人はジャガイモのように増えカボチャのようになる


ジャガイモさつまいもカボチャは中南米原産。
ニホンカボチャなどと名乗り、インドシナ半島カンボジア産であるかのように一度フェイクをかましながら、じつは真反対側の大陸からきている。

西洋かぼちゃは南米大陸(アンデス)が原産で、ニホンカボチャは中米大陸原産、ハロウインでジャコランタンにつかう黄色いカボチャは北米が原産。

 

さて、話しはすこし飛ぶ。
日本はあと15年もたたず若者はいなくなり、老人ばかりの国になる。
resasのデータから計算してみる。

  • 2030年すべての自治体で年少人口を老年人口がうわまわる。
  • 2030年13%の自治体で15歳から65歳未満の生産年齢人口を老齢人口が上回る。
  • 2030年77%の自治体で老齢化率が30%を超え、5%の自治体では老齢人口が過半数を超える。

 

 

一番老齢化率の激しい秋田県。
秋田県人口推移
人口の動きを超長期のスケールでみてみよう。

2015-10-31 20_15_23-図録▽ヨーロッパの超長期人口推移 日本の超長期人口推移
このように日本では明治維新後のわずか100年、ヨーロッパでは産業革命の200年で急激に人口が増えていることがわかる。長期で人口動態を眺めると気がつくことは多い。産業革命を前後して急激な人口の増加が見える。日本ではヨーロッパに遅れること100年、明治維新でやはり急激な角度でわらわらっと指数的に人口が増える。
産業革命や明治維新による、公衆衛生の改善や乳幼児死亡率低下があるであろうことは想像に難しくないが、そこに至るに何があったのか?歴史をひもといてみたい。

 

15世紀半ば 大航海時代 off lineがはじまる
1492年 コロンブスがキューバにこんにちは
1532年 中南米原産かぼちゃがポルトガル人の手により日本に伝来
1570年ごろ アンデス原産のジャガイモがはスペイン人によりヨーロッパに伝来
1597年 中米原産のさつまいもがポルトガル人の手により日本に伝来
1664年 イタリア フィレンツェで初めての接ぎ木 ビザリアオレンジ
1720年 英国農業革命(ノーフォーク農法:四輪作法)
1732年 享保の大飢饉(冷夏と虫害)→ さつまいも栽培が普及
1733年 ジョン・ケイが自動織機の飛び杼を発明
1740-41年 ジャガイモ飢饉(ジャガイモ病害/アイルランド)
1782年 天明の大飢饉(冷害、アイスランド ラキ山巨大噴火)
1785年 ワットが蒸気機関発明
18世紀 このころジャガイモが日本に伝来
1833年 天保の大飢饉(冷夏、大雨、洪水) → ジャガイモ栽培が普及
1845-52年 ジャガイモ大飢饉(ジャガイモ病害/アイルランド)
1853年 ペリー来航
1862年 リンカーン、奴隷解放宣言
1868年 明治改元、明治維新
1906年 ハーバとボッシュがアンモニアの合成方法の発明 → 化学肥料へ

 

人が増えたから農業革命があったのか、農業革命があったから人が増えたのか?
農業革命があったからこそ、産業革命の礎になったことは間違いない。
それまでの主食は西洋においては小麦であり、日本においては米であり、蕎麦や大豆であった。
「加賀百万石」などと評される石高、これはお米の生産能力を表している。
この一石(いっこく)とは 一石=1000合=約150kgに相当し、一年間に人一人をくいっぱぐれさせないためにはおおよそ1石が必要であったと言われている。
1872年(明治5年)の米の生産量が 4600万石であるのに対し、現在の米の生産量は石高に換算すると5700万石。
明治の初期の段階ですでに現在の生産量の80%に相当している。減反政策などで50年間で耕作面積が25%減少しているのを加味しても、機械化は耕作生産性という点ではあまり恩恵をもたらしていないようだ。大航海時代を経て、栄養価の高い、中南米原産のイモ類が西洋だけでなく東洋にも広がったことで、この生産ギャップを埋めることができヒトは増えることができた。
1845年にアイルランドで発生したジャガイモ飢饉に注目したい。
ジャガイモは輸入作物であったために、遺伝的多様性がまったくなく発生したジャガイモの病害が瞬く間にひろがり大規模な飢饉となった。ジャガイモが収穫できなくなったことでアイルランド人口の20%が餓死し、20%が国外へ脱出する(e.c.アメリカアイルランド系移民)など大きな被害を出している。

 

 

耕作物の選択肢の増加、産業革命による物流の向上などによる圧倒的な食糧事情の改善が人口爆発をもたらした。そして100年程度というわずかな期間で人口が倍以上に増えた国家を中心に大規模な戦争が始まった。

