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  • 日本は移民政策を真剣に考えなくちゃ

    国粋主義な考えを持つ人達は脊髄反射的に文句を言うが日本に移民政策は必須だとおもう。
    すべからくみな年をとる。問題は年齢構成。この世代バランスが著しく崩れている。

    今、生まれていない子は20年後に20歳になることはない。
    20年後に20歳になる子、20年後に30歳になる子は現時点で最大数がわかっている。人口と年齢構成はもっとも言い当てることが簡単な未来のひとつだ。
    具体的に言うと20年後 20 ~ 44歳の働き盛りの層において、現在と比べて少なくとも8,601,702人の労働人口が減少する。860万人、就労人口の25%がいなくなる。生産人口が減れば経済力も当然衰退する。

     

    ハタチの子が20年務め上げて部長になったころに、部長が4人に新人1人みたいな構成になる。年功序列みたいな組織体制や社会保障の制度が機能するわけないよね?
    で、そこで出てくるのが移民政策だ。
    労働力が足りないから労働力を輸入しろ!と。
    だがしかし、だがしかし、輸入(受け入れ)でしか移民政策を議論しないのはナンセンスだじぇ?
    この年令構成のアンバランスを解消するために、老齢人口を知識層として輸出するのも移民政策なんじゃないかぇ?
    老人を知識層、後進の育成のための親方として移民できるようにする政策必要なんじゃ?

     

     
    「どんな難しい仕事でもバラしてしまえば簡単だ」っちゅうことで、だれにでもできる仕事にしたヘンリー・フォードのベルトコンベアに代表される自動車産業。織物機でラッダイト運動がおきたように自動化による雇用の喪失は人類がすでに通った道。
    日本の産業構成上、自動車産業ではなく情報通信産業が最大従事者数になっているにもかかわらず、いまだに生産性は時間と人数で計算される。そんなものは誰が仕事をしても成果がかわらなかったフォードさん時代の遺構だよ。現実をみろ。デトロイト市はこないだ破産したじゃないか。とても効率よくゴミを創りだしても、それでもなんとかなっていた時代なんてもう終わったんだ。
    数十年かけて磨いた腕前が、数百万の機械に経済的合理性のものと置き換えられる。数千億だしてつくった工場が数年ももたずにお荷物になる時代はもうきてる。いま陳腐化は恐ろしいスピードだ。
    先進国は生産力で競争していた時代から、付加価値創造力で競争をせざるをえない。だとしたら、労働力を輸入しても経済的な合理性は低い。安く使える奴隷が欲しいという不満を満足させるものでしかない。だから年齢構成が上に重たく耐久消費財が多く、インフラ維持費が高い日本が安い労働力としての移民を受け入れるなんてナンセンスだ。

     
    日本で陳腐化した技術や知識でも国によってはまだピカピカだ。まだダットサンだって走ってるし、農業、建築、医療、それから教育だって経験豊富な年配者の知恵や技能が資産になる環境は多い。
    現地の人の仕事を奪うことは許されない。日本人を1人雇うと現地人を2人雇えというような国もある。しかし仕事を作り出せる人達は大勢いるだろう。介護だって仕事になる。日本人は世界中に日本人村をつくればいいじゃないかぇ。
    いま20~40代とかの世代は20年後に輸出材になれるように!
    それより上で介護が必要になると、これもう議論として別次元。老々介護とかしゃれにならない。たぶんこのままいくと価値創造どころじゃなくて相当悲惨なことがおきる。じゃあせめて、ゆめかうつつかよくわからなくなっちゃったら、世界三十周ツアーとか銘打って豪華客船に乗ってもらえばとか言ったら怒られた。
    古代人がニライカナイだのを目指してただ東へ向かうだけの船にのったのはそれなりに理に叶ってる気もしなくもない。ただ、あと10年20年でなんらか解決策には道筋をつけておかないと国どころか文明ごと滅びちゃうぐらいのバランスの悪さがある。
    「いざ新天地へ」とかいって、棄民政策に近い形で南米への移民政策をとった政府もありましたし、半年船にのって着くまでに何人も死んで、ついたら何もなくて、あとはここで生活してください、さよならー! みたいなことだけはしないようにしないとね。

