与太郎さん100年未来を考える


有識者とかお偉い未来学者とかが考える100年先の未来とかは公演されてたり白書になったり本になってたりする。でも商店街のおっさんが現場で働く感覚で予想する未来予測ってあまりない気がするので書いてみることにした。きっかけは先日の三鷹でおこなわれた「100年先を見据えたまちづくりを考える」から。

想像力たくましく結論から言うと、多分人類は海洋に都市をつくってムー大陸とかアトランティスとかニライカナイとか名付けるんだと思う。・・・こう書き出すと、読むの辞められちゃいそうだけど結構真面目。でも与太話。どっちだろ。

人口推計は人類が予測しうる未来予測のなかで確度の高い予測。これをベースに100年前はどうだったのかを考えながら未来がどうなるのかを考えたい。あと、今ファクトフルネス読んでるのでちと影響うけてる。

子供

日本固有の問題ではなく東アジアでの少子化は苛烈。特に韓国、中国は日本よりその人口動態の変化速度が早い。 日本では1920年代は100人の労働人口に対して子供40人だったが現代は20人。待機児童問題などと言われるようになったが子育ての社会負担は減っている。世界でも子供の数は頭打ちになっているので、人口増加は近いうちに平衡に達するだろう。

離島性仮性知的障害のように、幼児が接触しうる人間が少ない離島や僻地だと知的発達に問題があるという研究がある。園庭がある幼稚園とない保育園ではその後の運動能力にどのような差が出るかを調べた論文とかは見つけられなかったが、園庭の状態で運動能力には差がでるという調査はあったので、それなりの影響があるだろう。ざっくりとした感想だが、ある程度子供が集まるところ、かつ、体を動かすことができる場所で育てたほうが良さそうだなという仮説が立ちそうだ。

おらが商店街は今年度は2件の保育育児施設加入があった。 保育園などが子供を遊ばせる公園はあちこちにあるし、1〜2キロも行けば井の頭公園やもっと自然に近い野川公園など巨大な公園もある。うちの街では子供の未来は明るそうだ。相乗効果でもっとよくなるだろう。フィードバック効果がありそうなので、悪いところは余計悪くなるかもしれない。

老人

うちのばーちゃんは100歳だ。100年先の未来というと途方もなく先な気がするけど齢100を前にすると大して未来でもない気がしてくるから不思議。

100人の労働人口に対して、1920年は老人10人だったのが現在は40人に増えている。2050年ごろには従属人口指数は120となる。

梅崎 昌裕「現代社会に生きる人間の生態」ー公開講座「人間は進歩しているか?」2014

10:2だったものが10:12になるということのは今までと同じやり方は維持しようもない事を意味する。解決手段は老人を老人でなくすか、掛ける人手や費用を1/3にするかである。
費用1/3については、努力とか工夫、人件費の安い国から人を入れたぐらいの伸長では達成しえない数字なので、無人化などイノベーションを起こすよりない。

単純平均ではなく、高齢者になるまで存命した人の平均を考えると現在でも女性は平均90まで生きているそうで、老齢期になってからの生活が40年もある状態だ。QOL、健康寿命を伸ばすために廉価で簡便な再生医療が開発されるだろう。強化外骨格のようなウエアラブルな補助装身具も汎用品になるかもしれない。・・・100年だとサイボーグ化とかバイオロイド化は無いと思うんだけどどうだろうね。あるか。あるかも。

労働と職業

労働は経済的価値を産まなくなる。
現在の多くの生産活動は人を介在させない無人化する方向にある。人間は居てもその人の能力に依存させないよう交換可能なモジュールとしての労働力にするよう務められている。

過去から参考する。産業革命で1ヘクタール耕すのに人類は下記のような進歩をたどった。

人間 400時間 194,000キロカロリー
畜力、牛(2頭) 65時間  31,525キロカロリー
トラクター(50馬力) 4時間   2,400キロカロリー

産業革命でこの99人は失業し、別の職業に従事できるようになった。大量生産品などの企画、製造、販売に従事だが、IT革命でこれらからも99人が失業することになるだろう。
商店街からも物売りのお店は消えていく。新規開業はそのほとんどがサービス業になっている。人間という労働力が必要な職業は、反復が少なく適時対応が必要なものだ。商売とは税務署的定義では反復継続するものなので、反復しない商売をしなければいけないという背反は経済的利潤を得にくくなることを意味する。

