coinhive公開意見書の事前公開


coinhiveについて意見書なるものが求められてると聞き、ちょろりと書こうと思ったのだが、技術者と呼ぶにはロートルなので公開する。それは変じゃねってあったらコメントつけてください。・・・ロートル。英語かとおもったら老頭児、中国語なんだね。らぉとぅ儿か。びっくりだ。

私は誰か

2000年初頭、新卒から技術職が50~100名程度のちいさなソフトウエア開発会社にプログラマー技術職として勤めていた。スペシャリストや部長職などを経て、子会社の役員CTOなどもやったが、ご多分に漏れずSIerと呼ばれるシステム開発業界隈から身を遠ざけ、緩く喫茶や小売業をまったりやる個人起業をし十数年になる。

技術職であった期間より、もはや商店街で部長をやっている期間のほうが長くなり、プログラマーとしては疑問符がつくようになってしまったが、おかげさまでICT界隈の技術には理解がない人達へ説明をする能力は得ることができた。

自分で手を動かし、ある程度のソフトウエアは設計から実装まで仕上げることができたが、前線からは離れているので先端技術者としてのスペシャリティはない。だが、プログラマーが集まるコミュニティの運営をしているので技術者の声は今でも聞くし、三鷹市界隈のICT事業者をあつめた協会の理事もやっているので経営者の声も聞く。ついでに言うと三鷹市の情報推進の委員などもしているので行政の意見も聞く機会があり広範囲に情報は得ているほうだと思う。

そのような観点からcoinhive騒動についての意見を申し上げたい。
なお、これからの意見は会社や組織を代表するものではなく、あくまで個人の意見である。おさだまり文言。

論点項目

・行為の主体
・刑法としての解釈
・coinhiveの評価と程度の問題

行為の主体

商店主にプログラミング言語を説明しようとしたら、ぴ~ひょろろというFAXが発する音のようなものを発声するのだと言う人が居たが、これを読まれる方は、そのような層よりはパソコンなどの操作について馴染みがあるものとして話しをすすめる。

プログラミングとは、簡単に言えばコンピューターが動作するにあたり、どのように挙動するかの指示を列挙した指示書のようなものである。

指示の中で別の指示書を呼び出したりするのが最近のプログラムでは常なので、そのため連鎖反応のように自動で実行されているように見えるものもあるが、あくまで実行の主体者は辿れば最初にそれを実行した者に行き着く。

正常系であれば実行者が居て、それを実行可能な環境が揃うことで実行結果を得ることができる。
異常系であれば機械などハードウエアの異常が不随意に発生したもの、または製作者も意図していなかった挙動、実行者の意図を欺いて実行されるものなどが考えられる。

多くの人が無自覚におこなっているホームページ閲覧という仕組みの正常系を技術的に考えてみると、閲覧者はまずホームページを保管しているサーバーへ閲覧したいという要望(リクエスト)を投げる。サーバー側はそれを許可し閲覧者にアクセスさせる。閲覧者はそれを自身のパソコンなどに持ち帰り自身のマシンで指示書を翻訳し実行し、閲覧を行う。

ホームページの提供者は閲覧者がいつ来てもよいように、家(サーバー)の鍵(ポート)をあけて待機状態(リッスン)にしておき、ときにはそのリクエストに応じてサーバー側で演算して実行結果として渡してあげる必要がある。最初に問い合わせをし閲覧許可の要望を投げるのも、それを実行するのも行為の主体は閲覧者である。閲覧者の指示を契機にしておこなわれる。

刑法としての解釈

いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪(不正指令電磁的記録作成等)についてであるが、coinhiveはこの定義からは外れるものと考える。実行形態を見ても実行結果をみてもそもそもコンピューターウイルスの定義に当てはまらない。

coinhiveなどを利用し、ホームページ提供者でもない第三者が他者のホームページを書き換えマイニングスクリプトを設置したり、閲覧者がリクエストもしてないのに保存させたり実行させたり、なにかを騙り詐謀しユーザーにマイニングをさせるマルウエアやウイルスは存在する。しかし、それらのものと今回のWEBデザイナーがWEBサイトの部品としてcoinhiveを設置したものは手続き的にも技術的にも明確に区別できる。

