2013に有識者がやった消費税議論を今振り返る(その2)


わずか1年ばかり前の消費税増税を決めたという議事録を掘ってみて、気がついたことは多い。経済は再現性がない故、言いっぱされるばかりで検証もされないことも多い。しかし消費税増税はわずか1年で繰り返す。経験からしか学べない私のような凡夫にも、体験してみれば過去に言われたことと、それがどのように違ったのかが今ならわかる。あと、一部の経済学者の類、正論はいうが予見を表明しないのは、処世術としては正しいのかもしれないが、ずるいなと思った。


議事録からの要点部分の抜き出し(その1)はこちら
kuippa.com/blog/2014/08/24/2013%E3%81%AB%E6%9C%89%E8%AD%98%E8%80%85%E3%81%8C%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%82%92%E4%BB%8A%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%82%8B/

集中点検会合の参加者について

前提知識がない人を入れるのはブレストとしては有意義であるが、このような議事進行であれば別に会合形式にする必要はないのではないかと感じた。
「消費税について」という曖昧もこみちなテーマ設定で、とりあえずヒアリングしましたというポーズととられてもしゃーない。本当に何をいっているのかわからない人が混じっていたりして、なんだかなと思った。また同じメンツでやるの?

財政規律

財政収支の件に触れている識者は多く居た。しかし増税は行われたけれども財政収支を正すための施策やビジョンが政治的にも実務的にも発せられていないように思う。財政規律を正そうとしてるところが出費を3兆3000億もふやしてんじゃねぇょと。税収が7兆も増える予定の予算組んで大丈夫なのかよと。世界から、財政ファイナンスをしていると取られてもしょうがない。
浜田 宏一氏がいうように「財務省の予算分配権の力が増える」ためだけととられても、ちがいねーや!という気分。
このままじゃ何人かの識者がいってたように税率を20%まであげても収支がプラスになることなんてないんじゃないかな。

Screenshot 2014-08-27 02.23.11

クリックして50190707.pdfにアクセス

※財務省のグラフがなんか横に間延びしてて良いグラフではなかったのでOECDの2012のペーパーより採用
オリジナル→ 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移:財務省
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

景況変化の予測と実績について

景気の腰折れ感がどの識者が予想したよりもひどかった。-5%程度と予測したところが多いなか(野村は-2%で予想)、実測-6.8%はまあ予想より下振れしたぐらいだとは思うが、小売業をやっている個人的体感としては4〜6期よりも7月のほうが鈍ってるように感じる。夏枯れかもしれないが、第3Qは+危ないじゃないかな?
消費税の上昇によりデフレ克服できなくなると一部、危惧されていたようだが、その気配は強まりつつあるように感じる。CPIとかに注目したい。

  • 2%のインフレ実現には、5年ぐらいはかかる、主として賃金の遅行性(菅野 雅明 JPモルガン証券チーフエコノミスト)
  • 購買意欲が上がってきてインフレが実現する。これには1年半ないし2年かかる、現在のインフレ率上昇は円安による輸入物価、あるいは電力料金の上昇(本田 悦朗 内閣官房参与)
  • 消費税を予定通りあげると3〜4年目に非常に大きいデフレ効果がおきる(宍戸駿太郎 国際大学・筑波名誉教授)
  • 現在起こりつつあるインフレ率は、コストプッシュ型(植田 和男 東京大学院経済)

たしかに燃料代、為替の影響で原材料価格などがあがった。
しかし、結果として4月以降に発生した物流の値上げは+3%どころじゃなかった。某大手流通の宅配便価格だがサイズによっちゃいままで600円で送れていたものが850円になったりするレベル。配送サイズの測定が厳密になり配送料金もあがったため最小値上げ分だけでも10%はあがってる。とほほ。

雇用と賃金について

結果として、賃金の上昇圧が、消費税分を指標として上回ることはなかった。

  • 企業の社会保険料負担増。経営者が賃金の引き上げにためらう(石澤 義文 全国商工会連合長 )
  • 完全失業率と構造失業率を比較し、労働市場が非常にタイトになると実質賃金が回復する(西岡 純子 アール・ビー・エス証券)
  • 失業率が3.5%まで下がると賃金の伸び率が加速的に上がる局面に入るかもしれない(白川 浩道 クレディ・スイス証券)

デフレ下の申し子である安い人件費で事業を成り立たせていた、マクドナルドやワタミ、すき家のゼンショーという企業が軒並み苦戦をしいられているようだ。商店街でみると1,000円でバイト募集してるのに人が来ないと、泣いている店長もいる。このタイミングで新規出店を目指したところは工事が人手不足によりストップして、言い値状態になってしまっていて泣いている。結構泣いている経営者は多い。
雇用という面では急激な回復局面にはいっているようだが、企業業績は駆け込み反動で悪化しているため、現在は雇用非雇用の双方が苦しい状態にあるように感じる。でも、つなぎ資金で重要となる銀行預貸率は改善してないようにも感じる。詳しくは調べてない。

永続的可処分所得の減少

税負担分の価格効果、家計の可処分所得減少による所得効果、永続的減少が発生するそうだ(トヨタ、大和ハウス)。過去に家と車で発生した減少幅をみてびっくりした。結構大変なこっちゃだ。過去97年の2%増税時には車で13%、家で20%程度の”永続的な”需要減が発生している。

商取引を化学反応だとすると、反応ごとに反応が成功するのに必要なしきい値が3%上昇すると(可処分所得の圧縮)、反復する経路ごとにエネルギーがロスするので、スタートとゴールがグロスで3%とはならず、さらに大きな反応エネルギーが必要となる。緩衝されどこかの値に近似するが、設定障壁で設定された値より通常は大きくなる。この現象は経済でもあんまりかわんねぇだろうと思う。

消費税の3%を単利で計算するか、反復継続される取引として複利で計算するかぐらいの差がある。
新車程度の金額までロスしていく3%を積み上げると結果としてその壁を乗り越えられない人達が合計で12%でてくる。家だと20%。そういうことなのではないだろうか? 結構恐ろしい数字だ。
積み上げるのに必要な反復回数が多くなればなるほど、その影響がでかくなるということか。これが逆進性というやつかな?
なんか重大なモデルが隠れている気がする…。

