ぼっち主義はシゾイドパーソナリティ障害


シゾイドパーソナリティ障害(スキゾイドとも言う)というものがある。

  • ぼっちが好き
  • 他者と親密な関係をもちたいとは思わないか、あるいはそれを楽しく感じない
  • 親しい友人、信頼できる友人がいない
  • 性体験への興味がもしあったとしても少ししかない
  • 喜びを感じられるような活動がもしあったとしても少ししかない
  • 賞賛にも批判に対しても無関心にみえる
  • よそよそしさ、超然とした態度あるいは平板な感情

4つ以上当てはまったら君も立派なシゾイドパーソナリティ障害だっ!
障害とあるが一般人口の7.5%と結構な割合に及ぶそうで、男性のほうが女性より2倍多い。遺伝起因。
社会生活を営むにあたり、他人に迷惑をかけるわけでもなく本人も生活する上で困ることが何一つない。そんな障害。

口数少ない職人気質のオヤジさんのイメージだろうか。あれが多分シゾイドだよね。
なんかこれをみて、凄く腑に落ちた。多分俺もスキゾイドだなと思ったわけです。

世の中には理性が負けちゃう性欲異常者がいるように、理性が強すぎるのも後天的な性格形成の問題だと思っていました。男性の発現率が2倍ということは劣勢遺伝かね。7.5%ともなるとかつて見合い結婚とかで結婚してた層とかはまるごとシゾイドなんじゃないかなとも思える。

  1. ぼっちでいることが苦にならず、むしろ性に合っている
  2. 他者への関心や関わりへの欲求が乏しい
  3. 流行やファッション、外見にも関心がない
  4. 自分から話し始めることを避ける
  5. 時に奇異な喩えを使うことがある
  6. 無生物や形而上学的概念に魅了されたり、数学、天文学、哲学的運動に興味をもつ
  7. 他人の賞賛や批判に対して無関心に見える
  8. よく知らない人と親密であるという不確かに我慢が必要

特徴抽出をおこなうとこんな感じだろうか・・・。心当たりありまくる人はいないだろうか。ありまくるんですけど・・・。世の中にはさみしがりやが居る。おしゃべりがいる。多動なやつがいる。枯山水の前に座らせたら3分と我慢できない人もいるのは想像もできる。でも黙って座らせたら枯山水楽しんじゃったりしてずっと座ってるようなやつもそれはそれで障害だということか。そもそも遺伝レベルで個体ごとにそれほどまでに興味関心にずれがあるとは思っていなかったな。ふむ。

学校で一緒に昼食をとる友達がおらず、便所の個室でご飯を食べるのを便所飯というそうな。便所飯のひとは確かに孤独であるが、他者からの目が気になっているという意味ではシゾイドではないのだろう。別に他人からどう思われようがあんま気にならなず、景色がいいところとか、そういう自己の価値観で気に入ったところで飯を食いだすんじゃないかと思う。屋上とか日当たりのいい土手とかね。一人でそういうところに行ってしまうやついなかった?きっとそういう奴。

異性にモテたいのにモテないのでこじらせてしまったり、友達が欲しいのにできずに鬱憤がたまってしまったり、自己の評価が不当だと感じて鬱積してなにかの複雑性とからまったりなんてことがシゾイドにはない。欲求が薄いので犯罪には走らないが、同時に名誉をあたえても金をあたえてもそれをモチベーションに釣ることができないので組織としてはちょっと度し難い。仕事のできるできないの個人の能力とは別なのもちょっと分かり難くい理由なのかも。
そういえば西郷隆盛は「命もいらず名もいらず、官位も金も要らぬ人は始末に困るものなり。」と評されたそうだ。まあ使うほうからすると困るよね。

いやぁ、こういうのは後天的な体験から形成された価値観だと思ってたんですよね。
変な喩えとかを使うのも、暗黙的に知っている知識が違うので、その暗黙知のすり合わせができてないから伝わらないとだけ思ってたんだけど、そもそも暗黙知がずれるということが既に興味が他にむいているということだと。
それぞれの項目を自分の体験とヒモ付て、なんでこういう価値観になったのかというのを結論づけていたのだけど、自分は気質として他人からの評価をそもそも気にしない傾向があるので、ほっておくとどんどん仙人化するから気をつけようと思えるようになっただけでちょっと収穫かもと思いましたとさ。