1914年 第一次世界大戦
1939年 第二次世界大戦

人口動態経済学は国内では学問領域にすらなっておらず、あまり学術的に研究されていないようだが、人口ボーナス、人口オーナスなどという言葉が輸入される程度には認知されつつある。人口に締める生産年齢人口比は経済成長率と明らかな相関があることは各種レポートからも容易に知ることができる。

日本は生産年齢人口が、非生産年齢人口の比率でいうと激しい転換がこれからの15年間でおきる。

急激な人口増加は中国インドでは、わずかこの50年の出来事だ。

 

 

2030中国人口ピラミッドCSfxtf0UAAA48pM

15年後、中国の人口動態は現在の日本と同じようなバランスになる。
逆にいいかえればこの15年の中国の活躍は日本の30年前の日本の人口動態と酷似していたということだ。
日本が通った道をこれから中国は体験するであろう。
で、当の日本はその中国の人口ボーナスとは逆進的なさらに人類未踏の人口オーナスをこの先15年で体験することになるのだ。おっかねぇねぇ!

 

 

2015年、東京工業大学 元素戦略研究センターの細野秀雄氏と触媒化学の原亨和氏が、ハーバー・ボッシュ以来約100年ぶりにC12A7エレクトライドを用いたアンモニア合成を発見した。現在500℃、200気圧必要である窒素固定を、わずか350℃通常気圧下で作成することに成功した。

アンモニア合成により化学肥料の作成をおこなうが、なにせ必要なのが200気圧!とても大規模な工場と世界のエネルギー需要の数%にも相当するエネルギーが必要であった。これがわずか350℃の木炭をつくる程度の温度で合成できてしまうようになる。炭焼き釜かって話しだ。

 

空気から窒素を固定する技術はかつて「空気中からパンを作る」魔法とまでいわれた。今度は炭焼きのような手軽さで、どこでも必要な場所でできるようになる可能性がある。なにせ原材料は空気なのだ。必要とされるその場所でつくるオンサイト合成技術が確立していけば、何がおこるだろうか?食料の関係でいままで人が住めなかったような場所ですら、耕作が可能になるのではないだろうか。そこは砂漠だろうか、洋上だろうか?

1995年ごろ 情報革命
2015年 アンモニアの新たな合成方法の発明

 

そして、何がおこるでしょうか・・・・・・?

 

予想できたら教えてね!

 

カボチャはなにかのメタファーであるのだけど、文章を書き終えるまでにおもいつかなかったのでみんなへの宿題だよ☆
参考、引用

平成27年度 不交付団体の状況 www.soumu.go.jp/main_content/000369975.pdf
ヨーロッパの超長期人口推移 www2.ttcn.ne.jp/honkawa/9010.html
日本の長期人口趨勢 www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/06/dl/1-1a.pdf
惊天秘密:2组经济图表蕴含未来中国经济走向 goo.gl/ehucp0
www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8280.html

クリックしてrecord_17.pdfにアクセス

www2.ttcn.ne.jp/honkawa/9013.html

クリックして02.pdfにアクセス

 


地方活性化どうこうに見る違和感の正体


先日RESASをつかった「地方創生 政策アイデアコンテスト2015」というものがあり、地方創生なるものについて考える機会があった。

RESASであなたが見つけた「課題」と「アイデア」で地元を元気にする!
expo.nikkeibp.co.jp/bdc/resas/contest2015/
地元を元気にしたいんじゃー!

自分がデータを眺めて分析したところ、結構おもしろいことがわかったのだけれども、身も蓋もない結論になってしまった。応募したんだが選外だったようだ。詮なきこと。せっかくなので、調べたデータを何回かにわけて紹介していきたいと思う。

 

でもその前に「地方活性化」なるものの定義が曖昧なのでそれについての問題意識を共有しておきたい。

やる気がある状態とない状態

ハーズバーグの二要因理論をご存知だろうか?
やる気がある状態や、やる気がない状態は一直線上にあるわけではなく、動機付けの要因と衛生要因に分解される。
従業員のやる気について言われていることは、給与水準が平均より低いと衛生要因が悪化して不満足があがるが、給与をたくさんあげたとしてもモチベーションには結びつかないことが知られている。

飲食店への満足や不満足

満足要因:ごはんがおいしい、心地良い空間
不満足要因:料理が不味い、トイレが汚い、愛想の悪い店員

トイレだけをどんなに綺麗にしても飲食店としての満足とはならない。不満を稼ぐポイントと、満足を稼ぐポイントは異なるのだ。満足を覚える点と不満足を覚える点は同時に存在する。

 

健康と不健康の定義

健康:肉体的にも、精神的にも、社会的にもすべてが満たされた状態(WHOの健康の定義)
不健康:病気である

ただ単に病気から回復した状態をもって健康であるとは言わない。

 

慰めるのか奮い立たせるのか

「XXが死んじゃったの」 ← 慰めを必要としている
「なんか面白いことないかなー」 ← 景気付けを必要としている

沈みそうな船と早く進みたい船

沈みそうな船 ← 嵐だ帆をタタメ! 船底から水をかき出せ!
早く進みたい船 ← 帆を張れ! 船の外を漕げ!

