国宝がみたいので国宝展にいってきた


2014-12-06 18.52.56

120点もの国宝が集結するという。いかねばなるまいと思っていて、ついつい会期の最終日一日前になってようやく駆け込みでいってこれた。20時まで閉館時間を延期に感謝。
東京国立博物館の中にはいるのは初めてかも。うん。

さて、国宝展の詳細レビューはいろいろなヒトがもうやっていると思うし、どうせ会期も明日で終わりなので独断と偏見にまみれた感想をわすれぬうちに。
kokuhou2014.jp/

No04. 直刃 号 丙子椒林剣

はいってすぐのところにある。聖徳太子とゆかりがある細身直刃のこぶりな刀。
装飾刀に近くあまり実用性はなさそう。造りが独特な感じがした。レイピアっぽい。日本刀の作成技法が出来る前の現存する刀だそうだ。
3重ぐらいのヒトの頭越しでよくみえなかったので、手をのばして頭上越しにアイフォンでぴろーんって撮影したら、「撮影だめ、消して下さい」って立ち会いのもと消させられた(´・ω・`)刀も撮影禁止なんだね。。。

フラッシュとかで絵が焼けるからってので撮影禁止なのはわかるんだけど、なんで刀とかもだめなんだろうか?所有者との契約の問題?それとも撮影会になってしまって観覧者がさばけなくなるから?信仰物系もあるから?詳細を後でみたかったのになー。撮影禁止って書いてなければ撮って大丈夫だよってネットでみかけたんだけど、聞いたら国宝展ではそんな場所はないそうです。残念だね。なんで撮影禁止なんだろうね?
www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%99%E5%AD%90%E6%A4%92%E6%9E%97%E5%89%A3&espv=2&biw=1117&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=kFGDVLfTGNC48gXooYCwDw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch&q=%E4%B8%99%E5%AD%90%E6%A4%92%E6%9E%97%E5%89%A3+%E5%9B%BD%E5%AE%9D
参考画像もあまりいいのがありません・・・。

No28. 地獄草紙

列が動かなくてちっとも見れない人気の作品でした。なのでほとんどみれませんでした。どふ。
が、ニワトリ地獄とか解説がちょっとおちゃめで想像たくましく、おもしろうそうげ。じっくり見てみたかったです。
普段は奈良国立と東京国立にあるようで、奈良の国立のほうでWebサイト上にあります。
www.narahaku.go.jp/collection/v-644-0-2.html
> 第一段糞屎泥地獄、第二段凾量地獄、第三段鉄鎧地獄、第四段鶏地獄、第五段黒雲沙地獄、第六段膿血地獄、第七段孤狼地獄
あー、WEBページでおちゃめな解説と迫力が再現できてない。なんだこのくそフラッシュ。

No41. 普賢菩薩像

あまりみられていなかったけど実物はその他の国宝とくらべても図抜けてよいとおもいました。
www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A1
www.tnm.jp/uploads/r_collection/L_C0016809.jpg

No43. 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図 第四幀

www.chusonji.or.jp/guide/culturalassets/
紺地の紙の色もみないような色ですし、遠目に見ると金彩で描かれた塔なんですが、これ全部細密な文字(経?)なんですね。いってみりゃアスキーアートなんだけど、なんていうかその他の部分も含めて実に緻密。まさに気の遠くなるような曼荼羅図をみた気がしました。

No48. 土偶 中空土偶

土偶の中でフューチャリングするのは中空土偶です。その他の国宝土偶は女性をかたどったセクシーな感じなのですが、この中空土偶はたぶんおっさんで、何かへその部分とかあごひげの部分とか、籐みたいな中空植物の茎とかでスタンプしたようなひげだとか、へそ毛とかが表現されてて、うわぁむさぁ・・・と思いました。あと、なんか格好がモンゴル相撲っぽい。
そのほかのビーナス土偶については、裏にまわりこんで見ると結構いろいろな発見があると思います。仮面の女神の後頭部のなんと表現したものでしょう?男性器のような後頭部と、素焼きで焼いたら絶対割れるからやめとけというような感じのほそづくりの浮き造形がいくつもあって、これは焼くのも大変だったんじゃないかとか思いました。縄文時代の技術の高さを思い知ります。

No59. 短刀 銘 来国俊 正和五年十一月日

出刃包丁と柳刃包丁を足して2で割ったような短刀。5mm程度の肉厚さと、鋭い切っ先、直刃。
品があるとてもいい作でした。とてもいい。もう一回見に行ったぐらいよい。
www.atsutajingu.or.jp/jingu/bunkaden/possession/19.html
www.atsutajingu.or.jp/jingu/bunkaden/possession/