そんなわけで、今日は誕生日でした!(こういう空気の読まなさがシゾイド

**参考
www.e-heartclinic.com/kokoro/senmon/spd01.html
シゾイドーソナリティ障害は一般人口の7.5%、喜怒哀楽の感情、他者への関心や関わりへの欲求が乏しく周囲からの評価には無頓着、流行やファッションと無縁。無生物や形而上学的概念から数学,天文学,哲学的運動に興味。孤立した生活様式。時に奇異な喩えを使うことがあります。

ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%82%BE%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E9%9A%9C%E5%AE%B3

「あれかこれか」ではなく、「あれもこれも」を追求するモラトリアム人間は、心理的性格としてシゾイド(分裂症)的だと言われます。
www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/2663/okono/3.htm

「命もいらず名もいらず、官位も金も要らぬ人は始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業はなし得られぬなり」
sasakitsuneo.jp/leader/04.html


スコットランド独立がどうこうのあれこれ


初めてのあてもない一人旅はスコットランドだった。16歳の夏であったろうか。
当時英国の左っかわの方に両親が住んでいたこともあり、それまでも一人で海外行きの飛行機にのったりなど国内外一人で長距離移動するのも比較的慣れたものであったのだが、宿泊先がきまっていたり、どの電車に乗ればいいかなど路順を事前に調べてもらったりしていたので旅という旅ではなかったように思う。

まだ青臭いガキンチョはどこに泊まるかも決めずに、ちょっとスコットランドの方に行ってくるねと行って旅に出た。
宿泊地はグラスゴーとエディンバラ。その後、私もおっさんになり世界各地いろいろなところに行った気もするのだが、はじめてタヨリもアテもない一人旅であったゆえ、最初の宿泊地グラスゴーという都市だけは今でも鮮烈に覚えている。

当時のグラスゴーは強烈な不況にあえいでいて、英国内でも最悪に近い状態の治安の悪い都市の一つだった。サッチャー政権が1980年頃に炭鉱閉鎖を決めたため街には失業者があふれていた。その失業問題は以後20年以上解消できないままでいた。無論当時の私はそんな事など知ろう由もない。

グラスゴーの駅にあったインフォメーションで朝食のついた安い宿泊施設を案内してもらい、B&Bというよりはホテルに近いエレベータのあるユースに泊まる。ちょっと厚めのベーコンとソーセージにハッシュドポテト、目玉焼きと薄いパン。シリアルとやたらに美味しい牛乳とオレンジジュースのありふれた朝食を寝坊して食べ損なったのを今でも記憶しているのだから食べ物の恨みというのは恐ろしい。自業自得なのだが…。はて、食事の内容を覚えているのに食べれなかったことも覚えているということはどういうことだろうか。数泊したのだろうか? もしかしたら行きと帰りで立ち寄ったのかもしれない。

まあ、そんな宿泊施設。地上から4~5階だっただろうか、街の屋根を見下ろせる程度の高さの部屋であったことは覚えている。鉄パイプと薄いマットのベッドに大きいソファー・チェアー。夜、開けた窓から乾いた炸裂音が何度か聞こえた。パン、パンパンと。そんな音がたびたび。何度か。これダメなほうの炸裂音だと気がついたときに気休めにドアの前に大きめの椅子を動かしてバリケードを築いてから寝たのは別に臆病だと責められるほどでもないように思う。あぁ、寝坊も許されようというものだ。

経済が悪いのはすべてイングランドのせいらしい。そんなスコットランドが独立したいのだという。
グラスゴーでは賛成派が反対派をうわまったが全体では否決された。

東京の地下鉄でサリン事件が起きていた頃、ロンドンの地下鉄ではIRA(アイルランド共和軍?)のものとみられる爆弾テロが相次いでいた。彼らは昔からなんとしでも独立したいのだ。独立を主張したいのだ。失敗した今、またかつてのように先鋭化した集団が過激な手段がとられないことを願うばかりだ。

