平成最後の夏期講習PoliTech働き方について考える


働き方について、ポリティカル&テクニカルに考えてみる。
働きかたっつったって、働いてるやつぁもういい年した大人なんだから手前の面倒は手前でみて好きなように働けばいいじゃないのと突き放した考えをもってしまうのだけれども、そういうわけにもいかない事もあろう、ってなわけでいろんなケースについて考えてみたい。今回で平成最後の夏期講習シリーズはおしまーい。

まとめテンプレ

  • 今までの分野の課題
  • 今後の分野の課題
  • 問題解決の指針(何をどうしたら)
  • ポリ(政策的に解決するには)
  • テック(技術的に解決するには)
  • その分野の未来ビジョン

F:働き方

第一回 平成最後の夏期講習(社会科編)F:働き方

2018/7/31 第一回平成最後の夏期講習(社会科編)
Fテーブル「AI時代の働き方について、考える」
★厚生労働省老健局総務課課長補佐(政策調整委員)古川弘剛
・株式会社Studio Gift Hands 代表取締役/産業医/眼科専門医 三宅琢
・一般社団法人WITH ALS 代表 武藤将胤
・つくば市 副市長 毛塚幹人
・島根県 教育魅力化特命官 地域・教育魅力化プラットフォーム共同代表 岩本悠
・富士通 本多達也

議論ピックアップ

障害のある方の働き方
つくば市役所は外部人材を採用するため勤務条項を外している
固定化された価値を変えていく
都会にいかないと仕事がない
人間は本質的になんで働かなければいけないのか
多様性をいかにうけいれられるか
働き方って小中高とかで習ったことがない
ジョブディスクリプションを明確に決めて

今までの働き方の課題

働きの成果を測る方法が時間拘束になってしまっていること。

働くのは価値を創造するためである。人は価値を創造することで所属しているコミュニティから報酬を得る。
株式会社が発明されたのは、遠く航海しても胡椒をもちかえれない、つまり無駄働きに終わり価値を生み出せない人が出るからで、その失敗や成功を調整するために掛け金が調整されたにすぎない。平準化することでハイリスクはハイリターンに、ローリスクはローリターンに調整された。

大量生産の時代になると、労働者が生み出す価値は労務提供の時間と比例し、勤怠管理にて想定容易なものとなった。働き手がどこでどのような仕事にどれくらい従事したかが雇用側に重要となった。

情報化社会以後、ソフトウエア開発やコンテンツ製作が本流になってきた現代において、労働時間や設備施設と労働生産性が比例しないケースが顕著になってきた。できるソフトウェアエンジニアの生産効率は1000倍では収まらない。文章が書けるだけの人を千人集めても、シェイクスピアの物語にならないようなものだ。かつてはクリエーションの現場だけに見られた「タレントの出現」を待つだけだった現象が反復することが信条のビジネスの場でも見られるようになってきた。

ある種の製作において、働きがどの程度のリターンをうるべきなのかについての社会的コンセンサスはまだない。価値を測る方法は今のところ経済評価が一般的であるが、経済的リターンは仕事が完了した後にのみ発生するだけで、事前の想定と実際に乖離が合った場合や、グループワークである場合、貢献度や分配で大抵は揉める。資本社会における株主資本のような、出資とキャピタルゲインのような関係にあるものがまだなく、あったとしてもそのものさしはまだ過渡期であり万全には機能していない。

例えば係争になった例として青色ダイオードの発明がある。LED特許のような発明は特定の企業に巨額の利益をもたらしたが、発明者は給与にわずかな職務上の報奨を得ただけだったため裁判に発展した。また、アニメや映画の原作になった漫画家も職務上の作成で買い取りであるため映画などの興行成績が数億円の大ヒットしようが百万円程度の報酬しか得られなかったりするし、数億稼ぐ人気者の芸能人が事務所から50万にもいかない給与制でしかも移籍が困難になるよう占有的に支配されたりする。

