誰も小保方さんを擁護しなくなったのでいまさら擁護


完全に逆張り。

いまは紅茶屋だけれども、そういえば応用化学科で細胞系の研究室にいたことがある。学部だけど。化学系の人間なんかいっぱいいるだろーと思ってたけど、考えてみたら、化学で細胞やる人なんてすくないし、やったらやったでふつー関連にすすむだろうから、みなさん現在や今後の立場上言えないだろうし、そう考えると、まったく関係ないことをやってる自営業ぐらいしか自由に発言できないもんね。なので、てきとーに書いてみる。(ちなみに話題になってる大学ではありません)

 

いままでの流れ。

ニュースが流れる→そんな馬鹿な→詳報流れる→スゲー!!→論文でてくる→あれこれおかしくね?→いやミスかもよ?→→博論発掘される→無言→提供されてたマウスが違う型でした→はい終了Q.E.D.

そして、誰も擁護しなくなっちゃったわけさ。

自分も提供されたマウスの遺伝子の情報が出て、違うマウスでしたーというニュースが出た時点で、こりゃ単純なミスじゃなくて、悪意も混じってるぞと思って終了してたのだけど、なんかまだまだ報道が続いてるんだよね。ふるぼっこ状態が。彼女の研究室に所属した他の人の卒論とかまでチェックするとか完全にとばっちり状態。かわいそす。。。。

 

 

で、思ったんだ。そもそもスタートの時点で科学記事が新聞の一面にくる程度のなんらかの力学が働いていると考えると、もっと、なにか違う可能性も考えなければいけないのかなって。ぶっちゃけ出回ってる情報を信じるとありあえないんだけど、「STAP細胞はあった」と仮定して、研究成果を擁護するとするならばどんな可能性があるかというのをお茶でも飲みながら考えてみたんだ。

 

細胞の外部環境刺激によって、多機能性を獲得するなんていう現象とその非常に簡便なる手段が実在するのだとしたら、もう本当に彼女を殺したくなるほどの損害を被る人たちがいるよね。製薬、創薬とか医療系とかを中心に山盛り。

で、一連の騒動の結果、実験が正常におこなわれていたという証拠が失われ、実験そのものが停止、追従研究もほぼなされそうにもない、と。今回の一連の騒動の結果、多分10年はこの刺激惹起性分野の研究は遅れるよね。

 

うん。ミステリーとか、陰謀論をつくるには十分な素材だねw
注目されるのも死体にムチ打つような報道がされるのもうなずける。

 
ちょっと煮詰めてみよう。

理学、化学は研究開始から実用可能になるまで30年はかかるといわれている。

理論にもとづいて再現をおこなう工業的な化学だって商業化まで考えると10年のコース。

 

今回のSTAP細胞については、理論の構築までもいっていないもっと根源的な現象を発見したというレベルにすぎない。方法をレポするのでみんなもやってみてねの段。新聞やテレビで流れる大衆ニュースとしては1~2年遅れて書いたところでニュース性は損なわれない。即時性がもとめられたのは、「専門誌に掲載される」という、タイミングにのっただけだ。

 
実験ノートが2冊しかないとか、棚がスカスカだとか、論文がコピペだとか、写真も借りパクだとか、あれこれ言われている。

 
えっと、今回は擁護側で書くことにしたので、フォロー。

 

実験室について

まず遺伝子関係の実験をするときは、国のなんだったかの法律でいわゆるバイオハザードが設定されるんよ。遺伝子組み換えしたものが外に出ないように物理学的にと生物学的に封じ込めなきゃいけない。なので、ちーっす壁塗装工事しまーっすって、実験はじまっちゃったらそんな簡単に外部の人間出入りできない。法律的にも禁じられているし、実験的にもとんでもない。実験をしている人間も自身の遺伝子が組み換えをおこす危険性があるわけで管理対象。組み換えがおきてないかを実験前と後で遺伝子検査する。
なので、実験室は関係者以外の入室は厳しく制限される。取材で入ったカメラの人がどのような所属の人間かはわからないけれども、管理レベル低い部屋ぐらいしかはいれないんじゃないの?たしか通常で4段階ぐらいのレベルがあったと思う。それこそ、理研なんて国内有数の施設なんだから、知識もないうっかりさんが入室できるぐらいずるずるだったらうっかり人類滅びるべ。
(ちょい調べたらP4があるのは理研の筑波の方だった。)

冷蔵庫に貼られているムーミンだけど、研究室の冷蔵庫は冷凍庫なんよね。-7℃やら-15℃とかの。温度設定が違う冷凍庫に酵素やらなにやらが山盛り入ってるとおもうのだけど、認識ラベルとして冷蔵庫ごとにキャラクターが貼ってあるのはとてもいいアイディアだなと思います。これはしばらく使わないから、ミーに保管しておいてとか、視覚と指示が一致するのヒューマンエラーに強くなります。あと、ムーミン、俺も好きです。いいよねムーミン。

