ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究よむよむ


白書系第ほにゃ段。ただ読んだのをつまみメモ&自分で考えたりなんだり。
ICT によるイノベーションと新たな エコノミー形成に関する調査研究
報告書 2018 年 3月 株式会社三菱総合研究所 社会 ICTイノべーション本部

汎用技術(GPT)とは

広い範囲で多様な用途に使用され得る基幹的な技術 は汎用技術(GPT:General Purpose Technology)と呼ばれている。

がまんならんかったので別のエントリーとして書いた。歴史上のイノベーションを越え汎用技術にいたったもの

産業の多様性の拡大

図表 1-7 電子マネー決済額とCDオンライン提携取引支払額の推移

これはATMの出金額の減少と捉えてもよいのだろうか?
電子マネー決済額はあがってはいると予想していたが、支払額がここまで減少しているとは思わなかった。
ただたんに家庭の可処分所得が下がって消費が少なくなったとかじゃなければいいね。

図表 1-8 インターネット広告(媒体費)推移

マスコミの4媒体広告費。なんとか堪えてる感じ。
オンラインだとユーザー属性にあわせてターゲティング広告だけれども、紙媒体だと老齢人口というターゲティングが効いているのかな?
まあ、いずれ団塊世代の高齢者が細かい字は読めなくなるので下がるでしょう。テレビの情報も処理しきれなくなる。購買意欲下がる一方だろうし。変な健康食品をステルスマーケティングするTV番組ぐらいになりそうですね。無理に全国展開させるようなマスコンシューマーな商品やサービスというのが少なくなってきているので、マス広告も需要がすくなくなるのかな。

図表 1-25シェアリングエコノミーの5類型

知らないサービスや会社おおいなー。
Mercariって自分の理解ではシェアではなくCtoCの古物取引プラットフォームなんだけれどもシェアなの?
シェアってshareでしょ?「大皿料理きたからシェアしましょう」のシェアでしょ?

スキルをシェアって類型でクラウドソーシングをシェアリングエコノミーにぶっこむって無理ありすぎじゃない?海外とかだとupWorksとかAmazon Mechanical Turkとかに相当する市場でしょ?これもシェアリングエコノミーなの?コワーキングスペースとかの流れを全部シェアリングエコノミーとして吸収した感じなのかな。日本独特の解釈だろうか???

スキルはよくわかんない。Crowd Works何回か発注側でつかってみたことがあるんだけれどもupWorksみたいにプログラミングとかのスキル持ちがいる印象はあんまない。発注受けます出しますみたいな掲示板みたいになってる感。双方がんばってるなっていう印象はあるけれども、正直よくわかんないな。

ディディチューシンは載ってるのに海外の有名所サービスはあんま載ってない印象。

英語版のシェアリングエコノミーのwikipediaがほどよく、類型をまとめていた。

日本だと道路交通法とか貸金業とか、お金を稼ぐにあたり許認可が必要なものも多いため法律上許されないものも多いけれども、ここらへんがシェアリングエコノミーの代表格だよね。
Peer-to-peer lending、Food bank、Garden sharing、Coworking、Open Innovation、Open-source softwareここらへん興味ある。

図表 1-26 サービスを開始したシェアリングサービスの数の推移

日本だとお金のシェアリングサービスはやっぱ厳しいよね。
空間は、空き家対策特別措置法がもしかしたらこれから効いてくるかもしれないけれども、定期借地権以前の借り手が強いあれもあるから不動産は難しい。かぼちゃの馬車みたいな例もあるし、ariBnBみたいのは旅館業法が立ちはだかる。移動ものは道路交通法など。やっぱり既存の企業との競合で産業保護の立場に立たざるをえないので、シェアリングエコノミーはいばらの道かもしれないですね。

シェアリングエコノミーの経済効果

シェアリングサービスが呼び水となって更なる消費を喚起する効果が期待される。例えば、Aribnb社のレポートによると、2015年の1年間で、日本国内でAirbnbコミュニティが経済活動により創出した利益は2,363億円であり、その経済効果は5,207億円に及ぶと推計
既存市場への負の影響も生じる可能性
Airbnbの市場が10%拡大すればホテル業界の収入が0.39%低下し、特にオースティンのように急速に参入が増えている地域への影響は、収入の8〜10%に達するとの調査がある

