不採択となりました。ふん……。
せっかくなので、助成金について書きます。
会社として助成金に応募したのは、都合3~4回。
パソコンを買うと貰える補助金
はじめての助成金は創業まもなくのころ。
三鷹市が独自にやっていた中小企業情報化・新規開拓推進事業。
パソコンやらのOA機器、ソフトを買うための補助がでるというもの。
掛かった費用の1/2、最大3万円/年がでた。
すっごい少額だけれども、「弥生会計買いました。」「パソコン買いました。」で、買ったあとペラ1枚の報告書を提出するだけでよく、勤め人が管理部に経費申請みたいな感じで出すだけなので、はじめてでも使いやすかった。
行政向けの事務書類は特殊仕様一辺倒なので、これらを提出したりする不慣れをトレーニングする意味でとても役だった。毎年の申請はできないんだけど、たしか数年おきに申請ができたら2回は申請したか。
現在は情報化がすすんだということで制度そのものがなくなってしまったそうだ。残念。
つなぎ資金のための補助金
次の助成金は、リーマンショックのときに政府がやっていた、中小企業緊急経済対策資金なんちゃら。
つなぎ資金の融資にかかる保証協会利用費と銀行金利分を負担してくれるための補助制度。
時節柄、上場企業の33社とかが潰れたころで、景気がどん底。中小企業への貸し渋り、貸し剥がしがおきて資金繰りが悪化した中小企業はさらにドバドバと潰れたため、銀行とかに積極的融資を促すのが目的のもの。
経済が大幅に縮退したのは金融セクター発なのに、そのしわ寄せを他が弁償していくのが社会縮図だった。
金利分は負担するからお前ら金借りろという中小企業を救済するふりをした銀行救済のための制度でもある。
しかし、まあ、会社としてみると金利0%でお金を借りることができる。
なのでいい機会だから借りてみようと思った。
というのも、うちの会社は企業としてはあるまじく、それまで銀行から借り入れをしたことが無い。
なんで借り入れをしたことが無いかというと、会社というより、個人でやっている一人企業なのでもともと出費がすくないのと、お金がなくなったら個人から会社にお金を出せばいいやという放漫経営と、さらにお店で稼げなくてもプログラム書いて凌ぎすればいいやという放蕩経営のせいもあった。
紅茶しかない喫茶とか茶葉の小売とかあらゆる面で革新性に乏しいオールドエコノミーな事業。どだい儲からない。
だいたいが、事業を始めるまえに自分で事業計画をたてた段階ですら、損益分岐点をいくらシュミレーションしてもプラスにできないままはじめたものであるので、この事業に銀行への返済金利分を払えるほど利益がないとわかっていたので、最初からすべて自己資金でやろうと考えていた。レバレッジ(テコの原理)を効かせてまで損するほどリッチでもマゾでもない。
計画の段階から苦戦することはわかっていたが、やはり実際やってみてもワーキングプアまっさおの万年赤字経営。儲からないのになんか忙しい。休みってなんですか?自転車操業。資金繰りは常に苦しい。しかも心療内科にかよいながら行き場をなくしてた後輩までなんか保護してバイト代を払っていたりしたので、資金繰りはいつも厳しかった。
まあ、だから金利が0ならば、世間もすなるという借り入れをしてみよと思ったわけだ。
記憶によると最大枠800万だったところを400万ぐらいで申請して、市役所からは申請が降りたと記憶している。
だがしかし、それを持って銀行にいったら、「ちみのところの会社の業績と事業内容だと、貸して100万円ぐらいだねぇ~、お情けで」ぐらいのことを言われて、そのうえなんか銀行向けの事業計画書とか、資金計画書とかを書いて、結局たかだか100万を借り入るのに半年ぐらい掛かった。労力的には100万ぐらいは掛かってるうえ、緊急という概念もあれのようだ。もうほんとうあれだなと思う。
なんだのかんだの、結局代表者が会社の連帯保証人にさせられて、おおー、これが悪名高い社長が首吊るあれかーと思いながらも融資を得て、そのまま返済期間を2年に設定してストレートに返済して終わりにした。
やっぱり借り入れにするも、資本増強するにもキャピタルコストってめっちゃくちゃ高いんだなぁ、とものすごく社会勉強になった。銀行への利子分を払えるほど利益率が高いビジネスはなかなかない。しかもリスクレートが高い。まんねりな価値創造でビジネスするより、リスクフリーレートがうまわまる事業って日本ではなかなかない。新規参入でやろうとすると、なんかいろいろ際どい。そりゃ発展も止まるわ。
小規模事業者持続化補助金
今回アベノミクスで盛り込まれた経済対策。中小企業に波及していないのを解消する目的があるものと思われる。
2/3補助で、最大50万円、雇用効果がある場合は100万円。結構使い勝手がいいから応募してねとあちらこちらから宣伝があった。
消費税増税分を上回る、賃金上昇がないと97年のような景気の大幅後退に発展するそうで、結構本腰らしい。だけど、5月までの景況感をみるかぎり既になんかかなりヤバそうだ。
まあそんなこんな、茶屋なんてものは資金繰りはだいたいいつも厳しいし、そろそろやろうと思っていたこともあったので、80万程度の事業計画をたてて50万分の申請をした。
ようやく9年かけて、この2年ぐらいは外稼ぎしなくても、本業だけでなんとか回るようになってきた。もっとも年収はマイナス。本当にツラくって、情けなくって、本当に皆様に申し訳ないんですわ。
ですから、……皆さんのご指導を真摯に受け止めて、社長という大きな、ク、カテゴリーに比べたらァ、販売管理費、ハンバァァアィ管理費の、報告ノォォー、オラァ!デベェエ、折り合いをつけるっていうー、ことで、もう一生懸命ほんとに、中小企業問題、貧弱ッ企業ェェエエッハアアアァアーー!!貧弱貧弱ゥウ! 中小企業問題はー!