経済的利潤を得るためには労働資本を貨幣に変えるのではなく、金融資本に働いてもらうほうがますます高効率となるのは間違いない。個人的にはどうかと思うが、まぁ、歴史からすると然り。富める人はますます富む。まあ不健康な人はますます不健康にぐらい当たり前の事ですな。行動をあらためるか生活習慣をあらためるかぐらいの話。

通貨

ブロックチェーンとかがもてはやされてるけど今はまだ未熟で未完成なものに見える。と言っても、貨幣経済の歴史を振り返っても、金本位制から抜けて、現在のマネタリーベースとかの世界的な積み上がりを見ると、ここらへんもう制度疲労だよね。

企業価値を評価する手法がある。同じように社会資本や教育資本など、いままで貨幣経済のものさしの上にのってこなかったものをバリエーションする方法が開発されるだろう。ブロックチェーンみたいなピア方向の評価によるものなのではないか。お金では買えないものなんだよ!っていう思い、将来はもっとふわっとせずに他人に伝えることができるようになるかもね。

例えば価格があってないような美術芸術品などは、現在取引発生時に競りによる貨幣評価が行われているが、これが貨幣に兌換する必要がなくなる可能性がある。
トレーディングカードゲームなどで、一度中古販売店に売って金にしてから別のカードを書い直すより、カード同士で交換されたほうが、価値の毀損がないよね。貨幣という共通利便性と分散と信用の変化は大きくあるとおもう。

国家観

自由貿易を取り入れた共産主義や、監視統制をひきたがる資本主義など、お互いがいいところ取りで発展していくのであれば、国際間の通貨制度のアップデートと同じようなタイミングで、なにかしらの全球的なシステムが導入されるかもしれない。

イデオロギーの問題もあり、もし世界的な移行がおきても日本やその他先進国ではその移行は遅行するかもしれないが中堅国が牽引してくれることだろう。シンガポールポジション。EUやTPP、ASEAN経済共同体のように、貿易経済圏ができて、国家間の衝突も避けられるようになれば、国という枠組みは、市や県や州といった地方自治組織の一つのレイヤーとなりうる。日本も一律悉皆的に地形も人口密集度も産業も違う地域に同じシステムをデプロイするのは非効率だ。憲法のアップデートよりもハードごと替えた方が早いってなるかもね。

法律

日本の法律は目的が1条一項に書かれてたり書かれてなかったり、修正修正のバッチだらけだったり、改修も100年単位でできていなかったりする。動いているんだから触るな状態。法律もコードと言うが、同じコードでもプログラミングで言ったらコーディング規約すらない糞コード集だ。

運用でカバーされてたり、バッドハックや判例法などで動いてしまっている面も多くあり、こういう大規模システムはシステム開発に習えばぶっちゃけ更新できない。できるわけがない。憲法はこれらの最上位にある基底OSのようなもので、俺の感覚では更新できたとしても小手先の表現だけで、リファクタリングすら困難なのではないかと思う。小さい改変でも影響範囲がでかすぎるのだ。
明治維新みたいに既存のシステムをディストラプトして更新なんて荒療治をせずに、ソフトランディングさせようとするなら、システムの並行稼動をするよりないと思う。それは、特区制度のような部分的なものぐらいが精々かもしれないが、動かしたこともないシステムをローンチするよりは混乱がなくてすむ。

江戸時代の北町奉行所、南町奉行所みたいに最初から輪番制にしておいて、システムを冗長化しておいて並行稼動させておけば、アップデートも簡単なのにね。現在法律はその国の自然言語で書かれているけど、これはコンピューター、ことAIには判読させづらいから、100年内には論理記述に変わると思う。裁判官の仕事も変わるだろう。

移動・流通

おらが商店街はちいさい病院が多く遠方から年寄りがくるのが大変だからミニバスを通してくれと先生がたが息巻いている。健康な人だとバス停行くより歩いて駅とかまで行ったほうが早いぐらい路線バスのバス停離れてるんだ。ミニバスも通ってるんだけど、なぜか路線バスと同じ路線を通ってるらしく意味がない状態。行政はめんどくさいから変えたくないのもわかる。文句もでるだろうしね。

