120点もの国宝が集結するという。いかねばなるまいと思っていて、ついつい会期の最終日一日前になってようやく駆け込みでいってこれた。20時まで閉館時間を延期に感謝。
東京国立博物館の中にはいるのは初めてかも。うん。
さて、国宝展の詳細レビューはいろいろなヒトがもうやっていると思うし、どうせ会期も明日で終わりなので独断と偏見にまみれた感想をわすれぬうちに。
kokuhou2014.jp/
No04. 直刃 号 丙子椒林剣
はいってすぐのところにある。聖徳太子とゆかりがある細身直刃のこぶりな刀。
装飾刀に近くあまり実用性はなさそう。造りが独特な感じがした。レイピアっぽい。日本刀の作成技法が出来る前の現存する刀だそうだ。
3重ぐらいのヒトの頭越しでよくみえなかったので、手をのばして頭上越しにアイフォンでぴろーんって撮影したら、「撮影だめ、消して下さい」って立ち会いのもと消させられた(´・ω・`)刀も撮影禁止なんだね。。。
フラッシュとかで絵が焼けるからってので撮影禁止なのはわかるんだけど、なんで刀とかもだめなんだろうか?所有者との契約の問題?それとも撮影会になってしまって観覧者がさばけなくなるから?信仰物系もあるから?詳細を後でみたかったのになー。撮影禁止って書いてなければ撮って大丈夫だよってネットでみかけたんだけど、聞いたら国宝展ではそんな場所はないそうです。残念だね。なんで撮影禁止なんだろうね?
www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%99%E5%AD%90%E6%A4%92%E6%9E%97%E5%89%A3&espv=2&biw=1117&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=kFGDVLfTGNC48gXooYCwDw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch&q=%E4%B8%99%E5%AD%90%E6%A4%92%E6%9E%97%E5%89%A3+%E5%9B%BD%E5%AE%9D
参考画像もあまりいいのがありません・・・。
No28. 地獄草紙
列が動かなくてちっとも見れない人気の作品でした。なのでほとんどみれませんでした。どふ。
が、ニワトリ地獄とか解説がちょっとおちゃめで想像たくましく、おもしろうそうげ。じっくり見てみたかったです。
普段は奈良国立と東京国立にあるようで、奈良の国立のほうでWebサイト上にあります。
www.narahaku.go.jp/collection/v-644-0-2.html
> 第一段糞屎泥地獄、第二段凾量地獄、第三段鉄鎧地獄、第四段鶏地獄、第五段黒雲沙地獄、第六段膿血地獄、第七段孤狼地獄
あー、WEBページでおちゃめな解説と迫力が再現できてない。なんだこのくそフラッシュ。
No41. 普賢菩薩像
あまりみられていなかったけど実物はその他の国宝とくらべても図抜けてよいとおもいました。
www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A1
www.tnm.jp/uploads/r_collection/L_C0016809.jpg
No43. 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図 第四幀
www.chusonji.or.jp/guide/culturalassets/
紺地の紙の色もみないような色ですし、遠目に見ると金彩で描かれた塔なんですが、これ全部細密な文字(経?)なんですね。いってみりゃアスキーアートなんだけど、なんていうかその他の部分も含めて実に緻密。まさに気の遠くなるような曼荼羅図をみた気がしました。
No48. 土偶 中空土偶
土偶の中でフューチャリングするのは中空土偶です。その他の国宝土偶は女性をかたどったセクシーな感じなのですが、この中空土偶はたぶんおっさんで、何かへその部分とかあごひげの部分とか、籐みたいな中空植物の茎とかでスタンプしたようなひげだとか、へそ毛とかが表現されてて、うわぁむさぁ・・・と思いました。あと、なんか格好がモンゴル相撲っぽい。
そのほかのビーナス土偶については、裏にまわりこんで見ると結構いろいろな発見があると思います。仮面の女神の後頭部のなんと表現したものでしょう?男性器のような後頭部と、素焼きで焼いたら絶対割れるからやめとけというような感じのほそづくりの浮き造形がいくつもあって、これは焼くのも大変だったんじゃないかとか思いました。縄文時代の技術の高さを思い知ります。
No59. 短刀 銘 来国俊 正和五年十一月日
出刃包丁と柳刃包丁を足して2で割ったような短刀。5mm程度の肉厚さと、鋭い切っ先、直刃。
品があるとてもいい作でした。とてもいい。もう一回見に行ったぐらいよい。
www.atsutajingu.or.jp/jingu/bunkaden/possession/19.html
www.atsutajingu.or.jp/jingu/bunkaden/possession/
No85. 孔雀明王像
No91. 金銅密教法具