グローバル需要の取り込み

図表 1-28 主要国の実質GDPの経済規模の推移及び予測

あれっ!?実質GDPだといつのまにかインドにも抜かれてたんだね。
20年前あと30年は大丈夫だと思ってたんだけど予想より早かった。

図表 1-36 国内主要ICT企業の海外展開の業績

海外の売上成長率ほぼ0%か。
まあ手足縛ったまま海外にいっても成功するわけないよね。

ICTの導入状況

図表 2-6 各国企業のICT導入状況

日本は未導入が30%ほどあるわけだけれども、この未導入の企業がどうとかというよりは、本来であれば市場から退場するべき企業群、経営者が残ったままになっている。適正な競争環境がないか、不適正な保護がなされている。まあそれも零細企業がおかれてる立場をみればやむないんだけれどもね。

ICTの利活用のための環境整備状況

図表 2-8 ICTを活かすための環境整備の状況

こういうのって、経営者のまわりとか、経営者同士のつながりで周りにそれに明るい人が2人以上いないと翻意しないとおもうのだけれども、経営支援する商工会とか商工会議所とか行政をみているとちょっと無理そうですねという気にしかならない。どうしたらいいんだろうね。いっそ諦めて子供たちのリテラシーを高められる環境づくりがんばろうか。

図表 2-11 IoTの導入にあたっての課題
図表 2-12 AIの導入にあたっての課題

結局、そんなIoTやAIに明かるい組織や人材なんていないもんね。
商工会に情報部会ないところも多いし、市役所の情報推進課とかだって企業への普及にまで手はまわらない。
三鷹市や武蔵野市だとICT企業の事業者協会とか研究会があるけれども、そういうところは中央線沿線でも、国分寺とか立川ぐらいだし。そこが活動したとしても、やれてボランティアベースの活動だから声の枯れたエバンジェリストになるのがせいぜいって感じ。

日本だと会計士とか行政書士とかと同じレベルで士業化でもしないと無理なんじゃないかな。
肩書商売には反対だけれども、法律で参入障壁だけもうけたまま競争環境を整備しないのであれば枷を新たにつくるよりないよね。か、死屍累々にするか。

ICTによる生産性向上の方策

図表 2-16 主な経営課題とICTによる解決領域

日本の多くの中小零細企業は付加価値生産性が低く、労働集約的であるからICTの導入で高効率にしたところでたいして経費が浮くわけでもなく、新たに人を雇いれたほうが安くあがるようなケースが多い。
乾いた雑巾を絞ったところで何もでやしない。

図表 2-17 業種別の雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)

雇用者からみると業態再考しないとだけれども、労働者からみれば有効求人倍率はあがっていいよね。
江戸時代後期から4倍に膨れた人口がこれから明治期ぐらいまで落ちるのは確定だけれども、その時の人口分布を考えれば過剰生産しても中国みたいになっちゃうだけだしね。

図表 2-18 ICTによる生産性向上の効果

ICTつかって既存サービスの高付加価値化とか、新サービスをICTつかって展開するとか、なかなかしんどいよね。クリーニング屋さんでいえば、受付システムのICT化とか、宅配クリーニングとかなんだろうけれども、なかなかできんよ。
紅茶屋でICTつかって高付加価値化とか、新規製品の開発をICTでとかやれとか言われてもちょっと思いつかないもの。既成概念ができあがっちゃってるってのはあるけれども。そろばんまで考えるととてもじゃないけれども。

API公開の進展とそれに伴う変化と効果や課題

図表 2-19 APIの認知・公開状況

APIを提供するためにはその企業がストレージしている独自の情報なりがないと意味がないんだけれども、そもそもそういうのを公開できる状態で整理管理している日本の企業って大企業ぐらいだよね。
というかこれについては海外の動向のほうがわからない。どんなAPIを公開するのだろうか?
昔はマッシュ・アップ好きでよくAPIつかってなんやかんやしてたのだけれども、データを扱わないAPIって、音声分析とか合成とか、形態素解析とか感情分析とか、なんちゃら指数表示とかの機能応答系かな?企業が??
SNSのように登録インターフェイスを提供するわけでもないだろうし。よくわかんないや。

Programmable Web

どんなAPIがあるのかと思って調べてみたが、上位はみたことあるようなものばかり。
ならばカテゴリーと思ったが、カテゴリーそのものがリスト内をカウントしたところ483もあってカテゴリーの用をなしていなかった。APIの数は25*715ページ分。多いのはわかったから分類しておいておくれ・・・。

図表 2-22 企業がAPIを公開する際の課題の例

なんかしょうもな。
いや、業務に影響でるような更新系の社内DBを外に公開すんなよ・・・。いよ。DDOSはAPIとは関係ないよね。以上。

クラウドサービス

例えば、飲食店においては、予約状況と食材在庫状況が正確にわかれば無駄のない準備が可能になる。

・・・。あ、うん、ぁあ、そうだね。冷蔵庫の中身と誰が何を頼むか正確にわかればね。
どこらへんがクラウド?

