豊洲市場問題と水素水


水戸黄門が武田鉄矢で復活するらしい。
政治の世界では赤い小池と緑の小池の大活躍により、そばなのかうどんなのかのごときかけそば論争がおきている。
大阪のほうのあれも東京のほうのあれも笑っちゃうような滑稽さとは裏腹、与える影響がクリティカルすぎてちょっと笑えない。
そんな事してる場合じゃねぇだろと、いやはやなんとも頭を抱える状態である。タネの割れた手品を延々とみせられているもどかしさは半端ない。

 
歴史から学べるのは賢者だという。

なのでおおよその人たちは経験からしか学べないということだ。なかには経験からも学べないひともいる。だから多数決で決めれば間違うことや合理的でない結果になることはままある。

それはそれでいい。
取り返しのつかない誤りを犯すまえに、細かい間違いを各自が経験できるからだ。合理化がすすみすぎるると、過剰最適され外部からの環境変化で絶滅してしまう。なにいってるんだかわからないとおもうけど、ある程度の多様性とあそびは全滅しないためには必要なことだ。

 
だけれども、判断するための情報が間違っていたら間違ったことも気がつけない。経験から学ばせないようにする報道や、消費者が学習をするころには商品を入れ替え目先をかえさせるような賢しい工夫が目に余る。

 
大阪のほうのあれは証人喚問後でいいとして、土壌汚染対策の専門家委員会、百条委員会での浜渦元副知事、石原元都知事の証言があり、東京のほうのあれはだいぶ問題が整理されたので、ちょぼちょぼ書き出しておこうかと思う。

問題の整理

豊洲市場土壌汚染の評価 → 2年間の地下水モニタリングの結果の確認・評価が「専門家会議」によりおこなわれている

  • 地上部の空気に土壌汚染の影響はないことが確認できた → 法的、科学的には安全。
  • 地下水から環境基準の100倍のベンゼンが出た → 処理前は4万3000倍。対策した効果はあったね。
  • 100倍のベンゼン怖い → それ70年間、毎日2Lを飲用し10万人に1人に影響が出る飲料水の環境基準な。
  • 環境基準? → 土壌汚染対策法の環境基準、工場排水の環境基準、飲料水の環境基準
  • 地下水は飲まないし使わない → 地下水は汲み上げて下水に流すだけだよ。豊洲市場では上水はなんと水道をつかうんだ!
  • 埋立地の井戸水に飲料水の環境基準を採用 → 安心のためのコスト。都内では井戸水は飲料用に使えないところ多いのにな
  • 地下水がなぜ貯まるのか → 埋立地なので海とを区切る遮水壁があり、汲み上げないと降雨した分がそのままたまる。
  • 水銀も出た → 地下密閉空間だと海水にふたしてても出るらしい。マグロの水銀はいいのかな?
  • ヒ素も出た → あそこらへんには有楽町層(自然由来)の層があるんだって
  • シアンは青酸カリとかで炭素二重結合でとにかくやばい → ご意見として承ります・・・
  • 地下水が地震で吹き出したらどうするんだ → 建物は地面に直建てじゃないよ。連結廊下も浮いてるよ。
  • 2年間モニタリングの後半で急に数値が動いた → 地下水管理システム動いたからみたい
  • 過去8回分のモニタリングは再採水とかしてたんじゃ → 話題の忖度?
  • 地下ピットの空気が悪い → 換気しようね
  • イタイイタイ病になる!人体実験のモルモットになりたくない → これな。安心のためのコストは青天井。

 

豊洲市場の施設の評価 → 市場問題プロジェクトチームによりおこなわれている

  • 建物の構造計算 → 誤記があるね。ミスだよね。再申請が必要かは確認中。
    ヘアピンスロープ曲がれないんじゃない → ターレットって旋回って意味らしいよ!
  • 交通アクセス → トラック荷受け場たりないんじゃね・・・
    市場内(各街区内、建物間)の導線 → 活魚のところ問題じゃね、習熟訓練まにあわないかも
  • 温度管理 → なんでHACCP対応のコールドチェーンにできなかったの?
  • 間口が狭くてマグロが切れない → 共同場があるよ。
  • 業者にヒアリングされなかった → 移転反対派が代表の間に決まったから?だとしたら都、駄目だよね。
  • 建設費が当初の990億円から2752億円、土壌汚染対策費は586億円から849億円 → 都知事戦のさなかとかにきまったよ。なにこれ。