日本では英国のことを「イギリス」と呼称する。しかしアイルランドとかでイギリスなんていおうものなら、胸ぐらぐらいは掴まれることは覚悟しなければいけない。イギリスとはイングランドのことであって、スコットランドはイギリスではないのだと物静かそうなおじいさんからも説教をうけるだろう。日本の学校で習ったような英語をつかうとアメリカ人みたいな言い方はやめろと注意される。とても気むずかしい地域なのだ。ちなみにイギリスといわれて快く思わない地域は多いので、日本以外ではユナイデット・キングダム、U.K(ユーケー)と言うのが無難である。あ、もちろん日本でUKなんていおうものなら生暖かい目をされるので、日本では空気を読んでイギリスと言うようにしよう。空気を読んだ世渡りはかくも難しいものである。

言葉も違うし、違うことも強いこだわりがあって、違う通貨も出回っている。(通貨単位は一緒のポンドなのだけど、アイルランド中央銀行というものがあって、違う肖像のお札やコインが出回っていたりする。いまでもあるのかな?)

また万里の長城のように、イングランドとスコットランドの間にはハドリアンウォール(ハドリアンズウォール)という列島を東西に横断する物理的な壁がある。
これは神聖ローマ帝国時代に国境線としてAD122年頃から建設が始まったもので、当時のローマ帝国も抵抗が激しいスコットランド側の平定を諦めることに決めた地点でもある。かれらの先祖はローマ帝国ですら退けた。つまり、2000年も前からかの地は併合容易ならざらぬ地域なのだ。

ロシアとクリミア、シリアの問題、イスラム国の問題、中国と南沙諸島の問題。いつだって国境とそこに帰属する人たちの問題は地球上から一度たりとも消えたことがない。一度収まった国境ですら今回のように分離を叫ばれることがある。所以はどうあれ現代国家の一部地域が独立を果たすというのは生易しいものではない。生易しい問題ではないが、まったく考えなくてもよいわけでもない。

近代国家が戦争をするというコストはかつてのそれより格段にあがってきている。
かつて戦争をすることによって得られる利益というものがあったが、近代国家は戦争によって得られる利益よりも損失のほうが大きくなっている。

近代戦による焦土化、戦争による経済の停滞、国際商流からの仲間はずれ、負傷兵への保証、家族への保証、国際連合からの報復。いずれも、先進国であればあるほど看過できない問題だ。また勝っても併合コストは生易しいものでない。得られるものよりも失うもののほうが大きすぎるため先進国同士での戦争はわずか数十年ばかりではあるがこれまでは回避されてきた。

戦争をすることのコストがあがり、戦争の脅威が少しでも遠くにおいやられると抑止力たる暴力装置(軍)の問題がうかびあがる。軍などは集約化したほうが運用コストが下がる。市町村で組織された自警団をいくらたばねても軍にはらならいが、市町村を束ねてから国をつくり国の自警団をつくれば軍隊になる。ある種の大掛かりなものは国というレベルで運用したほうが、コストも下がり成果があがる。

しかし、国より大きな枠組ができたときはどうか。国連という連合組織や、EUという協同運用体がスコットランドにとっては、イングランドと組むよりもよいのではないかと天秤にかけることができるようになる。国よりも大掛かりな経済的な枠組み、治安維持装置ができてしまうとこんどは国という枠組みが形骸化する。

国の眼目は秩序を維持するための暴力装置と、通貨を運用し信用を維持するだけの信用。それを支える税収、その集まった税を分配する分配権にある。税の再分配は不平等を感じさせるものであってはならないし、信用を維持するためには将来にわたり継続性が予見されなければならない。

信用担保のための通貨(ユーロ)は国連やEUに依存できるとしたときに、先進国の一部地域の独立というのは選択肢としてありうるべきものとなる。

現実問題として考えると、スコットランドが独立することへの経済的な合理性はまったくもってないし、そもそもユーロに加盟できるのかとか、軍の問題はどうするのかとか、秩序維持ができるのかとか、通貨の信用性は担保できるのかなど、外部からみると、人々が扇動されているようにしかおもえない熱病にうなされた何かなのだが、それがアイデンティティなのだよと言われれば、なるほどそうなのかとも思わなくもない。

変化に対するリスクが考慮され今回は否決されたが、このような問題は再噴することだろう。もしかしたらそれはスコットランドでではないかもしれないが、国というものが地域のあつまりで集合離散を繰り返すものであるのであるので外部の環境が変われば国の状態もかわる。