(1+3%)^n=(1+12%)とすると
えっと…n=log(1.12,1.03) // えくせるさーん計算お願い!!
3.834008035

新車購入における平均ローン年数は3年とか5年で組まれることが多いので、複利化された消費税による可処分所得の圧縮が3.8年とすると結構いい数字がでたきがする。
住宅の場合は20%
n=log(1.20,1.03)
6.168096911
こちらは6.1、住宅ローンは25~35年なので、まったく一致しない。
500万未満の頭金で住宅を購入する人が最も多く((http://jj.jp.msn.com/edit/msn/atamakin/100922/))、減少した可処分所得から積み立てて頭金の500万を貯めるために必要な年数が6.1と考えることもできそう。
すごい適当に増税による可処分所得の複利効果をあげてみたけれど、ここらへん面白いですな。
永続的可処分所得の減少の結果から考察した場合、なんか驚きがありそうだ。だれか研究とかしてないのかな?

おれおれ仮説:増税による可処分所得減少は指数効果があり貯蓄額が一定額に達し購入行動に移れるまでの必要の年数で複利化される。

ちょっと悲しいね。だって住宅の場合、圧縮された可処分所得が反映された数字とは思えないので、返済に行き詰まるパターンじゃない。これ。たしかに30年の先の消費行動はなかなか予見できないので、頭金が溜まったところで踏み出しちゃうよね。。。

軽減税率について

品目を決定するために必要な政治コストや、税率が異なることによる事務コストが生まれるのでするべきではないとの意見が出た。私もすべきではないと思った。
しかし、農業や漁業という生産者が価格決定権がない業界は軽減税率の導入を強く求めた。

  • 競り・入札で価格が決定されるため増税分を魚価に反映することができない(全国漁業協同組合)
  • 供給変動、価格変動が頻繁にある農産物取引では価格転嫁が困難(全国農業協同組合)

なるほど、転嫁うんぬん以前に消費者が価格を決めるのだから、消費税じゃなくて売上税、生産者負担になっているといえばごもっともな意見だ。プライステイカーな業界、業種はそもそも価格転嫁が構造的にできないようだ。
解決策は思いつかない。他で補助いれるからってことで泣いてもらうよりないんじゃないのかな。

1%ずつ増税について

お店を初めて約10年、初めての消費税増税だった。それまで体感としわからなかったのだが、消費税があがるということに伴う事務手続きの多さはハンパねぇ!これ毎年やられたら死んじゃう!!

  • 1%ずつは実務的に莫大なコストがかかることはない、具体的にどういうコストがかかるのかよく分からない(本田 悦朗 内閣官房参与)

↑ふざけんな!と、怒りがふつふつと沸いた。

消費税対応をするのに3ヶ月近くかかった。単純にレジの設定を変えれば済む話しではない。価格を物理的に書き換えなければいけないし、うちみたいにネットショップが複数ある場合は、総チェックをしなければならない。数百点のアイテム数×ネットショップ数、リアル店舗の値札、取引先ごとの変更など。

これも3%にあがったタイミングで1回やれば終了ではなくて、仕入先が価格変更を通知してくるたびに再検討しなければならない。というのも在庫がハケて次の仕入れをするまで仕入れ価格というのはわからない。なんとか、価格変動ができるだけ少ないようにどこも苦心して1回にまとめようと苦心してくれるのだが、そのため変更のタイミングはみんな4月をまたいでくる。結果仕入れ価格が五月雨式に順次変わってくる。
半製品とかで材料の原価が変わると原価計算のやりなおしが発生する。都度だ。全部が出揃うまでなかかな価格変更の決定ができない。かといってうちが遅れればうちから買っている業者でも価格決定に影響がでる。
日用品は価格感受性が高く提示価格としての値段変更にもとても気を使う。おいそれと価格変更はできない。

無手順のドミノ倒しが非ターン制でおこなわれる感じ。コリジョン発生しまくり。取引先がみんな価格調整で苦労するから、仕入てみたらいつのまにか原材料が安い中国産とかに変わってしまっていて、売ったらお客さんから中国産なのでいりませんとか、突き返されたりして、もう涙だよね。価格を変えないようにするがために内容量が変わっていたしてしてさ、etc、そんな何年も積み重ねてやってきたものが、いっせいのせでどかーーんと何ヶ月かに集中して来るわけさ、もう死んじゃうよ!
設定を5%から8%に変えれば終了みたなことじゃ終わらないんだよ。実務経験してもらいたいよ。ほんと!
もう、この大変さがわからないんだったら、年賀状の郵便番号に8%掛けたものを外税として併記する罰を言い渡すよ!!

・・って、俺も実際にやるまでこんなめんどくさいとは思わなかったんだけどね。
こんなの二度とやりたくないんだけど、また来年やるの!?勘弁してよぉ・・・。

消費税価格転嫁

消費税価格転嫁の調査が封書で届いたり、ハガキで届いたりしていて結構真剣さが伝わってきます。実効性は謎だけれども。うちは価格転嫁を禁止されるような取引先はないのだけれども、そもそも、事務手続きとして仕入れの値上げがみんな4月以降順次なので、実質何ヶ月感は価格転嫁もできない感じですよね。

消費税還元セールがなぜ行われるのかようやく分かりましたよ。
値札の書き換えとか実務として1月ぐらいじゃとても間に合わんので、お店側が消費税分かぶってでもやるしかないもんね。

消費税の逆進性について

  • 消費税は逆進性が問題とされるが社会的弱者に対する所得移転(慶應義塾長)
  • 社会保障には、給付と負担の世代間格差が顕著。勤労世代や将来世代ばかりに負担を求め続けるような、現在の税構造であってはいけない(土居 丈朗 慶應義塾大学経済部)

給付付き税額控除は「臨時福祉給付金」という形で実装されましたね。10,000円とかなんで、どうなのよみたいな気がしますが。
短期でも失業率が改善しているので、雇用を選べる低所得者層にはよいのかもしれません。
他方、自分みたいな個人事業主には消費税対応で大変だわ、社会保証の恩恵にはあずかれてないわ、健康保険も健康なので関係ないわ、で、なんだろうね。ほんと世代逆進的な予算組みですな。労働資本をもっている若い人が金融資本をもっている年配者から価値移転をうけとらないと、まずいはずなんだけど、逆になってね?

