令和3年版科学技術・イノベーション白書を流しよみ


文部科学省から出てる、イノベーション白書。イノベーションに興味があったので読んでみた。
www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202101/1421221_00023.html

Society 5.0だそうだ。

「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」

いきなりわからない。人間中心じゃない社会って逆になんだ??

「狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)」

情報社会にも適応できないうちに、メジャーバージョンあげちゃうのやばくないですか?
狩猟・採集、農耕・牧畜、工業・生産、情報・流通とすると、そこにはそれぞれ大きな技術革新があるからまだわかるんだけど。仮想と現実の融合って、それ、ただのメタ化じゃないですか。


Society 5.0では、ICTを活用して多種多様なデータを仮想空間に集積します。ここで社会の様々な課題・要素について高度な解析を行い、その結果を現実空間に反映することで、一人ひとりの人間にとって豊かで質の高い社会に変えていくことを目指します。


方法→目的(理念)だとおもうんだけど、対象である「一人ひとりの人間」と「社会」(集団)というところでも、どっちなんだよって感じがするし、方法も「ICTを活用して」とか言ってる時点でそれ情報社会の重力圏ですよねって気もする。新しいワード作りたかったのかな。

注目キーワードぬきだし

スーパーコンピュータ等を学術情報ネットワークSINET(サイネット)
革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)
渋滞の軽減、物流コストの削減、金融の相場予想、新材料開発・創薬などが、量子コンピュータの活用により飛躍的に進むと期待

新素材開発、創薬の部分に同意

2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会を実現するためのエネルギー需給の絵姿を示すとともに、予算(グリーンイノベーション基金)、税(企業の脱炭素化投資の促進等)、規制改革・標準化(新技術を想定していない不合理な規制の緩和等)、国際連携など、民間企業の取組を後押しする

なんか危険な兆候・・・。
ニュートラルならまだわかる。脱ってなんだ。
そもそも人類を始め植物まで炭素生物。植物は二酸化炭素を吸収し炭水化物や糖という炭素化合物をつくり、われわれはそれを捕食してタンパク質などの炭素化合物をつくり、エネルギーとして消費して呼吸し、二酸化炭素を吐き出す。命こそが炭素の循環。脱炭素社会とはいったいなんなのか。輪廻からの解脱か。

ITER(イーター:国際熱核融合実験炉)計画は、核融合反応によって生じる膨大なエネルギーを熱として取り出し、新たなエネルギー源として連続的に利用できるかを実証する大型国際プロジェクトです。
核融合エネルギーの実現に向けて
URL: www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/fusion/

最近よく聞くようになってきたITER(イーター)
夢の核融合。できたらいいね。できないとも思わないけど、(生きてるあいだに)できるとも思えない。

産業活動から排出される二酸化炭素を分離、回収して、地中深くに貯留する技術(CCS Carbon dioxide Capture and Storage)や、これを有効に利用する技術(CCUS Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の研究開発

それを捨てるなんてとんでもない!
二酸化炭素は資源ですぞ。

日本はだめそうだね。
中国(論文数9位→2 位 →1 位 、TOP10%論文数圏外→3 位 →2 位 )がすさまじいのはおいておくとして、中国の10年前と同じ動きをしているのがインド(圏外→9位→6位、圏外→圏外→10位)。10年後のインドのプレゼンスに注目。

10兆円規模の大学ファンドを創設することが決定されました。このファンドの運用益を活用することにより、博士後期課程学生など若手人材を、長期かつ安定的に支援

やれんのか?
やれんのか!!
投機と投資の区別も、予算消化とリソース割当の区別もなく、平穏無難をめざし将来価値を計算評価できない組織体系に、ファウンデーションできるのか?
95%を10が12になればいいみたいな、リスクフリーレートな下に張り付いたファンドになりゃしないかい?