やらかした国への国際制裁がうまく機能しなかったとき、内政的要員により指導者が誤った判断をするしか選択肢がないとき、大衆扇動がうまく機能したとき、自然や人的な災害に見舞われた時。ささいな連続性の喪失で変化は突然に訪れる。

やれやれ、なんの話しであったか。
おおぉそうじゃった。国じゃったな。
かつて人々は国をつくるメリットを見出した。お互い少しづつ譲りあって大道合意形成をする。国は最大公約数的な枠組みをつくる。経済連携などで国同士があつまって妥協点を探る。大きな枠組が完成に近づくにつれ、最小単位は国からもうすこし小さなユニットになる可能性は十分にある。

日本全体を指す時、全国という言葉がつかわれる。日本もお国の集合体なのだ。


2013に有識者がやった消費税議論を今振り返る(その2)


わずか1年ばかり前の消費税増税を決めたという議事録を掘ってみて、気がついたことは多い。経済は再現性がない故、言いっぱされるばかりで検証もされないことも多い。しかし消費税増税はわずか1年で繰り返す。経験からしか学べない私のような凡夫にも、体験してみれば過去に言われたことと、それがどのように違ったのかが今ならわかる。あと、一部の経済学者の類、正論はいうが予見を表明しないのは、処世術としては正しいのかもしれないが、ずるいなと思った。


議事録からの要点部分の抜き出し(その1)はこちら
kuippa.com/blog/2014/08/24/2013%E3%81%AB%E6%9C%89%E8%AD%98%E8%80%85%E3%81%8C%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%82%92%E4%BB%8A%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%82%8B/

集中点検会合の参加者について

前提知識がない人を入れるのはブレストとしては有意義であるが、このような議事進行であれば別に会合形式にする必要はないのではないかと感じた。
「消費税について」という曖昧もこみちなテーマ設定で、とりあえずヒアリングしましたというポーズととられてもしゃーない。本当に何をいっているのかわからない人が混じっていたりして、なんだかなと思った。また同じメンツでやるの?

財政規律

財政収支の件に触れている識者は多く居た。しかし増税は行われたけれども財政収支を正すための施策やビジョンが政治的にも実務的にも発せられていないように思う。財政規律を正そうとしてるところが出費を3兆3000億もふやしてんじゃねぇょと。税収が7兆も増える予定の予算組んで大丈夫なのかよと。世界から、財政ファイナンスをしていると取られてもしょうがない。
浜田 宏一氏がいうように「財務省の予算分配権の力が増える」ためだけととられても、ちがいねーや!という気分。
このままじゃ何人かの識者がいってたように税率を20%まであげても収支がプラスになることなんてないんじゃないかな。

Screenshot 2014-08-27 02.23.11

クリックして50190707.pdfにアクセス

※財務省のグラフがなんか横に間延びしてて良いグラフではなかったのでOECDの2012のペーパーより採用
オリジナル→ 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移:財務省
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

景況変化の予測と実績について

景気の腰折れ感がどの識者が予想したよりもひどかった。-5%程度と予測したところが多いなか(野村は-2%で予想)、実測-6.8%はまあ予想より下振れしたぐらいだとは思うが、小売業をやっている個人的体感としては4〜6期よりも7月のほうが鈍ってるように感じる。夏枯れかもしれないが、第3Qは+危ないじゃないかな?
消費税の上昇によりデフレ克服できなくなると一部、危惧されていたようだが、その気配は強まりつつあるように感じる。CPIとかに注目したい。

  • 2%のインフレ実現には、5年ぐらいはかかる、主として賃金の遅行性(菅野 雅明 JPモルガン証券チーフエコノミスト)
  • 購買意欲が上がってきてインフレが実現する。これには1年半ないし2年かかる、現在のインフレ率上昇は円安による輸入物価、あるいは電力料金の上昇(本田 悦朗 内閣官房参与)
  • 消費税を予定通りあげると3〜4年目に非常に大きいデフレ効果がおきる(宍戸駿太郎 国際大学・筑波名誉教授)
  • 現在起こりつつあるインフレ率は、コストプッシュ型(植田 和男 東京大学院経済)

