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  • gacco全部履修者の徹底レビュー #gacco

    第二次大戦終了時には50校もなかった大学が1949年には国公私立計178校、現在は国内で783校もある。世界では1万以上あるのだと。
    むかーしむかし、大学が「発明」された12世紀前後は、貴重な書物を求めて旅をするための知を求めた放浪者ギルドだったそうな。14世紀になって活版印刷技術が書籍のコスト革命をおこすと、各地に多くの図書館と大学がつくられるようになったそうな。
    で、現在のような大学になるんだけど、この活版印刷技術が発明、普及したのと同じような情報革命が現代でおきてるんですよね。

    教科書、書物などを用いて知識を教授する育成期間という大学も、情報革命による情報伝達のコスト変化により、当然、求められるものも体系も変わってくる。現在はその黎明期でいろんな模索がくりひろげられている。
    Massive Open Online Courses / MOOC(ムーク)もその有力候補のひとつ。

    受講者数の鈍化から早くもMOOCsのブームは終わったとまで言われているけれど、そーじゃないと思うんだよね。先鞭はついた。こっからどうそれを踏まえてという形だと思うんだ。
    で、今日は日本でその土台になったといってもいいgaccoについて徹底レビューしたい。
    なんせ、ここまでの授業は全部履修してるから、ケッコウディープなレビューができると思う。ここまでのコース、4つを除いて修了書が発行されている。
    誰だい?学問は貧乏人の手慰みなんていうのは?

    「gacco」から「ドコモgacco」になって、授業が増えてきて全部履修とかそろそろ無理そうだし、だいぶお腹いっぱいになってきたからね…。総括。閉鎖されるまでの時間が短くなってシラバスとか自分が提出したレポートすらも見れなくなって、なんかすごくmooc的じゃなくなってきたので、…そろそろね。

    gaccoのレベル感

    正直courseraとかedXとか、海外のmoocsに比べたら、gaccoはmooc未満。ただの授業光景投稿動画と言ってしまっていいレベルだと思う。まだやっている側が放送大学とかの教材配信と区別ついてないんじゃないかな。
    例えば、courseraとかで今興味をひかれているコースをみてみると
    https://www.coursera.org/

    Stanford大が提供している9/21から始まる、「音楽アプリのためのオーディオ波形処理」なんかは、Pythonというプログラミング言語をつかってオーディオ波形を勉強しようなんてコースだし、 Princeton大学の9/4から始まる、ビットコインと仮想通貨を通じて、暗号まで勉強しちゃおうみたいなコースなんてものがある。

    Audio Signal Processing for Music Applications
    https://www.coursera.org/course/audio

    Bitcoin and Cryptocurrency Technologies
    https://www.coursera.org/course/bitcointech

    上の授業はまだ始まっていないので実際のレベルはなんとも言えないんだけど、他のコースとかを受けてみた感じだとぶっちゃけ、すげぇ大変。宿題でレポートを書くのにプログラムを書かなきゃいけなかったり、レポートも3分の動画に纏めてyoutubeにあげてそれをピアレビューし合えとか、そんな無茶な…!誰ができるんだよそんなの、と思うんだけど、ケッコウ世界のみなさんはプログラムとかガリガリかいて、宿題してるんだよね。プログラムとか関係ない一般教養的な内容でプログラミングがあたりまえになってる世界のレベルにわしゃ嘆息したよ。

    それに比べて日本のgaccoはラジオとか音楽代わりに片手間に聞きながして、特に調べもしないで宿題とかレポートをあげればだいたい修了できる。聞いたこともない未知の内容というよりは、一般的なジャンルが多いので耳学問程度にちょうどいい。
    再生速度は2倍固定で、面白い授業だと1.5倍。
    まあ予備校だの、専門学校だののビデオ教材ののりが近いんだと思う。

