(2)Covid-19をPlague Inc Cureモードで振り返る


前回のつづき

日本はファイザー&ビオンテックのBNT162B2、モデルナのmRNA1273かな。

欧米では600万人以上、イスラエルでは国民の半分以上のワクチン摂取がなされた。ワクチンの接種率の高い、イスラエルと英国の動向に注目して現状をみてみる。

イスラエル 感染者数
イスラエル死者数
UK感染者数
UK死者数

接種率が高いのに数週間なかなか感染者数も死者数も落ちなくて、心配していたのだがようやく明確に落ちついてきた。これがどこまでドローダウンするか注視する必要がある。

ワクチンは摂取者については重症化を抑えたり、発症したりするリスクは確実に減らしてくれているようだが、感染性を抑えるかについてはまだ十分なデータがないので、逆に接種者が無症状軽症化することでスーパースプレッダーになっちゃってるんじゃないかとか、あるとすればそんな心配をしている。

さて、Plague IncのCureモードにからめて現在の状況と照らしあわせてみよう。

事業

  • 疫病の発見
    • アウトブレイクを調査(地域での伝染病のアウトブレイクを見つける)
    • 政府パートナーシップ(地方自治体の職員と連携し伝染病の発生を見つける調査員チームの設立)
    • アウトブレイク諜報機関(地域での伝染病の発生を検知する監視局を承認)
    • 現地調査員配備(対象国への監視と対応を強化するために配備)
    • 緊急ケア(専門医を配備する)
    • 感染制御(伝染病封じ込めの専門医を配備)

結局WHOの調査員が現地に調査員チームを派遣できたのは、武漢が閉鎖されてから1年以上が経った今年1月14日になってからだ。四週間にわたり最初のクラスターが発生した海鮮卸市場とは”別の”市場と、コロナウイルスに勝った記念展示会を視察して「武漢病毒研究所からウイルスが流出した可能性は低い」との見解だけ発表して視察を終えた。

日本や世界が新型コロナウイルスのアウトブレイクを検知したのは香港と、香港経由で英国船籍のクイーンエリザベス号での発症を契機にしている。武漢の突然の都市封鎖、それに伴い武漢からの引き上げチャーター便に乗っていた在外邦人800人ほどだったのでサンプリング十分で、これは市中にだいぶ広まってるぞとわかったのだ。つまりアウトブレイクを感知したときには、複数国でのアウトブレイク、パンデミックになっていた。

そしてWHOがパンデミックを宣言したのは3/11を過ぎてからだった。武漢が都市封鎖された1/23から、じつに一ヶ月以上経過したのちである。

専門医の配備状況はどう評価できるだろうか。
うちの商店街にあるクリニックの先生はDMATとかでも災害時、頑張っておられて、最初は病院をしめてなんかやってたみたい。市内の専任対策チームみたいのをつくってそこのリーダーをやってるとまでは人づてで聞いている。ローカルま医師会は結構がんばっているみたいだ。中央の医師会は・・・みなさんご存知のとおり。

毀誉褒貶、功罪あるが日本で専門医としての最初の先駆者は岩田健太郎氏だろうか。 医師ではない医学博士とか、科研データベースに出てこない大学教授とか、おらもう帰るどの先生とかがテレビなどでは重宝されているようだ。
忽那賢志氏とか、最近だとアメリカから木下喬弘氏とか峰宗太郎氏ががんばっておられる。8割おじさんのときもそうだったが、それでも害するような予告とかが行ってしまうのは”いろんな人”への暴露率の問題なのだろう。

  • リスクコミュニケーション
    • 国民に警告(季節性インフルエンザよりもはるかに深刻な伝染病であることを強調)
    • 国民アラート(ウイルスの危険性を再強調し、人々に真剣に嘆願する)
    • 現地調査員の配備(対象国へ監視と対応を強化するために配備)
    • 実地調査(科学研究者を配備する)