ICTのポテンシャルを引き出す組織改革

組織変革の必要性

政府CIOポータルにおいては「全社横断のビジネス変革」をミッションとするChief Innovation Officerや、「情報活用による経営戦略の創造」をミッションとするChief Intelligence Officerも定義されているが、企業における実装ではこれらのミッションをCIOではなくCDOが担っている事例が見受けられる。
CDO(最高デジタル責任者、Chief Digital Officer)

なんだ政府CIOポータルって?

政府CIOポータル
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
なんか日本の情報通信技術の限界をあらわすようなサイトがでてきた。

日本RPA協会によれば、RPAとは「これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用した業務を代行・代替する取り組み」

またなんかでてきた。
日本RPA協会
なんだRPAって。Robotic Process Automationのことらしい。ふ、ふーん。

図表 2-52 CIO・CDOの設置状況(上図:CIO、下図:CDO)

回答企業におけるCIO・CDOの設置率は、諸外国と比較して日本は低くなっている。「わからない」の割合がCIO・CDO共に50%を上回っていることから、そもそも自社におけるCIO・CDOに係る取り組み状況の認知度が低いことがわかる。

これは俺もなんのこっちゃわかんない。
最高デジタル責任者とか言われてもな。
COOとかCFOとか増えたなーと思ったらCIOが、Chief Information OfficerとかChief Innovation Officerだの、Chief Intelligence Officerだとかいろいろ分裂して、CDOにつちゃもうただの部署名だよね。
「営業部ありますか?」
「うちはセールスチームです。」とかいうのと同じようなもんじゃね?

以上。
情報通信白書で引用されてる部分も多かったのであまり新しいところはなかったかな。


歴史上のイノベーションを越え汎用技術にいたったもの


「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」を読んでて、これだけ独立した項でまとめたくなった。

汎用技術(GPT)とは

広い範囲で多様な用途に使用され得る基幹的な技術は汎用技術(GPT:General Purpose Technology)と呼ばれているそうな。

情報通信白書でも話題にしたが、プロセスとプロダクトの切り分けがよーわからんなという図表。インターネットのあとでバイオテクノロジーとか、ナノテクノロジーが同じ階層で並んでいるのも気になるところ。

歴史的な観点からみてもちょいちょい残念。

植物の栽培をプロセスにいれるなら4~5世紀ごろの接ぎ木などによる品種改良とか、その後に続く18世紀の農業革命(ノーフォーク農法)とかをいれるべきだし、鉄で最後にするべきではなくてジュラルミンとかの合金発明とか、その後のカーボンなどの材料素材化学、なにより半導体をいれなかったらその後のコンピューターにつながらないじゃないか。という気になった。

大量生産が組織ではいるなら現在の半導体などでおこなわれている無人生産とかをプロセス改革にいれるべきだし、あれやこれや言いたくなる。

乗り物系プロダクトも飛行機が最後か。このあとは宇宙船とか、自動運転カーとか、セグウェイ的なパーソナルモビリティとか、ビッグドックみたいなロジスティクスロボットになるのかな?

農業や世界最古シリーズのwikipediaみておもう。

中世ヨーロッパにおいては、農業は「7つの機械技術 (seven mechanical arts)」の1つに数えられた(他は、機織り、鍛冶、戦争、航海、狩猟、医)。

そうだよね。戦争や機織りがないのもおかしい。
おかしいおかしいばかり言っていても生産性がないので、いろいろ追加したり世界最古にGTP化した時期などを調べつつ、材料・生産・組織・生命・流通・情報・破壊・動力と分類でくくり直してみた。

材料

  • 元前8000- 7000年 鉱石の精錬
  • 紀元前2800年 青銅
  • 紀元前1200年 鉄
  • 紀元前1世紀 ガラス焼成
  • 19世紀 樹脂合成
  • 20世紀 有機・窒素合成
  • 21世紀 ナノテクノロジー