    他のmooc的なの

    gaccoに飽きたらここらへん見てます。
    東大.tv
    http://todai.tv/

    ICU OpenCourseWare
    http://ocw.icu.ac.jp/#cwc

    民間のサービスとか類似の他にもいくつもあるんだけど、まあセミナーとかの動画配信のレベルなので、まあだったらTEDとかのほうが有意義かなと。

    gaccoのコースのレビュー基準

    さあ、いよいよコースの評価をするよ。ずっと採点される側だったから逆襲だね。
    閉鎖されてシラバスすら見れなくなったコースもあるので(どうなってるんだよ!)、どんな内容だったか思い出しながら書きます。

    (役立つ)伝播する価値がある知見か
    (おもしろい)伝える力をもっているか

    ここらへんを評価軸に、一言コメントを添えます。
    ☆の3段階、(役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆☆

    コピペがてら参考までに自分の課題全体の得点率も掲示しておきますが、これは講座の難易度とはあまり相関ないです。
    問題がイージーすぎたり、ツマんないから点数が低かったり、逆に難しいけどおもしろかったから点数が高いものとかいろいろ。レポート提出期限に間に合わなかったやつとかね。

    gaccoのコース徹底レビュー

    sp002 【国土交通省観光庁】 オンライン講座「旅館経営教室」
    課題全体の得点率: 90%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆☆
    インバウンドこれからの時代に旅館業をどのように盛り上げるかという、実にプロスペクティブな内容でした。この調子で林野庁による林業入門とかどんどんやって欲しいです。

    ga037 知的財産とビジネス
    課題全体の得点率: 70%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    多摩美大の子は必修でおねがいします。まああまりおもしろくは無いけれど、薄い知財の本一冊分ぐらいの網羅です。

    gb003 《実務・資格講座》民法で拓(ひら)く、若き「士-SAMURAI」への窓 -宅建士 民法入門-
    課題全体の得点率: 78%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    まったくここまで触れたこともない隔絶された知識があるんだなーと感心しながら受けました。
    なんで、こんな事になってるんだろうという、制度のムリムダのほうが気になったけど、気にさせてくれた示唆に富んだ内容だとおもいました。

    ga040 ランニングのスポーツ健康科学
    課題全体の得点率: 83%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆
    実は乳酸は疲労とは関係ないなど、旧来いわれていた内容を科学にもとづいていろいろ覆してくれるいい内容でした。

    gb002 《実務・資格講座》憲法で拓(ひら)く、若き「士-SAMURAI」への窓 -行政書士 憲法入門-
    課題全体の得点率: 100%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    行政書士が憲法を勉強する必要があるなんて初めて知りました。ちょうど安全保障問題で話題になってたので、憲法を読むのにはちょうどいい機会でした。

    ga034 オンデマンドで行なう動画表現のためのワークショップ
    課題全体の得点率: 91%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    企画とシナリオから、撮影、作曲、映像編集など網羅的なコースでした。ワークショップとあるけど、別にハンズオン的な内容ではなかったかな。

    gb001 《実務・資格講座》はじめての簿記 スッキリわかる日商簿記3級
    課題全体の得点率: 98%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆
    すっごい、資格の学校っぽい内容でした。課題の達成率が高いのは講師のおねーさんが美人だったからかもしれません。
    社会人なりたての初学者にはいい内容。ビジネスパーソンなら簿記3級相当ぐらいは知ってて損はないかな。得もないけど。

    ga038 《gacco特別企画》Evernoteで広がるgaccoの学びスタイル
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    Evernote使ってる?たまーに使うけど、データースクレイパーな人ではないので、そういう切り抜き派の人にはいいかもしれない。いつでも受けられる講座です。

    ga036 MBA戦略経営
    課題全体の得点率: 50%. 修了証に必要な評価: 60%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    忙しくて4週と最終レポートの提出が間に合わず修了できなかった。
    ケッコウ真剣にMBAの基礎レベルの内容を抑えてた&ケースワークが多かったので楽しかったです。オフラインコースにも申し込んでたんですが、これまた忙しくてキャンセルしちゃいました。