東京アラートはよりにもよって一番いらんタイミングで発出され、終了した。 「安全より安心」の実績は伊達ではない。三密とかそういうポップ作りは、うまいなと思う。「三密」みたいに伝える内容があってさえいれば、イソジンも東京アラートも機能したことだろう。メディアハンドラーとしてはやはりとても優秀だ。

季節性インフルエンザより深刻な伝染病であることを強調していた政治家はいただろうか?
日本の第一波で比較的感染者が抑えられ国民が病気に対して警戒できたのは志村けんさんのショッキングともいえるアナウンスメント効果に他ならなかったと思う。志村さんの件がなければもっとひどいことになっていただろう。

逆にインフルエンザはもっと死んでるとかとんちんかんなことを言っている人すら居た。日本で感染拡大をさせるためにインフォデミック任されてるのかなとすら思ったものだ。というか、たぶんそうなのだろう。発言する本人に自覚はなくとも、そのような発言をするひとをキャストしてきた選好の結果だ。

対象国への監視は弱められ、調査員の配備はなされなかった。そういうことなのだろう。 安心させるのも、科学的事実を伝えるよりも、そちらのほうが金になるのかもしれない。だが、なんとも酷いもんだ。

  • ワクチンの開発
    • ワクチンの研究開始(ワクチンの開発を開始する)
    • 研究加速(緊急雇用プロトコルを実装し実験室を転用、24時間フル稼働体制に)
    • 国際研究条約(国際協定によって透明性のある知識交換とリソースの効率的な分配)
    • ワクチンの製造(大量のワクチンを作成するために必要なインフラ、人員、機器を確立)
    • 製造加速(緊急の人員配置対策と高度な生産設備の使用)
    • 国際製造条約(国際協定によって工場のネットワーク、超コールドチェーン、製造リソースの共有)

正直、mRNAワクチンとかベクターワクチンだの組み換え蛋白ワクチンなんて、今まで聞いたこともなかった。
せいぜい生ワクチンと不活化ワクチンぐらいなものだ。それがこの1年で一気に臨床を終え、承認にまで載った。いったい誰がmRNAワクチンの実用化などというものを数年前に予想しただろうか。

それを持って危険だと論ずる人もいるのもわからなくもない。自分も20年ぐらいまえに細胞工の研究室にいたことがあるので基礎教養はあるのかもしれないが、それでもそれがなんのこっちゃわからない。現実に? 正直、もいっかいゼロから勉強し直さないといけないぐらい隔世の感がある。さっぱりわからない。

研究加速に軍事技術が使われたことは想像に難しくない。軍事研究をおこなっておらず、軍属に対して人権を無視した臨床をおこなうこともできない日本では開発で数歩も遅れてしまうのはやむえないことだ。製造加速で貢献できればいい。

ワクチンの心配。アナフィラキシーショックだの、逆転写がおきて自分の遺伝子が書き換えられてしまうんじゃないかみたいな話しはおいておくとして、私が心配するのはワクチンを打てた層と、打てなかった層の分離である。

集団免疫に達し、世界中から根絶するまでおそらくワクチンを定期的に打つことが要求されるものになるだろう。だが、すべての国々や悉皆な人々には打つことができない。RNAウイルスなので変異も多く、しかも人獣共通感染症だ。つまり根絶する未来が存在する確率は低い。

貧困国では平均寿命を数歳押し下げる要因として残り続けるだろう。それはある意味でいままでどおりなのかもしれない。
先進国では、打てた層は感染しても発症もせず感染しても重症化もしない。だが打たない選択をした層や、経済的に打てない層にとっては無症状感染者は脅威の存在だ。

活発に経済活動に復帰するワクチン組みが非ワクチン組みには生体兵器になりうる。非ワクチン組みはいつまでも自粛を迫られることになるだろう。ワクチンがあるが故、昔の穢多差別と逆の構造だ。重症化率という性能が違うだけで本質的な性質は風邪だ。どこかでずっと名前(ネームド)の病として残り続ける病に穢れのないひとたちは箱入りにならざるを得ない。