 

築地の問題 → 豊洲で騒ぐなら築地はどうなのよと風評被害が延焼

築地市場の沿革
1935年 日本橋魚河岸から移設
1985年 大田市場移転 業界団体が反対し失敗
1990年 築地再整備 ローリング工法が種地が確保できない業者の反対などにより失敗。2380億 → 3400億に試算が膨らみ頓挫。
400億で仮設した駐車場等の建物が既存不適格構造物として現在まで残る。
1998年 晴海臨海部移転の可能性の検討 → 業界団体が移転(4)と再整備(2)で割れる
1999年 現在地再整備の再検討 → 業界団体が合意せず失敗
2001年 豊洲移転整備の決定 第七次東京都卸売市場整備計画策定

  • 創業から80年。移転が決まってから18年大規模改修がなされておらず深刻な老朽化
  • 鉄道流通の時代に建てられた市場であるため駅のホームのような構造。柱と屋根。壁はないのでエアコン等はなし。
  • 密閉ではないためにネズミなどの害獣問題 → 銀座にネズミが大挙して移動の危険
  • 周辺道路もトラック物流に対応していないため交通に影響。
  • 当時は僻地の埋立地であったが今は一等地。
  • アスベストが建物に使われている。
  • 大規模集客施設にもかかわらず耐震化もなされておらず旧建築基準法以前。
  • 交通事故が年間242件(うち人身131件)と混み合った危険な導線。
  • 米軍クリーニング工場跡地なので豊洲と同じ汚染指定土壌 → 小池都知事「築地はコンクリートに覆われているから大丈夫」
  • 築地の解体工事の入札 → 都知事戦のさなかとかにきまったよ。
  • 築地が解体できないから環状2号線も止まったよ → 五輪にまにあわないよ。選手村の建築どうするの。
  • もっといろいろあるけれど現役で稼働している市場なのでみんな口もごもご。

卸売市場としての経営分析としての問題

平成元年には1794社あった仲卸が平成26年には1164社になっている。これはまた別の問題も大きく含んでいるので、市場問題PTが該当部の審議がされたらまた今度細かく調べる。

 

東京都のがばがばガバナンス問題

専門家会議が東京都側にモニタリングの結果を、説明を抜きに数値だけだと誤解を招くから事前公開するなと散々申し入れているにもかかわらず数日前には情報が「関係者筋」として報道されている。がばがばだ。大丈夫なのか都庁。

豊洲市場に決まった経緯問題 → 百条委員会にて検証中

豊洲市場問題沿革
鈴木、青島都知事時代に再整備、移転失敗
石原都知事時代に移転先を豊洲に決定。
猪瀬都知事時代に追加対策工事のため開場延期。
舛添都知事時代に工事完了をうけて安全宣言。
小池都知事時代に移転延期を決定。

2001年 1,859億円で豊洲の土地を購入。掘削しない場所や土で覆う場所は対策の対象外
2005年 工事時の地盤から地下2mまで都条例の基準値以下(東京ガスが行う)
2007年 東京ガスが汚染対策を完了(102億円)
2008年 環境基準の4.3万倍のベンゼン(東京ガスの対策エリア外)
2011年 東京ガス78億負担(法的責任はないが応じる)30mメッシュで処理できていればOKとしていた契約内容を東京都が反故にした。

東京都は849億円の汚染対策費を投下。

地下水の水質基準を飲める基準にまであげたために対策費がうなぎのぼりになった(石原都知事が採決した)
「綺麗」の定義が曖昧のまま平成22年に付帯決議をつけた。風評被害対策としての自らかしたハードルで自縄自縛。