    ga035 ビジネスプランをつくってみよう
    課題全体の得点率: 100%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    社会人1~2年目ぐらいの新人に指導するにはちょうどいい内容だなと思いました。実務で事業計画書とか書人や自分でビジネスやってる人にはつまらないかも。

    ga024 情報セキュリティ『超』入門
    課題全体の得点率: 92%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    IPAあたりのITパスポートぐらいのセミナーでやりそうな内容でした。知識のない人はここらへんを抑えておいたほうがいい内容だとは思いますが、おもしろくはなかった。

    ga029 大航海時代の日本:日欧文化交流の歴史(ヒストリア)
    課題全体の得点率: 72%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    大友宗麟らキリシタン大名あたりのネタをとても突っ込んでやっています。特に活版印刷術伝来のレポートはとても深く新知見でした。

    ga028 物理法則プログラミング入門
    課題全体の得点率: 80%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆
    タイトルからすごい期待しちゃったんだけど、個人的にはおもしろくなかったです。jsだったらcanvasとか、D3.jsとかのサンプルとか見たほうが面白いかなーと。

    ga026 ポップパワー
    課題全体の得点率: 48%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆
    中村 伊知哉さんが講師で授業をされているのだけど、なるほど日本のクール・ジャパンはこういう評価軸で動いているのかという意味ではよくわかりました。ポップというよりはこれサブカルじゃね的な。

    ga030 デザインへのまなざし - 豊かに生きるための思考術
    課題全体の得点率: 82%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    教材のビデオがアングルとかすげぇ凝ってて、アートって感じ。ユーザー中心主義だの、デザイン主導主義だのの講義の後にいろんな人のインタビューが入る。音のコンサルタント・石田 康二さんの話しとか、非常に新しい視点をもらえた。

    ga022 東日本大震災を科学する
    課題全体の得点率: 77%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆
    メカニズムやその後の対策などについて、体型的にまとめてくれています防災学ですね。地震、津波、リスク評価です。原発災害関係はありませんでした。

    ga023 脳と創造性
    課題全体の得点率: 76%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆☆
    茂木健一郎さんの授業ですね。おしゃべりがうまいなーとおもいました。

    ga032 メディアリテラシー-情報の収集と発信-
    課題全体の得点率: 74%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    メディアリテラシー大切ですよね。朝日新聞社の一色さんがコーディネートしています。メタ的に面白かったです。アシスタントの女の子はアイドルっぽかったです。

    ga025 3Dプリンタとデジタルファブリケーション
    課題全体の得点率: 92%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    ちまたで流行りのFABラボの紹介やら何ができるやらとかについて浅く広くやってくれていました。Makeムーブメントですね。

    ga027 《特別講座》 ネットワーク産業論
    課題全体の得点率: 100%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆☆
    夏野さんの1枠だけの授業ですね。夏野節を聴くだけですが、リアルタイムでイラストを書いて議事録をとってる人がついてて、これはすごいなとおもいました。

    ga031 社会人のためのデータサイエンス入門
    課題全体の得点率: 81%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆
    gaccoで充実しだしている統計系の授業です。はずれはないです。

    ga020 ブラックホール入門
    課題全体の得点率: 79%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆
    普通に生きていたらシュバルシルト半径を計算することもなかったと思います。未知の世界だった。

    ga021 マンガ・アニメ・ゲーム論
    課題全体の得点率: 80%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆
    ポップなタイトルでしたが真面目に学問していて驚きました。こんな学問があるんだーという発見はありました。

    ga018 人とロボットが共生する未来社会
    課題全体の得点率: 76%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    知能ロボット学者の石黒先生がかなりぶっとんでいるというのが開始10分でヒシヒシヒシと伝わってきます。それと同じような感じで、問題の作り方もへそが横についているような感じですが先端研究紹介なので面白かったです。

