湿度が高いと感染者が増えるのかも


東京都における気温、湿度、日照時間とコロナウイルス感染者数を調べたよ。
陽の光でなら殺せるって炭治郎も言ってたし、その実、太陽光によるウイルス不活化はとても優秀なので「あれ、もしかして日照時間と感染者数」って関係あるのかな? と、最近日の入り時間が日に日に長くなってるのを体感しながら不思議に思ったので調べました。データセット揃えてくれてるって便利!ありがとう偉い人。

で、結果、

「なんの発見もありませんでしたぁぁあああ!!!」

まあ、そんなもんだよね。
で、日照時間調べるついでに引っ張ったデータの中に、湿度や気温とかもあったので、ついで気温とか湿度も調べたよ。

で、結果

はっ?

このグラフは東京都感染者数と5日前の湿度をあらわしたグラフの12月から1月部分である。

あれ・・・?
湿度が高くなると感染者数も増えるんじゃね???

という、湿度高いほうが感染者増えるとか、いままでの常識とは逆のなんとも微妙な仮説を得たのでご報告します。もうちょっと精査なデータ持ってるチームあったら研究よろぴこ。

日照時間とウイルス感染

デッドバイデイライト。あいつらは日の光に晒すと非常に短時間で死ぬ。死ぬというか、ぶっ壊れる。

ウイルスの不活化、消毒方法は大別すると3種類しかなくて、熱、紫外線、化学。
生物系の研究室でも熱(オートクレーブ)か紫外線(紫外線ランプ)、まああと、俺がいた研究室なんかは扱ってるのが菌だったので電子レンジ(チンで細胞膜がぶっ壊れるのでお手軽)をつかったりしてたけど、まあそんなもの。

コロナは92℃でも15分壊れないので熱消毒は生活空間では現実的ではない。(※1)
化学的消毒は、正直今出回っている消毒方法、ちょっと物申したいものばかりで、それコロナにも効くかもしれんけど、お前の遺伝子も壊れんぞ的な感じなので、「かんたんマイペット、キュキュット、ジョイ コンパクト、ママレモン、チャーミーマイルド」とかのそこらで売ってる界面活性剤系が俺てきにはおすすめ。つまるところ、こまめな手洗以上の効果は期待すんな。手洗え、手。

うちの商店街の会合で利用する地区公会堂は、使用後アルコールスプレーでテーブルの上を拭き掃除とかさせられるんだけど、あんなんは逆に怖い。

赤い霧吹きと、青い霧吹きを2つ作って、シューと霧吹いたあと、清拭したとしてさ・・・。
うまく色が混ざって紫になっていたら、うまく消毒できたところ。赤が手についてたりテーブルに残ってたら汚染。トレーニングもしてない人の清拭じゃ、汚染域が引き伸ばされるだけで、手も真っ赤になるわ。無理。

日光の話しに戻る。
それに比べてなんと日光の優秀なことか。
ステンレス表面に付着したコロナウイルスは、不活化まで湿度80%で6時間かかるところ、太陽光が当たると2分で半分になる。湿度20%なら1分半!!(※2)

1分半、つまり90秒で半分ってことは、900秒(15分)なら1024分の1に。
つまり日がさすところは、科学的消毒とかしなくてもお天道さまが全部やっつけてくださる。あ、窓ガラスは紫外線カットするのでお掃除するときは窓をあけてね。

ってなわけで、接待を伴う飲食店とか夜の街で増えるのも然りで、感染者が闊歩したあとは、夜が明けるまでそこには汚染域になる。
手にもった小さなアルコールスプレーと、形ばかりのマウスガードでマップ兵器に立ち向かう勇者に幸あれ。

・・・。
気象庁から東京都の日照時間と、感染者報告数のデータを拾い集め。
感染者数(左軸)、日照時間(右軸)、日時(横軸)

なんかでこぼこしてるだけでさっぱりわかりませんね。
感染者数は、病院や職場が休みとかの曜日の影響を強くうけるし、日照時間は晴れ、曇天でギザギザ。

しかたないので、ちょっと均すために5日で移動平均をつくりました。

うん。ごめん、なんの知見も得られませんでしたーーー

湿度

日照時間のデータの横に、湿度と気温のデータがあったので、せっかくなので、湿度と気温についても調べておこうと思った。

感染者数(左軸)、湿度(右軸)、日時(横軸)

最小湿度と平均湿度のグラフ。
最小湿度のほうタイトル間違ってるね。ごめんして

うん。
・・・あれ。なんか平均湿度のスパイクと、感染者数のスパイクになんか変な一致があるな。

5日ほどシフト。

11月あたりのスパイクには相関連動がみられないんだけど、12月からなんか妙にきれいに揃ってね?

PCR陽性確定まで前は2週間ぐらいかかってる感じだったけど、もしかして今は5日ぐらいに短縮できるようになった?なんか12月からなんか違うな。

感染から発症まで5日が最頻値だったよね。東京都のデータセットからcountifで集計したんだけど、これって発症日だっけ?