今回の場合、ホームページ提供者が設置したものを閲覧者がリクエストして、それに応じてファイルへのアクセスを許可したものであり、またそれを実行したのも閲覧者である。

閲覧者はそのホームページのURLにアクセスすることで構成する索引(インデックスファイル)を取得し、その索引から閲覧するために個々のファイルを取得する。閲覧者の意図はホームページ全体を完全な形で閲覧することを前提としており、その意図に添った動作を行っているといえる。

プログラムや提供されるホームページを著者の著作物だと考えれば、著作者人格権うち同一性保持権は適応されて然るべきであろう。公衆送信権をサーバーに委譲しているに過ぎない。

もし、閲覧者の意図がホームページの完全な状態の実行ではなく、作者が意図しない形で閲覧をしたいのであれば、その閲覧者の意図に沿ってHTTPリクエストを逐次段階的に処理していく必要がある。TCP/IPのプロトコル(決まりごと)はそれを可能にしているが、手順が煩雑になるために、閲覧実行時(ブラウジング)に実行権限を委譲することでブラウザーがリクエストと応答をまとめて代理処理されている。

一般的なホームページ閲覧ソフト(ブラウザー)はjavascriptの実行を許可しない設定に切り替えることができるし、httpプロトコルをブラウザ任せにしなければ、その取捨選択をおこなう機会は失われていない。
インターネットを構築する技術仕様はRFCで公開されており、それに則ったやりとりの範囲でおこなわれる。しかも今回の件は、ブラウザが許可した範囲内でしか動けないJavaScriptの話しである。ページを立ち去れば終了するのだ。

仕様上そのようにはなっていないので、閲覧者側に気がつく機会は提供されなかったものとは言うことはできない。その機会をブラウザに権限委譲することで煩わしさから逃れているのだ。現代において一般的なホームページ上でも数えられぬほどのJavaScriptが動いている。もし、chormeブラウザを使っているならF12ボタンを押せば、現在どのようなファイルを取得して実行していて、ネットワークの状態などを検証することは容易に確認することができるだろう。確認してみるといい。そのうちいくつが閲覧者の意図に沿ったものだろうか?ホームページ設置者すら意図していないものもあるかもしれない。

coinhiveの実行はホームページの閲覧には不必要な挙動であり、正当な理由のないものとの意見、解釈もあるだろう。だが、ホームページ提供者の意図を閲覧者が定義することはできない。製作者が意図する完全な状態はcoinhiveを含むものとする著作者意図を閲覧者側の閲覧したいものの意図に沿わないから不正な電磁的記録であるとしてしまう危険性を今一度考慮する必要がある。

著作物と閲覧者が異なる人物である場合、閲覧者の意図を過不足なく斟酌して、著作者が著作物を用意することはできない。閲覧者の意図によって、その内容が不正指令電磁的記録になるのであれば、その影響範囲は現行のインターネット上の仕組みの根幹にも影響する。

インターネット初期の頃、ホームページを開くと自動で音楽が流れるようなサイトも多くあった。現在の流行りはサイトを閲覧するために動画広告を強制的に視聴させるようなホームページも多い。
これらの動画を流すために、見えないところで広告をより効率的に見せるためのトラッカー、アクセス解析などが動いている。情報を取得しユーザー上のマシンリソースを使用している。coinhiveと、広告などとの違いを社会的コンセンサスという不確かな定義のものの上に置いてしまうと、技術的にはそれらを区別することはできなくなるだろう。 欧州のGDPRのおかげでcookieなどはオプトイン形式になり可視化されつつあるが、 認識されていないだけで見えていない広告関連の仕組みは実に多い。ユーザーには一見認識することができない非常に多くの構造体が目に見える仕組みを支えている。

ホームページ提供者が閲覧者のマシン演算力をより多く必要とする部品を設置することにマナーとしては諸説紛々あるやもしれないが、これをもってコンピュータウイルスの定義を当てはめるのは定義を拡大しすぎである。

coinhiveの評価と程度の問題

ホームページの維持管理のためには、閲覧者が24時間いつきてもいいように電気をつけて待っている必要がある。経済的利益の確保はホームページ更新の動機になるばかりでなく必要な経費であり正当な理由の範囲内として考えることができる。 というより設置者が得られる利益も、閲覧者に見込まれる不利益もはたして公の議論にあたいするほど影響があるほどボリュームがあるものとは考えられない。いったいいくらの経済被害がこれによって生じうるのか。捜査や公判維持にいくらの経費をかけているのか。

coinhiveが問題となったのは、おそらくは、ホームページ改ざんなどで他人のホームページにそれらを埋め込むウイルスが流行ったことによりウイルス対策プログラムのパターンファイルに登録されたことをきっかけにウイルスと誤認されたことをきっかけにしているにすぎないように思う。また、仮想通貨のマイニングといういかがわしさが拍車をかけているのだろう。

だが、いちWEBデザイナーがホームページの部品として設置できる程度のものに、刑法犯に問うべきような過失や未必の故意がありえるだろうか?