    ga015 カタチで意味を伝える ピクトグラム
    課題全体の得点率: 84%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    オリンピックエンブレムで揺れる昨今、この授業を受けて欲しいですね。アイコン的なデザインをつくるデザインコースです。しかしあのエンブレム、ピクトグラムツールでつくれちゃうんじゃないかと思いました。

    ga012 歴史都市京都の文化・景観・伝統工芸
    課題全体の得点率: 90%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆
    京都の祇園とかの知識が得られます。祇園山笠とかのドキュメンタリーをやってた時期と同じころだったので興味深く聞けました。

    ga011 化学生命工学が作る未来
    課題全体の得点率: 94%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    いきなりガチレベルですね。授業聞いてうわーっと思いました。他のgaccoは教養レベルですが、これだけ専門課程の1年制レベルでも振り落とされるじゃないかと思いました。かなりの基礎知識がないと辛いかもしれません。
    格子欠陥、Ti-TiO2複合体、電気二重層、キャパシタ、バイオミメティックス、ドラッグデリバリーシステム、微生物学
    ね?

    ga019 よくわかる!iPS細胞
    課題全体の得点率: 100%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆
    ポップな内容かとおもって突撃すると死ぬかもしれません。ケッコウ難しいんじゃないかなと聞いていて思いました。

    ga016 イノベーション入門
    課題全体の得点率: 84%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆
    MBA的な内容ですが、どれもさわり部分を丁寧にやっているので、受ける価値ありです。集団浅慮(グループシンク)、集団傾向(グループシフト)、暗黙知、形式知、PMBOK。

    ga017 インタラクティブ・ティーチング
    課題全体の得点率: 87%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆☆
    すべての教職の人はみるべきだし、社内の教育とかにも役立つ。でも修了はちょっとむずかしいかも。他の授業コースの3倍ぐらいの長さと濃さがあります。

    ga014 統計学Ⅰ:データ分析の基礎
    課題全体の得点率: 81%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆
    基礎的な統計ですが、大学などで学ぶ機会がなかったかたや独学をされたかたはひと通り受けることをおすすめします。とても体型的に練れた教材構成でした。

    ga010 モチベーション・マネジメント
    課題全体の得点率: 97%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆☆
    BusinessPersonは受けたほうがよい授業です。組織管理学や、生産工学とかに近いのかな?部課長レベルの人は知っていたほうがいい知識だとおもいます。これだけで1エントリー起こしたいぐらい。

    ga007 俳句-十七字の世界-
    課題全体の得点率: 76%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆
    プレゼンテーションのレベルが低くてちょっと眠くなりますが、読み上げの女性の声がとてもよいのと、俳句の学習というのはなかなかできないので知的刺激は豊富でした。

    ga013 交流文学研究 ~東南アジアへの旅~
    課題全体の得点率: 94%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆
    比較文学というジャンルそのものの存在を知りませんでしたし、マレーシアの文学とかもう未知の世界すぎてとても刺激になりました。

    ga003 国際安全保障論
    課題全体の得点率: 0%. 修了証に必要な評価: 58%.
    (役立つ)☆☆☆ (おもしろい)☆
    宿題提出する気がなかった最初の頃の授業です。安保法案だとか戦争法案だとか言っている人は基礎知識として見たほうがよいと思います。

    ga009 デジタルアーカイブのつくり方
    課題全体の得点率: 79%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆☆
    研究実績紹介に付き合わされた感じですが、この手のプロダクト・アウトを中心に講座があることはないのでなかなかおもしろかったです。

    ga008 ビジネススクール(入門)
    課題全体の得点率: 67%. 修了証に必要な評価: 70%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆
    オフライン講座にまで行ったけど落とした…。あと3%足りなかった。真面目に取り組んで唯一落としたコースと言っていい。
    何があれって、week1のレポート課題の戦略思考が「150人の人員整理を実行した坂本の心は病んでいた。」とかいう、感じでなんだその戦略思考はと納得行かなくて、課題設定に無理があるとか文句ばかり言ってたら点数が取れませんでした……。

    ga002 インターネット
    課題全体の得点率: 0%. 修了証に必要な評価: 69%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆
    技術者以外の人には難しいかな?宿題提出するつもりもなかった頃の授業です。年長者の武勇伝にお付き合いした感。

    ga005 経営(マネジメント)入門
    課題全体の得点率: 72%.
    (役立つ)☆ (おもしろい)☆
    BusinessPersonならひと通り知ってて損はないかな。正直あんま印象にのこってない。どんな内容だったっけ.

    ga004 オープンエデュケーションと未来の学び
    課題全体の得点率: 88%.
    (役立つ)☆☆ (おもしろい)☆☆
    そのものmoocについてなんぞやという授業です。授業というよりは報告に近いかな?moocってなんぞやというひとはここから入るのが良いと思います。ほどよかったとおもいます。

  • music hackday tokyo 2015 完走 #musichackday #mhdt2015

    「おい、どうした疲れてんな、まっすぐ歩けてねぇぞww」って、地元の商店街に帰ってきたら近所の店長に声をかけられたんだけど、それもいたしかたのない話し。24時間テレビの裏で24時間プログラミングするという体力勝負のイベント帰りなのだったのだぜよ。

    http://www.musichackday-tokyo.org/

    徹夜明けのテンションで、「100人も集まって2日間もコーディングしてたら200人月だな!」とか言っちゃったんだけど、200人日の間違いでした。謹んで訂正するのでゆるしてください。

    さて、私の参加した即席チーム「歌うドラムbyヒゲメガネ」ですが、残念ながら賞を受賞するには適いませんでした。
    「機能はつくれたけど、バリューは作れなかった。」私談。
    エンジニアだけのチーム構成になっちゃったので、テクノロジー偏重になってしまったのは、楽しかったけど、至らなさを感じ反省した点でもあります。技術的にはケッコウな未来に挑んだと思うんだけど…。

    歌うドラム by ヒゲメガネ
    http://hacklog.jp/works/3378
    「歌うドラム」はあなたの動作や音に合わせてミクさんが歌ってくれる楽器です。例えば「歌うコンガ」「歌う顔」「歌う手」などさまざまな応用ができます。

    担当したのは、オーディオの波形をタイミングに変換してサーバー側に送信する(html5)ところと、受け取った音データをクライアント側でバッファ再生して同音再生するところ。
    どちらも昔つくった奴の流用なんだけど・・・。

    センシングIFとして、JINS MEMEやOMRONにも挑んだんだけど、会場に数百人居てBluetooth何台あるんだってぐらい認識するのと、数時間かけてSDK系で他のチームも苦戦しているのをみて諦めてしまいました。というか隣のチームに他のハッカソンでomronに挑んでSDKあれこれしてたら終わってしまったっていう苦い思い出話しをしてくれた某たぷくんがしてくれて、githubに遺産をあげてくれてたのだけど、何もできあがらない可能性も怖くて勇気が出ませんでした。