消費税などの増税

集中点検会合では誰も触れてなかったですけど、今回の増税は消費税”等”で、実は所得税も相続税も贈与税などなども増税されてるんですよね。相続税もいままで庶民に関係なかったものが東京都だと2人に1人が申告対象になる程度の増税。かなりの人数が税においやれる未来が予見されます。とくに相続税、本当に詳細を把握してないと死ぬよ。

あと、減税措置のとりやめで実質増税になったもの、たとえば株主配当も10%から一気に20%へUP!してたりして、なんかあれこれうんざりするほど税負担が重くなったなと感じています。だいたい復興増税ってなんだろう。聖武天皇の頃から災害時には税の減免をするものであって、増税してどうするんじゃらほいと。

法人税だけは景気対策ということで減税されていますが・・・。もともと経費参入が厳しい日本では法人所得税を払うほどの企業は1/3ぐらいしかないから、あんま関係ないんですよね。


www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-10/2013071001_04_1.html

こんなデータとか見ると・・・

中世から四公六民っていって、税率が4割越して来ると生活できない人が増えて一揆とかがおきるらしいです。
現在日本の実効税率は財務省発表では38.5%となっていますが、例えば相続税負担などは、土地家屋などに対して現金納付となるので、事故的に負担額が4割を超えてくることは往々にしてありうるわけですよね。
社会保障とかの還元で手当しているんだけろうけど、若者世代へは酷いことになってるし。企業が負担する社会保険料とか、健康保険料とか、いろいろ大変です。

財務省のデータ
OECD諸国の国民負担率(対国民所得比)は日本は38.5%
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/238.htm

国・地方合わせた法人税率の国際比較は34.62%
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm

ちなみにアメリカはカルフォルニアが選択されて日本より高くなっているけど、CAは破綻宣言していて州税が高い地域(8.84%)で有名なるところと比較されてもね・・・。作為を感じますよね。

課税所得が落ちてきているので、課税率をあげても、増収あがるんでしょうか?
このまま景気腰折れが決定化してしまいデフレ脱却も達成困難となると、ちょっと今は分水嶺なのかな。

東大日次物価指数
| |東大指数| 総務省公表値(注)|
|2014年05月の前年同月比| 0.08%の下落| 1.10%の上昇|
|2014年06月の前年同月比| 0.29%の下落| 1.04%の上昇|
|2014年07月の前年同月比| 0.25%の下落|   8月29日公表予定|
www.cmdlab.co.jp/price_u-tokyo/monthly
CPIも割れてきていて、なんかその他の指標も黄色になってきた気がします。

日銀の国債買受による財政ファイナンスぶちかまして、日本銀行券をデュープさせて借金ナイナイかますか、デフォルトなり、デノミなりして借金ナイナイかますか、一揆がおきようと税率をあげまくってなんとかするか。
とりあえず単年度予算形成やめて、ちゃんと決算書にも複式簿記いれて、キャッシュ・フロー計算書も書くようにして、政治家の費用は3万円以下の切手代とか新幹線代だろうとちゃんとつける事業主なみの会計報告にするところから始めないとだめなんじゃないかな。

2013年のときにみえていたシリア危機から、現在はウクライナ情勢だし、西アフリカのエボラはパンデミックしてるし、結構2014年というのはスリリングな年ですね。ま、乗り切れれば明るい未来がまっていると。そう思いながら紅茶でも飲みながらまってましょ。


2013に有識者がやった消費税議論を今振り返る


2014年4月、消費税が引き上げられたのは皆様御存知の通り。
今後の経済財政動向等についての集中点検会合をまたやるそうな。前回と同じメンツでやるそうなので、なにかもう既定路線っぽいけど、前回の面々がどのようなことをいっていたのかDigってきたので、まとめておきます。
やたら長くなってしまったので、まだ途中なんだけど、また後日同じエントリーに追加します。(全部更新完了しました 8/26)

議事録みてるとすごい資料まとめてきてる人と、いい加減なことを自分のポジションでトークしているだけのひとと、あと何いってるのかわからない人いろいろいて、唸った。

消費税10%判断、有識者60人から意見聴取 11月下旬に会合
2014/8/23 1:30日本経済新聞 電子版
www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H17_S4A820C1PP8000/

政府は昨年8月末、経営者やエコノミスト、地方自治体首長ら60人を集めた「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」を開いた。6回に分けて消費税率を8%に上げた場合の影響などを意見聴取した。税率10%への引き上げ判断に関する点検会合も岩田一政元日銀副総裁や古賀伸明連合会長、増田寛也元総務相ら同じメンバーの出席を要請する。

今後の経済財政動向等についての集中点検会合
www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/

<第1回 >

岩田 一政 日本経済研究センター理事長

GDP成長率は0.2%まで下がる
デフレ脱却はできない
経済へのマイナス効果15~16兆 軽視危険
基礎的財政収支赤字は実現不可能
税収増加効果は小さい、引き上げすべき、1%*5年、18年以降も毎年1%づつあげ続けないと効果がない
賃金の安定上昇がないとデフレ克服できない
給付付き税額控除理想(間に合わない)

加藤 淳子 東京大学院法政治研究科教授

消費税引き上げ支持
総課税負担と諸税収のGDP比は日本は低い
年に1%づつは事業者負担が大きい
軽減税率には強く反対
最大の危機は危機感がないこと
軽減税率は行政、政治コストが高い
歳出面での再分配であれば何でもよい
給付付き税額控除理想(間に合わない)

古賀 伸明 日本労働組合総連会長

資料なし
内需減少、低所得者層への影響大
消費税の引き上げ財源をどう還元するのかについて議論が不十分
軽減税率はいれるべきではない
給付付き税額控除理想(間に合わない)