  • 東京ガス → 独自の湾岸開発の計画をたてていて売りたくなかった。
  • 東京都 → 大きい土地を買うのに地権者の少ない豊洲からかなり強権的に購入した。
  • 汚染者負担原則から瑕疵担保責任が解除されていたのが話題に。
    後任、現練馬区長の前川あきお氏 2005年東京ガスに役員として天下りした人物 → なぜか百条委員会には呼ばれてもいない

※ 前川あきお氏(02年知事本部長、04年知事本局長、2005年東京ガス役員、現練馬区長)豊洲の土地を市場にすることの合意書(02年7月)、豊洲における汚染土壌の処理方法についての確認書(05年2月)に署名

感想

立ち止まって考えることは場合によっては重要である。しかしながら、手術などのオペ中に考え事をしたいのでとめますでは患者は死んでしまう。
運営と監査、管理上必要な追求行為は別である。

小池都知事は未来をどうするという東京都の方向を示さないまま過去のあら捜しに勤しんでしまい未来につづく運営を放棄している。
いまのところ、ふろしきとオリンピックバッチをマグネットにしたことぐらいだ。専門家会議などをオンラインで中継するようにしているのはとても評価できるが、倍速で見れないのでyoutubeに乗っけてほしい。

豊洲市場については、政争の具にするために安心と安全を分けてしまった。科学の否定になりかねない。安全を訴える職責を担えるのは都知事であるのに、不安を掻き立てる側ではいかんと思う。
お化けを怖がる子どもたちを諭すのではなく一緒に怖がっている。
未来を労せず、前任のあら捜しだけ続けていればデグレードしていくだけだ。同時に未来を編む労力も割いてほしい。
で、追求の方向もおかしい。ここまで前任者否定に執着しているのにもかかわらずなぜ建築費が高騰したのかには踏み込めていない。

もし将来同じような大規模施設の移転をしようとしたときに、同じようなことにならないようにするためにすることは個人の責をつめることではなく、何が機能したのか、しなかったのかの組織としてのシステムを検証することだろう。じゃないとまた同じことを代表がかわるたびに繰り返す。今度吊るされるのは小池都知事だ。そんなことにはなんの進歩もない。

 

築地の卸売事業者は豊洲市場移転とそれにともなう風評被害で事業主は安全が担保されないから売上が低下することが懸念している。当然の心配だ。東京都は事業者の不安を払拭するために、過去数年分の売上から遺失利益などの一部補填などの営業保証を保険的におこなう裁可を予算に組み込んでおくべきだった。

 

築地市場以外を利用する会社としては、豊洲の店子にばかり都民税をつっこみやがって、さらにここからまだ築地の仲卸のわがままに答えて費用をせびるつもりかという不満がある。安い家賃で銀座で商売して、せっかく6000億もかけてつくったのに。他の古くなった市場に手をいれて直してあげてよとも思う。
商売人としては移転したくないという心情は理解できる。
商店街を現在の場所から2キロ移動しますとなれば、普通は反対する。
営業もままならず廃業も選択肢にあがる。津波被害の高台移転でさえ、かんたんにはいかないのだ。1,164人も社長がいれば合意形成なんてできるわけがない。

それでも苦心惨憺まとまったものを水素水並の根拠で立ち止めてしまった。
これが民主主義のコストだとしても、なかなかお高いものだ。そしてこのやりかただとまた同じ轍を踏む。

 

科学への挑戦?

安心、安全の議論。

自分は大学で化学専攻してしまったので、ちょっと世間とずれちゃっているかもしれないのだが、「ベンゼン」ってふつーの高校生でも実験で使うよね?物性とかも習うよね??

世間的にはどこまでわかった上で危険だ危ないって言っているんだろうか?