  • 経済対策
    • 一時解雇計画(検疫措置で影響を受けたスタッフ給与を支払い失業手当を増やす)
    • 社会適応(教育、健康、人権を維持する資金、リソースを提供)
    • 住宅ローン及び家賃救済(すべての住宅ローン、家賃の支払いを停止、立ち退きを禁止)
    • 国の景気刺激(訓練プログラムや減税、事業への融資、救済、インフラ支出で経済支援)
    • 的を絞った経済支(大掛かりな総合金融支援)
    • 債務救済(債務の返済猶予を確保)

世界の経済対策は苛烈のひとことだ。マネタリーベース、ストック、ここらへんを調べながらいずれちゃんと見ないといけんですよ。
日本では年末に73兆、その前と合わせると100兆ぐらいのぶっこみを行った。株価が3万円になるのも然り。

日本の雇用制度下や住宅ローンなどの関係で、一時解雇はなかなか難しいため、雇用調整助成金で雇用を維持する方向でばらまきがされた。三次補正で10兆超え、1、2次補正で約2兆8千億。

社会適応支援、テレワーク支援策 ニューノーマルでは、ネットワークの導入は相当ゆるい200万ぐらいの助成金がばらまかれたと聞く。かねてからいろいろな助成がでてはいる分野であったが、国の支援ありなしにかかわらず一気にテレワーク化は進んだ感がある。

企業むけの家賃支援給付金は、逆にものすごく申請が困難な助成金であったようだ。不動産会社と結託して悪さがあるからなどとの建前であったようだが、正直機能不全のように見えた。特に個人のほうはノンリコースローンとかがサブプライムの如く火を吹きかけているようにも見える。外国のように失職とともに住む家を追われたというような話しは日本では目立たないが、目立たないだけかもしれない。注意が必要だ。

景気刺激策。
GoToなんちゃらにあたるのだろうか。これは経済効果はあったようだが結末はいろいろひどかったと言わざるをえない。需要の先食いや普段とは違うターゲット層への対応で売上増以上のダメージがあったとも聞く。反動がひどくなる麻薬のようなものだ。アクセルブレーキの急制動で在庫調整に失敗してピンチになってる会社もあるようだ。

Goto商店街は会の担当であったために一月近くかけて書類等を用意したが採択外となった。中小企業の社長さんたちをまとめるのは大変だし、お金を用意するのはもっと大変だし、あげく、取れませんでしたは地獄でしかない。ほんとこの助成を考えたやつ○○○○よ?

飲食店への給付金や持続化給付金などは的を絞った経済支援にあたるのだろうか。うちも一応は飲食店なので、東京都の時短養成の際には申請したのだが対象外とされた。理由はわからない。電話も通じない。めんどくさいしもういいや。一日6万のほうは、お酒を出すお店ではないのでそもそも対象外だとおもう。持続化給付金のほうはありがたく頂戴いたしました。

債務救済。
条件によっちゃ返済免除の貸付があるようですが、日常の生活維持が困難になった向けの貸付制度がありましたね。個人向けは雀の涙で、申請もきついようです。そもそも知らん人のほうがおおそう。
商工業融資。こっちは貸付先に困った銀行がじゃぶじゃぶで数千万、億円単位で無目的に優良な企業に貸し出してるみたい。目端の効く経営者は目一杯借りるだけ借りてるそうな。なんか貸してくれるっつうから借りちゃったけどマンション買えちゃうよとか言ってる社長さんがいました。こういうのもバブルの要因なんでしょうね。

権限、権威

  • 対策不遵守リスクの減少
    • 権限1(パンデミックを迅速に特定し、世界各国の指導者達に説明する)
    • 権限2(パンデミックを封じ込めるため、国際的な協力と協調を得る)
    • 権限3(パンデミックを封じ込めるため、すべての人々に要請)
    • 検閲(疾病管理戦略に対する国民からの批判を防ぐため、通信を制限)
    • フェイクニュース(誤った情報を広め戦略の失敗を偽装する)

日本では暴動が起きたみたいなニュースがないので、実に忍耐強い国民性ですよね。とにかく重たいものをひっくり返すデモとか割れるものは割るとか、火をつけるとか、そういうのがなくってよかったです。