職務発明や職務製作、タレントの育成などは、企業がトータルでリスクを負っているという言い分もある。成果を生み出せない人にも給与は払い出さなければならないし、後進も育てなければならない。だが、企業戦略論的にいうならば独立を防いで新たなコンペティターを産ませないようにするための参入障壁構築でもある。

しかしこれもそれも、働きの成果を測る方法が未成熟であるためにおきていることだ。声が大きいだけや、長時間会社に詰めているだけの人を過大評価してしまったり、自分がどのような仕事をしたのかを伝えなかったり、自己評価が低いひとの謙遜などを真に受けて過小評価してしまったりする。

今みている洋物ドラマ(ちなみに今はクリミナル・マインドをみてる)で言い争いになるとappreciate(真価を認める)を連呼するが、appreciateって重要。慧眼。

今後の働き方の課題

働き手がどれだけの価値を生み出したのかを計測する方法が未整備。

例えば、フリーランスや個人事業主が仕事をしようとしたときには、どこかの下請け的に働くケースがあるが、優越的地位の濫用が平然とおこなわれる。下請法や準委任契約とか再販売価格の拘束とか、いろいろあってなかなか対等の商売関係を結ぶのは難しい。公正取引委員会とかあるけれども、これらが機能した例などというのは中小零細では聞いたこともない。普通は波風立てないように (片方が泣いて) 収めて終わりだ。

会社勤務の従業員の場合は、働いても働かなくても給料はあまり変わらないのであるから社会主義国の例に例えれば「飯配給の時は前に、仕事のときは後ろに」ということになる。特に公務員などは営業成績が悪いから解雇というようなこともなく、より問題を起こさずやりすごそうというマインドにシフトしてしまうのも当然だ。

問題解決の指針(何をどうしたら)

従業員の業務評価は会社の資産となっているが、個人の資産としてデータポータビリティの対象にするべきかもしれない。年に何度もない給与査定のみで自分がどのように評価されているのかを推測するのでは、人材のミスマッチも硬直化するし、仕事の生産性向上にも役立たない。

改善方法にはリモートワークの場合はupWorksやランサーズなどのクラウドソーシングなどで行われている2つのやり方が参考になる。

  • PCのロギングや「Harvest」のようなTime Tracking Softwareをつかって時間をベースに進捗を管理する方法
  • 仕事をタスク単位に細かく分け、それごとに報酬を設定して取引(予定価格の提示、デポジット、成果報酬)

少し大規模なプロジェクトになればレベニューシェアなどのやり方もあろう。いずれにしろジョブディスクリプション(お仕事の細かい内容)とコントラクト(契約)が重要になるのであるが、日本はここをどうもなーなーに済ませてしまってぐずぐずだ。仕事を発注する側や上司が納得するまで検収しないなんてことがある。これじゃ働く側のコストが青天井だ。

「そりゃ俺の仕事じゃねぇな、契約に入ってないぞ」って言える労使関係、受発注関係が必要だ。極まると責任回避のためだけの縦割り役所がやるたらい回しになってしまうけれども、たらい回しが価値を生み出すことは無いんだから成果で判断できればこれらは解決できる。減点方式から加点方式へ。

ポリ(政策的に解決するには)

職務発明や、職務製作の権限を強くしようとしている動きあるよね。権利管理が煩雑になるとビジネスの足も遅くなるので集約しようとしているのはわかるんだけれども、だとしたら懲罰的損害賠償を認めないとイノベーションなんて起きないよね。リターンも罰則もないのだから、リスクをとろうとするわけがない。

資本差がある企業間の取引においても、ものすげぇ違約金がついた納品とか、最初の契約に相当な歪みがある不平等条約なみの契約が横行してて、それで真面目なだけの零細は事故が発生した際にやられちゃったりするので公正取引委員会仕事してくださいって感じですな。八百屋の仲卸とか、魚の仲卸とかの一次産品の流通でつまずいているのから政策的な手当が必要なように思う。

情報産業とかのニューエコノミーのほうは比較的、順調だと思うけれども、これも製造者責任とかの転嫁とか、一度お金を払えばどこまでも製造者に作業を要求できると勘違いしているヤクザみたいな企業、担当者もおおいからこれを取り締まる実効性のある法律をプリーズ。