化学反応

一酸化炭素(CO):酸素たんないわー
二酸化炭素(CO2):安定だわー ←化学的にはここが不活性
三酸化炭素(CO3):酸素あまってるわー
酸素が足りない状況からニュートラルな安定状態にするのと、酸素を吐き出させるような状況をつくるのは反応経路や投下させるものがまったく異なる。一直線上にはまったくない。

地方不活性化と活性化

お金、人、仕事がたんない!! ← 不活性都市(?)
お金、人、仕事はあるけどね? ← 活性都市(?)
お金や仕事がないと叫ぶ都市にお金をつかって、人をなんとか移住させようとして、活性化を目指すの?
でも、その不活性と活性は連続した直線上にはないよね?
風邪で寝込んでいる人に「毎日のランニングは健康にいいですよ走るべきです」と勧めてくる医者がいたらどう感じるだろうか?
親族を亡くして落ち込んでいるひとに、「宴会芸を披露して楽しい気分にさせよう!」とする友人がいたらどうだろう?
嵐のなかで沈みそうな帆船を「沈むより早く進めば大丈夫だろう!」と帆を張る船長がいたらどうだろう?
一酸化炭素中毒が怖いからと「酸素を足し続ければ酸素を生み出す物質になるんじゃないかな」と密室で一酸化炭素相手に酸素を足し続ける化学者がいたらどうだろうか?

死ぬ前に目を覚ませ。どうかしていると言わざるを得ないが、こと「地方創生」という獏としたマジックワードのもとではおなじようなことが起きているように感じる。
人が住んでられないと出て行く要因と、人が集まる要因は異なる。一直線上にはない要因だ。
ネガティブループをとめるための方策と、ポジティブループをすすめるための方策は異なる。
地方活性化?
現段階でもネガティブな向きではあるが既に活性状態にあるといえる。

地方創生の定義
地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服する。
www.cas.go.jp/jp/seisaku/kyouginoba/h26/dai2/siryou1.pdf

年寄に若々しい肉体を再び授けようと約束しているような怖さを感じる。
成長する肉体は成長期のものだよね……。
地方活性化の定義を「財政的にも、居住環境も、将来展望もすべてが満たされた状態」だと仮に定義するならば、何がネガティブ要素で、どこがポジティブ要素かも切り分けは比較的容易だ。

若返りの薬をひたすら求め、胡散臭い山師に騙され続けるのはそろそろ辞めにしていただきたいところ。
そこに夢だの希望だのはあるかはおいておいて、何がおこっているかは統計データがおしえてくれている。


大仏の螺髪の数についてそれっぽいことをのたまう


奈良の大仏の螺髪が文献の数と異なっていることがニュースになっていた。

奈良の大仏、髪の量半分だった レーザー解析で定説覆る
www.asahi.com/articles/ASHD24DYBHD2UTIL01R.html
奈良・東大寺の大仏の毛髪(螺髪〈らほつ〉)が、定説の「966個」ではなく、「492個」だったことがわかった。
(略)
「東大寺要録本願章第一」には、「天平勝宝元年(749年)12月~同3年6月、螺髪を966個つくった」とある。
(略)
東大寺の大仏には483個の螺髪があり、9個分が欠けていたことが確認された。
(略)
966や492にどんな意味があるのか、現時点では思い浮かばない」と話す。(石山英明)

 

現存の483個を二倍にすると966になるので、螺髪の構造が2つをあわせて1つにするような入れ子や合わせの構造になっているのではないだろうか?なんてことを思った。
さらに欠けているとされる9個の意味について思いを馳せる。
眉間と額と天頂の大きい3つの螺髪を抜けば480ヶとなる。

745年に製作、752年に完成にかかった7年、743年に造像が発願からすると9年。ここにヒントがあるのではないか。

現在の暦に直すと何月なのかがわからないが、仮に発願から開眼まで8年かかったとするとここにちょうどにたようになる数字がある。
8年間に六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)が何回あるか数えると486.6曜だ。
で、旧暦は太陽暦ではなく太陰暦(お月さんの満ち欠け)がメインになっている。
で、ここで欠けている9個と、月の満ち欠けがなんとなーーーく、クロスする。

 

当時の月食が何回あったのかは、ちょっとググったぐらいではでてこないのだけれども、
21世紀の100年、月食は142回(皆既月食85回、部分月食57回)あるそうだ。
年平均に直すと1.42回。

 

8年間だとおおよそ11.36回の月食が観測される想定になる。
9とは差があるけれども、なんかそれっぽい数字ではにゃーだろうか。
月食は1年間に2回起こるか起こらない年、3回起こる年などもあるので、観測期間によっては9回になることもあんじゃねぇかなと思う。
なんてことを思いながら大仏のあたまのぐるぐるに思いを馳せ、お腹がへってきたのであった。