たしかに燃料代、為替の影響で原材料価格などがあがった。
しかし、結果として4月以降に発生した物流の値上げは+3%どころじゃなかった。某大手流通の宅配便価格だがサイズによっちゃいままで600円で送れていたものが850円になったりするレベル。配送サイズの測定が厳密になり配送料金もあがったため最小値上げ分だけでも10%はあがってる。とほほ。

雇用と賃金について

結果として、賃金の上昇圧が、消費税分を指標として上回ることはなかった。

  • 企業の社会保険料負担増。経営者が賃金の引き上げにためらう(石澤 義文 全国商工会連合長 )
  • 完全失業率と構造失業率を比較し、労働市場が非常にタイトになると実質賃金が回復する(西岡 純子 アール・ビー・エス証券)
  • 失業率が3.5%まで下がると賃金の伸び率が加速的に上がる局面に入るかもしれない(白川 浩道 クレディ・スイス証券)

デフレ下の申し子である安い人件費で事業を成り立たせていた、マクドナルドやワタミ、すき家のゼンショーという企業が軒並み苦戦をしいられているようだ。商店街でみると1,000円でバイト募集してるのに人が来ないと、泣いている店長もいる。このタイミングで新規出店を目指したところは工事が人手不足によりストップして、言い値状態になってしまっていて泣いている。結構泣いている経営者は多い。
雇用という面では急激な回復局面にはいっているようだが、企業業績は駆け込み反動で悪化しているため、現在は雇用非雇用の双方が苦しい状態にあるように感じる。でも、つなぎ資金で重要となる銀行預貸率は改善してないようにも感じる。詳しくは調べてない。

永続的可処分所得の減少

税負担分の価格効果、家計の可処分所得減少による所得効果、永続的減少が発生するそうだ(トヨタ、大和ハウス)。過去に家と車で発生した減少幅をみてびっくりした。結構大変なこっちゃだ。過去97年の2%増税時には車で13%、家で20%程度の”永続的な”需要減が発生している。

商取引を化学反応だとすると、反応ごとに反応が成功するのに必要なしきい値が3%上昇すると(可処分所得の圧縮)、反復する経路ごとにエネルギーがロスするので、スタートとゴールがグロスで3%とはならず、さらに大きな反応エネルギーが必要となる。緩衝されどこかの値に近似するが、設定障壁で設定された値より通常は大きくなる。この現象は経済でもあんまりかわんねぇだろうと思う。

消費税の3%を単利で計算するか、反復継続される取引として複利で計算するかぐらいの差がある。
新車程度の金額までロスしていく3%を積み上げると結果としてその壁を乗り越えられない人達が合計で12%でてくる。家だと20%。そういうことなのではないだろうか? 結構恐ろしい数字だ。
積み上げるのに必要な反復回数が多くなればなるほど、その影響がでかくなるということか。これが逆進性というやつかな?
なんか重大なモデルが隠れている気がする…。

(1+3%)^n=(1+12%)とすると
えっと…n=log(1.12,1.03) // えくせるさーん計算お願い!!
3.834008035

新車購入における平均ローン年数は3年とか5年で組まれることが多いので、複利化された消費税による可処分所得の圧縮が3.8年とすると結構いい数字がでたきがする。
住宅の場合は20%
n=log(1.20,1.03)
6.168096911
こちらは6.1、住宅ローンは25~35年なので、まったく一致しない。
500万未満の頭金で住宅を購入する人が最も多く((http://jj.jp.msn.com/edit/msn/atamakin/100922/))、減少した可処分所得から積み立てて頭金の500万を貯めるために必要な年数が6.1と考えることもできそう。
すごい適当に増税による可処分所得の複利効果をあげてみたけれど、ここらへん面白いですな。
永続的可処分所得の減少の結果から考察した場合、なんか驚きがありそうだ。だれか研究とかしてないのかな?