日本社会において給与が上がらないことが問題になっているが、勤続年数などが住宅ローンの際の重要な審査項目になっているのであるから致し方ないことだとおもう。勤続年数が重要視されるのは年功序列で生え抜きが優遇されたからだ。ここにも個々の働きの細かい評価を雇用側が諦めた現実がある。だが、工業社会が終わった今、そういう事はいってられなくなった。

解決する方法は、会社の業績が悪いから給料があがらないのか、自分のチームの業績が悪いからなのか、自分の評価が悪いからなのかを福利厚生上の法的義務として従業員へ公開することを会社に義務付けることが必要なのではないかと思う。

テック(技術的に解決するには)

せっかく法人番号制度(法人のマイナンバー制度)が始まって全国の法人が管理できるようになったのに、企業の全部事項履歴とか、処罰状況が表示されないのはどういうわけなんだろうね。

下請けへの支払い状況とか、障害者雇用促進法の処罰履歴とか、税の支払い状況とか、求人状況や退社率とかの状況は知りたいな。
帝国データバンクとか東京商工リサーチとかが企業の信用情報を値踏みしたりしているけれども、それらの民業圧迫することなく、労働基準関係法令違反に係る公表とか入札停止命令とかをPDFで出すんのではなく、公的な処罰状況は法人番号検索をしたら出てくるとか、もうちょっと一目でわかるようにオープンデータ連携進んでもいいと思う。
こういう法人そのものについてのバイラルサービスやれば今ならマーケットの開拓できると思うので誰か意欲ある人やればいいよ。テック的にはあまり難しいことではないのですぐできる。給料未払いとか、未払い問題とか社労士とか弁護士とかと連携すれば比較的マネタイズの道もありそうだし。うん、悪くないね。やってみようかな。すぐ忘れちゃうと思うので、やってみたい人いたら声かけて。

個人のほうは、あれかな、個人が自己申告の履歴書もって回るのはおかしいよね。学歴だの納税情報とか、執行猶予中だとかそういうのはわかるんだから、その人が見せたいところだけ見せる設定にして公的認証のバッチつけられるようにするのがいいんじゃないかな。
「あれ、この応募者学歴に公的認証のバッチつけてないな?」ってのから先は会社判断にできるし。雇用側が提出された情報がうそっこなのかどうかを個別に看破するのは膨大な社会コストになっているので、プライベートデータ連携、公的認証、データポータビリティがんばってひろがってほしいですね。linkedinみたいなソーシャル相互認証に頼らずに済むところはちゃちゃっと済むようにしておきたいですね。

働き方の未来ビジョン

カフェとかで仕事をするノマドが未来の働き方だとか煽るイメージあるけれども、カフェは仕事場じゃねぇから長居すんなって喫茶業もやっていた身からは思う。手に職を持っているひとは、コワーキングスペースとか、カフェを自分で創業する立場に立てばいいと思うよ。そうしたら好きにできるし。

正直、飲食店の創業は素人参入も多いため、恐ろしい勢いで出来ては消えていく悲しい業界なのだけれども、別業が収入をあげる算段があって始めるカフェとかならどんどんやればいいと思う。

副業や独立創業については、未だリスクの方が多いので、平常のやり方でひと上がりしてからでも遅くはないとご忠言いたすところでござるが、満員電車に揺られ鶏ゲージのように働くのも精神衛生上よろしくないこともあるので、堪えられなくなったら適度にリトリート(退却)するのも大切だよねー。

ワークライフバランスだとか言うけれども、そもそもが働くことと、生活をわけずに済む未来がくるといいですね!

