我が国のICTの現状に関する調査研究報告書よむよむ


我が国のICTの現状に関する調査研究報告書
2018年3月 株式会社情報通信総合研究所

情報通信白書で引用を見つけたのだけれども平成23年のしか検索にひっかからなくて探しちゃった。

平成30年のはここにあった。

www.soumu.go.jp/johotsusintokei/link/link03_h30.html

 

日米のICT投資の推移

双方、70%に近づいている。

日本の投資額そのものに伸びが見られないのは95年以降の失われた20年で完全に経済が停滞してしまったためだとおもわれるので、ムーアの法則にしたがったハードウエアの価格低下性能向上のおかげで、ソフトの比率は米国と比較しても比率では遜色ないものとなった。
ただし、ソフトウエアが投資に対して効果を得ているかは別問題。

 

これが言うまでもない失われた20年の日本の停滞。
当然ICT投資額も伸びない。

昔、Moocで失われた20年を否定する人の講座を受けたことがある。
実質では伸びているからと言ってた。

 


実質でみればICT投資額も多少増えてる。

たしかに伸びてるよね・・・。
でも、ま、アジアだけみても他の国が2桁成長しているなかで2%成長も守れないんだから沈んでいるでいいんじゃないの?

 

(参考)日米のICT資本の償却率

日本はまあこんなもんだよね。

今度リースについての税制優遇がなくなるから(リース会計基準の改正と新リース税制)、実行ベースの評価もすこしかわってくるかもしれないですね。

 

アメリカのパソコン11%はないわーと思った。均等割だよね?最近のものが9年ももつわけないじゃない。

せいぜい3~5年ぐらいだ。常用機だと2年ぐらいのサイクル。昔は日本も10万超えると減価償却まで10年とか言ってたので、こうやってみると、滞ってばかりの日本のイメージだったけれどもちゃんとやってるところはやってるんだね。偉いっす。

 

1.5%から3%にタッチしたぐらい。

存外米国日本以外の国の投資割合は低いんですな。

 

ICT資本の国際比較④:ICT資本ストック(指数)(ソフトウェア)

その他の振る舞いをみても他国と遜色ないのだけれども、特徴的なのはこれかな。

日本だけソフトウエア資産の蓄積がしたぶれしている。

ここから言えるのは、ソフトウエアに投資したはいいけれどもゴミになってしまったってこと
もしくは、ごみばかりを作ってきたってことだとおもう。

 

前者の理由については政策の変更のようなルールの変更で役に立たなくなってしまったとか、競争に影響をあたえる外部環境があるとおもう。
後者については、5000人が寄ってたかって文集を仕上げたところでシェイクスピアは出来上がらないってことだとおもう。結果として、思い出づくりがんばりました。だね。

 

 

日米のソフトウェア比率

日本のソフトウエアのパッケージ比率が少ないことは有名だけれどもそれを査証する資料。

パッケージがつくれないということは、このあらゆるものがモジュール化する世の中で、機能などの切り分けができていないということ。同じことの繰り返し。重複の無駄のなかに沈んでいる。

日本は既存の運用にあわせコンピューターシステムをつくるが、汎用的な情報の体系にあわせて運用を変える勇気がない。運用を変えるぐらいならシステムを変えようとする。
各市町村が似たり寄ったりなのにそれぞれが独自のシステムを導入しているような事例に代表される。既存の条例とかを変える勇気がないので、情報の整理も運用の整理もできないままゴミをつくることになる。それがソフトウエアが資産として蓄積できない理由でもあるのではないかと推測する。

 

(参考)日本の産業別成長会計分析:産業大分類

数年前、産業分類別の付加価値生産額を分散とって偏差を出してみたことがあるのだけれども、金融のひどい一人勝ちなんだよね。一人勝ちというべきか、癌というべきか。失われた20年これがか感。

これについては言い出すと書ききれないほどに書かなきゃいけないことがあるので、ここでは、このざまだよとの紹介。大分類で付加価値額が明確に上向いているのは金融と、建設ぐらいかな。

ここでの図は%になっちゃってるので、あくまでご参考までに。

 

 

ICT導入・利活用の状況

ソフトウエアの開発を一切おこなっていない25%の情報通信業はここに入れるべきではないような気もするけれども、電線土管屋さんとかも通信業だからしょうがないのかな。それとも派遣人材業かな??

