仕事がおちつくまで触るまいとおもっていたのだがCivilization Vをさわってしまい、いつのまにか難易度国王(ちょいむず)でクリアできるようになっちまっていた。クイックモードの極小マップだから数時間で制覇できる。ストラテジーゲーム好きなわしが最近ぐんくつの音が聞こえる中国と日本およびその同盟国の軍事バランスの変化について考えてみたいと思う。
中国の軍事投資額は10兆ではなく20兆かけているのではないかという物議をかもす談話が仏壇屋から漏れ聞こえてきた。経済発展と流通をみれば2年も待たず、中国の近代兵器はアメリカ-日本の連合軍だとしても脅威になりえるだろう。
日本という文明国のプレイヤーだとして、近隣に軍事的に脅威なる国があったらどうしたらいいか。軍事とかを話題にすると炎上しかねないのであまり扱いたくないのだが、ゲームとして論じれば大丈夫なんじゃないかと淡い考えでゲームになぞらえてみることにした。怒らないで。
1. 他の都市国家の友好度をあげる
中国と国境紛争を抱えている、フィリピン、ミャンマー、ラオス、ベトナムのような国の友好度をあげ防衛宣誓をおこない集団的自衛権の範囲とする。ロシアやアメリカのような単体でどちらに組みするかで戦況を左右させることができる規模の国とは有事協定を結ぶよりない。中国+ロシアvs日本+US+EUのような構図になることがないよう、かつロシアが中国に汲みすることが利益にならない状態をつくるよりない。カザフスタンや、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンのような遠交近攻は古典だが定石だ。キーはインドとモンゴルのような軍事力もしくは発展性がある中核国。
2. 相手の都市国家の友好度を下げる
中国にとっての遠交はアフリカ諸国なのではないかと思う。アフリカでの中国のプレゼンスは非常に高い。逆に日本は非常に低い状態にあるので改善をめざす。ベトナムやラオスには日本の軍事同盟国であるアメリカが最近まで戦争をしていたのと政情として中国がすでに大きく影響力を持っているので、その影響力に負けないような取り組みが必要だ。
3. 幸福度をあげる/さげる
シヴィライゼーションでは、幸福度と経済のパラメータが他の戦略ゲームと違ってものすごく重要なパラメーターだ。幸福度が落ちると同じ戦力量でも1/4程度のパフォーマンスしか出ないし文明発展速度も低下する。幸福度が低すぎると発展が完全停止する。まるでこの20年の日本のようではないか。これをスマイルセラピーにより改善する。10度,20度、30度!スマイル! ・・・冗談さておき、ゲームのなかですら、いちど下がってしまった幸福度あげるのはものすごく、むずかしい。
他方、ライバル国の幸福度を下げることは自らの文明が滅びないようにするためには重要な戦略であることは間違いない。ライバル国の幸福度を下げる謀略のほうがゲームのなかでは簡単だ。
4. 都市の併合
実際の武力衝突による都市の奪取は、よほどの文明の進歩度(科学力)差および軍事力に差があり、併合をうけいれられるだけ幸福度に余裕がないと難しく、かりに強行したとしても、その先の文明発展が阻害される。住民不満度が他国の併合や傀儡国家をつくると極端に上昇するからだ。東西ドイツのような戦争を伴わない併合ですら困難な道であったように、経済発展などが併合により停止するケースは多い。北朝鮮と韓国がもし併合した場合、韓国は内政にとまどい東西ドイツ以上の障害を前にすることになるだろう。容易な道ではない。そういう意味では北朝鮮のような国を中国が併合せざるを得ない状況ができると、中国の発展や文化発展度は停止させることができるので、作戦としてはありだ。逆に北朝鮮がいずれかの国と戦争状態になりその難民が日本だけに押し付けられたりすると日本の幸福度が下がり文化発展速度が悪化することになるだろう。戦争難民問題は道義的にも国際条約上も受け入れざるをえないがそれが中国や日本、ロシアなどの周辺国で負担が偏るようなことがあってはならない。
ゲームでは開発地に余裕がある場合、反対側の前線に都市をつくりそこに相手の戦力を誘導して都市を攻め落とさせる手をとることがある。都市の陥落のために主だったユニットを潰しておくことが目的で、捨て駒の都市を専守防衛することで軍事力を削ることができるのと、さらに相手国が平定で混乱している間に相手首都を落とす。