    他のチームのハックはこちら。

    <作品名 URL>
    1 OPERALOID by SANMA http://hacklog.jp/works/3414
    2 ランダムプレーヤー with Beacon by Loop-Sessions http://hacklog.jp/works/3413
    3 ROUTE MUSIC by -D http://hacklog.jp/works/3412
    4 Music of Game! http://hacklog.jp/works/3409
    5 Dj Faces by Dj Takaaki http://hacklog.jp/works/3405
    6 にゅうみっくby みゃっくばんど http://hacklog.jp/works/3399
    7 Black pepper by Black Red Hot Chili peppers http://hacklog.jp/works/3397
    8 Squeeze Music by GoGyo http://hacklog.jp/works/3396
    9 おんぱしゃ♪ by 音波社 http://hacklog.jp/works/3391
    10 Crysta -クリスタ- http://hacklog.jp/works/3385
    11 DJ MEGANE by LiveMatch from NEXT http://hacklog.jp/works/3384
    12 眠たい僕の代わりに子供に読み聴かせしてくれる by七辻屋 http://hacklog.jp/works/3383
    13 ORFes by オルフィスト http://hacklog.jp/works/3382
    14 SoundLine by NoMusicNoLifeLog http://hacklog.jp/works/3380
    15 CliMix [クライミックス] http://hacklog.jp/works/3379
    16 歌うドラム by ヒゲメガネ http://hacklog.jp/works/3378
    17 エドガーのええ動画 http://hacklog.jp/works/3376
    18 農クワット by mant http://hacklog.jp/works/3375
    19 Call & Response http://hacklog.jp/works/3374
    20 MINOKONASHI byプライズ欲しい http://hacklog.jp/works/3373
    21 あなたのお供にPepperエアギター by Pepper Guys(仮) http://hacklog.jp/works/3370
    22 Tacitenn – Simplest Multi-angle View Creating For Best Performance http://hacklog.jp/works/3369
    23 ATEFURI http://hacklog.jp/works/3368
    24 OXO – オグゾー by Mash and Room http://hacklog.jp/works/3367
    25 MANDALA by WILD LIFE http://hacklog.jp/works/3366
    26 ODORE by BON BORN http://hacklog.jp/works/3365
    27 nemimi by Kirinsan.org http://hacklog.jp/works/3363

    個人的ピックアップ

    3 ROUTE MUSIC by -D http://hacklog.jp/works/3412
    オルフェっていう光る靴ディバイスで進んだ方向の国の曲を再生していくという、靴だけじゃなくてアイディアも光ってました。

    5 Dj Faces by Dj Takaaki http://hacklog.jp/works/3405
    omronに挑んでハックしたので尊敬。
    顔認識センサで顔の向きや遠近で掛かっている音楽にフィルター系のエフェクトをかけて行きます。
    複数人再生で同時再生ができます。プレゼンがすごく面白かったです。

    8 Squeeze Music by GoGyo http://hacklog.jp/works/3396
    トラブルが重なって発表が一番最後になったチームだけど、優勝をかっさらいました。
    ムードなどを解析するAPIで曲の感情分析をおこない、それを元にカクテルをつくる装置です。
    Maker Faire に並んでたら、受けるだろうなとおもってたんだけど、見てわかるに勝るプレゼンス力はないですね。

    13 ORFes by オルフィスト http://hacklog.jp/works/3382
    大勢のチームでデザイナーやダンサーやらで構成されていて、見た目にインパクトがあるガジェットを選択していたので、受けそうだなと思ってたのだけど、デモを中心にプレゼンしたらよかったのにと思った次第でした。

    15 CliMix [クライミックス] http://hacklog.jp/works/3379
    ページのめくる速度とスクロールの速度から、クライマックスに音楽のハイライトがくるようにするというアイディでした。漫画のクライマックスを高精度で判定できてたらすごいことだなと思いました。漫画のコマの大きさや、書き文字の大きさなどで判断するそうな。
    漫画と音楽というコンテンツの親和性からお金の匂いを感じられたようですよ。

    16 歌うドラム by ヒゲメガネ http://hacklog.jp/works/3378
    司会「肩も凝ってきたので背伸びしましょうか」
    からの、「はんずあっぷ!くらっぷゆあはんず~!」と、ドラムドンドンって初めてしまったのだけど、あそこでドラムで魅了できるほどの腕前があればなんとかなったかな……。