いったい閲覧者に幾らの経済的損失を与え、幾らの不当な利益を得たというのだろうか? ホームページ閲覧中の滞在時間、javascriptがブラウザ上の割り当てたメモリ内とCPUの優先順序で動ける範囲で消費できる電気料金?数円、よくって数十円、どんなにがんばっても数百円もいかないだろう。見込める利益も予見の範囲、たかが知れている。

coinhiveで逮捕されたと話題になった当時、評価のため、オーストラリアのユニセフが設置したcoinhiveにアクセスしたり、通常のサイトと閲覧比較をしてCPU利用率などを比べてみたことがある。

下記は、量販品のメーカー製パソコンでCPU50%でcoinhiveを回したときのCPU可動遷移率だ。

次の画像は動画が再生される毎日新聞社のニュースページのCPU可動遷移率。

CPU稼働率の上限を制御できる分、coinhiveのほうがまだ閲覧者のPCには優しい。 電気泥棒だなどと非難する声もあるが、動画広告は閲覧者の時間泥棒である。通信帯域も食うことから、中継機の電気も食うし、その後のハードディスクの保存量も食う。 個人的にはホームページ閲覧の滞在時間なども勘案すればCPU利用率を2-30%ぐらいに絞ってくれるのならば動画広告より歓迎すべき未来のようにも思える。

画面のはじっこでチラチラ変な動画がぴょこぴょこしていたり、得ようとしている情報とは関係ないPR情報が記事に割り込んでくるのは苦痛なので、こういう収益化手段の遷移は歓迎したい。

たしかに仮想通貨マイニングはうさんくさい。coinhiveも終了した。だが、分散コンピューティングは将来は公益に資する可能性が大きくある。

いま人類を悩ませている新型コロナウイルス(COVID-19)。この解析に分散コンピューティングのFolding@homeプロジェクトが動きはじめている。
だがどうだろう、もし誰かが、これらをブラウザ上でも動くようにするプログラムを書いて、ホームページ上に置くことでこれらの解析に貢献できるものを作ったら? 日本では設置した人も、設置できるコードを書いた人も刑事罰の対象として逮捕されてしまうのだろうか。もしされないのであればその違いはなんであろうか。罪刑は法律が規定する範囲で運用されるべきもので、刑法犯については特に慎重に検討願いたい。

その他引用とか参考とか

BOINC is used by many volunteer computing projects.
boinc.berkeley.edu/projects.php

【寄稿】コインハイブ事件 意見書ご協力のお願い
www.hacker.or.jp/coinhiveopinion/

違法マイニングとされたcoinhiveの法と技術のはなし
kuippa.com/blog/%e9%81%95%e6%b3%95%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%8b%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%a8%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%9fcoinhive%e3%81%ae%e6%b3%95%e3%81%a8%e6%8a%80%e8%a1%93%e3%81%ae%e3%81%af%e3%81%aa%e3%81%97/

新型コロナウイルスの解析、分散コンピューティングで誰でも参加できるように 「Folding@home」が対応
www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/15/news015.html


日本文化と感染症


海外で新型コロナウイルスの感染症対策として、「挨拶としての握手、ハグやキスもやめよう。」という周知がなされている。

握手をしない、ハグやキスをしない。
それって元来の日本風ですよね。
握手ではなくお辞儀をする。
おそらくだけれども、お辞儀が挨拶の主流のアジア圏は過去にひどい感染症が流行ったのではないか。

動物が行うキスやハグは相手との細菌交換の助けになるので、結果として免疫をあげることに寄与する。 類人猿などのコミュニティがそうするように、生まれたばかりの赤子が免疫を獲得するために母子がそうするように、本来はこちらが自然な形なのだろう。
だが、なぜかフィジカルコンタクトをしない文化圏が生まれる。