ナノテクは生産にいれるべきか悩んだけれどもナノテクによりもたらされるものは代表的には材料化学なので、材料に分類した。んー。もしかしたら生命工学かもしれない。

窒素合成の発明により、人工肥料などがつくれるようになり生産に大きく寄与するが、人工肥料の発明とするよりはハーバ・ボッシュ法などの素材としての発明としたほうがよいだろう。

生産

  • 紀元前20000年 粘土焼成
  • 紀元前19000年 陶器
  • 紀元前9000- 8000年 植物の栽培
  • 紀元前8500- 7500年 動物の家畜化
  • 紀元前2000年 人工授粉
  • 06世紀 接ぎ木
  • 17世紀末 18世紀初頭 家畜の品種改良
  • 18世紀 紡績機・飛び杼
  • 19世紀初頭 工場
  • 20世紀 ベルトコンベアー
  • 20世紀 リーン生産/セル生産
  • 21世紀 オンデマンド生産
  • 21世紀 無人生産

これは生産性の向上に大きく寄与した発明などを記載した。
接ぎ木は紀元前前後には発明されていたようだが、柑橘類や葡萄などが産業として接ぎ木をされた時期とした。ガラスの焼成が材料で、粘土の素焼きは生産にしたのは微妙なところではあるが、セラミックよりもケイ素の加工技術の発明として捉えた。

生命

  • 16世紀 帝王切開
  • 18世紀末頃 予防接種
  • 20世紀 抗生物質
  • 20世紀 遺伝子組み換え
  • 21世紀 人工多能性幹細胞

家畜化や植物の品種改良と分けるべきか悩んだが、人間の生き死にを生産性にくくると倫理的な問題がうまれそうなので、生命というジャンルにした。バイオテクノロジーという枠はあまりに大雑把すぎるの分けた。

組織

  • 紀元前4000年 身分制度
  • 紀元前3500年 都市
  • 紀元前3000- 2000年 宗教
  • 紀元前2500年 奴隷制度
  • 紀元前2000年 法律
  • 紀元前400年 裁判所
  • 6世紀 企業

ちょっとどれも成立時期があやしい。
王政とか君主制とか民主主義とか社会主義、共産主義などをいれるべきかもしれないが迷ったすえ入れないことにした。正直、他のジャンルと比較して組織はイノベーションがあまりおきていないように思う。
治世という結果の差こそあれ、イノベーションという意味ではここ4000年ぐらいあまりイノベーティブじゃない。AIによる評価裁定などがおこなわれるようになったら、人民裁判以来の大きな変更かもしれないが、まだそういうのは起きていない。ちなみに世界最古の企業は建設会社の金剛組である。

動力

  • 紀元前4000年 馬の家畜化
  • 紀元前2世紀 水車
  • 18世紀末 19世紀初頭 蒸気機関
  • 19世紀終わり 内燃機関
  • 19世紀末頃 電気
  • 20世紀 原子力
  • 20世紀 太陽光発電(アモルファス半導体)

20世紀の終わりごろにかけて大きなイノベーションがいくつもあった。

破壊

  • 紀元前1200年 戦争
  • 13世紀 火薬
  • 14世紀 生物兵器
  • 15世紀 銃
  • 20世紀 化学兵器
  • 21世紀 無人兵器
  • 21世紀 レーザー兵器

どのようにくくるか悩んだ。組織論でもあるし、生産活動の真逆の略奪、簒奪活動なので破壊としておいた。
火薬は動力にしてもよかったかもしれない。火薬は歴史のエポックではあるが、化学的にみれば身近な酸化反応でしかない。
生物兵器はABC兵器にくくられる近代のものと隔絶があるかもしれないがペストの死体を投げ込むなどの戦略が14世紀には一般化していたのでそれを採用した。

流通

  • 紀元前7000- 6000年 印章
  • 紀元前4000- 3000年 車輪
  • 紀元前4000- 3000年 貨幣
  • 紀元前700頃 硬貨・鋳造貨幣
  • 11世紀 紙幣
  • 12-3世紀 債権
  • 12世紀 証券取引所
  • 15世紀 遠洋航海術
  • 17世紀 株式市場
  • 18世紀 商品先物市場
  • 19世紀半ば 鉄道
  • 19世紀半ば 鋼製汽船
  • 19世紀半ば 金本位制
  • 20世紀 自動車
  • 20世紀 飛行機
  • 20世紀 管理通貨制度
  • 20世紀 ロケット
  • 21世紀 自動制御運転
  • 21世紀 仮想通貨