令和3年度より「大学フェローシップ創設事業」を開始しました。この事業では、博士後期課程学生の生活費相当額(180万円以上)の支援を含む学内フェローシップの創設

たりんのか?
たりんのか!!
でも、ないよりはいいので、このまま踏み上げてください。

日本科学未来館(新型コロナウイルス関連情報)
新しい感染症との向き合い方
わかんないよね新型コロナ
www.miraikan.jst.go.jp/resources/COVID-19/

Science Portal 科学技術振興機構
新型コロナウイルス感染症
–COVID-19とわたしたち–
scienceportal.jst.go.jp/featured/sp_covid-19.html

総合知を活用し、次期SIPやムーンショット等の社会課題解決のための研究開発や社会実装の推進、社会変革を支えるための科学技術外交の展開を進める。
オープンサイエンスを含め、データ駆動型研究など、新たな研究システムの構築を進める。

ふむ??
オープンサイエンス? データ駆動型研究?
なんかIT界隈みたいな匂いがする呼称ですね。

科学技術・イノベーション政策を推進すべく、第6期基本計画中に、政府の研究開発投資の総額として約30兆円を確保するとともに、官民合わせた研究開発投資総額を約120兆円

お、ちょっと本気が伺える?
決めたひと偉い。

「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」
「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」

SIP(第2期)研究開発計画の概要
www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/kenkyugaiyou02.pdf

統合型材料開発システムによるマテリアル革命
三島 良直(みしま よしなお)
東京工業大学 名誉教授
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
技術戦略研究センター センター長

マテリアル革命はおきそう。期待してます。

スマートバイオ産業・農業基盤技術
小林 憲明(こばやし のりあき)
キリンホールディングス(株) 取締役常務執行役員

ここらへんがおもしろそう

ムーンショット型研究開発制度の推進


逆にここらへんはすごいだめそう
・・・。
いや、いいすぎか。

  • ウイルス-人体相互作用ネットワークの理解と制御
  • 大気中CO2を利用可能な統合化固定・反応系(quad-C system)の開発
  • 窒素資源循環社会を実現するための希薄反応性窒素の回収・除去技術開発
  • 非可食性バイオマスを原料とした海洋分解可能なマルチロック型バイオポリマーの研究開発
  • 土壌微生物叢アトラスに基づいた環境制御による循環型協生農業プラットフォーム構築
  • 藻類と動物細胞を用いたサーキュラーセルカルチャーによるバイオエコノミカルな培養食料生産システム
  • シロアリの破壊的木材分解能力を用いた未利用木材の飼料化と食料化
  • 誤り耐性型量子コンピュータにおける理論・ソフトウェアの研究開発
  • ミトコンドリア先制医療

ここらへんは、興味ある

太陽光発電システムに係る発電技術
薄型軽量のため設置制約を克服できるペロブスカイト太陽電池1等の革新的な新構造太陽電池の実用化へ向けた要素技術

ペロブスカイト構造がなんたるかを少し調べました。わかりませんでした。

浮体式洋上風力発電システム

ITER計画では2025年(令和7年)の運転開始を目指して、核融合実験炉ITERの建設作業が建設地であるフランスで本格化

北海道からの海底送電線とか、直流送電みたいな動きがいまあるみたいですね。
なんか長距離送電とかロスがぱねぇっていう印象しかないですが、どれくらいまで改善したんでしょうか。

水素・蓄電池等の蓄エネルギー技術を活用したエネルギー利用の安定化

水素の燃料電池化。ちょっと信頼していません。
着火エネルギーの低さ、不爆安定濃度の上限下限の狭さ、元素の性質を考えると無理すぎる。
無知な政治家騙して強引に進めようとしているグループがありそうで心配です。

海底資源の探査・生産技術の研究開発
革新的深海資源調査技術
浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO1)向けの電気系統の統合制御設備

メガフロートNEO東京とか、アトランティスをつくってほしいですね。

戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発
www.jst.go.jp/alca/

「農業分野におけるオープンAPI整備に関するガイドライン
www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/openapi.html

政府CIOポータル – Government Chief Information Officers’ Portal, Japan 農業
cio.go.jp/policy-agri

農業情報のデータ交換のインタフェース
え「農業情報のデータ交換のインタフェースに関する個別ガイドライン(試
行版)<H28-GL4>」(第1版)を取りまとめ、公表した
www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/nougyou.html

農業ITシステム間の相互運用性の確保が容易であり、国際的に広く普及して
いるSensor Observation Service(以下、「SOS」という。)を推奨することとし、SOSに基づ
いたデータフォーマット及びAPI (Application Programming Interface)を提示
www.ogc.org/standards/sos

 別表5 センサー機器の仕様及び計測情報のメタ情報記録フォーマット (暫定版) (Excel形式)

ちょっと調べてみました。参考になりました。

ものづくり・コトづくりの競争力向上

「コトづくり」の記載どこ??