類人猿はもともとはお酒を分解する酵素をもっている。
果物などの糖を含むものが腐る(発酵する)と酒、そして、酢になるので、冬場の食物が少ない時代を生き抜けるように、もともとはアルコールを分解する能力があるのだ。

アルコール中毒にみられるように、脳みそも糖で動く回路と酢酸回路がある。飢餓状態になると、酢酸回路に切り替わりなかなかもとに戻せなくなるのだ。

だがアジア人の大半はウワバミと呼ばれる人以外はお酒に酔うし、そして何割かは下戸だ。アルコールをアルデヒドに分解できず、またアルデヒドを酢酸に分解する酵素を生成する能力もたないない。

長江周辺で米作りと伴に分岐したと思われるこれらの人類グループはある種の熱帯域特有の感染症を本来は毒物でしかなかったアルデヒド(二日酔いで頭ががんがんするあれね)を利用して、防いだのではないかと言われている。

ここで日本の文化を振り返ってみる。
お米によって作られる、お酒、日本酒というのは酒造りのなかでもかなり特殊な製造方法によってつくられる。
でんぷんを糖化する過程と、糖をアルコールに醸造する過程、さらにはできあがったアルコールに火入れして発酵を止めるなどの工程がある。これら3つがひとつの醸造の過程でおこなわれるのは日本酒だけだという。ちょっと不正確。わすれた。

でんぷんを糖に分解することは、麹菌をみつけるまでは人間の唾液に含まれる酵素を利用しおこなってきた。(口噛み酒)
酒、酢、そのほかにも味噌、醤油、納豆、糠味噌、粕漬け、鰹節をつくるためにカビを利用するなど、日本はこれら微生物を利用した発酵については、いまでも世界に類を見ない多様性をもった文化圏である。詳しくは「もやしもん」でも読んで。

酒造り杜氏はお酒づくりの期間は納豆を食べられないという。
体についた納豆菌が麹菌に勝ってしまって、お酒にならないのだそうな。
菌をいじる界隈にはコンタミネーションという言葉がある。目的の菌以外による汚染のことで、酒造りもコンタミをしてしまうとお米もお酒にはならずただ腐るだけになってしまう。

日本には防疫の概念がないというが、醸造や発酵で目に見えない世界があることを知っていた日本人は、それについての振る舞いをいくつもつくった。

人間は古い時代から病気になってきた。
外的理由によってその原因を類型すると、寄生虫によるもの、カビなどによるもの、病原菌によるもの、ウイルスによるものがあげられる。

穢(けがれ)とはつまるところコンタミだ。ウイルス感染。宿主がウイルスに侵された場合、生物汚濁状態になり、その穢れは伝染る。 ヒトヒト感染する病気の場合は穢が再生産されることと同義だ。

これを防ぐには禊(みそぎ)、水浴により身を清めることだが、まあ、綺麗にしなればならない。
寄生虫であれば煙であぶったり、日に当てて紫外線にさらしたり、火で清めたり、髪の毛をエアシャワーで払うように、大幣で祓ったり、まあ様々あるけれども、やり方さえ間違えなければ現代の化学でも似たようなことをやる。

忌み(いみ)というものは、「死・産・血などの汚れに触れた人が一定期間、神の祀(まつ)りや他人から遠ざかること」ということになっているが、まあ、ていのよい隔離だ。忌みの人は人混みにいくんじゃねぇよと。公共交通機関の利用は控えてくださいみたいなことだ。

現代でも監察医はもっとも未知の感染症にかかりやすい職業であるが、専門教育も専門知識もなかった時代はなにやら伝染る目に見えないものは、人から遠ざけて隔離するよりなかった。

動物の死骸、皮なめしなどをするひとが差別された時代があるが、衛生環境がよくなかった時代では、動物の死骸から寄生虫だけでなく、肝炎ウイルスやその他の病因源となった。専業従事者は低暴露をうけているのでいずれかの段階で抗体をもち無症状であるが、これが抗体をもたない人と接触してしまうと劇症化してしまうことがある。
知識もなかった時代の人たちが隔離というわかりやすい策で身を守るのも、まあ、やむないことだ。それが現代まで続くのは違うとおもうが。