物流と商取引を分けるべきか悩んだが流通として纏めた。
また、元ネタには3本マストの帆船とあったが、羅針盤とかいろいろなものが相まってのイノベーションであるので遠洋航海術としてまとめた。
自動運転については最近は自動車のレベル4の自動運転などを連想しがちだが、モノレールとか、航空の自動管制とかを考えればすでにある程度は枯れた技術であるのでGTPとした。

情報

  • 紀元前4000年 文字
  • 紀元前3400- 3200年 筆記
  • 紀元前1世紀 製紙
  • 12世紀 複式簿記
  • 16世紀 印刷
  • 19世紀 磁気記録
  • 20世紀 報道
  • 20世紀 コンピュータ
  • 20世紀 軌道衛星
  • 20世紀 インターネット

情報という表現が的確か悩ましい。ここでは伝達手段とか記録手段を複合したものを情報とした。
報道についてであるが、読み売などのかわら版を入れると18世紀に遡るが、報道となると歴史は浅く20世紀の株式市場成立後にまで下るようだ。
不揮発性メモリとか揮発性メモリとか、いろいろ入れたくなったがこらえた。また別のエントリーに譲ることにします。

こんな感じ。どう?

MECE、抜けなく漏れなくかな?


我が国のICTの現状に関する調査研究報告書よむよむ



我が国のICTの現状に関する調査研究報告書
2018年3月 株式会社情報通信総合研究所

情報通信白書で引用を見つけたのだけれども平成23年のしか検索にひっかからなくて探しちゃった。

平成30年のはここにあった。

www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03_h30.html

 

日米のICT投資の推移

双方、70%に近づいている。

日本の投資額そのものに伸びが見られないのは95年以降の失われた20年で完全に経済が停滞してしまったためだとおもわれるので、ムーアの法則にしたがったハードウエアの価格低下性能向上のおかげで、ソフトの比率は米国と比較しても比率では遜色ないものとなった。
ただし、ソフトウエアが投資に対して効果を得ているかは別問題。

 

これが言うまでもない失われた20年の日本の停滞。
当然ICT投資額も伸びない。

昔、Moocで失われた20年を否定する人の講座を受けたことがある。
実質では伸びているからと言ってた。

 


実質でみればICT投資額も多少増えてる。

たしかに伸びてるよね・・・。
でも、ま、アジアだけみても他の国が2桁成長しているなかで2%成長も守れないんだから沈んでいるでいいんじゃないの?

 

(参考)日米のICT資本の償却率

日本はまあこんなもんだよね。

今度リースについての税制優遇がなくなるから(リース会計基準の改正と新リース税制)、実行ベースの評価もすこしかわってくるかもしれないですね。

 

アメリカのパソコン11%はないわーと思った。均等割だよね?最近のものが9年ももつわけないじゃない。

せいぜい3~5年ぐらいだ。常用機だと2年ぐらいのサイクル。昔は日本も10万超えると減価償却まで10年とか言ってたので、こうやってみると、滞ってばかりの日本のイメージだったけれどもちゃんとやってるところはやってるんだね。偉いっす。

 

1.5%から3%にタッチしたぐらい。

存外米国日本以外の国の投資割合は低いんですな。

 

ICT資本の国際比較④:ICT資本ストック(指数)(ソフトウェア)

その他の振る舞いをみても他国と遜色ないのだけれども、特徴的なのはこれかな。

日本だけソフトウエア資産の蓄積がしたぶれしている。

ここから言えるのは、ソフトウエアに投資したはいいけれどもゴミになってしまったってこと
もしくは、ごみばかりを作ってきたってことだとおもう。

 

前者の理由については政策の変更のようなルールの変更で役に立たなくなってしまったとか、競争に影響をあたえる外部環境があるとおもう。
後者については、5000人が寄ってたかって文集を仕上げたところでシェイクスピアは出来上がらないってことだとおもう。結果として、思い出づくりがんばりました。だね。

 

 

日米のソフトウェア比率

日本のソフトウエアのパッケージ比率が少ないことは有名だけれどもそれを査証する資料。

パッケージがつくれないということは、このあらゆるものがモジュール化する世の中で、機能などの切り分けができていないということ。同じことの繰り返し。重複の無駄のなかに沈んでいる。

日本は既存の運用にあわせコンピューターシステムをつくるが、汎用的な情報の体系にあわせて運用を変える勇気がない。運用を変えるぐらいならシステムを変えようとする。
各市町村が似たり寄ったりなのにそれぞれが独自のシステムを導入しているような事例に代表される。既存の条例とかを変える勇気がないので、情報の整理も運用の整理もできないままゴミをつくることになる。それがソフトウエアが資産として蓄積できない理由でもあるのではないかと推測する。