産学共創プラットフォーム
共同研究推進プログラム(OPERA)
www.jst.go.jp/opera/index.html
起業家マインドを持つ人材の育成
科学技術振興機構において、スタートアップ・エコシステム拠点都市

おおいにやってください。

グローバル拠点都市4拠点、推進拠点都市4拠点

4拠点ってありましたが、詳細がどこの都市だかわからなかったので調べてみたら6都市ぐらいでてきました。

・・・がんばってください。


正規分布と障害


あ、あ、あ。
文を読むということはとてもむつかしい。下手に漢字をひらいても読みにくいし、修飾子と非修飾語を離したり、句点を、こんなふうに、やられるのは、とても、よみにくい。難解な漢字もなく、たとえ音読をできたとしても、そこに何が書かれているかの文意をくみ取ることは、目が滑るばかりで、なにより、よほどむつかしい。3割の日本人は日本語が読めないなどとひとはいふが、読みにくく書かれたものはことさらにむつかしい。

3割と書いたが、そもそも割り算はむつかしいものだ。分数でふるい落とされる小3を9歳の壁といったりするそうだが、割り算の概念は足し算や引き算、掛け算と脳の使う場所が違うのだとかなんだとか。老人ホームなんかでも割り算が先にだめになるなんてのをどっかで読んだような聞いたような。ケーキを等分できない人たちがいるそうだけど、むべかるかな。割り算に必要な抽象化ができないと、計算はできるが割り算がわからない。割り算がわからないと並び替えができない。並び替えができなければ優先順位付けやリソースの分配はできない。

さて、さて。
ちゅう事で、掲題からもわかるとおり、ちょいと障害がらみのセンシティブなところに踏み込んだ内容になりそうだったので、無駄なまくら文章を書いてみた。4行以上の文は基本読まれないし、グラフや幾何的な情報から情報を浚うことはむつかしいので多分大丈夫。

そんなわけで、正規分布のお話し。

これは平成31年の小学校6年生男子の身長の分布図。
こういう真ん中にもっとも厚みがくる分布は正規分布、ベル型(ベル曲線)と言われたりするもっとも典型的な分布だ。いろんなものを、適当な評価軸と粒度で分解して並べて積んでいくと、正規分布的な図形になることが多い。
体重だったり、足の速さのような身体能力だったり、テストの点数など。
だけども「ものさし」、分解や粒度を間違えると正規分布と呼ぶにはいびつな分布になることがある。

これは平成31年の高校3年生の身長の分布図。
中央のもりあがりの部分が2つにわかれているように見えるのは、なんのことはない、これが男女をわけていない身長の分布だからだ。

これを男女別々に分布を取ればきれいな正規分布の曲線が2つとれる。お山が2つあるので二項分布と呼ばれたりする。身長は年齢や性別と相関があるので、これを無視して結果を混在させると、要素によってお山が割れたりする。逆に多項分布になったときは、その要因を見極めて分解してやれれば、正規分布を得ることができたりするものだ。(ここでは説明はしないけど算術平均、最頻値、中央値ぐらいは知っておくと、幸せになれるとおもうので、もし知らなければ統計本の一冊でいいから読んで損はない。)(男子の「169じゃない170だ!」というのが統計からも見えて涙ぐましい。)

だが、世の中そんなにすべてが綺麗に正規分布をとるわけではない。
先の男女ごちゃまぜにした身長の分布のように、要素の分解を間違えると、比較が意味のないデータ群になったりすることもある。赤ん坊や寝たきりの老人まで混ぜた50m走の結果には、計測不能データが多く混じることだろう。50m泳法バタフライなんかになれば、さらに計測不能だらけだ。

フルイにかけて粒を同じようなもので並べて、測る、計る、量る。
はかった結果、比較可能な数字にするのは割り算だ。粒度の設定が必要になる。
身長ならセンチというものさしをつかっての割り算で、人間の体重ならキログラムというスケールを用いる。だが金魚の体重ならグラムで、クジラの体重はトンで比較せねばなるまい。コホート、ものさしが一緒だから並べることに意味がでてくるし、並び替えたり、その分布をみて比較、並び替えができる。

分布が集計により統計的にわかっているから、例えば身長ひとつとっても、異常値や外れ値がわかるのであり、それを判断材料として、なにかしらの対応が必要なものを判別することができるわけだ。逆に統計がみえないと、個別のエピソードで悲劇を語ったり、自身が体感した観測範囲でしかものを言えなくなる。リスクとベネフィットの比較はできず、ワクチン反対運動とかコロナなんてただの風邪とかエビデンスなにそれになる。