毎週パーティー三昧!? 前代未聞の介護付き住宅「はっぴーの家」に行ってきた
こういうのいいよね。苦労は堪えなさそうだけれども。

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今回はEの島の子供について、ポリティカル&テクニカルに考えてみる。子供??子供ってなんてざくっとしたテーマだな、なんのこっちゃと思って議論の様子をみたら、支援を必要とする子供達をみたいな議論だった。教育はすでに他のセクションでやられてしまっているし、こりゃ難しいですな。何について考えればいいんだろう。子育て、虐待からの救出かな? これは、やれることやるしかないよね。

まとめテンプレ

  • 今までの分野の課題
  • 今後の分野の課題
  • 問題解決の指針(何をどうしたら)
  • ポリ(政策的に解決するには)
  • テック(技術的に解決するには)
  • その分野の未来ビジョン

E:子供

第一回 平成最後の夏期講習(社会科編)E:子供

2018/7/31 第一回平成最後の夏期講習(社会科編)
テーブルE<子供>
「社会全体で子育てする仕組みをテクノロジーでつくる」
★世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター長 須賀千鶴
・READYFOR株式会社 代表取締役 米良はるか
・一般社団法人RCF 代表理事 藤沢烈
・アクセンチュア株式会 オープンイノベーションイニシアチブ プリンシパル 久池井淳
・箕輪編集室 代表 箕輪厚介
・サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久
・一般社団法人Code for Japan代表理事 関治之

議論ピックアップ

虐待、保育
紙でやってる、関節作業だけで仕事が終わる
支援がバラバラ
組織がつながっていない
データ連携と個人情報の保護法
自治体予算ITが分割されてしまっている
善意が可視化される仕組み
イノバックの事例
NPOなどの成果の可視化
アウトリーチ、どうやって発見していくか
どうやってデータをあげていくか
現場がびびる
雛形をつくれば
首長トップ、自治体の職員、運用の支援をしてくれる技術者を揃えないとだめ
行政から名簿を取り出す
贈与経済を回す
新しい町内会
投げ銭のしあい

今までの子供の課題

子供に課題があるわけではなく、課題があるとすれば環境。

親の暴力だったり経済環境だったりネグレトだったり、学校のいじめだったり、教師だったり、性的虐待だったりあれやこれや子供を襲う問題は有史来あったのだろうが、その凄惨さは文明化が進んだことでだいぶ早期発見早期対応がおこなわれるようになったように思う。法律にも大抵の子供への脅威は明文化されているので、新たな脅威が生まれるとすれば馬車だったのが車になって子供が交通事故で死亡するだとか、街路灯がない暗い道に出てた露出狂が現代ではエアドロップ(スマホのファイル共有機能)ですれ違いざまに卑猥な写真を送りつけてくるとか、技術革新で脅威の「手法」が変わるぐらいだと思う。

今後の子供の課題

技術革新の速度は法律の成文化よりも早い。そのため脅威に遭遇している子供の発見が重要となる。
再発防止のため、脅威の早期発見も重要だ。早期発見には監視が必要で、機械的な検知と、衆目監視がある。社会の連携を高めることで衆目監視機能は高まるが、地域社会の希薄化によりこの機能低下が懸念される。

問題解決の指針(何をどうしたら)

外部からの問題と、内部からの問題がある。
外部からのひきおこされた問題については粛々と対応するよりない。

脅威の事前防除、発見し次第課題の解決。同じ問題がおきないようにウオッチ。この一連の反復の速度を改善していくよりない。脅威は湧き続けるし環境の劣悪さも相対的なものであればかならず下位が割合で存在する。それは仕方のないことだとしても、対応により絶対的な不幸は減らせる。

子供自身、またはそれに強い影響をあたえる家庭そのものに問題が認められた場合どうか?教育セッションでも書いたかもしれないが、子供の教育については遺伝的要因が5割、残り2.5割が家庭環境のこりが教育などそれ以外の環境であるとのことだ。賢さはあまり遺伝しないが、貧困(お金を管理できないとか計画性をもてないとか)は伝承性がとくに強い。遺伝だけでなく資本や文化資本の継承もあり貧困は連鎖する。