 

(参考)日本の産業別成長会計分析:産業大分類

数年前、産業分類別の付加価値生産額を分散とって偏差を出してみたことがあるのだけれども、金融のひどい一人勝ちなんだよね。一人勝ちというべきか、癌というべきか。失われた20年これがか感。

これについては言い出すと書ききれないほどに書かなきゃいけないことがあるので、ここでは、このざまだよとの紹介。大分類で付加価値額が明確に上向いているのは金融と、建設ぐらいかな。

ここでの図は%になっちゃってるので、あくまでご参考までに。

 

 

ICT導入・利活用の状況

ソフトウエアの開発を一切おこなっていない25%の情報通信業はここに入れるべきではないような気もするけれども、電線土管屋さんとかも通信業だからしょうがないのかな。それとも派遣人材業かな??

全産業で自社で利用するソフトウェアに加え、他社等に販売するソフトウェアも開発している会社の数が増えるといいですね。

 

こちらは米国のソフトウェアの自社内で開発の割合。

みて!どの産業でもこの自社開発の割合の高さ!

情報通信産業71%+27%+11%で109%もある!

 

・・・。

71%+27%+1%+1%で100%か。

でもソフトウエア開発をまったくおこなわない企業は1%で収まってるんだよ。

やっぱ日本の情報通信産業なのにソフトウエア開発をまったくおこなわない25%の企業はどうかしているよ。多すぎる。

 

 

ネットワーク、端末市場の動向

なんかいろいろ書いてあるけれども注目はこれかな。省略しつつ引用。

LPWAモジュール市場

IoT時代においては、多様なアプリケーションの通信ニーズに対応することが求められるが、現在開発・提供等が進んでいるのがLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれるコンセプトである。LPWAの通信速度は数kbpsから数百kbps程度と携帯電話システムと比較して低速なものの、一般的な電池で数年から数十年にわたって運用可能な省電力性や、数kmから数十kmもの通信が可能な広域性を有している。

あとは、ドローン市場、AIスピーカー市場、AR/VR市場ここらへん。
こっちは書くまでもないね。

 

 

AI導入の業種別動向

全上場3,635社、AIを導入済みの企業は120社(有効回答1,341社の9%)、今後導入したい企業 410社(同31%)

 

パルプ・紙、医薬品

君たちはR&Dや工場のパイプの流体とかの計算で機械学習による最適化が効いてくるのだからもっと本気でやらないとだめだ。

 

海運、空運業

こういうロジスティクスこそ、ダイクストラ法(最短経路問題)みたいな古典的なアルゴリズムでも再帰の計算量が効いてくるのだから、もっと真面目に検討しような。

 

証券業

このBOT取引全盛の時代にAI導入の検討もしないって死んだほうがいいのでは?

 

保険業

これも今までわからなかった相関の発見とかディープラーニングの得意とするところなんだから、積極的にやるべきだよね。なんでやろうともしないの?

 

もしかしてこの質問って、マーケティングAIで質問しているから、サービス業が多く反応しているのかな?いくら担当者レベルでの回答だとしても暗すぎる。
あ、縦軸が企業数だからその産業分類での上場数そのものが少ないのかな?みんな興味があると回答しててもこの数なのかもしれない。導入の予定がないというのも表示してもらう必要があったな。このグラフからだけじゃわかんないや。

 

サービス事例の収集

URLまで含めて、結構しっかり収集されている。P187~211

量が多いので紹介できないが、嬉しいひとには嬉しいネタ。
ページあたり5件ぐらいのってるので120件ぐらいのひかくてき小粒なIoT・AIサービスが掲載されている。

 

非個人データを含むデータローカライゼーション規制の状況と対応

【2017年11月ASEAN関連首脳会議におけるRCEP首脳共同声明

電子商取引のエコシステムの発展に係る、参加国間の協力を強化する。E-commerce章は、特に中小企業にとって、電子商取引を円滑化する機会を利益あるものとし、また、創出する現代的な協定としてRCEPを位置付けるのに役立つ。

RCEPってなんだろうね。海の物とも山の物とも。

EUのGDPRみたいにまで広がるのかな?中国が入っていたら個人情報の公正な管理とかは難しい気がするけれども。sslは監視ができないからセキュアじゃないとかいう共同声明になったりしてな。

 

では、ごきげんよう。