古市 憲寿 東京大学院博士課程

消費税増税は条件付き賛成
出生率向上と増税だけではなく成長と削減も組み合わせる必要がある
5%増税しても子育て支援には0.3%しか充当されない
大きな政府を目指すのか小さな政府を目指すのかの議論もないまま増税はどうなのよ

増田 寛也 東京大学公共政策院客員教授、前岩手県知事

消費税は引き上げるべき
社会保障のための財源が必要
債務残高対GDP比が50%に迫る、非常に高い状態

山根 香織 主婦連合会長

資料なし
逆進性が強い弱い立場を苦しめる消費税には反対

米倉 弘昌 日本経済団体連合会長 、住友化学株式社代表取締役

資料なし
消費税引き上げは必須、増税をためらうべきではない
1~3月期の成長率は年率4%前後まで高まる
4~6月期は反動で-5%まで落ち込む
7~9月期は1%台半ばのプラス
2014年の8%、2015年の10%は法律に定められていて反故にすれば市場の予測を覆すので株、通貨、債権がトリプル安になり実体経済に深刻な影響が及ぶ。

<第2回 >

伊藤 隆敏 東京大学院経済研究科教授

増税は予定通りすべき
景気腰折れの可能性は低い
増税とデフレ脱却は両立する
三党合意の前に議論がしたかった
法律ができている以上やめるリスクは非常に大きい
インフレ率 2013 0.7% 2014 1.4% 2015 1.9%(日銀予測より)

Screenshot 2014-08-24 02.13.32
2014.Ⅰ 4.5% 2014.II -5% 2014.III 1.5% 2014.IV 1.5% (資料図表より目測)

稲野 和利 日本証券業協会長

予定通り消費税をあげるべき
主要企業の経常利益は2013年で2007年の89%まで回復、14年は100%、15年は110%の予想
企業収益はV字回復
増税を延期すれば市場は混乱する
97年は金融危機とアジア通貨危機が主因で消費税ではない
デフレ脱却が確実になってから増税では金融引締めと同時になってしまう
四半期の成長率を年率換算するから-5%となるが均して考える必要がある
GDPで4兆円ぐらい失われる計算
2014.I 5%

Screenshot 2014-08-24 02.12.22
(野村予測 -2%で見てるね・・・ ちなみに、4~6月期の実質国内総生産(GDP)の実績は-6.8%でした)

片岡 剛士 三菱UFJリサーチ&コンルティグ主任研究員

消費税は延期が望ましい
黒田日銀総裁の金融政策を強く信頼
消費税を上げるとインフレ達成ができなくなる
増税によって一時的に賃金上昇を伴わない物価上昇を生む。
GDP成長率は2013が駆け込みで+0.7、2014 -1.3,2015 -0.9 2014年は実質GDP0%台と予想。
体外リスク次第ではマイナス成長の可能性が高い。
消費税増税を先送りしても長期名目金利急騰の可能性は低い

熊谷 亮丸 大和総研チーフエコノミスト

景気下支え策とともに予定通り消費税はあげるべき
小刻みな増税は短期の景気変動は小さいが2017〜18に息切れして大きな下げ圧、税収は大きく下振れ
増税を見送ると悪影響
中国バブルの崩壊が予想され先送りすると増税が難しくなる。

Screenshot 2014-08-24 02.19.31

www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/02/shiryo04.pdf
よく作られた資料なのでリンクを貼っておく

宍戸駿太郎 国際大学・筑波名誉教授、日米世界モデル研究所代表

消費税を予定通りあげると3〜4年目に非常に大きいデフレ効果がおきる。
デフレ脱却を重視して財政再建は後回しにしたほうがいい。
完全雇用達成(失業率2〜3%)、インフレターゲット2%達成まで増税すべきではない。
新エネルギー開発のための設備投資、余剰の設備と労働時間、家計貯蓄を使うべき。
有給休暇の完全消化は消費を加速させ、代替雇用を増やし経済成長を加速させる。
( ゚д゚)?? 翻訳したけど間違ってるかも

白川 浩道 クレディ・スイ証券チーフエコノミト

財政状況は先進国で最悪
地政学、自然災害、世界経済混乱のリスク増大。
想起に大幅な増税をするとデフレ脱却率がかなり下がる。
失業率が4%近傍まで戻るかもしれない。
失業率が3.5%まで下がると賃金の伸び率が加速的に上がる局面に入るかもしれない。
1%毎の増税の下では将来インフレ率はあがる

武田 洋子 三菱総合研究所チーフエコノミスト

財政の信任が揺らぐ可能性が高まっている。
政府債務、社会保障費の増大。
日本銀行による国債購入額は市中発行額が7割を超え、政府が財政ファイナンスを行おうとしているとの誤解。
企業が前向きな
景気は回復局面
財政の信認が崩れた場合の経済への悪影響の方が大きい
増税分の税収が国民から見て無駄遣いされなかったという納得が必要

中空 麻奈 BNPパリバ証券投資調査本部長

1%づつあげた場合の実体経済のコストは10兆円
歳出を減らしましょう
消費税導入が景気を冷え込ませるとは限らない
世代格差は是正していくべき
消費税導入は予定通りやるべき

浜田 宏一 内閣官房参与、イェール大学名誉教授

歳入は税率で決まるのではなく、税率と課税所
得との積で決まる
消費税増税は大きな賭け、デフレ脱却の芽を摘む
1年づつ順延か、1%小刻みな増税有効
GDPギャップがあり設備が余ってるので投資はうまれない。
世界では経済成長の方が財政健全化よりも重要なのに、国内では消費税は国際公約だと強調されている
財務省の予算分配権の力が増えることが財政再建だと増税派はみているようだ。税率をあげても歳入のプラスにもならない。
具体的な数字で話す企画庁エコノミストの長所は持ち合わせていない(伊藤 隆敏氏の批判に対して)