我が社のみウワッハッハーーン!! 我が社のッハアーーーー! 我が社ノミナラズ! みんなの、日本中の問題じゃないですか!!
そういう問題ッヒョオッホーーー!! 解決ジダイガダメメタァ!! 俺ハネェ! ブフッフンハアァア!! 誰がね゛え! 誰が誰に申請ジデモ゛ムダ、ムダヤ無駄無駄無駄無駄無駄ァ思っでえ!
ウーハッフッハーン!! ッウーン! ずっとやってきたんですわ! だけど! 変わらんからーそれやったらワダヂが! 改善して! ウキウキ通り! アハハーンッ♪ 命がけでイェーヒッフア゛ーーァ!!! ……ッウ、ック。 あなたには分からないでしょうけどね!
ふぅ。……感情的になって、申し訳ございませんでした。
ま、不採択。
どうも一部ツイートなどをみるかぎり採択率が20%を切るほど盛況だったようですね。
3,147件が採択されて、予定されていた二次募集もなくなったようです。
採択一覧表はでているが、応募件数や応募額面数はわかりません。
東京都の商工会経由は採択数/応募件数でみるとさらに激戦だったのではないでしょうか。
(知らない人のためにいうと商工会と商工会議所は別団体です。それぞれ商工会法と商工会議所法で別々の所管。地方で強いのが商工会で都市部で強いのが商工会議所。自治体ごとに縄張りがあって地域ごとの組織率によって縄張りがある。うちの市は商工会。)
どうせやろうとおもっていたことなので助成金つかなくても手をつけなきゃいけないんですが、丸1日セミナーに参加して、かなりがっつり書いたつもりだったんですが、ここまで厳しいとは思いませんでした。
配点に企業の前年度業績評価が高めにあったので、PLでみてもISでみても、銀行的な評価手法で測ると、悪評価だったのでしょうね。
ちと、こまっしゃくれます。
日本の財務会計上の企業価値で公的助勢の可否を決めると、将来価値より現在価値のみの評価に終始してしまうので、中小企業相手に、事業計画の値踏みをして中小企業診断士とかが実効性とか実現性を採択していくのではなく、やったことにたいして、それがどれだけPublic Influenceが経済的、技術的にあったかでバリエーションしていったほうが健全だと思うんで、そういうのを増やしてほしいですね。
事前申請の許諾型にすると、利益誘導や癒着の温床になるし。
というかなってるし。
日本は達成型やコンテスト型の助成金ってほとんど企画されていないらしいです。助成金の払込は実行されたあと一年後なのにですよ。
ファウンデーション資金や操業資金は結局銀行などからの借り入れで賄わなければいけない構造です。実行後公開型の評価も併用しないことには、社会公器としての投資はまわらないですよね。
どのように使われたか、そこに不正はなかったの監査はあっても、そこに他の社がやっているこちらのほうが社会的価値があるなど、実行後の機会価値面からの評価や、成果の競争はないわけです。
- 許諾型:計画を審査して、計画どおりにやったことを確認したら助成金。
- 達成型:実行結果が目標に達したら助成金。←日本ではお目にかかれない
- コンテスト型:成果を競い合わせて優秀なものに報奨金。←日本できいたことない
2,3では構造上、特定団体に利益誘導するとバレバレなのでなかなか実施されることはないかもしれませんが、増えたらいいなと思います。
政治家はもちろんのこと官公庁で実務を担う官僚もそうですが、企業経営はもちろんのこと、資金繰りや、民間企業において付加価値創造に携わったことがある人が制度設計側にひとりも居ないという話しをきいてさもありなんと思いました。
こちらは社会人経験のある教員のグラフです。
卒業後そのまま教員になってしまうひとばかりで、構成されていることがわかります。
tmaita77.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html
民間企業退勤後に官僚とかありえないのですし、政治家も官僚出身とか学者出身、2世3世がおおいので、ぜひグラフ化して欲しいですね。
教員構成以上に偏っているのではないかと危惧します。
環境変化が流動的になっているので、多様性が失われた状態で、高効率を出すのはさすがに限界かもしれません。
ウワッハッッヒフフーーン
参考:
平成25年度補正予算 小規模事業者持続化補助金 の補助事業者を採択しました 中小企業庁
www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/2014/140502shokibo.htm
小規模事業者持続化補助金 商工会議所
www.jizokukahojokin.info/
教員の社会人経験の国際比較
tmaita77.blogspot.jp/2014/07/blog-post.html
レペゼン:ののむらけんぎ
【書き起こし】野々村竜太郎県議、”号泣”記者会見 「キッチリ報告してんのに、何で自分を曲げないといかんのや」
logmi.jp/16387