    17 エドガーのええ動画 http://hacklog.jp/works/3376
    会場の今日一番の大爆笑をかっさらって行きました。
    カラオケとかで、ムービーと曲があってないよっていう問題を解決するために、
    歌詞をのkeywordを使って、google apiで関係がある画像を取得・・・。
    世界の終わりのドラゴンナイトからエロゲーやらなにやらの様々なネタ動画を織り交ぜた素敵なMPVができあがって、みんだニコニコした世界になりました。前座を温めたかいがあったぜ。

    18 農クワット by mant http://hacklog.jp/works/3375
    音楽の未来が行き過ぎて2085年にまで行ってしまった彼ら。
    音楽とは耕すことだという謎理論に辿り着き、中間発表で「今はクワを買いにいっているところです」という展開がさらに謎を呼び、発表の寸劇は個人的には大満足でした。テレビの取材だったらこのシーンを採用します。

    19 Call & Response http://hacklog.jp/works/3374
    私評価では一番スキルと完成度が高いハックだったのじゃないかと感じました。

    1.楽曲の音源を取得
    2.docomo 音声入力APIを利用し、音源の歌詞を言語データに変換
    3.言語データをdocomo 対談型APIに与え、歌詞に対しての返答を取得
    4.返答のデータをVOCALODUCERに与え、自動で返答を歌詞にした楽曲(mp3)を生成
    5.生成された楽曲を再生

    さらっと機能が書いてありますが、同じような機能実装をやったからわかりますが、ハッカソンでこの完成度まではなかなかたどり着くものではありません。

    21 あなたのお供にPepperエアギター by Pepper Guys(仮) http://hacklog.jp/works/3370
    一番激しく、pepperをチューニングしていました。壊れるーー

    22 Tacitenn – Simplest Multi-angle View Creating For Best Performance http://hacklog.jp/works/3369
    前日のブログでも書きましたが個人的にはもうひとつ挑みたかったジャンルの多視点映像です。
    なにげに撮影をお手伝いしました。

    ピックアップしなかったのも多くありますが、どれも面白かったり興味深かったです。

    togetterにもまとまってます。
    http://togetter.com/li/864762

    反省点

    遅刻しました。ごめんなさい。
    伝えるアビリティ大切。
    会場の入退室厳しかったです。
    椅子が硬いところでの徹夜は死にそう。
    メタ情報系のAPIが多くて前回みたいなEcho NestやsoundcloudのようなAPIがなかったのが残念です。
    チーム参加が半数以上居た感じですが、前回のmusichackdayに一緒に参加した人たちの当落率は2/5で、エンジニアだけしか受からなかったので残念です。
    そのわりに個人参加のデザイナーやプランナーの参加が5~6人と超少なくてチームビルドに苦労しました。しかもオルフェとかそういう派手なガジェットに数人固まってしまって、結局獲得できなかった…。

  • music hack day tokyoにいくよ

    昨日の続き。
    5~6年前につくった奴で、マルチもにっとというものがある。
    遠隔操作型の多脚戦車だのにエアガンとカメラを積んで、ロボでサバゲというのをやってる人の要望でYoutubeやustreamのモニターを1画面で読み込めるようにした何かだ。自分の技術系のブログのほうのドメインをうっかりロストしたあげく、業者に拾われてしまったのでこっちに最低限サルベージしておく。

    http://kuippa.com/sandbox/multimonit/

    画面のちょっとあれなアイコンをクリックすると全部同時に再生が始まる。止めるには左上のメニューから。
    下部の動画をクリックするとメインモニタを切り替えることができる。

    何年も前のyoutubeAPIやらustreamやらをつかっているので、動くもんかわからなかったけど動くもんだね。
    すごいんだぜ、prototype.jsがでてきたんだぜ。jquery前のテクノロジーだ。
    ActionScriptのFlex2か3あたりを使用しているのだけど、同じことをhtml5でやろうとしても、API側がプレイヤーをiflameで読み込ませるだけなので残念ながら同じことを再現するのはまだまだタフなことだとおもう。youtubeやustreamがhtml5のvideoタグ’video/mp4’あたりで対応してくれる未来があるならそのほうがいいと思うのだけど、まだちょっとむずかしい。あと何年かすればそうなるとは思うけど……