神道ばかりをみたが、仏教はこれら死についてはもっと踏み込んでノウハウがあるようにみえる。坊主が来ている袈裟はウコン染めだが、うこん染めは殺菌効果ばつぐんだ。

死体処理についての、ノウハウの塊といっていい。
初七日や49日、回忌など、火葬の前の土葬の時代は、埋めた死体を掘り起こして、お骨にして再埋葬するなどという手間が必要であった。ここらへんも踏み込んだら多分すごいおもしろいんだろうけど文字数とおれの知識不足。

やがて末法の世ということで、なんでそうやっているのかもわからず様式だけを真似る世になる。

烏帽子をかぶり頭髪をみせないのが最低限のマナーであった時代がかつての日本にあったように、やがてマスクをせずに唇を見せたりすることが激しく礼儀違反とされる時代がくるかもしれない。

家に入る前にスギ花粉を落とすように、肩を払うのがそのうち儀礼様式化する時代がくるかもしれない。

あ、そうそう、ちょっと計算してみたところ、スギ花粉ひとつにはコロナウイルスが2700万個ほど入るようだ。スギ花粉でひーひーいってるひとたちがマスクで立ち向かう姿は勇ましい、まあなんだ、そんなヒステリックにならずに。喧伝におどらされないようにしてね。


COVID-19コロナウイルスと経済毒


ウイルスを殺すことはできない。
なぜなら、ウイルスは生きていないからだ。
ウイルスは生物ではない。

世間をみていると知識人とおぼしき人でも菌とウイルスの区別がついているのかいないのか、ウイルスを除菌などといってるのを聞く。ウイルス対策ソフトのことをウイルスソフトと呼称する人がITの専門家と名乗る程度に不安になる。菌とウイルスはまったくもって別物だ。

私は感染症専門医ではなくただの街の紅茶屋さんでしかないが、学部生だったときバイオハザードが設置されている研究室にいたこともあるので、なんとなくだが、この世間に賑わいというか、誤解というか狂騒の前提とされている知識に偏った部分を見咎めてしまう。

正しく畏れるなんていうが、ウイルスと菌の区別がついているひとのほうが少ないであろう現時点で政治家がとんちんかんな対応をするのもやむないことなんじゃないだろうか。

ウイルスって?

生きているという定義には当てはまらない。
生物と非生物定義の間におちたような、あえて言うなら半生物である。
ウイルスは生物の細胞増殖に相乗りする形で増える。
生きていないので殺すことはできない。
だが分子なので壊したり、不活化させることはできる。

中国語ではウイルスのことを生物毒と書くようだが、まさに毒のようなものだ。
お薬が生き物ではないように、生き物がそれを取り込むことで作用する。

バイキンと混同される。どちらも目に見えないほどものすごく小さいという点では同じだが、大きさのスケールはまったくもって違う。

アニサキスのような寄生虫を数ミリとするなら、カビ(真菌類青カビ)は0.1ミリ、菌(大腸菌)は0.002ミリとまさに目には見えない小ささだ。だが、ウイルス(ノロウイルス)の大きさはさらに小さく0.00003ミリしかない。コロナウイルスは0.0001ミリメートル。ちなみに、スギ花粉は直径28~45マイクロメートルだそうなので0.03ミリはある。

ウイルスがどれくらい小さいかというと、よく喩えられるのだがウイルスは素焼きの植木鉢をどこにもひっかからずに通り抜けるぐらい小さい。水がしみ出る程度の隙間があれば余裕のよっちゃんでおいっす!って顔パスするのだ。マスクは効果ないとか言うのは、ある側面からは当然でN95マスクのような業務医療用マスクのように息苦しさがあるものでも95%程度の補足効果しかない。息ができないと死んてしまうので、そのギリギリのところで確率的にあるていどはひっかかるってぐらいのことを期待するしかない。

菌類や真菌類が出す毒素は人間にとって害をもたらすものだけれども、取り込む時点で数百万単位で増えた状態で体にとりこまないと毒にはならないので、多少腐ったり、カビがすこし生えてる程度なら人体には問題がないことのほうが多い。人間は自身の細胞よりも、大腸内にいる大腸菌の数のほうが多いので、それらをちょっと取り込んだとしても腸内細菌や、人間の免疫システムが頑張ってくれる。

