百~数千倍死ぬ。

まあ、でも、SARS、MERSよりは致死率はそれでも一桁低い。この絶妙なバランスが、なかなか封じ込めることができない理由でもある。季節性のインフルエンザと比較して、けっして野放しにしていいレベルの脅威ではない。無防備で社会免疫を獲得するというノーガード戦法をするとどうなるかは、スウェーデンや英国が率先して挑み、叡智を授けてくれた。同じ失敗を、しかも1年も遅れて後追いで検証する必要などない。

重症化したあとの数字をみると、平均入院日数は40日にも及ぶ。残念なことだが、現在の国内の新規感染者数の推移をみるに最前線の奮闘虚しく医療崩壊は免れない。五類に転進したところで被害状況を改善してはくれない。いまのところ、交差抗体をもっていないために医療従事者も感染するウイルスなのだ。

大型の病院でもクラスターを起こしている。
ノウハウも設備もない街のクリニックにまで戦線を拡大したところで、状況は改善はしてはくれない。
五類から二類にすれば、街のクリニックが感染拠点になって、学習ノウハウが積み上がるのが先か、力尽きるのが先かの勝負となる。

必要なのは言葉の定義変更ではなく、人員と設備そして実行。

医療従事者が足りないから、医師免許を持った教官や学徒、はたまた軍医まで徴用しようとする動きもある。
人的な手当は一時的に改善するかもしれないが、そのあと、人員の教育が止まるので継戦能力が失われ回復しないだろう。種籾まで食いつぶす状態をとらまえて、それでも我が国は医療崩壊していないとはこれいかに。

「アメリカも医療崩壊はしてないじゃないか」というような言説にはめまいがする。
工兵つかってマンハッタンに1000床もの臨時病院つくったりセントラルパークとかに野営病院をあちこちたて、死者の埋葬すらおいつかず冷凍コンテナをつかって保管。これを見て・・・。
・・・医療崩壊していない?

ああ、そうだね、崩壊したのは葬儀屋かなー?
って、ブラックすぎるわーー。
いったいこの一年何をみてきたんだいと。
いったい、なにを学んできたのー。わたーしだって、わたーしだって。つかれるーわ。

米国感染者数1位のニューヨーク州
coronavirus.jhu.edu/data/state-timeline/new-deaths/new-york/0

3月から4月の1つ目の山は感染者数と死者数がリニアにリンクしていて、完全に治療、医療がおっついていないことが見てとれる。概して2波目は、11月頃の感染拡大から2ヶ月以上死者数を抑え込めていて、医療が機能していることが見て取れる。

米国感染者数2位のテキサス州
coronavirus.jhu.edu/data/state-timeline/new-confirmed-cases/texas/0

こちらは2波目も若干は抑え込めてはいるものの、ニューヨークほど勝ててはいない。
ノウハウが溜まってきたこともあるんだろうけど、このコントロールできているかどうかが、医療が機能しているかどうかなんだとおもうよ。

病床数について

ICU等の病床に関する国際比較について
www.mhlw.go.jp/content/000664798.pdf
特定集中治療室管理料(5211床)、救命救急入院料(6411床)、ハイケアユニット入院医療管理料(5412床)

ICU等の病床に関する国際比較についての見解
www.jsicm.org/news/news200510.html

医師数について

医者やナースの数をOECDのデータから調べておいた。2018年のデータで抽出したが、日本がなかったので別途追加した。アメリカは、2018年のデータがなかったので他の年度をもってきた。


stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=HEALTH_WFMI#

2018年の各国の医師数
2018年各国の看護師数

日本の医療の現状と国際比較
www.khk-dr.jp/shutyou/031115.pdf

ICU+HCUや医師、看護婦の数を勘案すると、アメリカやドイツとさして遜色はないようにみえるのだが、100床あたりの国際比較にするとそうではないようだ。もしかしたらやたら病床数が多いのかもしれない。コロナ対策病床が2%にも満たないという報道があるが、その実、使えないだけなのかもしれない。

www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0129-4c.pdf

人口あたりの長期医療病床はどうも日本はやたら多いようだ。

平成 30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 医師 327210
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/dl/gaikyo.pdf

看護職員の現状と推移
www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000072895.pdf

看護統計資料 (2016)1,660,071
www.nurse.or.jp/home/statistics/pdf/toukei01.pdf