でも、100年先を考えたら自動運転さすがに来てるよね?
幹線道路と生活道路を明確にわけて、車両侵入禁止にする道路とかを法律で区分の準備はもうしないと数十年先にも間に合わないんじゃないかと思う。パーソナルモビリティももしかしたらドローンタクシーみたいに空を飛ぶようになるかもしれない。そうなってくると落下したときのために、電線の上にネットを貼ってこの上を飛びましょうとか、そういう既存インフラの再利用がなされると思う。これも日本は世界から15年ぐらいは遅行しそうだ。 できれば一部都市だけでも先行してがんばってもらいたい。がんばれよ!

化学

これから100年先、いや30年ぐらいかな?もっとも変化が激しいのは化学合成の世界だと思う。 今まで五里霧中の試行錯誤であったものが、莫大な演算力の獲得で力技によるシミュレーションができるようになる。試行錯誤速度の爆速化はこれは創薬や有機合成、素材化学のような分野に効いてくるだけでなく、いままで巨大化してきた化学プラントのような製造の現場にも効いてくる。この業界におきることはかつて鉄鋼や造船といった業界に起きた小型化、モジュール化が待っているのだ。

例えば今まで化学肥料などの製造に必要な窒素固定は膨大なエネルギーが必要であった。これに耐えうる構造のために湾岸部に巨大な工場を作らざるを得なかったが、小屋サイズでそれらが一気通貫に製造できるとなれば、消費地生産が可能となる。これはかつて街が炭鉱で賑わったというような、都市構造変化をもたらすだろう。

生物

再生医療のようなわかりやすいものだけでない。
生物の中には、深海の熱水鉱床という数百度の温度で活動する細菌などがいる。熱水で壊れない蛋白と、水素原子1個で動くような生体モーターをもっているわけだ。鋼鉄より硬い蛋白を合成する生き物もいるし人類が研究室レベルですら中間体も合成できない薬効成分を持った植物もある。これらが遺伝子解析により合成できるようになる、バイオプラントが実現する公算は高い。
メタンガスを発生させるメタンアーキアや、石油を作る藻類のオーランチオキトリウムなど、生物による炭素固定ももっと種類の研究や、高効率株の分離などがおこなわれるようになるだろう。 トンボの羽の風を捉える能力とか梟などの風切り羽の静音性とかバイオミメティクスは、工業、医療などの産業にも基礎的なアプローチになる。

物理

自然界にある4つの力のうち何故か重力だけが距離による減衰がない。そのため宇宙は力としては弱い重力によって支配されている。アインシュタインは一般相対性理論に宇宙定数をぶっこみまたそれを後悔したりと迷走しているが、現代になり超弦理論や重力波、ニュートリノ、ダークエネルギーあたりの研究がすすめばなにかここらへんで解決できる説明ができるようになるかもしれない。この分野よみきれない。
量子テレポーテーション、量子のもつれとかをつかって光速を超える通信が可能になったり、もしかしたらもしかしたら次元情報伝送とか、4次元ポケットとかつくれるようになるかもしんない。なれ!なったらいいな。

飛行機・船

飛行機が飛んだのが115年前。その頃の飛行機による死亡事故数はとてつもなく多かった。現在の飛行機の事故による死者は鉄道よりも少ない。

飛行機や大型輸送で問題になるのは騒音問題であるが、エネルギーが音に変わって漏れていることにほかならず、それだけエネルギーを無駄にしているということを意味する。
化学プラントが巨大になる原因と同じものがここにはある。流体は流速と流体の粘度、またそれとこすれる表面摩擦係数によって、乱流になるか層流になるかが決まる。レイノルズ数2100(だっけ?)を越えると乱流になってしまって渦巻いちゃってどう流れるかわからなくなるので、管幅を広く、ゆっくり流さなければいけない。これが巨大化や製造効率にも影響してきた。

電車もとんがった流線型のモデルになってきているが、これも高速になればなるほど空気と表面部分の摩擦係数で、進行体の周りに乱流(渦)が生じて騒音になったりエネルギーロスになってしまうからだ。
流体が乱流になってしまうと複雑系になってしまうので化学工学ではとてもじゃないけど計算ができない。できなかった。だけれども量子コンピューターほどまでに演算力があがれば、正確な計算はできなくとも、確率的にこう流れるはずというシミュレーションはガシガシできるようになる。