地金の色は気に入らなかったんですが、五鈷杵や三鈷杵がセットになっているのは見たこともないなと。なんかカブトムシとかクワガタとかヘラクレスを並べられているような感じで妙なワクワク感がありました。
www.pref.hiroshima.lg.jp/site/bunkazai/bunkazai-data-101040050.html
No108. 飛青磁花生 龍泉窯
姿も美しいですし、デザインもその色合いもみたこともない感じでファンタスティックでした。ファイヤーキングのガラスかってぐらい釉薬がガラス化しててどんな窯なんだろうとか不思議におもったんですが、日本の作でないというのを聞いて、あぁなるほどねっと。
www.sumitomo.gr.jp/related/masterpiece/03/index.html
No109. 玳玻天目 吉州窯
たいひてんもくと読むようです。こちらも海外作の国宝ですね。
どれか一個もってかえっていいよッて言われたら、間違いなくこれ!!次点で短刀の正和五年十一月日かな。
日本書紀とか、土佐日記とか文化背景までを含めての国宝も多かったのだけど、来国俊の刀も、玳玻天目茶碗も、まあ上にあげた個人的に気に入ったものは単純に美術品としてのバランスだとか、それを作るための技術に粋を感じて評価しています。でも、その中でも玳玻天目茶碗は、なんだこりゃどうなってるんだ!?って感じに素晴らしかったです。
bunka.nii.ac.jp/db/SearchDetail.do?heritageId=71152
ありゃ、この写真こんなか、残念ですね。今日みたものと同じものとは思えない写り映えです。
実物は、光が屈折するんでしょうな。多層構造になっているのか、角度によって色目や文様がかわるので、すごい面白くてぐるぐる周りをまわってしまった。
あの茶碗があればしばらくニヤニヤできますね。三代将軍家光の長女に嫁いで来てもらわないとダメな代物なんですが。
No115 普賢菩薩騎象像 (大倉文化財団)
仏像の表情もいいんですが、乗っている象がこれまた素晴らしかったです。まだ象がみられたことがない時代(12世紀)の作なんですが、牛っぽいお尻に骨盤を感じさせる膨らみがあったり、よくよく前足をみると膝の部分にもういっぽんの指?があったりして、とてもおもしろい!
これの作者はなんていうか真面目なやつというか、おもしろいやつというか、たぶんいいやつ!
ま、冗談さておき細部に見入っても発見が尽きない作品というものを後世にまでのこせる才というのは素晴らしいなと感服つかまつりて候。
www.google.co.jp/search?q=%E6%99%AE%E8%B3%A2%E8%8F%A9%E8%96%A9%E9%A8%8E%E8%B1%A1%E5%83%8F+%E5%A4%A7%E5%80%89&espv=2&biw=1117&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=MkGDVMbwGeXZmgWmzoHACw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch&q=%E6%99%AE%E8%B3%A2%E8%8F%A9%E8%96%A9%E9%A8%8E%E8%B1%A1+%E5%9B%BD%E5%AE%9D
国宝展レポは以上になります。
以上、120点のなかからお気に入りの国宝でした。
・・・。
ひといっぱいで疲れました。
常設展の会場にもそのままいけるのでそちらも愉しみましょう。そっちのほうが見応えがあります・・・。ヒトも少ないし。アジア館の階段なんてホコリが積もってるぐらい・・・。
なにげに本館にも国宝があって、長船長光とあったし。刀剣ではやっぱり長船が私は好きですな。
思えば小学校の頃初めてひなびた地方の博物館でみて名前を記憶したのも長船長光であった。やっぱり日本刀を個人的な好き嫌いで言えば長船がいいなーと。
ここには珍しい長槍もあって、嬉しくなりました。
www.emuseum.jp/detail/100191/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E5%85%89%E5%BF%A0&class=&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=1&num=3
あと、何があったっけかなー。
法隆寺宝物館の1Fの仏像ずらーのところで、ほぼどれも面長頭でっかちの4頭身なんだけど、右前前列右から3番目ぐらいになんか初音ミクかって感じのフィギュアっぽいスタイルとポーズがあって、なんかすげぇなって思った。気のせいかもしれない。
www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=3903
他にもいろいろおもしろいものがあったのだけど、あんだけ人だらけだったのに「あなたが国宝ですか!」とか、国宝級美人に声を掛けられなかったのが残念だったぐらいです。
国宝をみて気分が高まったところにある、鶯谷のラブホ街とうち流しのコンクリの床の起伏がすばらしい木造駅舎でどーんと現実に引き戻されたので国宝展は終了となります。