<第3回 >

井伊 雅子 一橋大学国際・公共政策院教授 一橋大学国際・公共政策院教授

消費税は予定通引き上げるべき
プライマリ・ケア、費用対効果が高い医療制度の必要性

石黒 生子 UAゼンセ副書記長

社会保障の充実と安定、財政健全化にむけ消費税の引き上げは不可欠。
非正規労働者など低所得者はさらに厳しい生活が予測される。
労働法制の規制緩和は行うべきではない。
消費税価格転嫁が速やかに行える仕組みが必要。

工藤 啓 特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長

若い世代に雇用対策が効いているのか。
失業対策が全世代対応になり過ぎていないか。
失業者は求職活動をしている人のことを指す。
15〜39歳の3700万人の20人に1人(2%)が就業していない無業者。
若い世代が保証の枠に入っているのが見えにくい。

小室 淑恵 株式会社ワーク・ライフバンス代表取締役長

長時間労働が成果に結びついていない。
増税するならば国民に時間を返すべきだ。
週50時間以上労働が世界で最も多いが一人あたり労働生産性はOECD33ヶ国中22位
労働時間に対して国家戦略を

永井 良三 自治医科大学長

社会保障体制が整備されないと市場原理に依存すことになり弱者切り捨てとなるので消費税を引き上げてできるだけ早く10%まで。
国民皆保険の維持。市場原理の排除。公的支援。そのための消費税。

宮本 太郎 中央大学法部教授

税制の抜本改革を早急に。
財政再建と社会保障。
消費税の是非を景気動向との関連だけで論じるべきではない。
社会保障機能強化のための消費税増税
軽減税率に頼ってはいけない
給付付き税額控除

横倉 義武 日本医師会長

社会保障の安定的な財源として、税収増加が必要
社会保険診療は消費税創設時から非課税とされている

吉川萬里子 吉川萬里子 全国消費生活相談員協会理事長

増税を実施し国民が安心して暮らせる社会を早く
築いてほしい
税の使用方法と徴税方式の改正
軽減税率とか給付付税額控除なども行う必要があるのでは

<第4回 >

石澤 義文 全国商工会連合長 、富山県全国商工会連合長

地方の中小企業には景気回復の実感が伴っていない。原材料価格の高騰。
企業の社会保険料負担増。経営者が賃金の引き上げにためらう要因。
協会けんぽの従業員・事業者の負担増、厚生年金の負担増
景気の回復に水をさすのではないか。
売上3000万以下では50%、1000万以下では65%の事業者が価格転嫁できない
消費税は消費者が払うものだが小規模事業者はその負担をかぶっている
消費税の滞納発⽣⾦額・件数の推移

岩沙 弘道 不動産協会長 、三井株式社代表取締役不動産協会長

消費税導入は予定通りに
引き上げが揺らげば国債などを通じて金融政策に大きな支障が出る、日本発の金融不安やスタグフレーション
97年当時とは違い企業は雇用、設備、負債の過剰に苦しんでいない

岡村 正 日本商工会議所頭、株式社東芝相談役

消費税引き上げやむ得ない
成長戦略の着実な実行
法人実効税率の引き下げ
消費税を価格転嫁できないと見込んでいる企業が多い
複数税率の導入には断固反対

岡本 圀衞 経済同友会副代表幹事、日本生命保険相互社取締役長

消費税8%、10%あげるべき
引き上げ見送るリスクが大きい
消費税引き上げても経済成長はプラスを維持し、腰折れは回避される見込み
日銀 実質+1.3%,内閣府 実質+1.0% 名目3.1%
10%までは軽減税率導入せず単一税率で

小松万希子 小松万希子 小松ばね工業株式会社取締役長

消費税には賛成
財政収支が赤字なのに消費税を10%に上げても財政健全化できない
消費税を小刻みにあげるのは企業負担が大きい
中小企業存続が難しい。人から人への技術者の継承が断絶する。
国内に産業をどう残すか

清水 信次 日本チェーンストア協会長、株式会社ライフコーポレション代表取締役長兼CEO

25年実施され世界最低の税率である。これほど丁寧に議論している国はない。
今回は反対運動はおこなわかなった。
低所得者の方々へ救済措置は用意しておく必要
総理が1年、2年、3年で代わっていたらだめ。政権の安定をお願い。
消費税には賛成も反対もしない。安部首相に一任する。

鶴田 欣也 全国中小企業団体央会長

消費税賛成
中小企業は売上では改善、収益の改善には結びついていない
価格転嫁対策特別措置法の前に買い叩きが行われている声が食品加工業など小規模納入業者から届いている
駆け込み反動に中小企業が耐えられるか大いに危惧
設備投資減税、研究開発税制の充実を
軽減税率の導入は反対、単一税率で
消費税転嫁 8%の場合:できない48.7% 10%の場合:できない51.1%

豊田 章男 日本自動車工業会長 、トヨタ株式社取締役

消費税の引き上げ、財政の健全化不可欠
消費税を引き上げなければ金利は上昇、国債は暴落、為替相場は不安定化
消費税が引き上げられれば国内新車販売台数は450万台予想が350万台まで落ち込みが予想される(永続的減少)
97年4月の消費税引上げ(3%→5%)を契機に、97年度は前年度比で101万台減少(回復せず)
要因:税負担分の価格効果、家計の可処分所得減少による所得効果
自動車税制、車体課税の見直しをお願い

Screenshot 2014-08-24 23.13.29

樋口 武男 住宅生産団体連合会長、 大和ハウス工業株式会社代表取締役長兼CEO

かつての消費税増税時には新設住宅着工戸数が大体20万~30万戸減少し回復が進まなかった。GDPで10兆円、雇用で80万人の喪失、1,2000億円の税収減。

Screenshot 2014-08-24 23.13.00

今年度は+95万戸をオーバーするのではないか。前年対比で+30%非常に順調。
財政が悪化して金利があがるとローン減税どころではなくなる。

<第5回 >

青柳 剛 群馬県建設業協会長 、沼田土株式社取締役群馬県建設業協会長

消費税すすめるべき
3.11で業界が疲弊した

阿部 眞一 岩村田本町商店街振興組合理事長

消費税が理由で購入をためらうということもない
2015年に10%
1%づつなどたまったものではない

岸 宏 全国漁業協同組合連会代表理事長

2010年と2012をくらべると輸出量で78%、金額面で87%落ち込んでいる→議事録では落ち込んでいるとしていたが、図表から見るに、22%、13%の落ち込み
競り・入札で価格が決定されるため増税分を魚価に反映することができない
軽減税率制度の導入を