それが意味するところは、飛行機のジェットエンジンが回すタービンのプロペラの風切り音なども、どんどん無駄なく静音性を増すということだ。100年内に飛行機はひゅんひゅんとUFOのように飛ぶだろう。

船も航行のエネルギーが少なくて済むようになる。複雑に流れる風をコンピューター制御で捉えてその推力を正確に計算できれば、最新の船は実は帆船になるという未来すらあり得る。そうしたらそうだな・・・、海賊王に俺はなる!

自然脅威

地球温暖化は世界的な懸案事項だ。IPCCなんかが驚異を話しあったりしているが自分はちと疑問を覚える。エネルギー消費の無駄をなくしましょうという理念には共感を覚えるが、地球の気候を人間がコントロールできるとは思わないほうがよい。というのもなによりもでかい地球の気候変動の主ファクターは人類ではなく地球、そしてなにより太陽だからだ。

地球の歴史過去300年ぐらいは比較的気候が安定していたが、その300年間でさえ、浅間山や富士山の噴火による天候不順による飢饉はおきている。その前はマウンダー極小期でもっと寒い。寒すぎたおかげで大航海時代や産業革命がおきた。

それよりもっと昔。縄文期より前になると、50年ぐらいで年平均気温が10度ぐらい変わるダンスガード・オシュガー・サイクル(短周期気候変動)になる。50年で10度もの平均気温の変化があった。これじゃ果樹業や林業もままならないよね。人類の大移動は気候変動により発生している。

地球の気候が安定して温暖なのは地球の歴史上は珍しいことであり、その中でも特に安定したこの300年間ぐらい。人類はこのわずかな間隙を縫ってよくもここまで進歩できたものだと関心する。

アメリカさんなぞは進化論すら未だ否定されてしまうので紀元前の話しなぞ無視されてしまってもしょうがないのだが、日本の方は冷静に思い出してほしい。次の100年で地球の平均気温が3度上昇する?まじで?10度上がったら?10度下がったら?
5000年前の縄文大海進の頃、海水面は平均で7メートル上だった。それより前は100メートルも低かったが、どちらもほんのこの1万年の間の出来事である。

日本の都市計画、そんなに局所集中で大丈夫かと思う。約7,300年前に噴火した鬼界アカホヤ火山は九州の縄文文明を全滅に追いやった。約75,000年前のトバ・カタストロフで人類はほぼ数千人という絶滅の縁にまで追いやった。30万年単位の破局噴火まで100年先のタイムスパンで考慮しろとは言わないけど、あと100年もあれば3年ぐらいは人類を飢饉においやる天候不順をもたらす規模の噴火はおきるし、想定はしておいたほうがいい。

海洋進出

経営戦略では経営資源に近いロケーションが競争の源泉になるという。ここでいう経営資源は、販売業であればお客さんであったり、労働資源であったり、生産業であれば原材料やエネルギーへのアクセスである。

はたして次の100年、資源になりうるものはなんであろうか?
かつて空気からパンを作るといわれた窒素固定の技術は、ここに来て大きな変化のタイミングを迎えようとしている。窒素固定も炭素固定も小さいモジュールでおこなえるようになる未来を考えると、資源となりうるのは水や空気、そして太陽光である。その他は地球にほぼ無尽蔵にある元素だ。あとは半導体やバッテリー、太陽光発電などでいくらかの希少元素が必要となる。

これらを解決するロケーションは海洋上である。海底にはコバルトリッチクラストやマンガンノジュールがあるし、素材科学の進歩で鋼鉄以上の強度と経年耐性を持ったバイオプラスチックがつくれるようになれば浮かぶ高層ビルと呼ばれる豪華客船よりも安定なメガフロートを安価に建造できるようになるかもしれない。まさに浮く大陸が技術革新の如何によっては最もロケーション優位になりうる地点だと思う。

宇宙進出

海とくれば宇宙か。 宇宙への実験的移住はあるかもしれないけど、適地生存しようとしたら熱帯で進化したホモ・サピエンスの遺伝子情報は大幅に編集する必要がある。それはもう遺伝的には人類とは別種なので、考えるのをやめた案件。