 
棚スカスカについて

棚スカスカについては、別に生物系の実験に何んもいらんよ・・・。扱うの細胞だよ?遺伝子だよ??
滅菌器と冷蔵庫、冷凍庫いくつかと遠心分離器、振動培養装置、PCR、ドラフト、紫外線のやつと、純水とか超純粋つくるやつとか、あと電子レンジとか・・・。いくつかは専門的なものがなければだめだけれども、普段やることはキッチンとあんまかわらない設備でできる。放射線同位体をあつかうみたいのは別の管理部屋だろうし、マウスも別部屋だろうし。そりゃ割烹着きて、これから料理します!って言ってもあまり違いはないとおもうな。逆に最近は料理だって分子ガストロノミーとかで遠心分離器とかつかうらしいよ!(by 食戟のソーマ)

アガロース(寒天培地)つくるのなんてあんなん料理だよ。ところてんの道具でにゅってやって酢味噌で食べたいよね。温度管理して濃度管理してかき混ぜたり揺らしたり。料理は菌を減らすために頑張るけど、実験は特定の菌を増やすために頑張るぐらいの違いしかない。だからほんと割烹着でもいい。

あとね実験の基本なんだけど混同や汚染がおきないようにテーブルの上には極力なにも置かないようにしないとだーめなわけです。逐次全部扉のついているところにしまいましょう的な。これができない人は、まじで爆発します。まじです。

リケジョとかゆるふわ系がテヘペロって、劇物だらけのなかでどじっこ属性発揮されたら部屋どころか棟ごと吹っ飛んじゃう。実際、在学中に爆発して救急車きてた研究室とかあったし・・・。注意してても事故はおきるものです。今年も化学工場で爆発がおきて死亡した事故とかありましたよね。

いや、生命工は爆発とかは大丈夫だけど、生命工には生命なりの危険があって遺伝子を染色するのに毎回エチブロとかつかうんだ。だけどこれ、しずくがはねて1滴でも肌につけば、ほぼほぼ速攻で癌になるからよろしくねーって注意をされる世界なわけですよ。散らかった机で作業なんかできるかっての。むしろスカスカで何もないような環境でないと。うっかり取り間違えて違うの混ぜちゃったみたいなヒューマンエラーを防ぐためには必要な措置。

扱うものが多いからキッチンで砂糖と塩を入れ違えたぐらいの結果と頻度じゃすまないわけですよ。

 

実験ノートやら博士論文やら
同大学の研究室の卒論をチェックするらしいけど、「何も出ない」なんてことはありえないでしょ。早稲田の該当研究室の子流れ弾被弾っぷりが可哀想すぎるわ。日本中のどんな大学でもいいけど、卒論でも修士とか博士の論文をソーシャルチェックしたら何も出ないわけがない。自分の大学のときや、職場で仕事でつけているノートを思い返してみてくださいな。

 

汝らのなかで卒論を大衆に晒せるものだけが彼女に石を投げなさい。

 

いや、本当チェックするならそのチェックする人の卒論もチェックしないとダメだよね。そして誰も居なくなった的な。

まあ、研究職にすすむんならもうすこし真面目にやっておけばよかったのにとは思うけれども、応用化学はあれだからね、他の学科の奴らに言っても信じてもらえないんだけど、有機、無機、化学工学、物理化学、そのほか物理、生物、情報やらなにやらで週にいくつも実験があって、提出用の実験レポートだけで市販のレポート用紙が一週間で1冊無くなる世界だからね。図書館とかで該当箇所を探しまくって引用しまくるのを盗窃とか言われると無理だよね。

要領のいいやつは、その誰かがまとめたのを引用するんだけど。彼女はその「要領のいい人」だったんじゃないの。サークルやれてたぐらいだし。

 

実験ノートが2冊しかないは信じないな。

まあ、でも、みなさん仕事でつかってるノート、この数年で何冊書いた?毎日同じことをしてたら、記載内容は減るからそんなものなのかもしれないけど。管理されているノートが2冊だったってだけなのではないかな。データはPCで管理してて、形式上ノートもつけてただけだとか。

どちらにしろ情報の整理はあまり上手ではなかったのでしょう。

試行錯誤をくりかえす実験とそれを論理だてて証明する行為、実験の結果をアウトプットするスキルは必ずしも同じ人物に同程度に存在するスキルではないのは一般には想像されにくいのかな?