坂井 信也 日本民営鉄道協会長 、阪神電気株式社代表取締役

公共交通機関の運賃は10円単位であり、1%ずつの引き上げの場合には転嫁が困難

立谷 秀清 福島県相馬市長

1%ずつは混乱が大きい
消費税で公共事業をする必要はない
被災者が家を建てるのに土建業者が少ない、土地がなく契約ができない

谷 正明 全国地方銀行協会長、福岡頭取

住宅建築、公共工事が校長
社会保障・財政健全化の課題に有効な施策
消費税引き上げは予定通り実施

西田 陽一 おんせん県観光誘致協議会会長

外税表示を恒久的に

萬歳 章 全国農業協同組合中央会長

軽減税率の導入を
供給変動、価格変動が頻繁にある農産物取引では価格転嫁が困難
消費者が負担する消費税が生産者負担に

古川 康 佐賀県知事 佐賀県知事

駆け込み需要の反動減に中小企業の資金供給
高速道路無料化
海外ビザ要件緩和
消費税は予定通り引き上げるをすべき

<第6回 >

青山理恵子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタト協会副長

来年4月、消費税8%は実施すべき
社会保障制度の安定的財源に

大久保朝江 特定非営利活動法人杜の伝言板ゆるる代表理事

来年度の消費税の税率アップは、1年先に
やっと復興計画が打ち出され始めている中で、現消費税率が適用されなくな
る。(新築、土地購入)着手できていない被災者が非常に多い

岡﨑 誠也 国民健康保険中央会長 、高知市国民健康保険中央会長

国民健康保険は医療の最後の砦
低所得者の方々の高額医療費制度の見直し
医療のICT化予防を重点的に

奥山千鶴子 NPO 法人子育てひろば全国連絡協議会理事長、 特定非営利活動法人びーの理事長

消費税率の引き上げに賛成
子ども・子育て関連3法この新制度の財源1兆円のうち、0.7兆円は消費税財源

白石興二郎 日本新聞協会長 、読売グループ社代表取締役

消費増税はやむを得ない
2015年10月の段階で軽減税率を導入
新聞に高い公共性、5%の軽減税率を
国債の額面分に相続税を課さない無利子非課税国債の発行も
8%の見送り

清家 篤 慶應義塾長、 元社会保障制度改革国民議長

消費税財源を確保して社会保障制度の改革はできるだけ早く実現
消費税は逆進性が問題とされるが社会的弱者に対する所得移転

馬袋 秀男 「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会理事長

消費税率の引き上げ行えなかった場合平成27年度介護報酬改定に影響がある
低所得者に経済的な負担の軽減措置を

林 文子 横浜市長

財源確保のためには消費税の引き上げは必要
市内企業の99%を占める中小企業では自社業況判断のマイナス傾向

広田 和子 精神医療サバイバー

消費税は反対
政府でいろいろな委員会があるが、恐らく低所得の委員は入っていない
原発については震度9が来ても
日本国中、お子様天国幸せ通りとつければ、大人も健全
討議の場での質問:「私みたいな(消費税反対の)人が(消費税をあげるための)アリバイ(として)呼ばれているのか」

<第7回 >

植田 和男 東京大学院経済研究科教授

1997~1998年の消費税引上げは、ある程度の景気悪化要因になった
その後、デフレ基調に屈折していくが主因を当時の消費税引上げとするのはかなり無茶
来年4月に仮に3%引き上げると、GDP比1.5%程度の実質所得減
GDP比-0.5%は小さい方で、大きければ-1.5%
現在起こりつつあるインフレ率は、コストプッシュ型
購買力を引き下げて、総需要を減らすリスクがある
長期的な財政の維持可能性、10%に引き上げた程度では日本の財政は破綻
20%ぐらいまで消費税を上げる、同時に社会保障費の抑制
Screenshot 2014-08-26 22.11.13

菅野 雅明 JPモルガン証券チーフエコノミスト

予定通り消費税をひきあげるべき
経済成長率は本年度が2.5%、来年度が0.5%
内外の経済情勢は、消費税率引上げにとって、これ以上ないほど機は熟している
97年の教訓、同年11月に起きた金融危機
金融危機は企業のバランスシート調整の遅れと、銀行の不良債権処理の遅れが原因
成長、財政健全化、2%インフレ目標という順
2%のインフレ実現には、5年ぐらいはかかる
2%インフレ達成に時間がかかるのは、主として賃金の遅行性
決められない政治に逆戻りしてしまうこと。これは成長戦略にとって非常にマイナス

國部 毅 全国銀行協会長、三井住友頭取

消費税率の引上げを予定りに
短期的な景気の下振れリスクに対応するための政策を

中長期と短期の政策をポリシーミックス
日本の企業が抱えている、六重苦の解消に向けた取組、規制緩和、設備投資減税、法人税減税等

高田 創 みずほ総合研究所常務執行役員チーフエコノミスト

予定どおりの税率引上げが望ましい
景気は既に回復局面
97年の増税の環境とは、バランスシート上、大きく違う
消費税増税がない場合と比べ2013年度は、駆け込みで+0.6%、2014年度は、-1.3%の効果
今年度の経済成長率を2.7%、来年度を0.6%で見ている
増税後も景気回復基調は続く
発行量の7割の国債を日銀が購入しているが、財政ファイナンスではないという信認を保つ上で、財政規律、消費税増税による重要性
ポリシーミックスの観点からも、増税への悪影響は、補正予算などほかの政策で対応すべき