あれこれ参考

梅崎 昌裕「現代社会に生きる人間の生態」ー公開講座「人間は進歩しているか?」2014
youtu.be/BfoW4Pi0Ekg

鎌田 実「超高齢社会に向けて変わらないといけないこと」ー公開講座「変わる/変える」2013
youtu.be/t4Q_nawaya8


まちづくりと種まき


まちづくりに成功するとその成功がために失敗する。繁栄と衰退は糾える縄の如しである。衰退しっぱなしよりはいいのだが、今、三鷹はたぶんその移行期にある。

「100年先を見据えたまちづくりを考える 〜二子玉川の事例〜」という会が三鷹でやっていたので、どこで知って参加申し込みをしたのかも忘れてしまったが行ってきた。

法政大学 現代福祉学部 教授 保井美樹氏
二子玉川エリアマネジメンツ 代表理事 佐藤正一氏
二子玉川エリアマネジメンツ 事務局長 笠原徳広氏
まちづくり三鷹 代表取締役会長 内田 治氏

ミニ講演+トークセッション+懇親会という感じ。
二子玉川での取り組みや、現在の三鷹での状況、エリアマネジメンツなどについてお話しいただいた。
商業をやっている仲間からは三鷹については厳しい評価をきく。中央線界隈の複数の駅に出店している店長などは特に辛辣だ。曰く三鷹はまちづくりに失敗していると。次回不動産の更新どうしようか悩んでる人もいるし、実際出るのを決めてしまった人もいる。

駅前地区の再開発が進まず、向こう数年単位で厳しい状況が見えている。うまくいっても効いてくるのは数年はかかる。スーパーマーケットなど生鮮食料品屋の多くがなくなったため駅前通りの人の流れも変わってしまった。人口は年数千人単位で増えている、だが街を人が歩いていない。これってどういうこと?と。病気のようなもので、なってしまったものは緩和療法的な手しか打つ手がない。まちづくりも病気にならないよう健康でいたい。

街の中心がひとつしかない城下町が街のアップデートが難しいように、中心部がひとつだと、並行稼動や入れ替えが難しく更新が難しくなる。それがシステムではなく、耐久財だとなおさらだ。

今日、こんな記事が話題になっていた。

空き家地獄の時代「もうタワマンは法律で禁止すべきである」
news.livedoor.com/article/detail/16007393/

タワーマンションは例えば六本木ヒルズなどは300年持つような設計で立てているというが、現在の日本の戸建ての平均建て替え年数は、調査によってはわずか27年とか言われている実情が表しているように、住宅の構造寿命より先に建て替えがなされるケースが多い。

タワーマンションも、数十年、どんなに長くても百年も経てばそれらもいずれは更新の時期を迎える。築年数が行ったタワマンが低所得者用向けになってメンテナンスがろくされず火事をおこした惨事は、都市づくりとして先行するロンドン先輩が教えてくれているのだから、家電リサイクル法みたいに撤去用の引当金は公がデポジットしておおけよとは思う。だが、タワーマンションが日本で問題になるのは数十年後だろう。
目下、日本でこれから深刻化するのは今から数十年前に開発された団地やマンションなどの大型建築物である。日本の建築基準法は高度経済成長期、オイルショック後の1981と、阪神淡路大震災の2000年に大きく変わっている。数十年前にピカピカの新築として建った団地やマンションなどは、いまだ現存していてここに生活する人が一人でもいる以上、これらのケアがちょっとデリケートすぎるのだ。

古くて保全もできない建物とたいして距離もないところにタワーマンションが新たに建つ。街としてはちぐはぐな感がでてしまうのは否めない。駅というものに依存している以上、このようになってしまうのは致し方ないことなのかもしれない。

だが、100年というタイムスケールで考えるならば、本当はもっと俯瞰してみなければいけないいけないことがある。忘れられがちだが、最初に飛行機が飛んでから117年である。我々はそういう技術進歩のもとに生活しているのだ。技術や生活様式というものは変わる。

今から130年前、1889年(明治22年)中央線の元となる甲武鉄道が新宿駅立川駅間で開通した。
1930年(昭和5年)に三鷹駅ができたが、この頃、三鷹はまだ村である。日本の全国の人口は7,307万人だ。