 

例えばタバコの副流煙やアルコール摂取とかの発がん性などと対象比較せずに飲料水の環境基準もってきて100倍とかやり続けたり、実際に食品として口にはいるほうの養殖魚とかがどういう薬品で消毒とか抗生物質うっているのかとかのほうでも気にしたほうがよいとおもうのです。

 

 

参考

市場問題プロジェクトチーム
www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt-index.html

 

豊洲市場移転問題特別委員会
www.gikai.metro.tokyo.jp/record/market-relocation/

 

豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議
www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/expert/

 

豊洲新市場、事業費見込み5884億円 当初比1500億円増
alplace.co.jp/blog/2015/03/18/372

 

築地市場解体 都が工事発注 知事選さなか 関係者に知らせず
www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-29/2016072901_04_1.html

 

2/3 【猪瀬直樹×津田大介×夏野剛×佐々木紀彦】「東京の敵」は誰ですか?2017ど〜なる小池都政

iモードの海の親とかよばれたりしている夏野剛さんは東京ガス豊洲開発で課長をしてた
12分のあたり

 

築地移転問題の歴史的経緯について

 

築地市場移転決定に至る経緯

クリックして201204_4.pdfにアクセス

 

第1回 市場問題プロジェクトチーム

クリックして07slide.pdfにアクセス

 

都から東京ガスへ天下った練馬区長、「豊洲問題の戦犯と言われるのは心外」
www.dailyshincho.jp/article/2016/10110701/?all=1


音楽教室と音楽著作権について


楽曲の著作権を管理するJASRAC(日本音楽著作権協会)が音楽教室からも著作権料徴収をするとして反感がわきあがっている。
音楽教室は儲かってそうだから上前ちょっとよこせ?
著作権を守らせるためには音楽文化を根絶させることも辞さないような愚かな行為だ。

音楽教室から著作権料徴収へ JASRAC方針、反発も
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170202-00000014-asahi-musi

JASRACの外部理事 東京大学先端科学技術研究センター 玉井克哉教授のツイートを伺うに、

音楽事業で利益があがっているから(取り立てる側が)泣き寝入りはしないぞということらしいです。
小さい音楽教室なんかは対象外だから心配するなってのも部外者からするとなんじゃそりゃ感。恣意的運用もいいところ。法を背景にうごいている人たちがこんなことをしてていいのかな?
音楽や文化振興の未来を蝕んでいるんじゃないのかな?
日本の子どもたちの未来になにしちゃってくれてるの??
それこそが目的なの?

 

プロのミュージシャンが他人の著作楽曲をつかって観客から入場料をもらうのが営利事業なのはわかるし、そこから入場料のいくばくかを楽曲の製作者に還元するというのもわかる。で、その徴収行為をそれぞれが行うのは大変だから管理団体が立ち上がるのも、まあわかる。

で、なんで練習や教育にも著作権侵害が絡んでくるの?というのが素直な疑問。

 

音楽著作権について

一般に学校教育などにおける授業において著作権の侵害は発生しておらず著作権料の支払いは不要とされている。

 

著作権法
www.houko.com/00/01/S45/048.HTM#s2.3.5
(営利を目的としない上演等)
第三八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

 

学校が音楽著作物を利用できるのは非営利目的であることと、聴衆から入場料などを得ていないこと、演奏者に報酬を払っていないことが法的な建付けになっている。

せっかくなのでJASRACのホームページからその主張を考えてみたい。

www.jasrac.or.jp/copyright/outline/index.html

 

今回は音楽教室は著作財産権うち上演権・演奏権について音楽教室は営利目的の団体だから違反しているじゃないかという論のようだ。生徒が教師に対して、もしくは教師が演奏しているから、伴奏などで楽曲を演奏するからが論拠のよう。

 

かつては、カラオケはただの楽曲の私的利用ではないかという係争もあったようだが、カラオケの機械が演奏者で、カラオケを唄っている客こそが聴衆。で、聴衆がカラオケボックスに入場料を払っているのだから営利目的の演奏にあたるのでアウトだということのようだ。んんん?と思わなくもないけれども、まあ録音楽曲を営利で公衆送信をおこなっているのでまあなんというか、うん、まあ、うん。

 