No85. 孔雀明王像

よいですね。
www.emuseum.jp/detail/100158/001/003?word=&d_lang=ja&s_lang=ja&class=&title=&c_e=&region=&era=&cptype=&owner=&pos=9&num=8&mode=detail&century=

No91. 金銅密教法具

地金の色は気に入らなかったんですが、五鈷杵や三鈷杵がセットになっているのは見たこともないなと。なんかカブトムシとかクワガタとかヘラクレスを並べられているような感じで妙なワクワク感がありました。
www.pref.hiroshima.lg.jp/site/bunkazai/bunkazai-data-101040050.html

No108. 飛青磁花生 龍泉窯

姿も美しいですし、デザインもその色合いもみたこともない感じでファンタスティックでした。ファイヤーキングのガラスかってぐらい釉薬がガラス化しててどんな窯なんだろうとか不思議におもったんですが、日本の作でないというのを聞いて、あぁなるほどねっと。
www.sumitomo.gr.jp/related/masterpiece/03/index.html

No109. 玳玻天目 吉州窯

たいひてんもくと読むようです。こちらも海外作の国宝ですね。
どれか一個もってかえっていいよッて言われたら、間違いなくこれ!!次点で短刀の正和五年十一月日かな。
日本書紀とか、土佐日記とか文化背景までを含めての国宝も多かったのだけど、来国俊の刀も、玳玻天目茶碗も、まあ上にあげた個人的に気に入ったものは単純に美術品としてのバランスだとか、それを作るための技術に粋を感じて評価しています。でも、その中でも玳玻天目茶碗は、なんだこりゃどうなってるんだ!?って感じに素晴らしかったです。
bunka.nii.ac.jp/db/SearchDetail.do?heritageId=71152
ありゃ、この写真こんなか、残念ですね。今日みたものと同じものとは思えない写り映えです。
実物は、光が屈折するんでしょうな。多層構造になっているのか、角度によって色目や文様がかわるので、すごい面白くてぐるぐる周りをまわってしまった。
あの茶碗があればしばらくニヤニヤできますね。三代将軍家光の長女に嫁いで来てもらわないとダメな代物なんですが。

No115 普賢菩薩騎象像 (大倉文化財団)

仏像の表情もいいんですが、乗っている象がこれまた素晴らしかったです。まだ象がみられたことがない時代(12世紀)の作なんですが、牛っぽいお尻に骨盤を感じさせる膨らみがあったり、よくよく前足をみると膝の部分にもういっぽんの指?があったりして、とてもおもしろい!
これの作者はなんていうか真面目なやつというか、おもしろいやつというか、たぶんいいやつ!
ま、冗談さておき細部に見入っても発見が尽きない作品というものを後世にまでのこせる才というのは素晴らしいなと感服つかまつりて候。
www.google.co.jp/search?q=%E6%99%AE%E8%B3%A2%E8%8F%A9%E8%96%A9%E9%A8%8E%E8%B1%A1%E5%83%8F+%E5%A4%A7%E5%80%89&espv=2&biw=1117&bih=706&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=MkGDVMbwGeXZmgWmzoHACw&ved=0CAYQ_AUoAQ#tbm=isch&q=%E6%99%AE%E8%B3%A2%E8%8F%A9%E8%96%A9%E9%A8%8E%E8%B1%A1+%E5%9B%BD%E5%AE%9D

国宝展レポは以上になります。
以上、120点のなかからお気に入りの国宝でした。

・・・。
ひといっぱいで疲れました。

常設展の会場にもそのままいけるのでそちらも愉しみましょう。そっちのほうが見応えがあります・・・。ヒトも少ないし。アジア館の階段なんてホコリが積もってるぐらい・・・。
なにげに本館にも国宝があって、長船長光とあったし。刀剣ではやっぱり長船が私は好きですな。
思えば小学校の頃初めてひなびた地方の博物館でみて名前を記憶したのも長船長光であった。やっぱり日本刀を個人的な好き嫌いで言えば長船がいいなーと。
ここには珍しい長槍もあって、嬉しくなりました。
www.emuseum.jp/detail/100191/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E5%85%89%E5%BF%A0&class=&title=&c_e=&region=&era=&century=&cptype=&owner=&pos=1&num=3

あと、何があったっけかなー。
法隆寺宝物館の1Fの仏像ずらーのところで、ほぼどれも面長頭でっかちの4頭身なんだけど、右前前列右から3番目ぐらいになんか初音ミクかって感じのフィギュアっぽいスタイルとポーズがあって、なんかすげぇなって思った。気のせいかもしれない。
www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=3903

他にもいろいろおもしろいものがあったのだけど、あんだけ人だらけだったのに「あなたが国宝ですか!」とか、国宝級美人に声を掛けられなかったのが残念だったぐらいです。
国宝をみて気分が高まったところにある、鶯谷のラブホ街とうち流しのコンクリの床の起伏がすばらしい木造駅舎でどーんと現実に引き戻されたので国宝展は終了となります。


アベノミクスとか金融と経済とかのとある意見


かいつまんで、都内某所で金融と経済のmoocの反転授業で聞いたとある先生とよばれる人の現状見解をまとめてみる。
まあ背景を説明したうえでの極論なので、極論だけをまとめると怒るひとがいそうなので誰が言っていたかは伏せます。
そういう見方もあるなー程度に。ドゾ

  • アベノミクスは名目物価をあげるとはいっているが実質をあげるとは言っていない。
  • 物価はあがるが賃金上昇が伴わなければその分貧しくなる。
  • 年収450万の人は物価上昇と消費税あわせて年18万負担が増える。18万以上給料があがってなければ生活が暗くなる。
  • 短期的な未来の予想は難しいけど10年先の未来を決定する要素はすくないからわかる。
  • 国債発行残高と国内資産額がとうとうイーブンになった。あとはインフレさせるか税金をあげるしかない。
  • インフレさせるというと聞こえがわるいからデフレ脱却といっている。
  • 日本はあと数十年は貧しくなる一方だ。
  • 姥捨て山をつくるしかない。世代間闘争になる。
  • 生活を維持したければ日本人は昔のように働け。休みは正月三ヶ日だけだ。隠居するな死ぬまで働け。
  • 数年で女性活用なんてできるわけがない。人が育つのに何年かかると思ってるんだ。
  • ブラックカンパニーのようになるしか今の生活を維持することはできない。
  • 日本が貿易黒字だったことなんて、弥生時代から2,000年間のあいだでわずか数十年しかない。
  • 技術はだれでもあつかえるようにできるもののこと。
  • 日本は技術立国なんかじゃない。職人芸はあっても日本発の技術なんてない。
  • 途上国のほうがいまや最新の工場、設備機械をつかっているのに教えられるわけがない。
  • 日本は貿易立国なんかじゃない。韓国は80%、日本は2~3%しかない。
  • 日本は内需国だ。
  • 米と味噌をくってれば栄養素は足りる。鎖国ができるぞ。だが食料自給率が足りない。
  • 失われた20年っていうが経済成長は名目も実質も伸びている。
  • 1997年の細川内閣で消費税をあげられなかったのがポイントオブノーリターンだった。
  • 政治家がバカなんじゃない。選んでいるのは国民なんだから我々がバカなんだ。
  • 数十年かけておかしくしたものが治るのには数十年かかる。
  • ドイツはユーロ圏があるが日本には日本円圏しかない。
  • アメリカに宣戦布告して翌日に降伏すればアメリカの属国になれる。
  • 消費税増税しても国債の利払分にしかならない。インフレにするしかない。
  • 日本の実効税率は他の先進国に比べて低い。アメリカは除く。
  • ∴税金はあがるし、物価もあがる。

個人的感想。

なるほど、安倍政権は景気をよくするとは言っているけど、誰の景気はとは言ってないね(´・ω・`)
1の矢はともかく経済成長や財政規律のところは増税で完全に挫けたなと思ってたんだけど、最初から確信的だったのかもね。日銀は中央銀行としての独立性と物価安定のための機関としての役割を捨てて、財政ファイナンスをしていると判断されてもしかたないなと思っているんだ。政府も消費税増税時に議論していた財政健全化なんてやろうともしてないし。

国内の銀行による信用再創出に限界がくると国債の引受先がなくなるから、中央銀行が支えるというような真似事をしなきゃいけなくなって、そりゃマイナス金利とかになりますわいな。なるほど今が分水嶺というか、緩衝作用の滴定限界なのかもね。緩衝が崩れると早いから注意しなきゃ。ま、逃げようがないんだけど。