おれおれ仮説:増税による可処分所得減少は指数効果があり貯蓄額が一定額に達し購入行動に移れるまでの必要の年数で複利化される。

ちょっと悲しいね。だって住宅の場合、圧縮された可処分所得が反映された数字とは思えないので、返済に行き詰まるパターンじゃない。これ。たしかに30年の先の消費行動はなかなか予見できないので、頭金が溜まったところで踏み出しちゃうよね。。。

軽減税率について

品目を決定するために必要な政治コストや、税率が異なることによる事務コストが生まれるのでするべきではないとの意見が出た。私もすべきではないと思った。
しかし、農業や漁業という生産者が価格決定権がない業界は軽減税率の導入を強く求めた。

  • 競り・入札で価格が決定されるため増税分を魚価に反映することができない(全国漁業協同組合)
  • 供給変動、価格変動が頻繁にある農産物取引では価格転嫁が困難(全国農業協同組合)

なるほど、転嫁うんぬん以前に消費者が価格を決めるのだから、消費税じゃなくて売上税、生産者負担になっているといえばごもっともな意見だ。プライステイカーな業界、業種はそもそも価格転嫁が構造的にできないようだ。
解決策は思いつかない。他で補助いれるからってことで泣いてもらうよりないんじゃないのかな。

1%ずつ増税について

お店を初めて約10年、初めての消費税増税だった。それまで体感としわからなかったのだが、消費税があがるということに伴う事務手続きの多さはハンパねぇ!これ毎年やられたら死んじゃう!!

  • 1%ずつは実務的に莫大なコストがかかることはない、具体的にどういうコストがかかるのかよく分からない(本田 悦朗 内閣官房参与)

↑ふざけんな!と、怒りがふつふつと沸いた。

消費税対応をするのに3ヶ月近くかかった。単純にレジの設定を変えれば済む話しではない。価格を物理的に書き換えなければいけないし、うちみたいにネットショップが複数ある場合は、総チェックをしなければならない。数百点のアイテム数×ネットショップ数、リアル店舗の値札、取引先ごとの変更など。

これも3%にあがったタイミングで1回やれば終了ではなくて、仕入先が価格変更を通知してくるたびに再検討しなければならない。というのも在庫がハケて次の仕入れをするまで仕入れ価格というのはわからない。なんとか、価格変動ができるだけ少ないようにどこも苦心して1回にまとめようと苦心してくれるのだが、そのため変更のタイミングはみんな4月をまたいでくる。結果仕入れ価格が五月雨式に順次変わってくる。
半製品とかで材料の原価が変わると原価計算のやりなおしが発生する。都度だ。全部が出揃うまでなかかな価格変更の決定ができない。かといってうちが遅れればうちから買っている業者でも価格決定に影響がでる。
日用品は価格感受性が高く提示価格としての値段変更にもとても気を使う。おいそれと価格変更はできない。

無手順のドミノ倒しが非ターン制でおこなわれる感じ。コリジョン発生しまくり。取引先がみんな価格調整で苦労するから、仕入てみたらいつのまにか原材料が安い中国産とかに変わってしまっていて、売ったらお客さんから中国産なのでいりませんとか、突き返されたりして、もう涙だよね。価格を変えないようにするがために内容量が変わっていたしてしてさ、etc、そんな何年も積み重ねてやってきたものが、いっせいのせでどかーーんと何ヶ月かに集中して来るわけさ、もう死んじゃうよ!
設定を5%から8%に変えれば終了みたなことじゃ終わらないんだよ。実務経験してもらいたいよ。ほんと!
もう、この大変さがわからないんだったら、年賀状の郵便番号に8%掛けたものを外税として併記する罰を言い渡すよ!!

・・って、俺も実際にやるまでこんなめんどくさいとは思わなかったんだけどね。
こんなの二度とやりたくないんだけど、また来年やるの!?勘弁してよぉ・・・。

消費税価格転嫁

消費税価格転嫁の調査が封書で届いたり、ハガキで届いたりしていて結構真剣さが伝わってきます。実効性は謎だけれども。うちは価格転嫁を禁止されるような取引先はないのだけれども、そもそも、事務手続きとして仕入れの値上げがみんな4月以降順次なので、実質何ヶ月感は価格転嫁もできない感じですよね。

消費税還元セールがなぜ行われるのかようやく分かりましたよ。
値札の書き換えとか実務として1月ぐらいじゃとても間に合わんので、お店側が消費税分かぶってでもやるしかないもんね。