     

    *参考

    リー・クアンユー氏、人口減の日本に「悲観的」 新著で「移民受け入れよ」
    http://sankei.jp.msn.com/world/news/130807/asi13080708400002-n1.htm
    2006-11-04日本は20年後に労働力の25%を失います
    http://beta.g.hatena.ne.jp/kuippa/20061104

     

  • 株主は経営関与権はあるけど最劣後債権者だよっと

    話題になってたブログが2つほど。

    株買ったらレバレッジ感半端なさすぎワロタ
    http://anond.hatelabo.jp/20130726220650

    ↑株買ったらみんな俺様のために働いている感がしてすごい!という匿名記事。
    有名ドコロいれて40銘柄ももてば全能感がでるのもわからんでもない。
    今回の株高で相当稼げたのだろう。

    「株主様」の社内における位置づけについて語ってみようか
    http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20130727/p1

    ↑株主なんて総会の時にお付き合いスルだけの存在というカウンター記事。

     

    大企業が人生を掛けるほど安定というなら、その株をもっておくだけでもいいじゃないというのが自分の意見。
    持ち株会みたいな働いてる上そこの株も握るような再投資はリスクありすぎだろうと思わなくもない。
    (団塊前世代ではうまく機能していたようだが・・・)

     
    株主は最劣後債権者と呼ばれる存在。
    もし、会社更生法で破産手続きをすると優先順位は

    税金(租税)>銀行(抵当)>従業員(賃金)>その他(売掛金や株主)
    http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/roudousaiken3.html

    一番最後の債権者となるのでまず確実に株主までに回ってこない。従業員のほうが上位債権者である。

     
    しかし議決権行使を行使し経営に参加することができる。
    大企業の株主総会は保有者が多すぎて形骸化しているので、形式上だけのものになっているかもしれないが、代表取締役も役員も株主によって選任、また解任されるので立場的には、取締役を選任する立場である。会社がなにをするとかという定款を決定し、また利益の処分方法もここで決定される。つまり株主配当をいくらにするかも株主総会に諮られる。
    企業の従業員からすると株主などめんどくさいだけの存在なのかもしれないが、銀行から金を集めるのか資本であつめるのかという、企業経営における資本コストの問題であるので、金利が低いいまは銀行から借りたほうが加重平均資本コストが安くなるという実体において銀行が優遇されているのだ。資本の要求利回り(ハードルレート)が下がったり、有利子借入のコストが増大すればこれは逆転する。

    資本を使って商売して利益をあげるのはどの企業でも共通していることなので、これを無視して通常企業経営は行えない。いまは金利が低い時期なので銀行のほうを向くべきである。(インフレがこのまますすんだらわからん)
    株主の立場からみると、銀行預金が0.01%の時代でも3%ぐらいの利回りをだしている企業も多く、最劣後債権者にはなってしまうものの人生をひとつつかって勤め上げるのと同程度の資金リスクで運用することはできる。デフレの時には理論的にはキャッシュを保有しておくべきだが、同様の論に立てばインフレ時にはものにしておきべきで、資産形成の一部としていまでも有効な手段のひとつである。賃料収入がある不動産でもなんでもいいが、ある程度資産を持ってるひとは考えないとダメなんじゃないかなと思う。

     

    株は単独で2/3とか1/2とか持ってればそのまま決定権を握ることになるけど、一株でも保有していれば株主代表訴訟もおこなえるし、また、株主は6カ月前から継続して、総株主の議決権の100分の1以上、または300個以上の議決権を保有していれば、株主提案権を行使することができる。

    提案権を行使されると、野村ホールディングスが野菜ホールディングスに名前を変えろと提案されたりと楽しいことになる。

    「定時株主総会招集ご通知(添付書類:第108期 事業報告
    http://www.nomuraholdings.com/jp/investor/shm/2012/data/report108.pdf

     

    と、つらつら書いたけど株は自分で商売をはじめてからはアホールドしたままで見てもないのでダイブ変わったかもしれません!