でも、税金をあげるしかないっていうのと、日本は実効税率が低いってところはなっとくいかないな。
たしかに個人所得の課税所得で1,000万以下はかなり低いほうだけど、でも累進性が高いし。
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/028a.htm
www.pwc.com/jp/ja/tax-keywords/effective-tax-rate.jhtml

財務省ペーパーだと必ず地方税がアメリカのなかでも高いカルフォルニアが出てくるけど、ここらへんのデータこそ鵜呑みにしちゃいけないと思うんだよね。
あと、比較値にでてこないもの。法人税の実効税率とか、実際のモノやヒトが動いたときに発生するお金。共益費だとか、NHKとか年金とか健康保険とか、電気代とか通信費とかいろいろあるじゃない? 最低限の生活を維持するための維持運用費用が高い。税金とは別の扱われ方をするけど、天下ったところがあれしてるだけでこんなん正味のサービス価格じゃなくてかなりの割合に税金的な要素がのっているよね。

そこらへんで、関係費がでていくから、建てたとたんに価値が半分になる不動産とか、高い土地代とか、固定資産税とか、相続税とか。建物にかかる税金が高くなるから家賃もあがる。
ここらへんが全部積み上がって国内総生産、内需をおしあげているだけで、すっきりさせたら、もっと惨状なんじゃないかな。労働力や資産、そしてそこにかかる税の仕組みをなんでリファクタリングしないんだろうと思うんだよね。法律とか税とかパッチだらけじゃない。法律なんかコーディング規約もないんだぜ。

各国の可処分所得で検索して、データをみると、11カ国の1世帯当たりの正味資産額平均値(市場レートで換算)で日本は平均で325,400ドル(105円換算で 3,400万円)もあることになってるんだけど、そんな資産があるわけないじゃない? 取得時価格で減価償却するだけで、時価評価による価値算定とかしないから、おかしな値になってるだけなんじゃないかなと思いますよ。

GDPの押上げにつかわれている、公共投資だってこれが人件費に流れてればまだいいんだけど、相当の部分が耐久消費財に使われていて、それって輸入品だよねとか、その維持費用や廃棄費用のことどう考えてるの?と、ちょっと問い詰めたくなりますよね。

あと失われた20年は国内総生産でみるんじゃなくて、国民の消費行動とかでみるべきなんじゃないかなって思った。
国民の可処分所得や消費行動が端的に現れる住宅価格の推移を見れば、

住宅価格

www.stepon-contents.jp/contents/column/ig/201107_01.gif
www.stepon-contents.jp/contents/column/archives/2011/07/post_57.html

国際比較で見る1世帯当たりの資産と負債
www.nli-research.co.jp/report/econo_report/2007/ke0706.pdf

まあ97年当時の円高を基準にして国際比較をするのもあれなんですが。やはり1面だけとらえて成長をしているというのは難しいのでは?

あと国債発行残高ふやしてるんだし、実質国内総生産額みて経済成長はしているというなら、国債分も割り引いて考えてやらないとだめなんじゃないの?

国債残高

実質GDP

最近20カ年間の年度末の国債残高の推移

つか、国債を毎年3~40兆円発行してて、この20年で普通国債で580兆、建設国債で120兆円も増えてんのに、毎年50兆投資して国内総生産が5兆も増えないっておかしいよね。
いやおかしいんだよ。実際。

われわれのやっている施策は正しいんだとの論拠のためにゲタ履かせすぎて、もうなんだかよくわからないことになってるよね。粉飾の塊すぎて、なんかもう判断もできないや。オープンデータなんで夢の夢だな。

財務省ホーム > 国債 > 関連資料・データ > 国債等関係諸資料
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/
内閣府ホーム > 統計情報・調査結果 > 国民経済計算(GDP統計)
www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html


噴火と月と予見について


御嶽山での噴火で亡くなられたかた、親しい人の安否がまだわからず不安に暮れている方、そしてなにより目の前にいるのに助けられなかったなど自責の念にかられている方、やがて、いずれ、平穏な日々がいずれおとずれることを願ってやみません。

天候不順が続いていてからの紅葉の入り絶好の行楽日和だったのが災いしました。
しかもこれ以上ないほどタイミングが悪いことに、みんながお昼を食べようと人が頂上に滞留する時間を狙ったかのような噴火。ほんの数日、ほんの数時間早くても遅くても今回と被害は1桁以上違ったことでしょう。これ以上悪いタイミングはなかなか思いつかないほどです。