国立社会保障・人口問題研究所
日本の将来推計人口(平成29年推計)
50年先の将来推計値までしかないが、わずか50年で日本人の数は100年前の人口になることが見えている。

resas.go.jp/population-future/#/graph/13/13204/2012/0/9.679480099505447/35.66837571/139.5558413

三鷹個別の推計でみると50年で倍になるか、減っても2万という恐ろしい推計になっている、ちょっとなんだこれ怖い・・・。

100年前。
鉄道が敷設される前は、移動の手段は徒歩や馬車であり、その中心は街道であった。街道沿いという生活の拠点、表を避けるために人があまり住んでいないところに中央線を引いたのだ。かくしてそれから駅が生活の中心になり、そして物流の主役はモータリゼーションになった。100年後はどこが表になるだろうか?オートパイロットのドローンとかが主役になるなら調布飛行場あたりかもしれないね。

今、三鷹の新川地区では、大深度の東京外かく環状道路がそこで地上の中央道と乗り入れるらしく開発が進められている。イーロン・マスクが進めるハイパーループ構想より、着実なところでTokyoの地下モータリゼーション網は実現するだろう。

だが、自動運転の車はどの道を通るの?とか、セグウェイ的なパーソナルモビリティはどのように処理するの?とか、ドローンの流通網とかができたらどこを飛ぶの?とか、そういう未来構想にはまったくの未着手だ。すごくもどかしい。

時間による効用が無視した街づくりがおこなれていると感じる。
今、1つの種を100種類でも植えておけば、それのなかのどれかが増えて100年後にはそれが街全体を食べさせてくれるかもしれない。しかし、もし10年後にそれでくおうと思ったら、1000本の実をつけることが既にわかった苗を植えなければいけなくなる。もし、今それを食おうとおもったら、人の口の数分どこからか買って来なければならない。
病気になる前なら、ほんの少しのケアで済んだものも、こじらせてしまったら大変だ。とかく公は問題がおきるまでことを放置しがちである。

それが役に立つか立たないか、価値があるかないかを有識者が判断できる時点で、種まきの時期は過ぎているのだが、確度をあげようとするために、どんどん取り掛かりが遅くなる。

リスクは一切受け付けないという人がいる。またその声は大きい。
リスクとは不確実性のことで、不確実性とは未来のことである。
未来を拒否して過去を語るだけの精神的老人になってはならない。

ぁぁ、本当は100年先の未来について書こうとおもったのだけどジジ臭くなってしまった。反省。


漁業と韓国海軍


クリスマスシーズンもイブまでくると一段落の気配があってようやく一息つけそう。あー、しんどかった。
年の瀬はいろいろな事があったが、しょうもないいくつかのニュース代表格として韓国海軍が火器管制レーダーの照射を日本の哨戒機に対しておこなったみたいなのがあった。

「北朝鮮の遭難船を捜索するのに使用した」
「気象条件が悪くレーダーをフル稼働した」
「レーダー照射はしていない」
「光学カメラを向けただけ」
「日本の哨戒機が威嚇してきたから日本がわるい」

時系列で流れてくるニュースがコロコロしてて、おもしろい。思いつきで言ってるだけだろww 大丈夫かw
みたいな。

火器管制レーダーは現場判断でつかえないはずとのことで、韓国の軍部の指揮系統がめちゃくちゃになっているのかとか、日本が相手のちょんぼを利用してエスカレーションさせようとしているのかもしれないってのも透けてみえたりするので、ちとだけ怖い。

自己評価の話しで、技術とかスポーツとかそういうのの競争のときは、あいつは自分と同じぐらいって思ったときは相手の方が格上で、自分のほうが優れてるって感じるときは、傍から見ればだいたい同じレベル。みたいな事をよく言う。韓国の報道発表面白いなーとか思うけど、多分、日本の水準も傍目で見れば同じようなもんかもしれないね。

先日、漁業法が改正された。70年ぶりだそうだ。減反政策見直しは41年ぶりで、農協法改正61年ぶり、森林法改正70年ぶり、商法に至っては120年ぶりだとのことで、逆に聞きたいんだけど国会っていままで何シてたの??