そもそも政治的にもリーダーがカリスマをもって統治しているわけでない官僚機構なので、みな、行政からのアナウンスには諾々と従うようです。マスクしろっていっただけで乱射事件とかおきない国でよかった。

通信の検閲は、日本ではいまのところ起きていない。フェイクニュースは仕掛けられているけどこれはコロナがというよりは別の要因かな。いや、コロナすらも一環かなと思うと気が重たい。権威が大暴落中の国や、権限全集中の国がわしゃわしゃしてるけど、武力衝突だけはほんと勘弁な・・・。

では、みなさまご機嫌よろちゅー


(1)Covid-19をPlague Inc Cureモードで振り返る


2/17から医療関係者への新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まった。 相変わらずマスメディアのとんちんかんな報道は目にあまる。専門家が議論を戦わせているところに、ステージの違う弁というか便を並列に並べて開陳しているのはさすがに見るに耐えない。玉石うんこ混交甚だしい。

写真やカメラの構造、性能議論をしている横で、「写真を取られると魂が抜かれますね」としたり顔で解説しているようなものだ。なんていうか、ない。30年ぐらい経ってから見ると超絶面白いのかもしれないが今は笑えない。

さて、Plague Incという世界に感染症を広げ人類を絶滅させるっちゅうブラックジョークな名作ゲームがあるのだけど、現実のコロナの蔓延を受けてCureモードなるものを実装した。WHOの監修をうけ、なかなか本格的なシナリオだ。このゲームを分析するついでに現実世界の対応と突合比較してみたい。

通常のウイルスを世界に蔓延させて人類を滅ぼすというPlagueのシナリオを超ハードモードをクリアしようとすると、できるだけ脅威度をあげないように病気を潜伏させ、感染力を強化しつつ、感染者が増えたところで脅威度、致死性をあげる方向に変異させるのが定石だった。
「脅威」が高い病気は早い段階で死者が出てしまうので世界に発見されるのも早く、国境封鎖などで世界に広がる前に封殺してしまう。世界がCureという万能薬の開発に一致団結してしまうまえに、世界に散らばる必要がある。気候も違う国々に病気を広めるのは至難の技だ。

これは初期に国境封鎖で検疫を強化してクリアしたパターン。このケースでは朝鮮半島が手遅れになってしまった。

Cureモードでは世界のどこかに潜む病気の発見から始まる。 資金を集め、対策を打っていかなければならないが、死者が増えると権威が落ちきるとゲームオーバーになる。
捜索団を組織してその国にたどり着いたときには手遅れなこともある。見つけるの遅いとその国が滅んでいたりすることがある。

ゲーム内で取りうる選択肢を下記に列挙分類し、現状を書き添える形にしようとおもう。

対応

  • 伝染病侵入の防除
    • 国境監視体制(国境での伝染病の監視)
    • 国境スクリーニング(国境での到着をスクリーニングする) 空港スクリーニング(全空港への到着をスクリーニングする)
    • 港湾スクリーニング(全港湾への到着をスクリーニングする)

日本はおおよそよくやっている方の国だと評価しているが、それは国民の自主的な対応によるところが多い。行政として失敗があったとするならば、まっさきに糾弾されるべきはこの侵入防除についてだ。クイーンエリザベス号のときから定まらず酷かった。アメリカが中国からの入国を禁止したのちも諾々と旧正月中のアウトブレイク国からの入国を受け入れ、結果、日本から世界に行く渡航者が世界で隔離されるようになってしまった。新型特措法施行後、第二波になってからも罰則の規定も設けられず、陽性者が抜け出しても過料金のみである。
旅行目的での入国は名目上止めたが、ビジネストラックで入国すればよいだけ。入国後の2週間の隔離も自主申告的におこなうのみで、もし空港にご友人という名目の白タクが迎えが来ればそのまま市中に抜け出すことができる。 せっかくの島国なのに、伝染病侵入の防除は尽く行われなかった。それも意図的に。