だが、例えばノロウイルスのようなものは最初にわずか数コもあれば発症に充分であったりする。なぜなら、宿主の細胞増殖に伴っていっしょに倍々ゲームで増えるからだ。

ちょっと脱線するが、菌類でも発病に少ない菌数しか必要としない強毒なものもある。病原性大腸菌などは取り込んだ時点がわずか数百程度で発病に充分であると言われてる。つまようじの先ほどに菌をつければ数時間後には数百万に増える。インドのガンジス川に足をつけただけでアウトというのは本当だ。自分は病原性大腸菌O-1で身を持って学習した。うん。脱線。

菌は生き物なのでその菌が体内で増えないようにすれば、大丈夫だ。
万が一体内で毒素を吐き出すような原因菌が増えてしまっても、下痢や嘔吐で吐き出すことで快復する。

だが、ウイルスは生き物ではない。
どうやって増えるかというと、その宿主の細胞といっしょに増えるのだ。
つまり、体内に取り込まれたウイルスが増えないようにするには、その感染してしまった細胞を免疫系が破壊してくれるのをまつか、あー、なんだ、その宿主の細胞そのものが増えないようにするしかない。つまり宿主の死だ。

鳥インフルエンザや豚コレラ(最近は豚熱と呼ぶようになったそうだ。)や口蹄疫などはウイルス性の疾患である。だから、一帯まるごと感染しうる動物ごと殺処分してしまうのだ。ウイルスに感染した動物が、今度はウイルス増殖まきちらし装置になり、ゾンビウイルスよろしく、感染を広げるからだ。

ワクチン

ワクチンは発明である。
それまでの対策は、死病が出たら村ごと焼くというものであった。

もしコロナウイルスで騒いでおきながら、麻しんや風疹の混合ワクチンや、子宮頸がんなどのワクチンを打っていないひとがいたらまず行け。

インフルエンザワクチンを打っても効かない、あんなのは意味がないという人がいる。またワクチンが後遺症をおこしうるものなので危ないという人もいる。

だが、前述でウイルスの特性を説明したとおり、ウイルスが体内で増えてしまうと、あとは免疫系ががんばってウイルス細胞を破壊しつくせというぐらいしか方法がないのである。しかも、感染してウイルス増幅装置と化した個体は、他の個体にウイルスを伝播させるための中継装置となる。人間の場合は感染個体をゾンビのように殺処分するわけにはいかないので、できることは快復を望み隔離するぐらいしかない。

そもそも、ワクチンの有用性は、ウイルスを拾っても免疫系が効率よく仕事をしてくれるようになるので、重篤化しないという点で有用なのだ。免疫が仕事をすれば、他人にも感染させずに済む。
逆の言い方をすると、ウイルスの感染脅威を知りながら無策であることは、合併症、後遺症どんとこい!人にも染してやるぜ宣言だ。受験生が居る家庭のインフルエンザ持ちのようなものだ。

だが、世の中にはそもそもワクチンがないものも多くある。
今回の新型コロナウイルスCOVID-19だけでなく、中国を中心に猛威を奮っているまだなんの類似属だかもわかってねぇアフリカ豚コレラなどだ。

こういう誰も免疫をもっていないウイルスに感染すると非常に致死率が高い。エボラ出血熱や、たとえばまだ出現はしていないがヒトヒト感染型の鳥インフルエンザなどが発生した場合は、もしかしたらいくつかの文明が終焉をむかえることになるだろう。

新型コロナウイルスはヒトヒト感染をして、感染力が非常に高いものであるが、死亡率は1~2%程度である。MERSやSARSと比べると致死率が格段に低く、無症状の人もおおいため感染者数は増えたが、まあやがて抗体を獲得する人間があらわれてワクチンとかもつくられるかもしれない。

ウイルス兵器説

あほらしい陰謀論だ。
学生時代、医学部の子が「現代医学を学んでても風邪の原因が何かもわからないんだ」と言っていたのを思い出す。
咳が出る風邪のうち何%かはコロナウイルスかもしれんが、そもそも我々はそれがなんだかはわかっていないのだ。死亡している人は多くいるが、現代の医学水準では肺炎と記される程度である。

武漢にBSL5の研究施設があり、そこから秘密裏に開発していたウイルスが漏れたんじゃないかなどの話しがあったが、そもそも、高いBSLの研究施設がなければその原因ウイルスを単離することも同定することもできやしない。なんだかわからないけど達の悪い咳や肺炎が今年は流行ってるねで終わっていた可能性は高い。