タイムライン

9月 9日 台風14号通過
9月 9日 中秋の名月
9月10日 スーパームーン(月が軌道上、最も地球に近づくためとても大きく見える日)
9月10日 御嶽山52回の火山性地震を観測
9月11日 御嶽山85回の火山性地震を観測
9月12日 御嶽山10回の火山性地震を観測
9月13日 御嶽山 7回の火山性地震を観測
9月14日 御嶽山 8回の火山性地震を観測
9月15日 御嶽山27回の火山性地震を観測
9月16日 御嶽山12回の火山性地震を観測
9月24日 台風16号 温帯低気圧に変わり愛知方面へ
9月25日 未明 大雨により名古屋の東山線が水没
9月27日(土) 11時52分 御嶽山 噴火(水蒸気)

噴火にあたり得られた知見

地震計、傾斜計、空振計、衛星測位を常時監視していたが山体の膨張が確認されたのは噴火のわずか7分前。
噴火警戒レベルの引き上げは噴火の前兆を捉えることが前提となっているので今回のように前兆が観測されない噴火はそもそも減災対策としては考慮が足りないように見えます。

御嶽山の山頂の地震計、昨夏から故障していたとの報道もあり、もしかしたらこれがあればもっと局所的な火山性微動を拾えていたかもしれない、、、が、いずれにしろこの程度の変化の現れでは噴火の予見はできなかったであろうと想う。水蒸気爆発であった場合、そもそもこれらのセンサー類の高精度化の延長線上では予見はできないということなのか。

噴火と月

東日本大震災のときに地震と潮汐のデータを移動平均とかをとりながらクロスをしたりてデータを眺めていた。素人論考だが、開放マグニチュードと潮汐にはそれなりの相関をグラフ上にみてとることができたきがする。相関係数まで出して傍証するところまではたどり着けなかったのだが、昭和の学者にがんばって相関ありと結論をだしていた人が居たので、これだけデータが揃っているので時代がそれなりにすすめば研究者がまとめるんだろうなと他力本願。

で、その当時、世界中の噴火の情報と世界中の地震の情報を集めて、火山のVEI(火山爆発指数)と地震のマグニチュードをデータベースにぶっこんでいろいろ角度かえてみたのですが、まあタイムスケールとか、規模とかが指数化しても違いすぎて有意化できずにほっぽったスクリプトがあったことを思い出しました。つくりかけだけどそのままURLのリンクを貼っておきます。まあ自分でつくっておいてなんですがつくった意味をみいだせない程度の代物なので、だめでしたという報告になるのかな。
kuippa.com/volcano.php

地震と潮汐は関係ありそうだと仮定したのは、そもそも潮の満ち引きというのは月の引力と太陽の引力変化の関係を結果として観測できるものです。本当は引力変化のデータセットがあればいいのですが、そんなものはないので、その代替品としての潮位を利用しました。

月は約12時間周期で1周して、それにつられて海水面が満ちたり引いたりする。つまり海面の高さが上下する。これは地球-月-太陽の順にならんで引力の方向が太陽と揃うときに海水面が高い大潮、逆に一番揃わないときに小潮となります。

www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/choseki.html

これらの変化はなにも海水だけではなく、岩石にも影響します。地球潮汐とよばれる現象で一日で30cmの変動があるとされています。固そうな岩盤も満ちたり引いたりしているわけですね。(個体潮汐)

そもそもプレートがこれらの潮汐の結果なので、そこからくるプルームやマグマの上昇と噴火は大きいスケールでは切り離すことができない。エネルギーが溜まりきって噴火にいたるというキッカケの部分でも、それなりに考慮に値するのではないかなと想うわけです。

で、そういえば噴火と潮汐はぶつけて考えなかったな、と。
というのは、直感的に噴火を湯の突沸のようなものと考えていたので、加わる熱量との関係のみできまるだろうから、そんなものは吹き出してみるまでわからないし、タイミングが予見できたとしても、巨大地震との関係性をみいだせるかどうかぐらいだろうと思っていたからです。

しかし、今回のようなマグマの噴出ではなく、水蒸気タイプの噴火であれば、潮汐とぶつけたら何かでるんじゃないかなと。というのも9/10あたりに火山性微動があったとの報道をみて、ちょうどその時は中秋の名月、そしてスーパームーンだったなと思い出したんです。