  • 検疫能力の向上
    • コンタクト・トレーシング1(検査部門と追跡部門を設立、濃厚接触者に通知)
    • コンタクト・トレーシング2(スマートフォンを使用し自動化)
    • コンタクト・トレーシング3(地域にチームを配備、追跡しガイドライン遵守を確認)
    • コンタクト・トレーシング4(セルフ検査キットを大量生産する)
    • 検査能力1(研究所で使用できる検査試薬や主要材料を確保する)
    • 検査能力2(検査スタッフを訓練、物流を改善)
    • 検査能力3(最新式の機器を入手、提供し高い感度と特異度での検査)

保健所のクラスター調査は、世界にも先駆け非常に機能していた。足で稼ぐような地道な作業には定評がある。しかし、人員、予算が着けられず、すぐにパンクした。いや、正確には予備費は早い段階で10兆円もつけられていたのに、なんの手当もされないまま、予算も3兆ぐらいしか消化されないまま冬を迎えた。

接触確認アプリcocoaは、ローンチの段階から問題がなかったわけではないがその後はさらにひどいものとなった。code forなどのoss界隈の成果をかすめ取るようにHER-SYSだかを受注しているどこぞの業者が受託したが、アンドロイドos版が去年9月以降、実質動いてなかったことを2月になって発表した。導入当時の担当副大臣だった平議員が平謝りしていたが、祇園精舎の鐘の音が聞こえてきそうな寂しさだ。

臨床検査技師や、検査スタッフの訓練は国内ではまったく手つかずのままだ。研修医などを総動員する学徒動員がかけられた程度である。人員は配備されていない。
セルフ検査キットも大量生産されなかった。自動PCRの装置は日本がつくっているのに、国内ではほぼ活用されていない。流行後半になったら、陽性となっても保健所にも通知されない野良PCRが跋扈する事態となった。

研究機関がPCR検査の負担を一部申し出てもそのまま捨て置かれたのは、厚労省の受託検査会社と試薬調達がボトルネックになってしまったのは日本が「検査能力1」で躓いたからだ。Roche社の研究用試薬の問題あたりは昨年2月あたりから本質的に変わっていない。厚労省がボトルネックになっている。

  • 感染率の減少
    • 国民意識(公式のアドバイス)
    • 手洗い(適切な衛生習慣の奨励)
    • 消毒用品(漂白剤やその他の消毒剤を配布)
    • 自己隔離(症状のある人は二週間の外出自粛)
    • 個人用防護具1(医療用マスク、フェイスシールド、ゴーグル、手指消毒剤)
    • 個人用防護具2(グローブ、医療用ガウン、人工呼吸器)
    • ソーシャル・ディスタンシング(2m以上離れる)
    • マスク着用(人々はマスクを着用しなければならなくなる)
    • ローカル・ロックダウン(地域を強制的にロックダウンする)
    • サプライチェーン改善(必需品の供給を守る)

「3密」の発見からのコミュニケーションは、なかなかによいアドバイスだった。3Cを世界に広めたのは功績といっていい。
手洗いや適切な衛生習慣がそもそも日本文化にプリインストールされていたのは、コロナウイルスのような感染症が東アジアの風土病だからだとも考えられる。握手ではなくお辞儀だし、手洗いをする文化もある。手洗いは疫病が流行った頃、崇神天皇(3世紀中頃)に神社に手水舎を設置することで広められた。柄杓の共洗いとか、土足禁止とか、食事にも手ではなく箸をつかうとか、食事の膳をわけるとか、 食事中喋らないとか は、だいた感染症対策とも通底するものがある。

自己隔離は神経質なほどに対策をするひとと、夜の街に繰り出す勢の二極化が激しいが、後者は日本では少数派かもしれない。災害の多い日本では国民のストレス耐性が比較的高いというのもあるだろう。Plagueでいうところの対策不遵守リスクがどんなに抑圧されても、あまりあがらない。