んー、このグラフから得られる仮説なんだけど、

湿度は高いほうが感染者が増える。

考察

湿度と感染症の通説は逆。湿度が低いとだめというもの。
空気が乾燥すると、分泌された粘膜も乾燥してしまう。口腔や気道、鼻の粘膜はウイルス蛋白を溶かすのでウイルス感染を防いでくれる。また、インフルエンザやコロナのようなエンベロープ(蛋白外殻)を持つやつは、湿度40%以下だと感染拡大するっちゅうようなことが言われてて、だから乾燥を避けるために加湿器を使いましょうねと。

でも、新型のコロナウイルスが出たころ、加湿器はウイルス生存時間を伸ばすからだめとレポートしてくれるのがいくつもあったよね。東南アジアのような高温多湿のところでも感染広げてるから湿度関係ねぇぞみたいな。逆にウイルスの感染能力を長くするぞ。みたいな。

コロナもエンベロープ系なので物体表面付着時には室温21度で20%湿度と80%湿度で18時間と6時間なので、圧倒的に多湿のほうが不活化までの時間は短くなる。

しかし、問題は空中。エアロゾルのウイルス。
コロナはインフルエンザより細かい飛沫で感染性を有する。
同じ飛沫でも、インフルエンザ>コロナ>麻しんって感じだそうな。

感染者の呼気により吐き出された細かな飛沫は、 100μm以上の 大きいものは2mも飛ばずに落ちるが(マスクやソーシャルディスタンスが大事な理由)、非常に細かくなった飛沫は自重により落下せずに空中に30分程度浮遊する(密閉がだめで換気が大切な理由)。

だが湿度が高いことで空気中に浮遊するウイルスが乾燥を免れ感染性を有したままとなる。 それはつまり、30分前そこで呼吸をしていた感染者の影響もうけるわけだ。換気されない空間では30分間そこで呼吸をした人たちの密を考えなきゃならん。

なお、マスクは5μmとかのエアロゾルを防ぐものでははない。(換気が大切な理由×2回め)

「湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する」
www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278

気温

11月中頃がピークだ。家に帰るど、3週間後に会いましょう!の動画をつい先日みておもわず笑っちゃったんだけど、気温が下がって、湿度が下がると感染者が増えるのはまあいままででは自明に近い道理だよね。

今回の新型コロナウイルスは、各国で夏にも猛威を奮ってたので、あんま気温関係ないきがするんだけど、一応調べてみたよ。

やる気のないグラフw
わかんないね。

最高気温、最低気温、平均気温が右軸、感染者数が左軸。

これは、前日との気温差でみてみたよ。
なんで前日との気温差を見るかというと、喫茶店をまあ、いっぱしに十年もやってると、変な知見が溜まっててさ、人の出とか客の入りとか、その日が寒いかどうかよりも、前の日より温かいかどうかのほうが影響あるんよ。で、人間が感知できる気温差は3度からとか言われてるよね。

で、3度以上違う日とかをみてみるけど・・・
あー、うん、なんにもわかりません!!

で、ちょっと均すために平均気温の移動平均をとってグラフをつくったよ。

あーー、うん。ここから得られる仮設は、

寒くなると感染者が増える。

かな、
寒くなれば、換気もされないし、体温も下がって免疫も落ちるので風邪が流行る。 ま、そんなところかも。

日照時間なんかあるとおもったんだけどなー。なんもひっかかりがなかったのは残念。
湿度、高いほうで露骨に変な相関が出てたのは、すごく意外だった。
でもま、ただの変な偶然なだけかもしれないから、他の都市のデータとか、一年後とかにまた追ってみたいですね。

では、みなさまご健勝に。

参考およびデータもと

気象庁::ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 日ごとの値
www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2020&month=11&day=&view=p1
東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細
catalog.data.metro.tokyo.lg.jp/dataset/t000010d0000000068

(※1)
熱 コロナウイルスは結構熱に強く、人間が生存できる温度帯では不活化できなさそう。92℃で15分
www.wowkorea.jp/news/korea/2020/0420/10256654.html
紫外線 日光だと1分20秒~2分で半減期。瞬殺。
www.wowkorea.jp/news/korea/2020/0424/10257002.html
化学的消毒消毒用エタノール(濃度70%以上95%以下のエタノール)次亜塩素酸ナトリウム (0.05%)、界面活性剤、次亜塩素酸水

(※2)
太陽光は新型コロナウイルスを急速に不活性化させるのか? 論文の公開求める声も
www.afpbb.com/articles/-/3280303

(※3)
www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278
wired.jp/membership/2020/11/27/covid-winter-is-coming-could-humidifiers-help/
news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20210108-00216585/
taisho-kenko.com/column/detail/28
室温(約20℃)では低湿度(相対湿度30〜50%)より高湿度(80%)の
環境でより迅速に不活化される一方,6℃では80%でも長い生存性を示している。
www.saaaj.jp/covid/pdf/covid02.pdf
QT:
湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する

グラフ作成につかったエクセル、DropBoxにあげておくよ。ほしければどぞ。https://www.dropbox.com/s/styr5zbq82j4evi/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%97%A5%E7%85%A7%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A8%E6%84%9F%E6%9F%93%E8%80%85%E6%95%B0.xlsx?dl=0


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