虐待を受けた子が親になったときに自分の子供にも虐待してしまうという負の連鎖がある。ここにもちょっとセンシティブだが自己抑制などの遺伝要素が絡むようにも見える。

遺伝の影響は低年齢および、社会に出てからが増大することが知られている。逆に学校などの画一的な指導のもとではあまり差がつきようもない(テストなら最悪で0点、最高でも100点の範囲に収まる)ので影響は抑えられる。逆に自由競争などになると影響が顕著になっていく。ゲームの下手なやつと上手いやつが同じテーブルに座って、点数がリセットされずずっと積算され続けるようなものだ。

両親の遺伝のうちどの形質を引き継ぎ発現するかは、兄弟でも異なる。その子供がどのような特性を持っているのかはそれなりに強い影響度がある。しかし、本人に資質もなく環境もクソだった場合、それをリセットできるのは地域とか学校とかのみであるが、社会としてはここを伸ばしていくよりない。
遺伝の問題はこれからさらに顕在化していくことだと思う。そのときに人類社会がどう向き合うかは、まあ、細かく間違えながらも進めばいいんじゃないかな。

安藤 寿康:行動の遺伝学-ふたご研究のエビデンスから

Figure 3. さまざまな心理的形質における一卵性双生児と二卵性双生児の相関

Figure 4. さまざまな心理的形質における遺伝・共有環境・非共有環境の相対的寄与率

Figure 6. 行動遺伝学の10大発見( Plomin, DeFries,Knopik & Neiderhiser 2016)

Figure 8. 知能の遺伝と環境の寄与率の生涯にわたる発
達変化のメタ分析( Tucker-Drob and Briley 2014)
Genetic Contribution: 遺伝A
Shared Environmental Contribution: 共有環境C
Nonshared Environmental Contribution: 非共有環境E

Figure 10. 男性の収入に及ぼす遺伝と環境の影響の年齢による交互作用( Yamagata et al., 2013)

ポリ(政策的に解決するには)

子供を食い物にする試みは常にある。これが社会問題化し世論の圧力が高まるのを待つことなしに法制化を粛々とやるよりない。

テック(技術的に解決するには)

法制度で書かれていてもケースごとに判断が複雑になり裁判で判例が積み上がるまで、現場が萎縮して対応しないことがある。法律の論理記述をおこない、法律に精通した有識者や各省庁間が連携してことにあたる必要もなく、通りすがりの人が「あ、虐待かな?どうなんだろう?」と疑問に思った程度で通報、初動が行えるように、自動情報処理の体制を整え、最初の敷居をテクノロジーとデザインで下げよう。

あとは、あれだ。再犯率が異様に高いタイプの犯罪はGPSの足輪をつけるていどの処置は日本もおこなうべきだと思う。刑務所は刑罰のための収容施設だけれども、更生を目指す施設ではない。技術で再犯率を下げられるなら手当をしないのは不作為だとおもうな。

子供の未来ビジョン

子供には常に未来がある。
大人はがんばれ。

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貧困は自助努力で解決出来るの嘘~努力では貧乏から抜け出せない理由~ 脱税レイヤー風呂屋さん

2018/09/18 17:23

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今回はDの島の財政について、ポリティカル&テクニカルに考えてみる。例によって議論ピックアップ以外のまとめテンプレ以下は俺の駄論。今回はなんか酷い。

まとめテンプレ

  • 今までの分野の課題
  • 今後の分野の課題
  • 問題解決の指針(何をどうしたら)
  • ポリ(政策的に解決するには)
  • テック(技術的に解決するには)
  • その分野の未来ビジョン

D:財政

第一回 平成最後の夏期講習(社会科編)D:財政

2018/7/31 第一回平成最後の夏期講習(社会科編)
テーブルD<財政>
「どうして、財政の話をしなければならないのだろう」
★慶應義塾大学 商学部 教授 権丈善一
・ファルメディコ株式会社 代表取締役社長/外科医 狭間研至
・ヤフー株式会社 CSO 安宅和人
・衆議院議員 村井英樹
・ワンファイナンシャル株式会社 CEO, Founder 山内奏人
・株式会社HashHub CEO 東晃慈