防護具は流行最初期ひどかった。東京都は防護服の備蓄などをおこなっていたがいつの間にか中国に送られたり、市中のマスクが買い占められたりした。数年後でいいので学術的な調査を積んでおいてほしい。衛生用品は、その後約一年をかけてサプライチェーン改善された。マスク増産や防護服増産などライン対応をした会社が煽りを食らっていないことを願うばかりだ。

当初、マスクはウイルスのサイズを考えれば効果がないものと考えられていた。しかし、感染予防ではなく、感染拡大防止に効果があるエビデンスが積み上がってきている。マスクが文化的に忌避されていた日本以外の国では特に劇的な変化だろう。日本の悪役は目元を隠し、アメリカの悪役は口元を隠す。 屋外でもマスクをつけろとか、ウレタンマスク警察とか変な方向も見られるが、今年小学校に入学した1年生は友達のマスクをつけていない顔を見慣れていないという。パラダイムが変わった。

ローカルロックダウンは日本ではついぞ実行されなかった。状況によっては箱根の関所が超えられないみたいな世界線もあったのかもしれない。

  • 死亡率の減少
    • 臨床治療(アセトアミノフェン、イブプロフェン、その他治療薬を用いて中核症状に的をしぼる)
    • 緊急準備(病院や介護施設での感染予防と感染対策の実践)
    • 人工呼吸器(呼吸を助けるための機械を提供)
    • 救命救急管理(最優良事例を厳密に特定し医療専門家と共有する)
    • 人員拡大(医学生を配備し、退職した職員を復職、他職業の再訓練)
    • 新しいインフラ(新しい救急救命病院と外部トリアージセンターを設立し医療能力を向上させる)
    • 治療効率(トリアージの事前評価、治療ユニットを使って感染患者)
    • ステロイド薬(デキサメタゾンなどの薬で重度の炎症を軽減)
    • 回復期血漿(病気から回復した患者の血漿を使用し治療に役立てる)
    • モノクローナル抗体治療(中和抗体カクテルをクローンし、症状緩和)
    • トリアージプロトコル(回復の可能性の最も高い患者にリソースを集中させる)
    • 急増プロトコル(待機手術をキャンセルし医療相談にビデオ通話を使用)
    • インファーフェロン治療(吸入器を介して投与するインファーフェロンβタンパク質を提供)

アビガンとかレムデシベルとかの陰謀論はどうなったのだろうか。医学的には効果が認められなかったというレポートと、その投与量じゃだめだとか、やれ、抗リュウマチ薬だとか、 抗寄生虫薬だの、処方薬の知見はたまりつつある。
特効薬はまだみつかっていないが、対処療法や処方薬のノウハウは如実に死亡率を下げ、重傷者寛解のための期間を短くしている。

介護施設での感染対策は、私が通っていた介護施設は比較的大型で常駐の医師がいたからというのもあったかもしれないが、すさまじい鉄壁ぷりだった。病院はどうだったのだろう。通っていないので実態がわからないが、大苦戦しているという報道だけは聞こえてきていた。

人工呼吸器が足りず、使えるものはなんでも使うというアメリカの自動車メーカー動員などは、戦時供給体制を彷彿とさせた。

人員拡大は日本では最後まで医師会の砦は揺るがなかったと言っていいのではないだろうか。それどころか最前線の看護婦が集団離職するなど待遇面での不遇ばかりが目立った。ワクチン注射に警察官を駆り出してトレーニングして打たせるというような緊急避難的措置は日本ではついぞ取られなかった。

トリアージの議論は日本ではかけらもなされなかったように思う。「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養について(東京都)」などをみても思うが、法律での明文化をさけ判断を現場に丸投げして、感染者には「お願い」をするだけで済ましている。リソースがないから現場はトリアージをせざるをえないが、判断しないことによる責任の回避をしているだけにも見える。憲法上人権の制約に制限があるからとか、立法事実がとか言っていたが、言い訳にみえる。

