北米公開がされタイムラインに再び見るようになってようやく昨日ゴジラを見てきた。立川爆音。
シン・ゴジラ。あれは涙なしには見れない。悲しい映画だよね。
涙腺の緩くなったおっちゃんは涙ぐみながら見てた。
東日本大震災でも東北に比べると東京はさしたる被害を負ったわけではないのだが、豊かすぎる想像力で、本当に灰燼に帰した東京が想像できてしまい悲しかったんだ。
旧神田区(現千代田区)出身のじいちゃんから、関東大震災や東京大空襲で東京がどうなったかを聞かされて育ったというのもあるかもしれないが、現実対虚構。虚構のなかで、現実の怖さがとことん想起されとてつもなく悲しい映画だった。みんな死んでしまうん?死んゴジラなん??
東日本大震災のときにyoutubeに大量にあげられた現実のクリップをゴジラの文脈に載せて編集しなおせば、ゴジラが出ずともとてつもなく悲しく怖くも恐ろしいフィルムができあがるだろう。それが想像できてしてしまい悲しかった。
いつくるかもわからない、銃やミサイルなどでは壊せない厄災がやってくる。それは東京にも。
来たら時計はリセットされるが、やがてまた来る。
小さな山火事を潰してまわれば、山火事は巨大化するという報告がある。
燃えずに残った部分が、人が手をつけられなくなるまで貯まるからだ。厄災は進化する。
自然災害も人災も戦災も。事前に防げている間に意識するのは難しい。
誤った事の楽観であるが、呉爾羅とはそういうもんだ。
か、かまたぁ!??
蒲田というのがリアルだ。
これは、東京都のハザードマップ。危険度測定調査を図表したものである。
www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm#a
www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/chiikikiken.htm
東京の南東部で真っ赤になっているところあたりが蒲田だ。
映画の中で蒲田は瓦礫に沈むが、現実の蒲田も
住宅密集地区で、道幅もせまく、かつ地盤が弱い。そのため、建物の倒壊だけでなく、大規模火災などが想定されている地域である。
品川神社
品川神社はちょっとした小山になっていてあたりを見下ろせるロケーションであるそうだ。
ゴジラ初代から使われた場所らしい。それのオマージュとして今回もつかわれたのかもしれないが、なぜロケーション・ハンティングに叶うような場所がそこにあるのだろうか。
実は、ゴジラの進路には参道が急な階段になっている神社が多くある。
虎ノ門にある愛宕神社の「出世の石段」などだ。このような急な坂道は、海進時の侵食の影響であろうと言われている。
洪水マップで、海面を+7mした地図。ちょうどポインタのあたりが品川神社。
紀元前5~6000年前の縄文時代、現在より気温が高く、現在より海が内陸部にまで侵食していた。
縄文大海進よばれるその現象は、現在より2~3m海抜が高かったとされているのが通説だ。
平均3m上昇+満潮、大潮の影響、地形の侵食や貝塚などの分布から鑑み、縄文海進時の海岸線はおよそ海抜+9~13mの地点にまで内陸部になっていたのではないかと考えられる。
で、品川神社は、海抜を現在より7mぐらいあげたときにちょうど台地の鼻になる。
巨災対は、なぜゴジラの進路の予報円を描けたのか?
ゴジラも坂道のぼるのやだし、台地沿いに歩くのが予想されたのでは?
デジタル標高地形図ってこんなにおもしろい! 東京都区部編
www.gsi.go.jp/kanto/kanto41001.html
ま、ゴジラが坂道嫌がったのはさておき、ゴジラの歩いたところは川などから流れ出た土砂でつくられた堆積層で地盤が弱いところだ。地震のときにはよく揺れるし、揺れだすと止まらない。また液状化してしまうので災害直後の活動困難が予想される。
ゴジラの歩いた場所は、予想される首都直下型地震の被害想定と重複していた。
そして、特徴的なのは超高層ビルがいくつも破壊されたこと。これは、ゴジラシリーズの醍醐味でもあるが、有史来超高層ビルが意図せずに破壊されたことは、911のワールトレードセンター以外無い。いくつも破壊されたことは無い。
主人公格の連中は渋滞に巻き込まれ車を捨て地下に逃げ込むことで助かるが、ロンドンを始め日本の地下鉄、とくに大深度地下鉄などは空襲を想定して、シェルターにつながっているなどの都市伝説が多くあるが、まあ、なんというか普通に備蓄庫とかも兼ねているので、逃げ込んで助かるというのもさもありなん。
現実はどうだろうか?高層ビルが建つようになって、まだほんの100年なのだ。戦災にまきこまれればどのようになるかはまだ虚構の範囲を出ない。
ただ日本は人口あたりのシェルターが0.02%しかないのは被爆経験国なのにどうしたわけだろうとは思う。
鎌倉由比ヶ浜
再びあらわれたゴジラは鎌倉の由比ヶ浜に上陸する。
鎌倉で危惧されている災害といえば津波だ。
www.city.kamakura.kanagawa.jp/sougoubousai/2503tshunamihazardmap.html
逃げ惑う人々は、逃げられたのだろうか。また、逃げられるのだろうか・・・。
本当に津波被害が心配なのは鎌倉よりも内陸奥ふかくまで低地が続く茅ヶ崎や、平塚なのだが、まぁ黙示するなら鎌倉なのだろう。しょっぱなを蒲田にしちゃったので、ひ、ひらつかぁあ?とかは二番煎じになってしまう。
生き物としてのゴジラ
通称蒲田くん。ラブカやねと思った。深海のサメ。
蒲田くんが呑川を遡上する様はまさに津波そのものだ。まあ、そうなのだろうけども・・・。
ゴジラが虚構生物である所以はドラゴンの如く火を吐くからなのだが、今回は火どころか巨神兵になってやがった。火の7日間かと。
下顎が割れるのは蛇かよとおもったのだが(蛇は獲物を丸呑みするために顎の骨を外すことができる)、自力で開くとなると蜘蛛を連想させた。もっというと、プレデターとかエイリアン。あの最期の尻尾であれしてるあれとかエイリアンっぽいよね。
ぐーぐりーのおめめを覆う瞬膜が出る瞬間は、鳥や爬虫類を連想するが、サメにも瞬膜ある種類があるんだね。
モデルサメなのかな??
動物の目を守る第三の瞼、「瞬膜」を捕えた写真
karapaia.livedoor.biz/archives/52167969.html
でも、あの歯並びの悪さはワラスボみたいだよね。
こちらは有明海でとれるハゼの仲間。歯並び悪すぎ。
その他参考
縄文海進と貝塚分布・アラハバキ神の分布 関東平野
magnoliachizu.blogspot.jp/2015/12/blog-post.html
シンゴジラ公式サイト
www.shin-godzilla.jp/index.html
ゴジラの北米版のトレーラーはこちらから。