学校はオッケーだけど、音楽教室はアウト。

学校法人はオッケーだけど、塾はアウトみたいな感覚なのかもしれない。
だが、最大手のひとつヤマハ音楽教室は、一般財団法人ヤマハ音楽振興会が主体となっていて、公益目的の法人である。一般財団法人は拠出された財産を運用する目的の団体だ。法人の性質上余剰金の分配はおこなわれない。財務諸表などをみてみると経常収益は260億円であるが経常費用は266億で今年度循環でみるかぎりは赤字である。流動資産が78億、固定資産が22億(固定のほうが少ないって珍しくね?)で、利益を伸ばしているようにも見えない。

www.yamaha-mf.or.jp/activity/setsuritu.html

 

 

 

こんな論もある。

「生徒は講師の演奏を聴くために授業料を払っているのではない」「教師は演奏の対価として給料をもらっているのではない」
bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20170206-00067411/

しかし、その理屈がとおるならば学校法人だって利益をあげているじゃないかと言うことができてしまうはずだ。多くの学校法人もその運営のために毎年余剰金を積み立てているはずで、それは貸借対照表上はまぎれもなく利益だ。

 

管理楽曲の利用があるだけで「教師は演奏の対価として給料をもらっている」ことの可能性を排除することは難しい。
JASRAC管理下の曲が一曲紛れ込んだだけで、すべての商行為がライセンス感染する。オープンソースソフトウェア界隈であるGPL汚染というか、ポイゾニングなみの恐ろしさがある。本来はその楽曲の貢献度、影響度について計算したうえで”それ”はなされるべき性質のものだが、枝葉末節であったはずの音楽のしかもたかだか数曲のしかも数フレーズが、その外を無視して結果すべてにかかってくるのだ。
音楽教室のあげる利益の源泉が楽曲利用にあるのであればそれもよいかもしれないが、どう考えてもそうではないだろう。

喫茶店が楽曲を利用していからJASRACが来たり、ライブハウスでアマチュア出演者が演奏するからというのでJASRACが来たりしていたけれども、とうとう、教室にまで進出してきたかという感じ。

 

巨大な利権と天下り先か?

天下りが問題になるのは、天下る人の問題じゃなくて、辞めた人が現役現場に影響力を持ち続けることができる現場の膠着性。またはそれを維持するための法的参入障壁と寡占市場のほうにこそ問題の根幹があるとおもう。なので、天下りとか利権をどうこういうことの意味を感じはしないのだけれども、ツイッターなどの意見がそこに集まっているようなので、財務についてのほうには触れておこうとおもう。

 

情報公開 (業務及び財務等に関する資料の公開について)
www.jasrac.or.jp/profile/disclose/index.html

 

一般会計と信託会計にわかれていて、信託会計の収入の部をみてみると手数料収入は1638億円に登る。演奏や放送の徴収額と支出額が億、十億単位でずれているが、どうしてなのか俺には推測もできない。

「JASRACの給与・役員報酬の合計は約36億円」というツイートもみかけたのだが、正確には2015年度の役員報酬は2億3千万、6億2千万である(管理費)。事業費のほうの給与(たぶんこちらは一般社員のほう)は33億7千万。

正味財産増減計算書

クリックして2015_general02.pdfにアクセス

役員等一覧
www.jasrac.or.jp/profile/outline/officer.html

常任理事以上9名
理事22名
監事4名 の計35名。

一般理事はほとんど費用をもらっていないなどの事情でもなければ、それほど膨大な報酬を得ているとは思えない。ただ、信託会計収入合計1,638億、一般経常収支143億もありゃ、この管理団体の収入だけで電子書籍市場の規模1,800億に相当するわけで、絶大な影響力があるのは想像に難しくない。

音楽著作権管理団体にはJASRAC以外にe-Licenseなど後発もあるが、こちらは資本金6億の株式会社だ。ここらへんに触れだすと包括契約がどうこうとかいいたくなるのでやめるけど、まだまだ寡占市場であることは間違いない。

 

かんそー

「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号)
著作権や知的財産権の根幹にあるものは、頭の外にだされ固定化されていなければならない。頭の中にあるだけのアイディアなどは保護されないのだ。

 