日本でも数年前から変な咳をする人が多く、また去年の暮れぐらいにもまだ20代なのに肺炎で入院したとかいう話しも聞いた。だが日本には高BSLの施設は数カ所しか無く、たとえそのような肺炎が流行っていたとしても、それらの未知の病理ウイルスを特定できる可能性はとても低い。お金も人もわりふってないんだからできるわけがねぇ。

そもそもヒトヒト感染が始まり感染母体が数万を超すならば自然界(人間界)で合成される変異率のほうが高いのではないか。ウイルスをデザインして合成してばら撒いても、市中に広がればデザイン通りに広がりはしない。

要人やその周辺を暗殺する致死率の高いウイルスであればまだわからなくもないが、今回のように市井までパンデミックするウイルスだと制御はできまい。

ウイルスは感染を繰り返し変異の過程で宿主と共生できるように弱毒化、無害化する。
そもそもウイルスをコントロールできるなら、ワクチンも抗ウイルス薬も作られてる毎年インフルエンザでこんなに感染者でてない。

まあ、可能性として、中国で急速に進む高齢化をなんとかするぜぐらいの選民テロであれば、抗体獲得できない老人から殺していく恐ろしいウイルス兵器という可能性は排除できなくもなくはないけど、まあ、なんだ杞憂。

マスク

言われてる通りじゃないの。手を顔に触れないようにするぐらいの効果はあるし、口腔域の湿度高くするとかぐらいの効果はあるよ。電車にのるならどうせなら手袋でもしたら?

不潔ルート、清潔ルート

最近コロナウイルス関連のニュースを聞くと、さもありなん。というか、むべかるかなを連呼する病になてしまった。なるべくしてなってるとしかいいようもない。

不潔ルート、清潔ルートが紐でわけられてるだけじゃねぇかって盛大なつっこみがあったが、私が気になったのはその床の絨毯だ。

病院や学校の床がリノリウムなのにはそれなりに意味がある。
ウイルス吐き出し装置と化した人間が吐き出すウイルスは床とかに貯まるわけだけど、そこが絨毯だと長く溜まったうえに、歩くたびに静電気とかで巻き上がるわけですよ。

通常のコロナウイルスはアルコールや熱とかで不活化できるみたいだけど、自然界の場合は8日程度は感染力を持っているらしいので、不潔ルートを通るたびにそこにウイルスが溜まり続けて巻き上がる。

絨毯に香料でも撒いて、匂いがその一帯からいつしなくなるか考えればいい。その匂いが広がる範囲が匂いの分子が巻き上がってる範囲だ。匂いが消えるまでがその分子が壊れていない時間だ。

せめてひっこし業者のように養生するだけで、結果はだいぶかわるのにと思う。

絨毯とかはアルコールとか酸やアルカリで清拭できないから不活化されないウイルスがいつまでも貯まる。 ウイルスは生き物じゃないから、紫外線とか酸やらなんやらで壊すか壊れるのを待つかしないとだめだけど、まあ絨毯ひいてるうちは無理だよね。むべかるかな。

経済

実は、新型コロナウイルスはそのうち風物詩になるでしょぐらいで心配してないんだけど、経済がやばい。関節被害のほうがよほど死人が出る。

台風被害、消費税増税でリーマンショック級の気配がでてるところ(何でも戦後3~4番目に悪い数字だそうだよ)ここに、新型コロナウイルスが来たので、多分数字としてはリーマン級になる。
これは日本で上場企業が30社潰れる程度。

2002年の3、4ヶ月で封じ込めに成功したSARSの経済被害が3兆4,000億円の経済被害だそうなので、中国は当時のGDPから7.8倍になってるので、26兆5200億ぐらいの被害にはなるのかなと。

それで、忘れられてるけど、普通の豚コレラじゃなくて、まだなんだかよくわかっていないアフリカ豚コレラが中国でアウトブレイクしてるんじゃないかという話しがあって、この検疫をミスると日本の養豚産業も終わる。

東京オリンピックでそもそも経済被害が予想されてたところに、これがおっかぶさったので、結構、深刻。

参考

www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html

『続・人類と感染症の歴史』の第9章「SARSとMERS」を公開します。
www.maruzen-publishing.co.jp/smp/info/?action=detail&news_no=19784