     

  • Yコンビーネーターを読んで悲しくなった

    深い溜息。シリコンバレーでスタートアップがどのようにおこなわれているかという実例集。Yコンビーネーターという起業家新兵育成塾が『ハッカーと画家』の著書で有名なポール・グレアムの主幹でおこなわれている。

    Yコンビーネーターでは、$14-20kドルの非常に小さい額の投資をおこなうと同時に、スタートアップ時に必要な指導がおこなわれる虎の穴だ。2005年から550を超える起業にたいして投資がおこなわれていて、このなかには日本でも有名なDropboxやHerokuが含まれる。

     

    http://ycombinator.com/

     

    このコンビーネーターを通して仲間づくり、またその後のベンチャーキャピタルなどへのつなぎ企業へと育っていく。
    兵隊の訓練でいえばBoot Campであり、Webの世界でいえばBootstrapにあたる、スタートアップのためのフレームワークといっていいものがシリコンバレーには確立しているようだ。
    日本はこの著書でいわれているような、「檻に入れられたハッカー」が多い。檻とは大企業などのことで、大企業にはいってしまうとその首にはしっかりとリードがついて「何か悪さをしないように」、規定の評価基準の中におさまるように制度がくまれ、この基準から外れると途端に苦労するようになっている。仕組みを出し抜こうとしても、そもそも仕組みそのものがスパゲッティーモンスター化しすぎて、互いに矛盾しまくって両バサミ(有名なダブルバインド条項)になっていて、なにかをやらかせば、法治ではなく人治で裁かれる。
    古くはマイクロソフトのビル・ゲイツをはじめ、facebookのマーク・ザッカーバーグもgoogleのラリー・ペイジもセルゲイ・ブリンもYahoo!のジェリー・ヤン、デビッド・ファイロも自分でアイディアを具象化できるハッカーだ。日本の経営者で自分で”コード”が掛ける人が何人いるだろうか?HONDAの創業者以来いなくね?誰かいたっけ?と話しになったときに、ホリエモンの話しがあがって悲しくなった。ホリエモンこと堀江貴文氏はコードが書けた人だが、比喩ではなく本物の檻にいれられた。なんという・・・。

     

    先日winnyを開発した金子さんが若くして亡くなられた。おくやみ申し上げる。彼もまさにその働き盛りの貴重な年月を法廷闘争に費やした人物だ。ハッカーからパソコンを7年取り上げることは、なんの解決にもならない。岡崎図書館事件もそうだ。遠隔操作事件もそうかもしれない。
    人類の文明や文化、科学をおしすすめるかもしれないエンジニアがエンジニアリングで評価されず、所属している企業の看板や資本力、またはそれまででいくら稼いだかという結果で評価される。まてまてまて。科学技術の革新は、これから将来生み出す価値を評価しなきゃいけない分野のはずだ。なぜ既存のモノサシで図ろうとするのか?そのくせイノベーション、イノベーションと騒ぎたてる。

     

    「アイディアはどうでもいい、あなた達が気に入った」というレベルで投下される数百万円の資金。企業未満のチームにとって彼らの才能を最初に見いだす貴人行為だ。日本に貴人はいるのか?もしそんな人がいたら奇人あつかいされてしまう。

    P413 「テクノロージーのハブを作るには2種類の人間さえいればよい。金持ちとハッカーだ」
    P414 「優れたコンピュータ科学部がある大学の周辺で、かつ変人を許容してくれる文化を持った地域だ。優秀なハッカーの多くは変人だ」「自治体が1000のスタートアップに100万ドルずつ出資すればよい」

     

    日本にも幸いなことにテクノロージクラスタはある。面白い技術をたくさんもっているし世界とも十二分に戦える。統計的にはお金持ちも世界標準のなかではとても多くいるはずだ…。だが日本の金持ち、これに少し問題があるのかなと思う。