音楽の場合、表現が楽譜やメディアとして記録されるようにできるようになったためにどのようにそれを管理すればよいか迷走している。果たして、誰かが表現した楽曲を、再び演奏者が表現し直すのはどこまでその類似性を許すのか。
コード進行は?メロディーの類似性は?それ本当にAIとかで楽曲類似判定かける時代になっても別の曲だと言いきれますか??
俺には日本の有名なあの曲だって外国のあの曲にしか聞こえないものが多くある。
リスペクトとパクリとマッシュアップは同じもの?
外国の民謡を自分が作曲者だといいはる人物を守るのが本当に文化振興事業なのでしょうか。

 

著作権の考え方のベースになっている万国著作権条約がつくられたのが1952年。まだ60年ちょっとしか経っていない。しかし、この60年のあいだに出版物や音楽を取り巻く環境は大きく変わった。音楽の演奏形態もおおきくかわった。

ネット配信が主流になった今では、曲はフリーで配布して、コンサートやグッズで稼ぐなどアーティストの利益回収のための仕組みもかわってきた。

だからといって、手数料収入がおちてきたから音楽教室に手をいれようとか、そんなタコが足くうようなことしてちゃだめだよね。いい大人が考えたアイディアがそれじゃ筋がわるすぎる。いったいどこらへんが音楽文化振興なんですかと。

もしかしたらこんなことも今話題の文科省の天下りあっせん調査がすすめば解決したりしてね。

 

 

 

 

参考

音楽教室でJASRAC管理楽曲は「演奏」されているのか。
benli.cocolog-nifty.com/benli/2017/02/jasrac-3747.html
→弁護士の見解

 

宇多田ヒカルさんは勘違いされているのではないか?
bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20170205-00067379/
→ 弁理士の見解

 

togetter.com/li/1077579
→ JASRACの外部理事 東京大学先端科学技術研究センター教授の関連ツイート

 

残酷な天使のテーゼの作詞者「音楽はタダではない。でも音楽を学びたい子供達には自由に使わせてあげてほしい」
togetter.com/li/1077289


ひたすら延焼していく豊洲市場問題


いままで検出されていなかったデータから、環境基準の79倍ものベンゼンが検出されたそうな。

いままでの環境基準というのは飲んでも問題ないという飲料水としての環境基準であったが、今回は、工場とかが排出してもよいとされる排出環境基準も10倍こえる程度のとてもとても高い濃度である。


これはかなりものすごい数字で、お風呂一杯にラー油を一滴垂らした程度の濃度で検出されたってこと。
ぶっちゃけ肉眼でみてわかるレベルで油膜ができているはずだ。

観測井戸は10m間隔で設置されているが、10m×10m×1m(10万リットル)の地下水を前にこの濃度を出そうとすると79gのベンゼンが必要。

 

※計算根拠
環境基準が0.01mg/リットルなので検出したのは0.79mg/L
お風呂一杯(160リットル)相当だと121mg
ラー油一滴をざっくり0.1mlとすると100mg
0.79mg/L×10万リットル
ベンゼンの比重0.88とすると、79g→90ml / 10平米 → 油膜0.009mm

 

第9回のベンゼン類観測の跳ね上がりぐあい。

第9回でどかんとあがっている。

 

左下とかに第8回からあがっている箇所もあるが、縦軸のメモリのスケールが違うことに留意してほしい。

経過から2年経ってから、このような検出をするのは科学の常識から考えるとこの数字はちとありえないという専門家会議での科学者のみなさんの感想は素直なもので、自分の感想もこりゃねぇーわというものだ。

 
これを事実として、おもいつくのは

 

  1.  いままでの取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった
  2.  今回の取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった
  3.  新たにベンゼンが発生する油田が生成された
  4.  地下水の組み上げポンプが動いたことにより油膜が破けた
  5.  報道陣に地下ピットを公開したタイミングとかでぶっこまれた

 

こんなもんかなー?