法律の改正は国内の話。それとは別に、国際的な合意とか二国間の相互合意とかがある。あと明文化、条約化されないけど、常識とかマナー的なやつ。火器管制レーダーはマナーの類いかな?なにか枠組みある?(追記:CUES[Code for Unplanned Encounters at Sea] ってのがあるらしい。2014にver1.0ってずいぶん新しいね。)

先の自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを当てたってやつの報道を見ていると

「大和堆(やまとたい)漁場などの公海上で、韓国海軍の活動を制約しようとする意図があるのではないかという疑念がある」
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181223-00000048-jij-kr

「大和堆(たい)南側の韓日中間水域で日本の海上自衛隊P1哨戒機に遭遇」
www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/24/2018122480019.html

むしろ気になるのはこっちかな。韓日中間水域という言葉も気になる。大和堆は日本の漁場で排他的経済水域(EEZ)の中にある。そこの南側も当然日本のEEZだが。大丈夫か関係者。日本海、韓国流に言うと東海に公海なんかないぞ??どこもどこかの国の帰属域。昔風に言うと200海里と呼ばれたエリア。

俺が間違ってるのか不安になる。もし間違ってたら教えてちょ。

googleさんとディカプリオとかが始めた世界の漁業の見える化プロジェクト、Global Fishing Watchより地図をスクショ。

globalfishingwatch.org/map/

日本海の中央で山っぽくなっているところが大和堆とよばれる海底山脈で浅くなっており豊富な漁場となっている。線はEEZをあらわしている。ロシア、北朝鮮、韓国、日本のEEZがこんな形で接している。大和堆の左下にある○は、竹島近辺で日韓で重複権利主張地域となっている。over claim Liancourt Rocksだって。なんのこっちゃ。日韓以外の第三国では中立的立場から「リアンクール岩礁 (Liancourt Rocks)」っていうらしい。へー。

明るくなっているのが漁船群。大和堆に漁船があつまっているのが見て取れる。つーわけで、大和堆の南側はどう考えても日本の排他的経済水域。

中間水域って、なんのことだろうとググると、日韓漁業協定が出てくる。このエリアは決められた漁獲枠を持った漁船がが、これは、wikipediaによると、2016年に漁獲割当で決裂して操業禁止になっているそうだ。

これならギリ大和堆の南もかかっているかな?
もしかして、2018年は日韓漁業協定が復活していて、韓国海軍にも漁獲枠が設定されていて漁業も任務になっているという可能性も排除しきれないので、あれなのかもしれない。現に日本のEEZ内で操業していた漁船にたいして韓国海洋警察庁の警備船が操業を止めるよう警告を発したと問題になったのは11月20日のことである。

軍艦が他国の排他的経済水域を通過するのは航行の自由作戦でも知られているだろうし、遭難者の救援とかで人道目的ならなにか他の国際的な条約があるのかもしらんがよくわからん。

先のGlobal Fishing Watchで大和堆のあたりを見ると韓国籍の船が二艘。そのほかEEZ境界線ギリギリいったりきたりしているのは韓国籍の船だね。

ちょっと話題からずれるけど、福島沖で操業している船があったので、クリックしてみたら択捉から来てたよ。 知らん間に航行自由になったんだね(すっとぼけ

まあ、いろいろ大変だよね・・・。


みなさまよいお年を!

参考 引用とか

菅官房長官に竹中平蔵が問う!「政府の役割・民間の役割」~大阪万博・カジノIR・携帯料金見直し

日本「味方に銃撃つか」vs韓国「射撃用レーダー撃たなかった」

韓国国防省「レーダー照射せず」 日本側「証拠ある」

レーダー照射「威嚇行為なかった」=日本の問題提起、理解できず―韓国軍

河野外相、韓国批判を抑制 レーダー照射問題

哨戒機、韓国艦へ「威嚇的飛行」軍が撮影と報道

レーダーは遭難した北朝鮮漁船捜索のためか 日本が威嚇的との声も

日韓漁業協定

領海

グーグルらの「世界の漁業見える化プロジェクト」急拡大。日本に不都合な真実とは | BUSINESS INSIDER JAPAN

韓国軍の海自P1哨戒機に対するレーダー照射事件:CUESと韓国軍のマニュアル – 事実を整える