議論ピックアップ

ベーシックインカム
日本の社会保障費は少しだけはみ出している
歳入を増やす方法
国が持っている薬の処方などのデータを民間に売ってはどうか
AIとかダイナミックに経済社会を変えていくという点が弱い
就業者1人で何人を支えるかという比率これからもあまり変わらない
ポリがテックを邪魔している
テックが乗れば生産性が改善していく
歳出を減らす
高齢者にものすごい量の医療費がつかわれている
劇的に劇的に劇的に
消費税を劇的にあげて所得税を劇的に下げる
年金課税(?)は即やるべき
医療費負担率は豊かさで変えて当然
安楽死を合法に
年金を現金で配るのはやめる
最低賃金は劇的にあげたほうがいい
発給で雇えるやつが多すぎる
病気とかの予測人工知能に金をぶっこめ
定年を非合法化する
診断と予防は劇的に機械化
ひとりあたりの生産性の伸びは日本もヨーロッパもあまりかわらない
賃金に行ってない
雇用者のところだけ増えていない
消費税を劇的にあげて所得税をなくす
高齢化率と社会保障費を比較したら日本は低いほう
そんなに悪くないからこの国はちょっとだけがんばればいい
怠け者の解決策でいい
付加価値で生産性

今までの財政の課題

投下された資金に対しての検証可能な再現性がないこと。

資金投下が本当に効いたのか資金がないなか誰かががんばったからそうなったのかを区別できない。オーガニックな生態系への投下なので、本当は効果がないものも効果があるように見えたり、見せたり、逆にすごく効果が波及しているものが過小に評価されたりする。財政の投下に対するアウトプットを経済効果で測るのか、科学技術の進行度で測るのか生活水準とか文化度の向上とか、住民満足度で測るのかとかの明確な「ものさし」インディケーターがない。

広く集められた税が、国、都道府県、地方自治体に分配される形で運用を行っているがここにも難がある。予算配分が強い利権になってしまっているし、ひとつの運用形態しかないのでフォールトトレランス(ぶっ壊れたときに)の耐忍度がひどくひくい。ひとつの籠に卵を乗せるな論。

そういえばこないだ大手企業を定年後起業された方が、日本は対外的債務をもたないのだから財政破綻はありえないと熱弁されていた。若者が年金などあてにしていないとか経済成長するとも思っていない車を欲しがらないなどの国の不信感を抱いたことへのカウンターの意見だ。
確かに、現在メディアなどで流布されている財政破綻論には相当無理がある。テクニカルには破綻しえないというのもわかる。だが、戦前国債を買っていた爺さんも国債が紙くずになるまではそう思っていたと言っていた。

戦後、日本国債や戦時国債は事実上デフォルトしたわけだが(正確には預金封鎖とデノミ)、これは体外的な債務を抱えたことによるものだと考えられている。今の日本は貿易収支も黒字だし、米国債なども大量に保有している資産国だ。日本の対外純資産は17年328兆円もあるそうだ。家計資産残高は1829兆円もあるという。1400兆円ぐらいだと思ってたのでずいぶん増えたものだ。外国から稼いでしかも日本円で積んでるんだから破綻しようもないよねという意見があるのも当然だ。

でも、自分なんかは天地杞憂、心配性なんだよね。心配性だから心配事いっぱい書くよ。

日本の中央銀行である日本銀行のマネタリーベース(日本銀行券発行高と貨幣流通高と日本銀行当座預金残高の3つの合計)は、この10年で一次線形上ではないところで上に抜けてしまっている。これはアメリカさんやユーロのせいだけれども日本も量的緩和でこれにのったのは間違いない。ハイパーインフレになっていないのはマネーサプライのほうが緩衝帯になっているからだけれども、コントロールできるか連動するかの議論はおいておいて、この10年で前提環境が変わっていることにはちゃんと注目しなければならない。

そんであれですわ、日本が弱いなと思うのは銀行とか信金が信用の再生産を行っているんだけれども、結局ここで事業価値のバリュエーションを行なえてないでしょ。社長とかの個人資産を担保に連帯保証人とかを組ませて信用の再想像おこなってる。個人への貸付で多い住宅ローンだって買った瞬間に売値(資産)が半額になるような評価が日本の資産算定だ。
そんな再創造された信用で、日銀とか銀行が政府債務の買受を行っている。そりゃそうだよね低成長に抑えられてるのにリスクフリーレートである国債が結果として一番利回りいいんだもん。で、じゃあこれが逆回転したらどうなるんだろう?って普通の人なら心配しない?