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土居 丈朗 慶應義塾大学経済部教授

予定どおりの消費税率の引上げが必要
社会保障には、給付と負担の世代間格差が顕著
勤労世代や将来世代ばかりに負担を求め続けるような、現在の税構造であってはいけない
日本銀行が実態的に財政赤字ファイナンスをしていないことを担保するためにも、財政健全化が必要
物価上昇の分連動して名目金利が上がるかも
財政悪化要因で過度な金利上昇圧力がかかる懸念
毎年1%ずつ増税すると、予定どおりに消費税を増税場合と比べ19.3兆円の減少
成長率が上がり自然増収で埋め合わせるとしたら名目成長率4.57%が必要

Screenshot 2014-08-26 22.20.20

永濱 利廣 第一生命経済研究所主席エコノミスト

来年4月に何らかの形で増税する、景気への最大限の配慮が必要
デフレ脱却からほど遠い
3%上げてしまうと、8兆円以上の家計の負担増
新興国から資金が引き上げられるという状況や、新興国の構造問題、シリアの問題
来年4-6月では年率換算で5%以上の落ち込みを示す
97年の4-6月がマイナス3.7%であったから、それ以上
マクロモデルで消費増税の影響を試算すると、来年の成長率は1%程度押し下げる
1%ずつ段階的に上げる場合、及び2%初年度に上げてその後1%上げる場合、悪影響は軽減される
ヨーロッパ諸国はインフレで金利の水準が高い、消費増税等をやると財政プレミアムの縮小によって金利が下がる(クラウドイン効)
税収弾性値が1.1%というのは若干低いのでは、2%台後半程度はあってもいい
増税をできるだけしない、もしくは小幅にした方が当然経済成長率は高まる
増税をやったからといってプライマリーバランスが改善するとは限らない
政治面や実務面のハードルは高いが、検討に値する
予定どおり上げるならば、それなりの大胆な景気対策が必要

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西岡 純子 アール・ビー・エス証券会社東京支店チーフエコノミスト

消費増税については予定どおり
増税による景気の押し下げ効果は増税回避による市場の混乱の影響と比較すると小さなもの
財政再建という至上命令の達成のために増税だけではなくデフレ脱却
消費増税が長く続くマイナスの影響があるとは私個人は考えていない
成長モメンタムの拡大とデフレ圧力の緩和は非常にしっかりとしたもの、消費増税実施は十分可能
完全失業率と構造失業率を比較し、労働市場が非常にタイトになると実質賃金が回復する
97年は真逆の経済環境(実質賃金が既に下がる局面)
社会保障関係費がほかの政策的支出を既に圧迫している
財政再建に向けた姿勢は維持すべき

本田 悦朗 内閣官房参与、静岡県立大学国際関係部教授

15年間、国民を苦しめ続けたデフレから脱却しつつある
デフレ脱却のまさに今、渦中、増税の刻みを小さくする工夫が必要
雇用の拡大、賃金の上昇、これが絶対に必要
購買意欲が上がってきてインフレが実現する。これには1年半ないし2年かかる
現在、インフレ率があがっているが円安による輸入物価、あるいは電力料金の上昇
3%増税した場合、(資産市場で起きている)期待形成が失敗するのではないか、あるいは、海外のリスク要因に耐えられないのではないか
2014年4月に3%の消費税の増税をすると、実質所得が下がってGDPギャップが戻ってしまう可能性、
日本はデフレ脱却と増税を同時にしないといけない
1%ずつ5年間は机上の空論、実務的に無理といわれるが、外税方式が可能なのでできるのではないか
中小企業による転嫁がしにくいと言われるが法的な措置でカバーできるのではないか。
1%ずつは実務的に莫大なコストがかかることはない、具体的にどういうコストがかかるのかよく分からない
ディマンドプルのインフレは起こってこない
コアCPI上昇は、電気料金とガソリン代上 昇が主因でむしろデフレ促進的

吉川 洋 東京大学院経済研究科教授

消費税率は予定どおりに
日本では社会保障制度が最も大きな所得再分配機能を果たしており、消費税はその財源
短期的経済動向に拘泥すべきではない
13年度は2.8%、14年度は0.6%
駆け込み需要の影響が0.7%
97年は公共投資が7%カットされた年。0.7%くらい、マイナスの下押し
98年のマイナス成長は山一証券の破たん等の金融危機が最も大きな役割
現在のビッグリスクは財政赤字。株価の下落、長期金利の急騰等
先延ばしにつながる代替案を出せば、政府への信認は低下

所感

かなりボリュームがありましたが、もっとまとめられるので、後で所感を交えてまとめます。
今回は、発言の実績、提出された資料をもとに引用が主となっているので、できるだけ解釈や感想は交えないようにしました。
これらの議論がされて1年、消費税があがって4半期が経った今なら、相当言えることがあるように思います。


ga004 オープンエデュケーションと未来の学び(メモ)


ga004 オープンエデュケーションと未来の学び
gaccoの授業のメモと、調べたもの、後から興味のあるところの教科書をまとめたのでそのまま公開。
lms.gacco.org/courses/gacco/ga004/2014_07/about

Week1:オープンエデュケーションとは何か?

1-2.オープンエデュケーションの特徴 オープン教材の制作

OER:Open Educational Resources
OER Commons:5万を超えるような教材が掲載
www.oercommons.org/
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用している。

1-3.オープンエデュケーションの特徴 オープン教材を公開するウェブサイト(1)

Open Course Ware:OCW:オープンコースウェア 大学における教材出版行為/米国MIT
ocw.mit.edu/index.htm

OpenLearn:共同学習を促すような学習スペースを作る/英国
www.open.edu/openlearn/

Open Yale Courses:講義の筆記録が提供されている/大学のプロモーション
oyc.yale.edu/

webcast.Berkeley:大学自前配信。収録配信までを自動化。
webcast.berkeley.edu/

OpenStax CNX (元Connexions)
cnx.org/
Rice Universityが提供するクリエイティブ・コモンズの教材配布システム/結構荒らされてた
教材をモジュール化して再利用しやすいように:レゴブロックシステム
レンズシステム:教材を評価するシステム

1-4.オープンエデュケーションの特徴 オープン教材を公開するウェブサイト(2)