満月 2014年9月9日(火)10:38
新月 2014年9月24日(水)15:14

名古屋湾近郊の潮位変化のグラフをみてみましょう。

Screenshot 2014-10-02 00.40.20

9月10日のあたりに、月の軌道が地球の側に寄った上に、ちょうど大潮状態だったと。

地震の場合は、一番振幅の大きいタイミングから1~2日たってピークブレイクに起きるケースが多かったのだけど(5日程度の移動平均曲線と2日程度の移動平均曲線がクロスするライン)、そんで27日というとちょうど次の大潮のタイミングですね。

山の地下水の浸潤って数十年とか数百年単位だとおもうので、台風は関係ないかもしれませんが、小潮とかでストロー現象で岩盤間の地下水同士がつながり、大潮のタイミングで吹き上がってきた熱水反応とか、偶然かもしれませんが仮説程度には考慮の余地はありそうです。
どうかな?無理あるかな?
ちょっとあるね。

阿蘇山

せっかくなのでごく最近、これまた噴火警戒レベル1のまま噴火したので個人的には驚いた、阿蘇山でもみてみましょう。

Screenshot 2014-10-02 00.41.10

8月30日、31日 熊本県・阿蘇山の中岳第1火口 小規模噴火

あ、これまた大潮の下りかけのところ。結構いけてる予測な気がしてきました。
まあ、地震と同じく忌避日はわかっても予想には役立ちませんが。
もっとももうこういうのは火山学者には既知なのかもしれませんね。

その他

わたしが第一報を知ったのはツイッターで流れてきたyoutubeの噴火に巻き込まれるという動画でした。ニュース速報に触れるよりも早く、そして動画があまりにも緊迫感のあるものであった故、驚いた次第です。初期のニュース速報では「岳」の漢字で報道があり東京都の奥多摩の「みたけ」かと一瞬おもったのですが、長野、岐阜の県境の「おんたけ」でした。いずれにしても著名な山。それほどの山であってもなんの前触れもなく登山者が頂上を目指している最中に噴火してしまうのかと、本当に驚きました。

噴火を予見したような書き込みがあり、噴火男と呼ばれているという人がありましたね。
うちの父親も、登った山が翌週だとか翌月に噴火したとかいう経験が2度ほどあって本人のネタになっているので、「なに、御嶽山も登ってきたの?」って聞いたら「みたけなら先月のぼった・・・」と言われました。

・・・。

引用元等

>
噴火7分前、山体の膨張を観測 気象庁、予知は困難か
噴火が始まる約7分前に山体がわずかに膨らむ変化が観測されていたことが分かった
www.asahi.com/articles/ASG9Y0J13G9XULBJ01R.html
<<

>
御嶽山の噴火のニュースで困惑したこと
finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2014/09/post-dde3.html
9月10日からの火山性地震及び火山性微動の回数(速報値を含む)は以
下のとおりです。
             火山性地震 火山性微動
 9月10日        52回     0回
 9月11日        85回     0回
 9月12日        10回     0回
 9月13日         7回     0回
 9月14日         8回     0回
 9月15日        27回     0回
 9月16日(15時まで) 12回     0回
<<

御嶽山噴火で勝間和代氏に非難の声!「大規模噴火は数千年に一度。警戒は無駄」
matome.naver.jp/odai/2141182494501618101
動画を確認したが、勝間氏がそのような旨で発言したとは汲み取れない。タイトルは釣りですね。

入札価格のハードの方が99.9%のほうが気になった。
さすがに…とも思ったけど、想定しているハードの見積もりを各社とってから、その中から想定スペックをあげてその価格を予定価格にしたのであれば、そんな感じになるのかなと。
火山の観測装置とか民生転用もできないから、インテグレーターがいくら集まっても、お付き合いで入札が1社になるのもやむない話しなのかなとも思った。まあそういうのをパージしちゃうと誰もやる会社なくなって技術が断絶しちゃうんだろうね。

御嶽山頂の地震計、昨夏から故障 噴火時、観測できず
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140930-00000019-asahi-soci
山頂付近に長野県が設置した地震計が、昨年8月から故障で観測できない状態だったことが30日、わかった

国立天文台の情報より
www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/suisan/suisan.php

新月・満月の時刻表 最新2014年度版
eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/

国土交通省>気象庁
ホーム > 各種データ・資料 > 海洋の健康診断表 > 潮汐・海面水位に関する診断表、データ > 潮位表
www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/suisan/

地球潮汐 - 陸地の干潮・満潮
www.eri.u-tokyo.ac.jp/okubo/ResearchHP/HP38.EarthTide.pdf