オリンピックのような競技大会は、大会に参加するのに参加標準記録のようなフィルターを設けたり、格闘技であれば、体重階級別に分けたり、風速などを揃えたりすることで、結果の分布が正規分布に近づくルール設定がなされる。昨今はLGBTQがらみで元男性アスリートが女子大会に出て記録上位を攫って物議を醸したりしていたが、女子の大会結果だけが多項分布になるようなことが続くのであれば競技としては別のルールが制定されるだろう。結果の点数分布が正規分布とは程遠い形になるになるような競技やテストには、環境や作題に問題がある場合がある。


標準正規分布がもつ確率密度関数のグラフ

±2σ 以下だと 95.45%がその中におさまり、±3σでは99.73%はその範囲に収まる。
±3σに収まらないのは稀な存在ではあるが、例えばそれが学校の成績のようなものであれば、主席とビリッけつのようなもので、ありはするものだ。

はて、さて、この±3σにも収まらない例外を人間社会はどう扱うのだろうか。
特に日本は標準を尊ぶので、上にも下にも外れるとなかなか厳しい社会ではある。
能力、年収、容姿。上に抜けても下に抜けてもずいぶんと大変そうだ。
政治信条(政治的スペクトル)が右左3σから外れるような主張はもはや見なかったことにされるだろう。
逆にyoutubeやInstagramなんかのSNSは、±3σからはみ出る極端さがないと、注目を集めない。

運動能力や知的指数であればどうか。±3σから外れれば身体障害者や知的障害者として99%の人たちから保護される対象になるかもしれない。逆に、±2σに収まる95%の人がそうであるようなものを病気として、社会全体が支える社会保障対象にするのは成立しないだろう。(なので、身長無視して腹囲85cm以上は一律メタボとか言うのやめよー?)

知能指数も正規分布に近い曲線を描くことになるが、知的障害の場合、知能指数は50~69程度が軽度知的障害者となり障害者となるが、知能指数は70~85程度はボーダー(境界域)は障害者ではないとなる。能力は平滑線をとるが、社会的支援は階級的となる。ここには少し悲劇がある。もっと将来はどうだろうか。経済的に付加価値を生み出せる産業が高度な知的産業ばかりになり、そのボーダーがやがて100まで引き上げられたら?120、140・・・と。

加齢により運動機能は低下する。ある程度までいくと介護が必要になる。若者が減り、より老老介護に頼らざるをえない状況になったら?

99%の人が1%の人を支える、95%の人が4.5%の人々を扶養する、68%の人が32%の人々をフォローする。それとも、0.5%の人が99.5%の人をひさぐ職をつくることができるのか。はてさて。障害という粒も、やがては、有効数字の彼方に消えゆくものなのかもしれない。

・・・が、過渡期は地獄よな。

参考

学校保健統計調査 / 令和元年度 全国表
www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E8%BA%AB%E9%95%B7%20%E5%88%86%E5%B8%83&layout=dataset&stat_infid=000031925051&metadata=1&data=1

日本人の3分の1は日本語が読めない!?
business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00261/

正規分布
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%88%86%E5%B8%83

知的障害
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E7%9A%84%E9%9A%9C%E5%AE%B3


webUSBやwebSerialの苦労話


半年ほど前、アンドロイドタブレット専用のポケットCO2センサーの開発機に触れる機会があり使ってみたのだけど、パソコンにでもぶっさせて使えたらいいのになーと思っていた。そんなある日、100円ショップでUSB-typeA to Micro-Bの変換ケーブルを売っているのを見かけて、「あ、接続できるならできるんじゃね」と思ったのが艱難辛苦の始まりだった。

結論から書くと、Google ChromeブラウザのwebSerial APIを使うことで、パソコンなどに接続したUSB機器の読み書きが行えるようになる。USBメモリであったり、USBで接続しているキーボードやマウスであったりするのだが、それがブラウザ、つまりJavascriptでのちょっとした実装だけでブラウザにデータ取得できるしそのままデータをサーバー側で集計することもできのである。

いまのところ、うちのお店でも取り扱っている二酸化炭素センサーにおまけとしてURLを案内している。用途が用途だし、ボランティアで気まぐれに実装したものなので、うち以外から買ってもらった人も使ってもらってもかまわないので、ご自由につかってくださいって開発元(?の大学のセンセイ)にお渡ししたので、もしかしたらそのうち公式でも使えるようになるかもしれない。