消費税の逆進性について

  • 消費税は逆進性が問題とされるが社会的弱者に対する所得移転(慶應義塾長)
  • 社会保障には、給付と負担の世代間格差が顕著。勤労世代や将来世代ばかりに負担を求め続けるような、現在の税構造であってはいけない(土居 丈朗 慶應義塾大学経済部)

給付付き税額控除は「臨時福祉給付金」という形で実装されましたね。10,000円とかなんで、どうなのよみたいな気がしますが。
短期でも失業率が改善しているので、雇用を選べる低所得者層にはよいのかもしれません。
他方、自分みたいな個人事業主には消費税対応で大変だわ、社会保証の恩恵にはあずかれてないわ、健康保険も健康なので関係ないわ、で、なんだろうね。ほんと世代逆進的な予算組みですな。労働資本をもっている若い人が金融資本をもっている年配者から価値移転をうけとらないと、まずいはずなんだけど、逆になってね?

消費税などの増税

集中点検会合では誰も触れてなかったですけど、今回の増税は消費税”等”で、実は所得税も相続税も贈与税などなども増税されてるんですよね。相続税もいままで庶民に関係なかったものが東京都だと2人に1人が申告対象になる程度の増税。かなりの人数が税においやれる未来が予見されます。とくに相続税、本当に詳細を把握してないと死ぬよ。

あと、減税措置のとりやめで実質増税になったもの、たとえば株主配当も10%から一気に20%へUP!してたりして、なんかあれこれうんざりするほど税負担が重くなったなと感じています。だいたい復興増税ってなんだろう。聖武天皇の頃から災害時には税の減免をするものであって、増税してどうするんじゃらほいと。

法人税だけは景気対策ということで減税されていますが・・・。もともと経費参入が厳しい日本では法人所得税を払うほどの企業は1/3ぐらいしかないから、あんま関係ないんですよね。


www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-10/2013071001_04_1.html

こんなデータとか見ると・・・

中世から四公六民っていって、税率が4割越して来ると生活できない人が増えて一揆とかがおきるらしいです。
現在日本の実効税率は財務省発表では38.5%となっていますが、例えば相続税負担などは、土地家屋などに対して現金納付となるので、事故的に負担額が4割を超えてくることは往々にしてありうるわけですよね。
社会保障とかの還元で手当しているんだけろうけど、若者世代へは酷いことになってるし。企業が負担する社会保険料とか、健康保険料とか、いろいろ大変です。

財務省のデータ
OECD諸国の国民負担率(対国民所得比)は日本は38.5%
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/238.htm

国・地方合わせた法人税率の国際比較は34.62%
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm

ちなみにアメリカはカルフォルニアが選択されて日本より高くなっているけど、CAは破綻宣言していて州税が高い地域(8.84%)で有名なるところと比較されてもね・・・。作為を感じますよね。

課税所得が落ちてきているので、課税率をあげても、増収あがるんでしょうか?
このまま景気腰折れが決定化してしまいデフレ脱却も達成困難となると、ちょっと今は分水嶺なのかな。

東大日次物価指数
| |東大指数| 総務省公表値(注)|
|2014年05月の前年同月比| 0.08%の下落| 1.10%の上昇|
|2014年06月の前年同月比| 0.29%の下落| 1.04%の上昇|
|2014年07月の前年同月比| 0.25%の下落|   8月29日公表予定|
www.cmdlab.co.jp/price_u-tokyo/monthly
CPIも割れてきていて、なんかその他の指標も黄色になってきた気がします。

日銀の国債買受による財政ファイナンスぶちかまして、日本銀行券をデュープさせて借金ナイナイかますか、デフォルトなり、デノミなりして借金ナイナイかますか、一揆がおきようと税率をあげまくってなんとかするか。
とりあえず単年度予算形成やめて、ちゃんと決算書にも複式簿記いれて、キャッシュ・フロー計算書も書くようにして、政治家の費用は3万円以下の切手代とか新幹線代だろうとちゃんとつける事業主なみの会計報告にするところから始めないとだめなんじゃないかな。

2013年のときにみえていたシリア危機から、現在はウクライナ情勢だし、西アフリカのエボラはパンデミックしてるし、結構2014年というのはスリリングな年ですね。ま、乗り切れれば明るい未来がまっていると。そう思いながら紅茶でも飲みながらまってましょ。