2021年あけれて人類よろしく


正月に遊びにきてた姉が「明けれておめでとうございます」と書かれた東京都の広報をみて、「さすが小池百合子はいうことが違うね。明けれてだってさ」と言っていた。苦難の2020、ようやく明けた年なのだとフカヨミしたのかもしれないが、ハンロンのカミソリ。筆で横書きしたから「ま」と「し」がつながっちゃっただけだとおもうんだけど真実はいかに。

さて、突然だけどこんなこと言ってごめんね。新型コロナウイルスに終息はないとおもって動いたほうがいい。

収束するとしても社会が機能回復をするのはあと数年後だ。
日本ではあまり実感がないかもしれないが、アメリカでは第二次世界大戦より多くが亡くなられている。いますぐウイルスの驚異が去ったとしても、まっているのは復興フェーズだ。残念なことに亡くなられた方というのは戻ってこない。

世界規模で同時多発的に、それぞれの国が東日本大震災の10倍規模の人的被害を被っている。1/3現在、ジョン・ホプキンス大のレポートによれば世界で1,830,612人が新型コロナウイルスを理由に亡くなれた。これが、まず現状だ。そんな半戦時状態にほとんどの先進国が陥っている。

そして景気浮揚のために各国中央銀行がお金を擦りまくっている。貨幣の価値低下を背景に株式などはバブル来最高値を記録した。先物市場や株式市場は半年先の景気の先行指標ではあるが、現在のこれは好景気をあらわすものではない。

マネーサプライやマネタリーストックに変化ないならそれでいいが、いまはじゃぶじゃぶにお金を刷られ、ばらまきまくられてる。カンフル剤を打たれ、「なんでもできるぞぉぉお!!まさにハイィィってやつだあぁああ!」になってるにすぎない。貨幣の価値が下がっているので、株や先物があがっている。世界的な金融緩和はここ10年来の動向であるが、ここ1年は底板を力で踏み抜かれた。
グローバルサプライチェーン下において、これが生産供給能力や消費者物価に実際にあらわれてくるのは一年先。そのときに何がおこるかは既にリーマンショックの比ではなく第二次世界大戦と比肩している指標が示している。

さて、上記はウイルスがいますぐ驚異でなくなったポジティブシナリオだ。
mRNAワクチンという、今まで聞いたこともない、おそらくは軍事リソースのフル稼働によりもたらされた人類の叡智をもってしても、このウイルス騒動を収めることができないというさらによろしくないシナリオも考えなければならない。

当初、1本鎖RNAのコロナウイルスにワクチンなんてできないよと少しでも生物学をかじったことがある人間はおもっていた。私もその一人だ。

風邪の流行期の35%はコロナウイルスによるものだという。コロナウイルスには7種類が発見されていて、そのうち今回のcovid-19を含め3つが特に致死率の高いウイルスとして指定感染症に指定されている。
人は何度も風邪を引く。これは、免疫が比較的短い期間で消失することを意味している。

DNAは2本鎖で片方が鋳型になるため、それほど複製時にエラーがおきない。だが一本鎖はそうではない。がんがん変異する。今回のSARS-CoV-2は4000種類を超える変異株がすでに発見されている。nextstrainとかをみるとその分岐具合に驚くかもしれないが、まあ、これも最初期から予想されていたことだ。
そして、風邪も何度も罹るように、その抗体が長続きしないことも予想されていた。

「コロナウイルスはただの風邪」とうそぶく団体もあるが、ある意味真実だから質がわるい。
おまえら風邪をなめすぎじゃねぇのとは思うが、たしかにコロナは性質はただの風邪と同じなのだ。風邪ひいてる人のそばにいけば感染るし、手洗いうがいで相当程度防げる。
ただ性能が段違いで、致死率が先進国でも4%、イタリアなどのEUを見るに医療崩壊時には20%に達している。ちなみにだが、風邪という病名はなく、なんだかわからないものを風邪として類型しているにすぎない。だから原因が特定できているのであれば、それは風邪ではなく、新型コロナウイルス感染症という病名がつくのである。

インフルエンザと比較する人し、なぜか侮る人もいるが、季節性のインフルエンザと比較などできようもない。若者でインフルエンザで死亡率0.001%未満、70歳以上でみても0.03%だが、これが新型コロナウイルスでは、40代で0.4%、70代で14.2%となる。インフルエンザ並みに流行ったらどうなるかはすぐわかるはずだ。いや、わかるぐらい知性があったらそんな事いわねぇか・・・・

季節性インフルエンザ
www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf
新型 コロナウイルス
www.mhlw.go.jp/content/10906000/000649533.pdf

新型コロナや新型インフルエンザが怖いのは、人類の誰もがその疫病にたいして抗体をもっていないからだ。 みんな生まれたてほやほやの新生児のようにころころと病気にかかっていく。

うちの近所のお医者さんは、患者を診続けているが風邪に罹ったことがないという。理由を聞いたら低暴露し続けてるから免疫ができてるんだろうとのこと。新型ウイルスの怖いところは、こういう本来は感染しない医療従事者も感染するところにある。

それを打開するのがワクチンである・・・が、この驚異的速度で開発されたワクチンが機能したとしても、有効期限はインフルエンザのそれより短いことが予想される。
今年の3月ぐらいから医療従事者や救急、介護とか、そういう現場から回していっても先行組がうち終わるのは夏頃になる。でも一巡目が終わる頃に、最初期組の持続効果時間の短いワクチンを打ち直すことになるだろう。年に数度打たなければならないワクチン。これが恒常的に運用されるようになるまで数年単位でかかることが予想される。

薬は病気の人に使うから、効いたか効いてないかは比較的すぐわかる。だが、ワクチンは健康な人に投与するから、すぐわからない悪影響もある。打つことを忌避するひとも出るだろうし、強制すれば反対運動もおこるだろう。今回はいろんな治験のステップもふっとばしているので粗悪品も多く出回るだろう。その悪影響は打ってすぐにはでるようなものでもない。英国や米国のように日本から3ヶ月ぐらい先行して摂取している国がその後どのようになるか注視せねばならない。

「麻しん風しん混合ワクチン」の現在の有様をみてくれれば、皆保険がある日本でさえワクチンを行き渡らせることが難しいであろうことを知ることができる。ワクチンの開発により比較的撲滅が早かったため、一部世代はこのワクチンの接種をまったくうけていなかったり、1回しか受けてなかったりする。

2018年ごろ、東南アジアで再流行し、日本にも台湾を経由して沖縄に上陸したため、自分なんかは流行の兆しがあった2017年あたりに自費で5000円ぐらい出して摂取した。

風疹(3日はしか)と混同されるために、軽視されがちだが、麻しん(はしか)はとてもとても怖く、そして非常に厄介な病気だ。

インフルエンザが飛沫感染、コロナウイルスが微細飛沫感染(エアロゾル)とするなら、麻しんは空気感染(核種)で広がる。一度流行をしだすと爆発的に感染者がひろがり「命さだめ」といわれるような惨状を引き起こす。

コロナウイルスは上気道で感染するため肺などの呼吸器系に障害や後遺症をだすが(新型は血管側にも出ちゃうのであちこちに梗塞おこす感じみたいね)、麻疹ウイルスはリンパ組織に感染するため、感染で死ななかったとしても、脳、神経系で後遺症を残してしまうのだ。10年とかじっくりとかけて後遺症が出る。脳だと機能回復しない。ぶっちゃけ新型コロナウイルスより怖い。

だけど、ワクチンで防げる。
しかも、現在は費用は国持ちで、抗体をもってるかどうかも無料。いたれりつくせりな状態なのだ。

でも、対象世代の君たち、ちゃんと検査した????

麻しんでこの有様なのに、大人にワクチンを摂取することがどれだけ大変か・・・。

たぶん新型コロナウイルスのワクチン接種を悉皆にいきわらたらせるのはもっと大変であろう。大変っていうか無理だろう。

セキュリティと一緒で一番低い水準に全体のレベルが揃う。欠けたコップや、切れ込みの入ったバケツ、桶に水を注いでも一番短い側板の高さまでしか水を貯めることはできない。
公衆衛生も、一番低い人の水準に揃う。

10代20代の体力のあったころ、いろんな途上国やスラムに行った。
化学科だったし、バイオセーフティレベルの設定された研究室にも居たから、コンタミがどんな状態でおきるかとか、知識も技術もあるが、インドに行けば病原性大腸菌をもらうし、中国の屋台にいけば急性腸炎とかなんかよくわからない下痢とか、貝毒とか、ノロウイルスとか、もう個人が気をつけるぐらいじゃ無理なんだよね。

どんなに街をキレイにしようとしたって、街中の人混みでうんこしてる人がいたら、その人の衛生レベルに街の水準は落ちるでしょ。実際そういう国やエリアもある。
排泄はトイレでしてねって設備や機会が整えられてたって1世代はかかるよ。
同じように大人を連れだしてワクチン注射をもれなく打つのは、 時間がかかる。

ウイルスの不活化にはおもには3種類ぐらいしか方法はなくて、感染を封じ込めるためには物理学的封じ込めか生物学的封じ込めをするしかない。

オリンピックやりたいっていってるまるでインパール作戦決断をするかのような政治に、その決断はできないでしょう。とくにコロナウイルスは人獣共通感染症。人間の感染者だけを封じ込めてもままならぬ。

特別措置法で罰則を設けても実質的な解決につながらないのは、すでにロックダウンを実施している先行している海外事情をみればわかる。中国のように、濃厚接触者の家のドアを封鎖して超監視社会にしても、感染流入をくいとめる遅滞作戦でしかない。

全国初の下水道普及率100%を達成した昭和34年当時の三鷹市長は「公共下水道無き都市は地上に如何なる文化施設を持つもそれはスラムである」とかいったそうな。

たしか、感染症と下水の関係を説いたひとがドイツあたりにいて、そこで学んだ北里あたりが日本にもってきたんだと記憶してるけど、興味あったらしらべてみてください。

まあ、何がいいたいかっていうと、公衆衛生大事。
この公衆衛生にはそこに住まう人たちの振る舞いなども含む。そしてその水準は一番ひくい人に揃う。だからしばらく無理。 そして、病気と下水整備の関係を見出されたように、日光や二酸化炭素とか、そんな今まで考えてもなかったようなものがあたりまえになる日がきてようやくというところなのだとおもいます。

・・・。
なんか変な対策とか意思決定ばかりを見ていると、Plague Inc Evolvedに出てくるような秘密結社ががんばってるんじゃないかという気もするんだけど、やっぱりそれもハンロンのカミソリ。ただ愚かなことに理由をみつけてしまっているのかもしれません。

みなさまどうか今年も心安く


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