二酸化炭素センサーはどうせならうちが扱っているやつをご購入いただけると、センサー精度的にもデータ・ストレージ拡張性とかもあるのでおすすめ。というかおすすめだから紅茶屋がわざわざ扱っているんだけど。

二酸化炭素ポケットCO2センサー Lite

item.rakuten.co.jp/hagurachaya/co2lite-627/

store.shopping.yahoo.co.jp/hagurachaya2/co2lite-627.html

USBがブラウザから操作できるというのは、組織のシステム管理者からすると悪夢のような話しではあるが、セキュリティと利便性はバーターであると考えると、その応用性の高さについては、技術者なら一考するべきなのではないかとおもう。Androidやraspberry pi、micro:bitのようなもの、はたまた今回のようなチップを積んだ二酸化炭素センサー、IOTをブラウザからあれこれ操作できるのは純粋にいろいろ便利。

webUSBを初めて知ったのはHTML5が勧告されたころであったろうか。とんでもない仕様が出てきたなとおもったが使う機会も予定もなかったためスルーしていた。

ミュージックハッカソンなるものがお気に入りで年1ぐらい参加していたのだが、3年めぐらいのときだろうか、あるときウェブミュージックハッカソンなるものに参加した。たしか会場は六本木のGoogleさんだったとおもう。4~5年ぐらい前だろうか?その時の即席チームで作ったのは、webカメラで捉えた映像からステップ・シーケンサー的にタイルを読み取ってMIDI楽器から音を鳴らそうというものだった。

WEBカメラから取得した動画をキャプチャして色調で階調化しモザイクタイル化し、それを音階と音調にするところまでは自分が担当して作ったのだけど、音をどうやってならすん?ってなったときに、チームメンバーがMIDI楽器をつなげて制御してくれるのを作ってくれた。そのとき使われた技術がweb USBの兄弟、web MIDIなるもので、そんな変態的なAPIがあるんかいな!?と顎が抜けたのを覚えている。USBでつないだローカルのMIDI楽器をブラウザ経由で操作できるのだ・・・。実際それで音がなったのでびっくりしたもんだ。
ミュージックハッカソンではヤマハのネットデュエットみたいなセッションをするためにどんだけ通信ディレイをなくせるかみたいなところに注力されがちだったけど、webRTCとかでブラウザ間通信で付属の楽器まで遠隔で操作できたら確かにそんな未来もあるかもしれない。って、まだそんな未来は来てないけどな。

まあ、そんなこんなで、webUSBの存在は知っていたので、データ取れたらラッキー程度の心持ちで、ケーブルを買って夜な夜な取り組みだしたわけである。

web USB
wicg.github.io/webusb/

で、あれこれ試したのだが、マウスやキーボードはwebUSBの環境をつくってやればコネクトできたのだが肝心の二酸化炭素センサーが見えない。

Micro-B to Type-Aのケーブルでパソコンと繋げても、ディバイスマネージャーからもなぜか接続が確認できない。ガジェット側のLEDランプはついているので接続はできているはずなのにと苦悶した。

Windows側、Microsoftの公式アドオンアプリに「usbview.exe」なるものがあると知り、いれてみる。みれない。mac air M1はtype-cなので、system_profiler SPUSBDataTypeやらls -l /dev/tty.* やらをやって・・・。あれ、見れる??はて?なんでTYPE-Aだと見れないんだと、ふと、ケーブルが入っていた袋をみる。

なんと、バッテリーデリバリー専用のケーブルでした・・・!!?
世の中こんな恐ろしいものがあるんですね。正直一連のあれで一番苦労したのはこれでした。

今更だけどtype-Aとかtype-b Micro-B、type-Cとかの基礎をお勉強した。

micro-B to Type-Aのケーブルなんて、考えたらモバイルバッテリー用とか他にも何本ももってたのによりにもよって新しく100円ショップで買ってきたケーブルでやり始めたのが大きな不運だった。
だが、これのおかげで完全に意地になった。

web USBでやろうとしたのだけど、windowsの汎用デバイスドライバが先に掴んでしまっていて、ドライバの書き換えなしには難しそうであったのでWeb Serial Apiに切り替えた。そしてWeb Serialの沼に落ちるのである。

Web Serial API
wicg.github.io/serial/

Web SerialはChrome version 80以上しか実装していないうえ、ごくごく最近まで手をいれられ続けているものなので、目下開発中な感じのApiだ。ちょっと検索しただけで死屍累々、スタックオーバーフロー四暗刻(何か技術的検索をしてstackoverflowの質問が検索結果上位4つ以上を埋めること)であった。