よくないのが、日本で資産価値として認められるのは耐久財とか耐久消費財。でも、耐久消費財とかって物になっちゃうとお金にまで巻き戻せないんだよね。不可逆。労働とかで付加価値をつくっておぜぜ貯めて耐久財とかで固定しちゃうと、むしろ維持費とかかかって将来的にはフローが悪化しうる。フローとかインカムが心配なのに貸借でオッケーならオッケーって痴呆だよね。行政とかも財務三表ぐらいはいれるべきだとおもうな。

でね、天地杞憂の本領発揮なのが災害ですよ。
国とかの予算付けっていまだに単年度でしょ?
財布をわけないならせめて目的別の複数年度にしろって。
トンネルとか橋脚とかへの将来発生しうる手当しなきゃいけないものがわかっているのに、予算手当できてないってどういうことよって思うよね。世界恐慌や関東大震災で首都が壊滅して、高橋是清なんかが世に出たわけだけれども、結局、ここらへんで回復しきれず戦争にぶっこまざるを得なかった。
今、予想されている首都直下の被害想定95兆~160兆円。日本の一般会計の税収59兆円。社会保障費で33兆、国債利払いで9兆、国債償還で14兆かかってるから税収じゃ足りず現在の運用予算のほとんど国債でまかなってるんだけれども、こういう巨大インシデント時は歳出を国内で引き受けきれないのではないかという怖さあるよね。というか無理なんだよ。東日本大震災のときも、災害時に減税したんじゃなく増税したんだよ。ちょっと信じられないよね。

で、首都直下よりも被害想定がでかいのが東南海地震の被害想定額1410兆円。もうここまでくると言うこともないよね。でもここらへんは100年ぐらいのスケールでなら確実におこりうることだからね。
江戸時代の天明の大飢饉の時、3年の蓄えがなければ国では無いなんて備えたけれども、環境は人間にはコントロールできないんだから事故はおきるんだよ。その時に舵取りを間違えなければいいね。水害、渇水、天候不順、不作 、飢饉、疫病、地震、噴火、国家が破綻もせずに数百年も続くなんてことは世界史上も稀なので、駄目だったときは駄目だったときだよねぐらいのことしか言えないんだけれども、どこにお金を落とすとどこに効くかぐらいの検証はできるようになるといいですね。
本当は、数千年スケールで言うと破局噴火とかも心配したいんだけれども、キリがないので辞めておくね。国が滅ぶのはしょっちゅうな事だし、文明が滅ぶのも珍しくない。種も滅ぶ。

今後の財政の課題

なんかもう書いちゃった気がするけど、巻き戻しだよね。信用の巻き戻し。

これに巻き込まれて底抜けすると、たぶんちょい金利上がっただけでバタバタ逝く。そうなったときに堪えられる仕組みとか制度があればいいんだけれども、今あるのはペイオフぐらい?

問題解決の指針(何をどうしたら)

租庸調じゃないけれども、国はお金以外の徴用制度もっといたほうがいいんじゃないかな?

租税を流通貨幣でのみ納付を認めることで貨幣流通には寄与したと思うんだけれども、反面、経済所得でしか網を張れないのは将来損失だよね。お金を稼ぐならお金に働いてもらえばいいになってしまった世の中で、国に対する貢献はお金を納める以外にもたくさんあるとおもうんだ。

流通貨幣を中央銀行がデュープしまくってるし、信用の創造を貨幣にのみ頼るのは卵一籠案件だと思うな。

所得税で網掛けようとしても無理だし、賃金に転嫁されないのも当たり前なんじゃないのと思う。

老後のセッションのところでも書いたけど、消費意欲もない老人の年金を現金で配るのはやめるってはありだよね。税による所得の再分配を社会保障だけでなく現金で若者に投資するべきだと思うな。