血漿療法は、トランプなどが行った。だが、サバイバーの血漿が必要なので誰もが受けられる治療ではない。回復者が多く出たことで、上級国民は死なずに済むようになった。

ビデオ通話が診療にあたるか否かで揉めていて宿泊療養にはいつも飲んでいる服用薬の処方もできないらしい。そんなわけだから、急増プロトコルなども各病院任せだ。

監督官庁が判断をしないという不作為は誤った判断をするよりよいものだと考えているようにも見える。確かに公務員の処世術としては正しいのかもしれないが、今回の場合はそれで多くの人も死んだ。

長くなりそうなので、また後日につ・づ・く


シヴィライゼーションをやりこんでみた



リアルタイムストラテジーが好きだ。あれこれやってきたが、中でもCivは面白い。

シナリオモード 「ルネサンス時代へ」でイギリスでエルサレムを落すというクエストをようやくクリアしたんだけど、マップ広すぎてMacAirではCPUの限界に挑んでいるのかという感じで、映像切って画像を簡易モードにしてもファンは周りっぱなし。CPUのターン終了に数分かかる感じで、時間がかかってしょうがない。ローマの没落とかルネサンス時代のクエストは地図が広すぎて泣きそう。

 

なんせマップと都市数がこんな感じ。

スクリーンショット 2014-04-11 22.09.12

右下のミニマップに注目。黄色いドットが全部都市です。

 

最初都市を廃棄してたのだけど、戦線が広すぎて完全に前線封鎖するほどの兵力を保持できないのでいつのまにか開拓者がはいりこんできて都市をつくられてしまい都市数をこんな状態で維持しなくてはいけないことになる。
初期は数多ある都市国家と同盟国になるべくがんばってたんだけど、不幸ハンデがなく資金と成長が有利なCPUにすぐ買収されて敵対国になちゃうので、中盤では弓を育てる的にしたあと、結局すべて傀儡化した。
イギリスの弓は初期で+1遠隔がついてるし、海上ユニットのフリーゲート相当はめっちゃつよいので、いろんなシナリオで創造主やら不死者やらをクリアしてれば皇帝クラスの戦闘でCPUに遅れをとることはないんだけど、敵対国がおおすぎてマップが広く目的地が一番はじっこなのはもう時間かけてやるよりない。

 

終盤は市民不安700突破で反乱おきまくるんだけど、さすがにこれだけの都市数を戦闘で奪取すると精鋭部隊は遠隔ダブルアタックどころか、全部持ちになっているのでもうなんか、頭脳戦というよりは根性論。
MOD系とか、マーク付きの実績は解除できていないが、とれるような実績はあらかたとった。あとはどうかしないと取れないような実績ばかりのこった。

スクリーンショット 2014-04-11 22.00.41

steamcommunity.com/id/kuippa/stats/appid/8930/achievements

 

ローマとか、ルネッサンスの廃モードとか。
どうやったらとれるのがわからないのは、仲良し家族とかスパイとか、共謀とかはやりかたもわからない。
人気ゲームらしいけれどマルチ・プレイヤーをやってる人がみあたらないし・・・。
太古の遺産の不死と創造主はクリアできる気がしない。何度も挑んだんだけど文明2つぐらいを圧倒するのがせいぜいで、攻めこんでいるあいだに他の離れた文明が勝ってしまう。幸せペナルティが酷いので、文明の発展にはどうしても遅れをとるからだ。内海マップとかで沿岸都市を落として遺跡を建築させずに戦闘にもちこむしかないのか、うまいやりかたが思いつかない。んー。

 

過去 2週間のプレイ時間: 87.4h

・・・。絶句。
ね、寝落ちしてるだけなんだからね!
朝起きてスリープモードになってるのにファンが全開で回ってるAirを見ると、うわーっと思う。
ローマのクエストはゲームのほとんどが待ち時間なので、裏で動かしっぱにして他のことしてたりするし、、あーだこーだ。(言い訳)
はい、やりすぎですね。これくらいにしておきます。

 
お・・・っうふ。

Civシリーズ最新作『Sid Meier’s Civilization Beyond Earth』が発表、2014年秋に発売予定【PAX EAST 2014】
www.famitsu.com/news/201404/13051563.html

 

 

あ、あともうワンシナリオだけ・・・(死亡フラグ