まず、つまずくのが

chrome://flags/
#enable-experimental-web-platform-features

とか

chrome://device-log

とか、見たことない画面への遭遇である。いや、まあここらへんはwebUSBでも必要だっけか。

そして、次につまづくのは、公式サンプルコードすら動かないというところだ。
ふふふ。笑える。

何故か?
port.open()のoptionの値が間違っているからだ。
そりゃスタックフロー四暗刻になるわと思いながら、正直、まあ、ここまでやろうと環境をつくれてる人は突破できるであろう程度の壁でしかない。リファレンスを読めばわかるので、もしかしたら、ScriptKiddy封じのためわざとそうしているのかもしれないので、ここでは詳細には触れずにキャメルやないかい!とだけ言っておく。

で、それで動くかっちゅうと、まだ動かんのですよ。
そもそも使えないブラックリストがあるとかってんで確認したりなんだり。まあ自分の場合、javascriptをよくわかっていないので、asyncやらawaitとかここらへんどうすんだべと悩んだり、名前空間つかえるのか!と実装しようとしてconstの名前空間はどうしたらいいんだろうとか、そういういらんことでつまづいたりしりした。vue.jsに手を出そうとしてこれがやりたいわけじゃねぇやとjQueryに戻ってきたりなんだり。

寄り道はしたけど、実際openしてデータストリームを受け取れるようになった後も、一行でほしいデータセットが3回ぐらいにわかれて送られてきたり、数行分おくられてきたりして、行終端がわからなかったりして、これbaudrateか??とか、javascript側からみると終端に\rしかいなくて、なんで???となったり、あれやこれや。

最近だとLite版とPro版でコマンドの実装がちょいと違って、wiresharkのお世話になった。
そう、wireshark、今USBの通信もキャプチャできるようになったんだって。便利だね。

まあ、そんなわけで、できるってわかればあっさりできちゃうこともあるよね。

他にも登ろうとした山

Androidの開発環境つくりかけてた

PCで正常系の環境再現したいなと素人ながらに考えて、何故かAndroid studioを入れた。
というのもGooglePlayからアプリを入れられるAndroid筐体で自由になるものが手元になく、仮想環境でつくろうと浅はかな知恵をしぼったのだ。だが、これもAMD系のCPUだと仮想環境が動かんのでなにやらBIOSから触らなきゃいけない嫌な感じであった。

そして、これがすこしできるようになってきたところで、登ろうとしている山の高さに気が付き、あれ、おれなにやってるんだろうと、くじける。

Android OTG デバイス給電

ひとにあったりするごとにAndroidの実機を借りて動かしてみたのだけど、最近のスマフォはUSB type-cになっていて、OTGの仕様が機種多様に山程あることにすこし躓いた。・・・これ普通のひと切り替えられないんじゃ説。

USB シリアル接続

触らさせてもらっていた実証実験用の実験機はUSBシリアルで設定をせねばならず、windowsやmacから行う必要があるものだった。まあ、黒い画面をひらいてシリアル通信ができるひとならできるだろうけど、ふつうの人には難しいとおもう。正直、商店街のおじさん達には無理なので自分で協力店を探して設定してまわったのだが、これがwindows exeになったからといって、キャリブレーションとかの意味をサポートなしでわかるひとどれくらいいるんだろうかと不安になったりしている。

流通している二酸化炭素センサー

なんかコロナ禍前は二酸化炭素がらみのセンサーを探すのに苦労してたのに、この数ヶ月で意味のわからん商品だらけになってて怖いです。

スタイリッシュなのが売れ行き好調なようです。まあモニタついていて安いしね。うちのは検索にひっかかりもしません。

とある製品を購入しました。人間の吐き出す吐息は2~3万ppmあるわけです。息を吹きかけても値がほとんど動かんので、ろうそくが消えるまで密閉空間にぶっこんでみたんですよ・・・。他のセンサーが2万とかを刻んでるところ、こわい結果になったのもあったりしました。おっかないですね。
国産って書かれてるのもあるけど、なんか、一年前はシンガポールから送られてきてたやつやないかい?というような気がしてるのもあったりします・・・、まあ、いろいろもやもや。おっかないですね。

他、webSerialの迷えるこひつじのためのURL

github.com/google/web-serial-polyfill/blob/master/demo.html
glitch.com/edit/#!/remix/web-serial-codelab-start