    さて、話しが少しそれた。なんでこれを紹介したかというと、今年になってYoutube自身がその実験サイトでChooseYourViewというプレイヤーの実証をはじめたからだ。

    https://www.youtube.com/user/MadilynBailey/ChooseYourView

    まあ、コンセプトは一緒。
    最近はフェスだの、ライブだのだと海外だと撮影自由なのでみんながステージに向かってカメラを構えている。
    何か事件や事故があるとみんなが持っているスマートフォンで撮影をおこなう。
    多視点映像が溜まってきた。
    多視点視聴のソフトが必要になってきているんじゃないかと思ってね。

    前述のは前時代的であるので、もっと現代風であるべきかとは思うんだけど。
    それがオキュラスに流すとか、そういうものかもしれないけど。
    まあChooseYourViewも結構だけど、もっと未来テクノロジーの鱗片を味わいたかった。
    SxSWのperfumeのスムースモーフィング(PerfumeのSXSWライブでうにーっとなる謎の技術分析
    )、あれと同じことが多視点映像がたまるとできるんじゃないかなと思っている。

    プレイヤーの未来

    楽器の習熟は幼少期からの絶え間ない反復練習。でもソフトウエア音源や自動演奏は一流プレイヤーでさえ再現できないような演奏もできるようになった。
    かつてはペッラペラのMIDI音源だったものは、多くの人間が生音と区別ができないレベルにまで音情豊かになってきている。

    正確さを競うという点で、人間はもはや敵う余地はなくなった。
    しかし、上原ひろみのようなグルーヴが機械に出せるかはまだ別である。
    サンプリング音源をいかに集めるかとか、カオスパッド的なものでゆらぎをあえて作るというような工夫はあるが、音楽のプレイヤーの重要度は下がり、パフォーマーの価値があがる一方である。残念ではあるが。

    誰にでもできるようにするのが技術の目指す方向である以上、ぶつかりあうのはいたしかたのないこと。
    科学技術の発展度合いを考えると、ピアノの発明と同程度のインパクトを持つ楽器の登場があってもよいと思うが、いまのところ決め手はない。

    次の主軸はDJツールのようなものだろうか?
    いずれにしろ非予見性、偶発性を残してくれる電子楽器のいずれかだろう。
    ダンスをすることで音が奏でられるとか、もしかしたら、音を出させる指示というインターフェイスの部分での変化が一番直近の変化なのかもしれない。

    クリエイターにまっているもの

    ワトソンが作曲してくれる未来は既に来ている気がして、シンガー・ソングライターの作曲は数年前で既にあれだったし、Music Xrayのようなヒット曲を予測してくれる人工知能(実際登録するとスパムばかりきて参ってしまうサービス)なんてものも登場してきている。
    正直クリエイターサイドの未来はよくわからない。あまり変わらないとも、まったく変わってしまうともなんとも予測がつかない。
    作曲の段階で聴かせるためだけの創作じゃだめなのかもしれないね。
    オペラとかそういう、どういうふうに聴かせるかというシチュエーションまで含めて創作なのかも。ゲーム・ミュージック的な。

    で、なにつくるの?

    なにしよう?
    抽選が激しかったらしく、前回一緒のチームを組んだメンバーは半数以上が落選してしまった。
    これからAPI眺めます。

    上の、マルチモニットと同じ年代につくったNetvocaloidのswfは動かなくなってた(´・ω・`)…。
    というかflexのコンパイル環境とかないし。せっかくasでvxmlの変換クラスつくったのにな。
    アイディアソンでYamahaさんが6人ぐらい上京してきてて、netduettoやらnetvovaloidつくってた時代と同じぐらい気合はいってるらしいので期待大。