     

    日本のお金持ち(純資産1億円以上の富裕層、5億以上の超富裕層)は数種類に分類できる。そしてそれは年齢と大きく関係があるのではないかと思う。

    70歳以上(土地成金)

    戦前の金持ちは財産没収されたのでこの年代の金持ちは都市部の農家などの土地成金が多い。不動産などを多くもっていてキャッシュフローは潤沢だが、技術への投資はおこなわない。もっかの懸念は継承だ。

    60~70歳ぐらい(出世成金)

    一部上場の経営層でも年収は数千万円、しかもキャリアの終わりでこれなので蓄財という意味では数億円も使える余裕がない。テクノロジーに明るく社会経験も豊富なので貴人になりうる層だが、ポール・グレアムのように個人の裁量で数百万をぽんぽん再投資できるほどの潤沢な資産をもつ人はいない。真面目にやってきた人であれば尚更だ。そうじゃない人は技術ではなく政治に投資したりする。

    45~55歳ぐらい(事業成金)

    これくらいの年代だと中小企業の社長や士業(医者や弁護士)などで商売に成功した人のほうがお金をもっている。しかし、同時に債務も多く、資産と負債が大きいところでバランスしているだけだったりする。可処分所得が多く高級車にのったりするので金持ちに見えるが、自ら事業をおこなっていることが多いので、他人ヘ投資するなら自分も噛もうとするか、自分の事業に絡めようとするケースが多い。

    35~45歳ぐらい(運用成金)

    この年代ですでに資産形成が終わっている場合は2パターン。なんらかの元手をもとに株や不動産などの運用益で稼いだ層。遺産などのまとまった資金がはいったゆえ運用を覚える人も多い。流動性の高い金融商品から最終的には不動産のような手堅いところに落ち着く。同時に遺産のような自分の才覚ではないところでお金を持ったひとから、なんとかして身ぐるみはごうとする人もおおく、未公開株に手をだす投資家はだいたい退場する恐ろしい社会風習がある。

    35歳未満(ネット成金)

    いわゆるニューリッチ層。最近だとアプリとか一昔まえならアフィリエイトやFXなど、形態はいろいろ。熟故に尊法なにそれおいしいのとかなことも多かったりするが、まだわかいので他人に投資より自分の事業に投資したほうが効率が高い。

     

    事業で成功したスーパーリッチ(超富裕層)って、税の関係から個人資産にしない(できない)から、再投資できないんだよね。所得にすると税金で半分もってかれちゃうし、相続のときにも半分もってかれるし。そういうわけで日本には他の人の事業に投資できるお金持ちはおらず、その投資業務は貸付という形で銀行業務に委託される。

    次世代を育てるために投資したくても、譲渡税高いし(当座の資金が必要な差し迫った人は年末まで税金分なかなか残せないよね?)、株式取得で成長したら株を買い戻してもらうにしても未公開株を発行額面以外で評価すると脱税だとか利益調整だとかとられちゃうので、投資家が売却益を得ようにも、上場してもらうよりない。

    アーリースタートアップは500社に投資して1~3%の成功率らしいけど、この投資失敗分を損金としてうまく計上できないと、競馬でハズレ馬券は経費に含めませんっていわれて税金かけられたような事件になっちゃう。(累計約28億7000万円の馬券を買い、累計約30億1000万円の払い戻しを得たことにたいして、5億7000万円脱税に問われた事件があった。)

    日本だと金持ちとハッカーを集めてもテクノロージーのハブは作れなそー。これに公益性を担保するような自治体レベルの仕組みが必要。サザエさんの銅像が事業とみなされて税金かけられちゃうような制度ですから。
    国が税金として集めて再投資してくれればいいけど、起業助成金とかは、使った実績に対して翌年振り込まれるのでそんなんじゃ助成金を受け取るまでの助成金が必要で(以下ループ)

     

    やっぱり深い溜息。22歳ぐらいの登場人物達の活躍はまぶしすぎてつらい。とっとと売ってしまおう( ゚д゚)