今、日本がやろうとしている尖閣諸島には同じにおいを感じる。日本からすると戦略上は重要ではないが、相手国からすると重要な拠点に相手戦力を誘導する。尖閣問題が事変にまで発展すれば国際的には大義名分たりえる。また実際の軍事行動や軍事費の増大は相手国の国民の不満度を一気に増大させることになるだろうし、国内的にも意識を統一しやすい。
ゲームであればその侵攻にあわせて相手国の首都をおとすのだが、これは首都都市が大抵は一番資源タイルを持っているからだ、しかし、現実をみてみると政治の中心である北京と、経済の中心である上海とで大きくその重要度に差があるように感じる。北京より大連のほうがいいし、沿岸部以外に戦略的にも奪取の価値はないのではないかとすら思ってしまう。ゲームであればだが。
現実的には近代武力衝突における都市の併合は無事に行われたことがなく、シリアやイスラエルのような底なしの泥沼内戦状態におちいることは明らかだ。東京や大阪が陥落してもゲリラ戦、テロ報復などの泥沼化は避けられないし、またその逆もしかりだろう。
5. 宗教の伝播
日本人がもしこのゲームを作ったのだったら「宗教」というパラメータはそれほど重要な意味をもたなかったのではないかと思うが、シヴィライゼーションでは戦略上もとても重要な要素だ。相手国の宗教を宣教師や諮問官などを派遣して改宗させていく。自国への影響度の増加、幸福度の取得方法として重要な戦略プランになる。というよりゲームなのに宗教抜きには戦争もできないありさまだ。
おそらくこれは中世ヨーロッパがキリスト教を国教として、統治に利用したとか、価値観や道徳の統一のために宗教を利用したという歴史から着想を得ているのだろう。実際に日本では天草四郎のように異なる価値観や宗教観の導入により内乱にまで発展した。内乱の理由は別にあり宗教という形をえて発露しただけだとおもうが、犠牲を伴う戦闘に民衆を掻き立てるのに宗教のごとき盲信は不可欠だ。
現代中国が信仰の自由に制限を設けているのには統治者側の十分な都合がある。ゲームなら大予言者を発生させて、重要そうな相手都市に解き放つところだ。まあリアルでもダライ・ラマがいて、現在のような扱いを受けているのをみると、統一の価値観のもと統治をおこなう大規模統治国家にとっていかにセンシティブな問題であるかがわかる。
日本は・・・、まあ、すでにオウム真理教とロシアのような策謀の痕跡だけでなく、政治へ他国からの影響をうけた宗教が入り込むようなことはあるんじゃないのかとおもうので、無頓着でもいけないとはおもうのですが、なかなか認識できないですよね。
6. スパイ工作
ライズオブネイションとかだとスパイ大活躍で、相手ユニット買収したり、都市の防壁破壊できたりするのだけど、シヴィライゼーションのスパイは地味であまりやることがないです。でも、相手国の科学が進んでいたらそれを盗んだり、選挙工作のような不安定化工作をしてくれます。
逆に相手国より文明ですすんでいたりするとスパイを派遣することにあまり意味はありません。なんか日本がやられてることみたいですね。
日本にはスパイ防止法がないといいますが、ゲームのなかではスパイを防止するには法律ではなく自国にスパイを放ちます。もともと法律なんかに従ってくれないからスパイなんだから・・・。
日本の遠隔操作ウイルス事件の顛末を見ていると、日本の捜査機関への不安が募ります。中国軍が関与したと思われるサイバー攻撃がアメリカにあり物議をかもしましたが、この調子だと日本はその攻撃にも気がつことができなそうです。
防衛省では2013年度概算要求で「サイバー攻撃等への対処」に212億円を計上し、「サイバー空間防衛隊(仮称)」の創設を盛り込みました。これは陸海空3自衛隊の統合部隊で、100人規模で発足されると見られています。
cgs-online.hitachi.co.jp/contents/298_2.html
いくら金かけたところで新兵しかいない部隊組織したところで機能するまで10年かかる・・・。マジシャン100人の集めたところでウイザードクラス1人のに太刀打ちできないのが現実なのだけれども、それでもトロイに感染して防衛省から情報が中国にながれていました!てへぺろなんて事は防げるようになるかもしれない。すくなくともやられてることにも気が付かないというお粗末な事態からは抜け出せる。
司法取引やおとり捜査、特別警察、諜報機関の法整備は必要なんじゃないかとおもうけど、警察国家にもなりえてしまうのは厄介なところ。
やらない理由は軍事的にはアメリカの傀儡国だったからかな?