人類の未来に貢献しうる働きだけれどもお金は稼げないなんていうワークは多くあるのだから、こういう人に金稼がせる仕事をさせるのは全体では損失だよね。

労働資本がない老人は税を蓄積資産で、蓄積資産がない若者は労働資本とかで払うようにしたらいいんじゃない。ちょっと歴史が巻き戻っちゃってるけれども、ちょっと貨幣経済に過剰最適しすぎている感がある。行きつ戻りつしながら登っていけばいいんじゃないかな。

ポリ(政策的に解決するには)

あらゆる社会課題に賞金や第三者に売却可能な税控除をぶら下げよう。

相続税などでも土地の部分物納なんかはほとんど認められていない。物に価値を認め課税しておきながら、物を受け取らないんだ。無形文化財(人間国宝)なんかもそうだよね。国宝とレッテルは貼るけれども経済的には税も払うのにひーひーいって生涯を賭したライフワークをおいておいて食うための直近のライスワークをしなきゃならない。これじゃ大きな仕事は残らないよ。

先日、地元の祭りがあったので会計やってる都合上、今、シメ処理とかしてるんだけれども、お祭りの花掛けには奉納金以外にも奉納品ってのがある。しかもみんながボランタリーに働いてもらってるから祭りが回せるんだよね。
政治もまつりごとでしょ。お金だけを強制徴用してお金で雇入れて回そうなんてやってたら財政的に同じ規模では回せないし神輿なんてあがらないよね。どんだけ不経済なんだか。
全体最適しようとした場合は計量可能な貨幣経済にのったほうがスケールするのも合理的なのもわかる。でも、ちょっと貨幣による評価に頼りすぎてるかな。

日本の社会文化として価値評価がものすごく下手くそだなと思う。このような状況下で税金をお金以外の納付を認めようものなら癒着と収賄にまみれることは想像に難しくない。

日本の助成金は審査型がほとんどだ。審査員が審査できる範囲内でのみ予算付がおこなわれる。最近はちらほらと達成側もでてきた。ここに少しだけ解決があるように思う。人物や成果物を過去の賞罰からのみ評価をすると、二次流通した型落ちしか評価できない。ロートルだ。実績だけの評価でなら老人万歳になる。誰かの働きは事前推計の範囲で無難な評価するのではなく、なされた結果からも予算付けをしなければならない。

発電効率を?%あげたらうん億円の税控除を認める。この控除は企業への売却譲渡が可能だ。みたいにすれば、商用にのるまで時間がかかる基礎研究分野などにもお金が流れる。科研費などの事前審査を通すためにしのぎを削るよりも、アウトプットの先鋭化だけに注力できるようになる。スモールラウンドとビッグラウンドが両方あれば、資金投下の効果は何倍にもあがることだとおもう。

テック(技術的に解決するには)

トレースかな。
何がどこに流れてどのようにエフェクトしたのか複雑系のなかだと、評価が難しい。あらゆるものをバリュエーションしようとしたときに、分散公開台帳は役にたつかもしれない。

日本銀行券以外にも、目的別のメタな仮想通貨は発行したほうがいいかもね。教育通貨とか、地域貢献通貨とか、育児通貨とか、公衆衛生通貨とか、文化貢献通貨、災害対策通貨みたいな。

財政の未来ビジョン

文化的な社会維持のために、年間必要な予算は90兆円。
財政的な科目以外に、予算科目別の徴用がなされるようになった。
教師徴用制を回避するためには、日本円以外に教育通貨を収めなければならない。
そこで使われた労力とタレントがいくらであったのかを集計し、地域や年代などの粒度別に評価され、妥当性が検証される。その人物の教育効果がいかほどであったのかはその人から流通した教育通貨のブランチを追えばわかる。

財政の過不足が理由で人を動かせなかったのが、人が動くことそのものが財源になるのでより高効率に社会運営ができるように変化する。

ちと、夢物語というか寝言に近いな。
言ってることが伝わる人も少なそうだ。。

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