Open Learning Initiative:オープンラーニング・イニシアチブ
oli.cmu.edu/
カーネギーメロン大学
オープン教材を利用。
個別指導が組み込まれている。インタラクティブ。
TeamBasedApproachの教材制作

MEKLOT
www.merlot.org/merlot/index.htm
カルフォルニア州立大
教材の査読など、教材の品質向上や教える側の教育に力点。
teachereducation.merlot.org/

Youtube EDU
www.youtube.com/education
ユーチューブの教育チャンネル

iTunesU
itunes.apple.com/jp/app/itunes-u/id490217893?mt=8
Appleの教育チャンネル

Khan Academy
www.khanacademy.org/
カーン・アカデミー
ショートビデオ動画による教材提供の草分け
ラーニングログの提供。

1-5.オープンエデュケーションの特徴 オープン教材を使った学習コミュニティ(1)

OpenStudy
openstudy.com/
学習者同士のコミュニティ

Western Governors University
www.wgu.edu/
アメリカ19州の連合がつくったオンライン大学。学士や博士号を取得できる。
全米から48,000人の生徒

University of the People
uopeople.edu/
高等教育を非営利で提供する大学

1-6.オープンエデュケーションの特徴 オープン教材を使った学習コミュニティ(2)

オープンバッチ:学習経験値、いわゆる実績解除的なメダル。モジラの財団

Week2:MOOCとは何か

2-1.MOOCとは

Massive Open Onliune Courses
数週間で学べる学習コースを開設し大規模に教育を行う。

cMOOC
個人によるオンライン講座、ブログなどでの知識構築
Connectivism and Connective Knowkedge

xMOOC
大学レベルの教育をオンラインで実施

2-2.MOOCの事例

MOOCプロバイダ

Coursera
www.coursera.org/
スタンフォード発、世界の有数大学がパートナー、日本からは東大が参加

Udactiy
www.udacity.com/
大学ではなく教員によるMOOCの開講できる。/スタンフォード発

lversity ドイツ
iversity.org/
教育ベンチャー企業

Semester Online
2u.com/semester-online/
米国大学連携のMOOCs

novoED
novoed.com/
教育ベンチャー企業、見たところチーム学習、チューターによるクラスルーム形成をしているよう。

MOOCコンソーシアム
edX
www.edx.org/

Open edX
code.edx.org/
edXを支えるOSS Framework

FutureLearn
www.futurelearn.com/
英国

france université numérique
www.france-universite-numerique.fr/
おフランスのぬめりけ/なんでnumericなんだろと思ったらデジタルっていう使われ方っぽい

学堂在线
xuetangx.com/
ちょんごーのざいちぇん。ざいちんと掛けてるのかな。

رواق
www.rwaq.org/
さうじあらびあ(タイトルが読めもしませんでした…)

ざっと見た目、自分で(aboutページで)MOOCと名乗っているのはlversityぐらい。
それもMOOCsとsがついていた。courseraとかUdactiyとかをsite:検索しても自称はなさげ。
MOOCって誰が言い出したのか的な??
edXはMOOCsと名乗っていた。MOOCプロバイダとコンソーシアムの違いが微妙。sをつけるべきではないのかという気がした。

2-3.MOOCの特徴

オンラインで閲覧できる教材、資料やビデオ、クイズ。
参加、離脱が自由
修了証の発行される
終了率が10%程度。
自学自習だけでなくオンライン上のディスカッション
オフラインのミートアップ
学費がかからない

2-4.MOOCと大学教育の融合

Georgia工科大がUdacityを使って8人の教員追加で1万人の生徒を教える
HarverdX for Alumini 卒業生向けオンライン講座
DAVIDSON,CollegeBoardが高校生向け
SJSU Plus サンノゼ州立大

2-5.MOOCへの批判

大学の自由を奪う
トップユニバーシティだけが開発・公開する
高いドロップアウト率
効果に疑問、普及と底上げにはならない?

Week3:オープンエデュケーションが進む背景と課題

3-1.オープンエデュケーションの背景 理念的側面

Open Textbook
セイラー財団 オープン教科書を提供
オンライン大学 Excelsior College
www.excelsior.edu/

3-2.オープンエデュケーションの背景 実利的側面

MIT OpenCourseWare
ocw.mit.edu/index.htm
Western University
www.uwo.ca/

3-3.社会課題に応えるオープン エデュケーション

3-4.オープンエデュケーションの課題オープン教材について

教材のメタデータ、ディスカバリ性が低く発見しずらいので、既にジャンルでカテゴライズされている教科書をどうしても利用してしまう。

MERLOTがピアレビューシステムを、Connexionsがレンズシステム
学歴を身につけているというシグナリング(ラベリング)
教師付き学習・行動模倣・まねしてやらない
強化学習・試行錯誤・やってみる
徒弟学習・意図の模倣・理由を探る

3-5.オープンエデュケーションの背景

Week4:オープンエデュケーションが変える学びと社会

4-1.「デジタル化」が教育に与える インパクト

デジタル化
オープン化

4-2.「オープン化」が教育に与える インパクト

4-3.教育の「イノベーション」とMOOC

4-4.オープンエデュケーションがもたらす多様な「学び」

生涯学習としのてオープンエデュケーションの仕組み
OER MOOC:Open Educational Resources
xMOOC:体系的に教えることができる内容について
cMOOC:明確な知識体系が定まっていない分野について
協同的な学習機会の場として
Ivan Illich Learning Webs
イヴァン・イリイチ:脱学校論「教育のための網状組織」
ichinichibana.wordpress.com/tag/%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%A4%E3%83%81/

www.preservenet.com/theory/Illich/Deschooling/intro.html

著作権 フェアユースに相当する国内法がない

4-5.オープンエデュケーションと未来の大学

Project Kaleidoscope (PKAL)
www.aacu.org/pkal/
米国大学間連携 教員グループがSTEM(理数教育教材)を作成、相互評価や改善を継続するための仕組み

DScribe Open.Michigan Wiki – University of Michigan
open.umich.edu/wiki/DScribe

4-6.オープンエデュケーションと 未来の学び