いままで検出されていなかったデータから、環境基準の79倍ものベンゼンが検出されたそうな。
いままでの環境基準というのは飲んでも問題ないという飲料水としての環境基準であったが、今回は、工場とかが排出してもよいとされる排出環境基準も10倍こえる程度のとてもとても高い濃度である。
これはかなりものすごい数字で、お風呂一杯にラー油を一滴垂らした程度の濃度で検出されたってこと。
ぶっちゃけ肉眼でみてわかるレベルで油膜ができているはずだ。
観測井戸は10m間隔で設置されているが、10m×10m×1m(10万リットル)の地下水を前にこの濃度を出そうとすると79gのベンゼンが必要。
※計算根拠
環境基準が0.01mg/リットルなので検出したのは0.79mg/L
お風呂一杯(160リットル)相当だと121mg
ラー油一滴をざっくり0.1mlとすると100mg
0.79mg/L×10万リットル
ベンゼンの比重0.88とすると、79g→90ml / 10平米 → 油膜0.009mm
第9回のベンゼン類観測の跳ね上がりぐあい。
第9回でどかんとあがっている。
左下とかに第8回からあがっている箇所もあるが、縦軸のメモリのスケールが違うことに留意してほしい。
経過から2年経ってから、このような検出をするのは科学の常識から考えるとこの数字はちとありえないという専門家会議での科学者のみなさんの感想は素直なもので、自分の感想もこりゃねぇーわというものだ。
これを事実として、おもいつくのは
- いままでの取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった
- 今回の取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった
- 新たにベンゼンが発生する油田が生成された
- 地下水の組み上げポンプが動いたことにより油膜が破けた
- 報道陣に地下ピットを公開したタイミングとかでぶっこまれた
こんなもんかなー?
1.いままでの取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった
第4回 豊洲市場専門家会議 終了後記者会見(12分のあたり)を聞く限り
過去の調査分析会社は計4社が担当しており、
第1~3回 5、6、7街区 1社
第4~8回 5,6街区 1社、7街区 1社
第 9 回 5、6、7街区 1社
だそうだ。1~8回の分析には3社が関与している。
ここに問題があるとすると3社の談合が必要。
分析データはこちらに公開されている。
地下水のモニタリング調査
www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/monitoring/
計量証明書を覗くと一部印影が塗りつぶされているけれども住所番地とかから伺いしれるのは、かなり大きな分析会社なのでサンプルの取扱に難があったとは正直あまり考えられない。
取水過去については、工事とセットだったりいろいろだそうだ。(動画20分のあたり。)
ぶっちゃけ取水には嫌疑がのこるけど取水ミスは外野からも、専門家委員会も過去にさかのぼって検証は不能。
検体も残ってない。
2.今回の取水方法に問題があったか、測定方法に問題があった
まだ第9回のデータは公表されておらず、計量証明書もつけられていない速報値なので、なんとも言えないが、今回だけ別の新規の会社で、一般競争入札での落札だそうだ。
泥の分離とかがうまくいっていないでデータが増えることはあるであろうと思われるが、それにしては検出された値が大きすぎる。
ただ、値がおおきいので、現況の観測井を確認することで比較的容易に確認できるものと思われる。これだけ大きな汚染値がでたものが1~2ヶ月でなくなるのは考えにくいので追証可能なものだとおもわれる。
専門家委員会の先生方が調査するそうで、正しい判断だとおもう。
3.新たにベンゼンが発生する油田が生成された
地下の空気も太陽光もないようなところで、嫌気性藻類オイルでボトリオコッカスとか、メタンアーキアとか由来じゃないかとかが活性化をはじめたんじゃないかとかだったら、ちょっと夢がある。が不謹慎。この埋立地は舞浜ではないので夢の国ではないのでただのブラックジョーク。ごめんなさい。
ただ、表層土壌をとりのぞき、土を焼いて入れ替えるような処理をしている土地で操業停止から年数も経っているのに新たにベンゼンが採れるのであればそれは夢の永久機関だよね。
4.地下水の組み上げポンプが動いたことにより油膜が破けた
地中でマヨネーズみたいにエマルジョン安定になっていた油滴が地下水管理システムによる地下水汲み上げによる地下水移動により、表面膜が壊れて観測井付近で広がった可能性。にしては、値が大きすぎるんだよね。二年間、つゆとも解けず、どんだけ安定だったんだよと。
観測井の間隔が10m四方なので、帯水層を1mとしても、この領域の地下水(10万リットル)に79gのベンゼンが必要。
車でも埋まってるのかな・・・?
5.報道陣に地下ピットを公開したタイミングとかでぶっこまれた
まあ、陰謀論のたぐい。
観測井ってどこにあるんだろう?地下ピットとかと同じ層?
環境基準の10倍以上でたのは、水産仲卸売場棟の地下左辺だけれども報道陣とかに公開したのはどのあたりかな?
まあ故意にやろうとしたら、ちっこいペットボトル一本分をどぼどぼなので、よっぽど。
けど、観測井付近だけにちょいと垂らすだけなら、一滴だしね。
観測井直径50mmのただの鉄パイプの鋼管っぽいので、ま、ちょっとガソリンとかふんずけた長靴によるコンタミで充分な気もしなくもない。
やれやれ。ほんと、都政は火が燃え広がるばかりで落とし所が全く見えないね。
5900億円にこれからの損害が1000億単位、環状二号線まわりを勘案すれば豊洲市場問題だけで1兆は新たな予算手当が必要そうで、東京都の流動資産そんなにないから、たぶんどっかにおっつけて終わるんだろうけど、民主主義のコスト高いなぁと。
いろいろ思う所はあるけれども、今回は第4回 豊洲市場専門家会議の結果をうけてだけにしておきます。
参考
第4回 豊洲市場専門家会議(1/2)資料分析~質疑応答
第4回 豊洲市場専門家会議(2/2)宿題報告~質疑応答
豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議
www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/expert/
市場問題プロジェクトチーム
www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt-index.html