平成最後の夏期講習PoliTech子供について考える


今回はEの島の子供について、ポリティカル&テクニカルに考えてみる。子供??子供ってなんてざくっとしたテーマだな、なんのこっちゃと思って議論の様子をみたら、支援を必要とする子供達をみたいな議論だった。教育はすでに他のセクションでやられてしまっているし、こりゃ難しいですな。何について考えればいいんだろう。子育て、虐待からの救出かな? これは、やれることやるしかないよね。

まとめテンプレ

  • 今までの分野の課題
  • 今後の分野の課題
  • 問題解決の指針(何をどうしたら)
  • ポリ(政策的に解決するには)
  • テック(技術的に解決するには)
  • その分野の未来ビジョン

E:子供

第一回 平成最後の夏期講習(社会科編)E:子供

2018/7/31 第一回平成最後の夏期講習(社会科編)
テーブルE<子供>
「社会全体で子育てする仕組みをテクノロジーでつくる」
★世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター長 須賀千鶴
・READYFOR株式会社 代表取締役 米良はるか
・一般社団法人RCF 代表理事 藤沢烈
・アクセンチュア株式会 オープンイノベーションイニシアチブ プリンシパル 久池井淳
・箕輪編集室 代表 箕輪厚介
・サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久
・一般社団法人Code for Japan代表理事 関治之

議論ピックアップ

虐待、保育
紙でやってる、関節作業だけで仕事が終わる
支援がバラバラ
組織がつながっていない
データ連携と個人情報の保護法
自治体予算ITが分割されてしまっている
善意が可視化される仕組み
イノバックの事例
NPOなどの成果の可視化
アウトリーチ、どうやって発見していくか
どうやってデータをあげていくか
現場がびびる
雛形をつくれば
首長トップ、自治体の職員、運用の支援をしてくれる技術者を揃えないとだめ
行政から名簿を取り出す
贈与経済を回す
新しい町内会
投げ銭のしあい

今までの子供の課題

子供に課題があるわけではなく、課題があるとすれば環境。

親の暴力だったり経済環境だったりネグレトだったり、学校のいじめだったり、教師だったり、性的虐待だったりあれやこれや子供を襲う問題は有史来あったのだろうが、その凄惨さは文明化が進んだことでだいぶ早期発見早期対応がおこなわれるようになったように思う。法律にも大抵の子供への脅威は明文化されているので、新たな脅威が生まれるとすれば馬車だったのが車になって子供が交通事故で死亡するだとか、街路灯がない暗い道に出てた露出狂が現代ではエアドロップ(スマホのファイル共有機能)ですれ違いざまに卑猥な写真を送りつけてくるとか、技術革新で脅威の「手法」が変わるぐらいだと思う。

今後の子供の課題

技術革新の速度は法律の成文化よりも早い。そのため脅威に遭遇している子供の発見が重要となる。
再発防止のため、脅威の早期発見も重要だ。早期発見には監視が必要で、機械的な検知と、衆目監視がある。社会の連携を高めることで衆目監視機能は高まるが、地域社会の希薄化によりこの機能低下が懸念される。

問題解決の指針(何をどうしたら)

外部からの問題と、内部からの問題がある。
外部からのひきおこされた問題については粛々と対応するよりない。

脅威の事前防除、発見し次第課題の解決。同じ問題がおきないようにウオッチ。この一連の反復の速度を改善していくよりない。脅威は湧き続けるし環境の劣悪さも相対的なものであればかならず下位が割合で存在する。それは仕方のないことだとしても、対応により絶対的な不幸は減らせる。

子供自身、またはそれに強い影響をあたえる家庭そのものに問題が認められた場合どうか?教育セッションでも書いたかもしれないが、子供の教育については遺伝的要因が5割、残り2.5割が家庭環境のこりが教育などそれ以外の環境であるとのことだ。賢さはあまり遺伝しないが、貧困(お金を管理できないとか計画性をもてないとか)は伝承性がとくに強い。遺伝だけでなく資本や文化資本の継承もあり貧困は連鎖する。

虐待を受けた子が親になったときに自分の子供にも虐待してしまうという負の連鎖がある。ここにもちょっとセンシティブだが自己抑制などの遺伝要素が絡むようにも見える。

遺伝の影響は低年齢および、社会に出てからが増大することが知られている。逆に学校などの画一的な指導のもとではあまり差がつきようもない(テストなら最悪で0点、最高でも100点の範囲に収まる)ので影響は抑えられる。逆に自由競争などになると影響が顕著になっていく。ゲームの下手なやつと上手いやつが同じテーブルに座って、点数がリセットされずずっと積算され続けるようなものだ。

両親の遺伝のうちどの形質を引き継ぎ発現するかは、兄弟でも異なる。その子供がどのような特性を持っているのかはそれなりに強い影響度がある。しかし、本人に資質もなく環境もクソだった場合、それをリセットできるのは地域とか学校とかのみであるが、社会としてはここを伸ばしていくよりない。
遺伝の問題はこれからさらに顕在化していくことだと思う。そのときに人類社会がどう向き合うかは、まあ、細かく間違えながらも進めばいいんじゃないかな。

安藤 寿康:行動の遺伝学-ふたご研究のエビデンスから

Figure 3. さまざまな心理的形質における一卵性双生児と二卵性双生児の相関

Figure 4. さまざまな心理的形質における遺伝・共有環境・非共有環境の相対的寄与率

Figure 6. 行動遺伝学の10大発見( Plomin, DeFries,Knopik & Neiderhiser 2016)

Figure 8. 知能の遺伝と環境の寄与率の生涯にわたる発
達変化のメタ分析( Tucker-Drob and Briley 2014)
Genetic Contribution: 遺伝A
Shared Environmental Contribution: 共有環境C
Nonshared Environmental Contribution: 非共有環境E

Figure 10. 男性の収入に及ぼす遺伝と環境の影響の年齢による交互作用( Yamagata et al., 2013)

ポリ(政策的に解決するには)

子供を食い物にする試みは常にある。これが社会問題化し世論の圧力が高まるのを待つことなしに法制化を粛々とやるよりない。

テック(技術的に解決するには)

法制度で書かれていてもケースごとに判断が複雑になり裁判で判例が積み上がるまで、現場が萎縮して対応しないことがある。法律の論理記述をおこない、法律に精通した有識者や各省庁間が連携してことにあたる必要もなく、通りすがりの人が「あ、虐待かな?どうなんだろう?」と疑問に思った程度で通報、初動が行えるように、自動情報処理の体制を整え、最初の敷居をテクノロジーとデザインで下げよう。

あとは、あれだ。再犯率が異様に高いタイプの犯罪はGPSの足輪をつけるていどの処置は日本もおこなうべきだと思う。刑務所は刑罰のための収容施設だけれども、更生を目指す施設ではない。技術で再犯率を下げられるなら手当をしないのは不作為だとおもうな。

子供の未来ビジョン

子供には常に未来がある。
大人はがんばれ。

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