7. 科学力差、軍事力差
ゲームでは都市陥落のためには相手が木造のカタパルトしかもっていないところに火薬を発明してカノン砲をもっているぐらいの科学力の差が必要だ。でないと、都市攻略に戸惑い疲弊している間に他の国から攻めこまれて自国で防戦にまわらなくてはいけなくなる。これは、日本と中国が衝突して後からロシアがきて美味しいところをもっていくというような事態にたとえられる。
現実世界では、現代までのところ中国の軍事力は人員的物量こそあれど科学的に後進だったため、さほど脅威たりえないものだ。だが宇宙開発が済み、ポンコツ潜水艦とハリボテイージスにも無尽蔵の資本を当時続けるとなると、早晩、脅威になりうる水準の戦略兵器の開発に成功するだろう。たしかにそれは漏れ伝わったように2年とかのオーダーなのかもしれない。
なにせ世界の工場たる中国は各国から合弁企業で技術流入が豊富にあり、また正当な方法以外での技術取得はお家芸だ。ハニートラップは凄まじいものがあるようで機密情報漏れまくりなのだ。ちなみにハニートラップはさすがにシヴィライゼーションにはないw
配備できるユニット数に限りがある以上、投下される資本力の差は、総合戦力のバランスをも崩すだろう。このような膠着状態を避けるためには、相手の兵器を時代遅れの遺物にするぐらいの科学力の差が必要だ。
日本の10式戦車は結構変態仕様で、同士撃ちや重複射撃(オーバーキル)を避ける能力がある。スラローム射撃は圧巻だ。装甲がとりはずせ日本全国どこにでも派遣できるのは戦車に新しい戦略上の意味をあたえた。現段階においてどのユニットをみてもコストはかさむものの性能はとても高いものがある。いざとなればこれらは量産できるんだぞという主張は抑止力たりえる。
たしかに優秀ではあるのだけど、戦車機能の延長線上にあり既存の戦車技術を陳腐化できるほどの差はそこにはない。
他方、アメリカは恐ろしいものがある。
ビッグドッグのような兵站ロボだけでなく、軍人でデータを積み上げたダビンチのような手術マシン。お掃除ロボットのルンバなどは、地雷除去用のマシンの技術を民生用に払い下げたものだ。
DARPA のPETMANみたいのが戦線に投入された日には心が折れますよ。ほんともう。
無人ドローンによる遠隔操作爆撃だとか、レーザーによるミサイル迎撃だとかをみると、本当にこういうのをが配備されたら旧世代の軍備をいくら金をかけて整備したところで、無力化させられてしまうのではないかという畏敬が発生する。先行者でてこい!ってかんじです。
日本の防衛省も丸い飛行物体のような、ああいうユニットの研究がすすめば資力差によらない、相手戦力の無力化ができるので有効なのではないかとおもうわけです。リサーチ&ディベロップメントをしたうえで、あいてにリサーチさせない。これしかない。
でも、ゲームじゃないんだから戦争なんかしないのが一番。
そのためには戦争をすることが利益にならないような環境をつくっていくしかない。