全産業で自社で利用するソフトウェアに加え、他社等に販売するソフトウェアも開発している会社の数が増えるといいですね。

 

こちらは米国のソフトウェアの自社内で開発の割合。

みて!どの産業でもこの自社開発の割合の高さ!

情報通信産業71%+27%+11%で109%もある!

 

・・・。

71%+27%+1%+1%で100%か。

でもソフトウエア開発をまったくおこなわない企業は1%で収まってるんだよ。

やっぱ日本の情報通信産業なのにソフトウエア開発をまったくおこなわない25%の企業はどうかしているよ。多すぎる。

 

 

ネットワーク、端末市場の動向

なんかいろいろ書いてあるけれども注目はこれかな。省略しつつ引用。

LPWAモジュール市場

IoT時代においては、多様なアプリケーションの通信ニーズに対応することが求められるが、現在開発・提供等が進んでいるのがLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれるコンセプトである。LPWAの通信速度は数kbpsから数百kbps程度と携帯電話システムと比較して低速なものの、一般的な電池で数年から数十年にわたって運用可能な省電力性や、数kmから数十kmもの通信が可能な広域性を有している。

あとは、ドローン市場、AIスピーカー市場、AR/VR市場ここらへん。
こっちは書くまでもないね。

 

 

AI導入の業種別動向

全上場3,635社、AIを導入済みの企業は120社(有効回答1,341社の9%)、今後導入したい企業 410社(同31%)

 

パルプ・紙、医薬品

君たちはR&Dや工場のパイプの流体とかの計算で機械学習による最適化が効いてくるのだからもっと本気でやらないとだめだ。

 

海運、空運業

こういうロジスティクスこそ、ダイクストラ法(最短経路問題)みたいな古典的なアルゴリズムでも再帰の計算量が効いてくるのだから、もっと真面目に検討しような。

 

証券業

このBOT取引全盛の時代にAI導入の検討もしないって死んだほうがいいのでは?

 

保険業

これも今までわからなかった相関の発見とかディープラーニングの得意とするところなんだから、積極的にやるべきだよね。なんでやろうともしないの?

 

もしかしてこの質問って、マーケティングAIで質問しているから、サービス業が多く反応しているのかな?いくら担当者レベルでの回答だとしても暗すぎる。
あ、縦軸が企業数だからその産業分類での上場数そのものが少ないのかな?みんな興味があると回答しててもこの数なのかもしれない。導入の予定がないというのも表示してもらう必要があったな。このグラフからだけじゃわかんないや。

 

サービス事例の収集

URLまで含めて、結構しっかり収集されている。P187~211

量が多いので紹介できないが、嬉しいひとには嬉しいネタ。
ページあたり5件ぐらいのってるので120件ぐらいのひかくてき小粒なIoT・AIサービスが掲載されている。

 

非個人データを含むデータローカライゼーション規制の状況と対応

【2017年11月ASEAN関連首脳会議におけるRCEP首脳共同声明

電子商取引のエコシステムの発展に係る、参加国間の協力を強化する。E-commerce章は、特に中小企業にとって、電子商取引を円滑化する機会を利益あるものとし、また、創出する現代的な協定としてRCEPを位置付けるのに役立つ。

RCEPってなんだろうね。海の物とも山の物とも。

EUのGDPRみたいにまで広がるのかな?中国が入っていたら個人情報の公正な管理とかは難しい気がするけれども。sslは監視ができないからセキュアじゃないとかいう共同声明になったりしてな。

 

では、ごきげんよう。

 


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