 

 

1.いままでの取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった

第4回 豊洲市場専門家会議 終了後記者会見(12分のあたり)を聞く限り

過去の調査分析会社は計4社が担当しており、
第1~3回 5、6、7街区 1社
第4~8回 5,6街区   1社、7街区 1社
第  9   回 5、6、7街区  1社

だそうだ。1~8回の分析には3社が関与している。

ここに問題があるとすると3社の談合が必要。

 

分析データはこちらに公開されている。
地下水のモニタリング調査
www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/monitoring/
計量証明書を覗くと一部印影が塗りつぶされているけれども住所番地とかから伺いしれるのは、かなり大きな分析会社なのでサンプルの取扱に難があったとは正直あまり考えられない。
取水過去については、工事とセットだったりいろいろだそうだ。(動画20分のあたり。)

ぶっちゃけ取水には嫌疑がのこるけど取水ミスは外野からも、専門家委員会も過去にさかのぼって検証は不能。
検体も残ってない。

 

2.今回の取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった

まだ第9回のデータは公表されておらず、計量証明書もつけられていない速報値なので、なんとも言えないが、今回だけ別の新規の会社で、一般競争入札での落札だそうだ。
泥の分離とかがうまくいっていないでデータが増えることはあるであろうと思われるが、それにしては検出された値が大きすぎる。

ただ、値がおおきいので、現況の観測井を確認することで比較的容易に確認できるものと思われる。これだけ大きな汚染値がでたものが1~2ヶ月でなくなるのは考えにくいので追証可能なものだとおもわれる。

専門家委員会の先生方が調査するそうで、正しい判断だとおもう。

 

3.新たにベンゼンが発生する油田が生成された

地下の空気も太陽光もないようなところで、嫌気性藻類オイルでボトリオコッカスとか、メタンアーキアとか由来じゃないかとかが活性化をはじめたんじゃないかとかだったら、ちょっと夢がある。が不謹慎。この埋立地は舞浜ではないので夢の国ではないのでただのブラックジョーク。ごめんなさい。

ただ、表層土壌をとりのぞき、土を焼いて入れ替えるような処理をしている土地で操業停止から年数も経っているのに新たにベンゼンが採れるのであればそれは夢の永久機関だよね。

 

 

4.地下水の組み上げポンプが動いたことにより油膜が破けた

地中でマヨネーズみたいにエマルジョン安定になっていた油滴が地下水管理システムによる地下水汲み上げによる地下水移動により、表面膜が壊れて観測井付近で広がった可能性。にしては、値が大きすぎるんだよね。二年間、つゆとも解けず、どんだけ安定だったんだよと。

観測井の間隔が10m四方なので、帯水層を1mとしても、この領域の地下水(10万リットル)に79gのベンゼンが必要。
車でも埋まってるのかな・・・?

 

5.報道陣に地下ピットを公開したタイミングとかでぶっこまれた

まあ、陰謀論のたぐい。

観測井ってどこにあるんだろう?地下ピットとかと同じ層?

環境基準の10倍以上でたのは、水産仲卸売場棟の地下左辺だけれども報道陣とかに公開したのはどのあたりかな?


まあ故意にやろうとしたら、ちっこいペットボトル一本分をどぼどぼなので、よっぽど。

けど、観測井付近だけにちょいと垂らすだけなら、一滴だしね。

観測井直径50mmのただの鉄パイプの鋼管っぽいので、ま、ちょっとガソリンとかふんずけた長靴によるコンタミで充分な気もしなくもない。

 

 

 

やれやれ。ほんと、都政は火が燃え広がるばかりで落とし所が全く見えないね。

5900億円にこれからの損害が1000億単位、環状二号線まわりを勘案すれば豊洲市場問題だけで1兆は新たな予算手当が必要そうで、東京都の流動資産そんなにないから、たぶんどっかにおっつけて終わるんだろうけど、民主主義のコスト高いなぁと。
いろいろ思う所はあるけれども、今回は第4回 豊洲市場専門家会議の結果をうけてだけにしておきます。

 

参考

第4回 豊洲市場専門家会議(1/2)資料分析~質疑応答

 

第4回 豊洲市場専門家会議(2/2)宿題報告~質疑応答

 

豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議
www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/expert/

 

市場問題プロジェクトチーム
www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt-index.html