料理が得意というのとそれをレシピに書き出すのが得意というのが全く違うように、まったくの別スキルですよ。

ソフトウエアのコーディングと仕様書をまとめたり、その仕様書が実際の実装とずれてたりするのと同じようなもんです。

 

 

ほんちゃんの論文、成果発表について

やはり、まったくの捏造であれば、それを発表しようとする動機がわからない。
レシピがぐちゃぐちゃで、料理の撮影写真も弄った痕跡あり。ほんとにその料理作ったの?という話しになってるのだけど、経緯をみていると全部が創作ということもないんじゃないかなと思うんだよね。少なくとも埋められた土器よりは他にも何かありそう。死滅細胞の蛍光発光現象ぐらいの発見なのかもしれないけどさ。

 

というのはやはり蛍光マーカーで追えるようになったというのが大きいですよね。(緑色蛍光タンパク質、下村脩さんはこれで2008年にノーベル化学賞を受賞されてます)
環境を変えたらどうこうなるっていう実験はとうの昔にやり尽くされているのかもしれないけれども、マーカーによりデバックできるようになったことで改めて別の大きな発見があるやもしれません。

 

まあ、でも、傷跡弄ってたらイボができちゃったぐらいの感覚で、実はイボは多機能性細胞でしたぐらいのぶっとびぐあい。ほんと実在したらぶっとぶんだけどなぁ。イモリの手が生え変わるように、哺乳類ももしかしたら、傷を完治させないで紅茶にでもつけておけば結果的に手が生えてくるのかもしれないぐらいのインパクトがある。
まあ、輸血がどうこうでも揉めるぐらいだから、iPSはじめ再生医療が受け入れられるためには3世代ぐらい必要なのかなって思う。

 

で、論文について。

揚げ足をとられないように体裁こそ整っているもののとんでもない事が書いてある公文書というものは数多存在するよね。超一流企業のIRだって、ちょっと眺めるだけでこれおかしいだろというのがどっちゃりあったりするわけですよ。なんでこれを特別利益じゃなくて売上に計上してるんだよ的な。おいこれ抜いたら赤字じゃねぇか。おいおいおい。みたいな。けど、みんな別にスルーだよね。言わないだけだけど。
企業どころか国とか政党の政策提言とか、おい!まじかこれ!!みたいのがさらっとでてるけど、ことさら注目も集めない。言えないし言わない。

生命は分野が新しいこともあり、すこしでも専門がずれるとなんのこっちゃわからなくなる。暗黙知として前提として知らなければ理解できない項が多すぎて、書く方もリファレンスしきれていない。結果、暗黙的な談合がおこなわれているのだと思う。

 

注文住宅の設計図だって、まったくコピペをしないでは作られない。もし、トイレという概念すらも共有できない世界だとしたならば設計図というものはめちゃめちゃなものになってしまうので、トイレというものを定義しながら、こっちではキッチンを定義してと、ぐちゃぐちゃになって綻びだらけになる。

そのような暗黙的な談合下でなんとか機能しているものを、突き崩すのは容易だ。その研究は邪魔だという動機さえあればいい。

 

 

ま、そんなわけであったら楽しいので追従研究は続けてほしいな。

 
今日はこんなニュースがあったよ。

三菱重工の横浜市の先進技術研究センターで、常温核融合的なニュース。
理論はこれからだが、現象を確認しているという点では似ている。

三菱重工は約20年、元素変換を研究してきた。→
理論的なメカニズムはわかっていない→
もっと変換の量が増えれば、文句がつけられなくなる→
10年後には実用化したい

やっぱりやり始めてから実用化までは30年はかかるんだよ。機械が機械を製造するようになって、テクノロジーがブレイクしてセンサー類などが格段な進歩をとげたとは言え、まだそれを論拠だてて設計しているのが人間である以上は人間の人生分のタイムスケールは必要。

 

そういえばどこぞの政治家が常温核融合だのと言って半年ぐらいまえにネットでバカにされてたね。リークしてたの誰だっけ? この研究のことを示唆してたのかな。元素変換をとりあげて「放射性廃棄物の無害化に道?」とインデックスしまうぐらいには意図があるのもやむないことなのかなと思いますが・・・。

 
しかし、30年もかかるこれらの研究が表に出ひっぱりだされたり、叩かれたりするのは、やはり純粋な研究発展とは別のベクトルがあるんだろうなと思うと、残念だなと思うわけです。

 

そんなわけで、今ぼろくそ叩かれている刺激惹起による多機能獲得が再証明されても、みんなおどろいちゃダメよ。あと10年かかちゃうだろうけど。

 

 

でも、本当に陰謀だったらこんな事かいたら、、
ん? おや、こんな時間に、誰か来たようなのでここまで。

 

 

www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/

ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%91%E8%89%B2%E8%9B%8D%E5%85%89%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/

 


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください