グラスゴー、ナショナル・ギャラリー


わてくしが大学生のころ模写したゴッホのひまわりでございますのよ。おほほ

スコットランドはグラスゴーで6人ものひとが巻き込まれた刺殺事件がおきたと先ほど報道をみた。BBCを見て街の風景をなんとなくみていたらなんか記憶のフタがぶわりとあいた。
んー。この街並。

16歳だったかなともうのだけど、初めての一人旅はスコットランドだった。 いや、日本国内旅行や、宿泊目的地があるそういうのはおいておいて、誰のアレンジもうけない、泊まるあてもなく出たはじめての旅行。

グラスゴーの駅に降り、駅に併設されてた案内所でドキドキしながら、どこか泊まれる場所紹介して下さいとおねーさん聞き、そして、町に出た。そこが、ちょうどこの事件の起きたあたりだ。たぶん。いや、もしかしたら全然違うかもしれないけど。こういう赤茶やダークブラウンに暖炉のすすでも回ったかのような黒ずみが混じった石材でできた街。

最近になって知ったのだが、当時のグラスゴーは高失業率で全英でも最悪の治安だったそうだ。夜、窓から乾いた銃声のような音が聞こえ、怖くなってドアの前にソファチェアを移動してバリケードを作って寝た記憶がある。血が多めのソーセージ、目玉焼きと、ハッシュドポテトの朝食がついたB&B。もう一泊したら寝過ごして食べれなくて悔しかった。グラスゴー、エディンバラの小旅行。

当時親が英国に赴任していたので、親元を訪ねたまに渡英していた。ロンドンからは離れたところだったので、親の家にいくまえにロンドンで一泊程する。ついでに、大英博物館や、ナショナル・ギャラリーにいくのが好きだった。

今、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展が日本で開催されるそうだ。ナショナル・ギャラリーでは入場料はとられず、寄付金をボックスにいれるだけで誰でも入れる。あんな名画やこんなのが見放題。ゴッホのひまわりですら、人がたかっていない。まわりに誰もおらず、1人でしばらく独り占めできていた。さ・・・、げふんげふん。

中学生ぐらいの私は、おこずかいをはたいてミュージアムショップでゴッホのひまわりのポスターを買った。だが、いつしか、日にあたり赤色が飛んでしまい、色あせてしま残念なことになってしまった。

ゴッホのひまわりと言えば、 バブルで浮かれた日本の会社がオークションで史上最高額を叩き出したことで有名だ。1987年安田火災海上保険58億円。というわけで、自分にはとても手に入らないものだ。ポスターがせいぜい。しかもそのポスターですらロンドンにいけなければもう気軽に買うこともできない。
だから、大学生の時、自分で描くことにした。売れたらいいななどと邪な下心で完コピした。完コピしてわかったのは、あ、ゴッホは絵の具が買えなかったんだな。少ない絵の具で、がんばったんだなってこと。

この絵は今も階段に飾っている。
油絵は天窓からの太陽の光にさらされても色褪せない。リーズナブルだ。

最近、昔を急に思い出すのは、刺激のない生活を送るようになったからか、死期が近いからか。 そういえば、コロナ期間中に、暇になったら数十年ぶりに油絵でも描こうと、画材を中途半端に引っ張り出した。演劇や音楽、パフォーマンスなひとたちは今はなかなか厳しいかもしれない。でも、文化や芸術は専業のひとたちだけのものじゃない。いままで忙しくて仕事と関係ないことはできなかったひと。ちょっとあいた時間になにかに挑戦してみたり創ってみる。ささいなことでたぶん人生豊かになる。殺伐としたニュースが多いなかで、なんとなくそうおもった。


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