カテゴリー: コロナ

  • コロナはインフルエンザより怖くないミリしら勢

    1ミリも知らないというよりは、1ミリも調べもしない雰囲気で踊る勢。
    セキュリティや公衆衛生は一番レベルの低い人達に揃う。全開の窓の横に、いかに最新鋭の防犯設備を揃えた分厚いドアを設置したところで無駄というものだ。ドアの鍵を見直す前に、まず窓を閉めよう。社会の窓あいてねぇか?

    コロナなんてただの風邪という人や、インフルエンザと比べてどうなんだという人がいる。
    いても、いい。幽霊やお化けを怖がったり、前世を信じたりするのと同じように自由だとわたしは思う。

    国会議員にそういうことをいい出す人がいてもいい。
    国会議員は国民の代表なので、国民に一定数そういう人がいれば、そういうことを言い出す国会議員もいてもいい。民主主義は最大効率は出ないけど、結構あちこち間違うから本当に間違ったときも大きくは間違えないですむ。

    火傷や包丁で小さな怪我をしておけば、取り返しのできない大怪我をしないで済むというようなものだ。賢者は歴史に学ぶというが、歴史に学べないのが凡夫であるのだから、大抵は失敗して体験して学ぶよりない。小さな失敗は糧になる。だから間違ってもいい。

    ・・・。
    と、そんなふうに鷹揚にかまえてたんだけど一年も経って、国会議員とか自称ジャーナリストとかがまだそんな事を言ってるを見て、おいおい、誤りてそれを改めざる是れを過ちだとかなんだとか、流石に諭したくなる。

    ちなみに、今、こたつに入って、このブログを書いているんだけど、別に足で裏をとらなくたって一年も経てばググるだけでソースが転がり落ちる。きっと大変な事情があって、ググることもできない人のために、今年はミリ調べたことだけでもまとめておくことにした。まあ、こんな場末のブログ記事をここまで読めるひとは、既にご存知のことかもしれない。

    まず、インフルエンザ死者数は

    人口動態調査 / 人口動態統計/ 確定数/ 保管統計表(報告書非掲載表)/ 死因
    人口動態調査 / 人口動態統計/ 確定数/ 分類表
    https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450011&tstat=000001028897&cycle=7&tclass1=000001053058&tclass2=000001053061&tclass3=000001053074&tclass4=000001053089&tclass5val=0

    から辿ることができる。
    このうち分類表からインフルエンザが関係しそうなものは、いくつかあるが、流産の死因とかは抜いて、

    「インフルエンザ及び肺炎(J09-J18)」をみることにする。

    J09 特定のインフルエンザウイルスが分離されたインフルエンザ
    J10 その他のインフルエンザウイルスが分離されたインフルエンザ
    J11 インフルエンザ,インフルエンザウイルスが分離されないもの

    2019年の死因では、

    死因コード 男 女
    (J09-J18) 54979 44114
    J09    – –
    J10    795 714
    J11    1108 958

    となっている。
    J09は新型インフルエンザ用かな?データがないのでJ10とJ11を計算

    (J10)男795 女714
    (J11)男1108 女958

    の計3,575人である。

    あー、ちょっと話し逸れるんだけど、(インフルエンザ菌による敗血症)という死因があったんだけど、「インフルエンザ菌」って何????インフルエンザウイルス起因の菌による敗血症ってことなのかな?一瞬、ウイルスと菌を混同してた時代の名残がまだ残ってるのかとおもっちゃった。

    Q10.通常の季節性インフルエンザでは、感染者数と死亡者数はどのくらいですか。

    例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いると言われています。
    国内の2000年以降の死因別死亡者数では、年間でインフルエンザによる死亡数は214(2001年)~1818(2005年)人です。
    また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計する超過死亡概念というものがあり、この推計によりインフルエンザによる年間死亡者数は、世界で約25~50万人、日本で約1万人と推計されています。

    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html

    その他、厚労省関係のホームページをググると、超過死亡概念をいれた推計だと年間1万の死者となる。1万/1000万なので、インフルエンザの致死率は0.1%

    別のデータを探してみる。
    こちらは死亡統計ではなく、全国の医療機関からの報告をもとにした厚生労働省の診療機関の数字だ。


    「今冬のインフルエンザの発生動向」
    2011厚生労働省 新型インフルエンザ対策推進本部 国立感染症研究所
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/110210-04.pdf

    死亡が150人(前年198人)
    重傷者417人(前年1641人)
    患者1030万人(前年2061万人)

    「インフルエンザ様」ってインフルエンザに敬称つけてるのかと一瞬おもったけど、インフルエンザ様相ってことかな。ここから計算すると、

    死亡率 150/1030万=0.0014% (前年0.00096%)
    重症化率 417/1030万=0.0040% (前年0.0080%)

    同じようなデータはこっちにもある、
    インフルエンザ感染者の致死率は、0.001%未満であり、70歳以上の高齢者では0.03%


    季節性インフルエンザ
    https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf

    まあ、ご高齢だけども、たぶん直接の死因はインフルエンザだったんじゃないかなっていう超過死亡概念を含めたインフルエンザの致死率は0.1%で、病院で治療を受けてまで亡くなる人はわずか0.001%、つまり10万人に1人程度しかいない。

    対して現在のcovid-19の致死率は最先端医療リソースを受けて2%程度。 直近の日本のデータでも1.8%~2.0%といったところだ。

    https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210108-00216594/

    国内の50歳未満については、まだほとんど亡くなられているひとがいない現状において致死率は0.06%と現状のデータだけでみても60倍以上となっている。

    インフルエンザ流行期のように2000万人規模で流行すれば、40万人ほどが1年の間に亡くなる計算になる。

    これは医療崩壊をしなかったケースでだ。
    他の先進国を見ると、最先端医療が受けられないケースでは4%、医療が完全に崩壊していた都市別のデータをみると20%を超えていた。そうなると亡くなる人が400万人代に達する。

    ジョン・ホプキンス大のデータから 2021/1/7 新型コロナウイルス感染者上位国の致死率を拾っておく。
    https://coronavirus.jhu.edu/map.html


    国名 | deaths/Cases | %

    • US 361,297 21,306,424 1.70%
    • India 150,336 10,395,278 1.45%
    • Brazil 198,974 7,873,830 2.53%
    • Russia 59,628 3,297,833 1.81%
    • United Kingdom 77,470 2,845,269 2.72%
    • France 66,700 2,763,251 2.41%
    • Turkey 22,070 2,283,931 0.97%
    • Italy 76,877 2,201,945 3.49%
    • Spain 51,430 1,982,544 2.59%
    • Germany 37,837 1,851,848 2.04%
    • Japan 3,649 266,973 1.37%

    インフルエンザはワクチンもあり、治療薬もある。 それに潜伏期間も短く、病症がでれば高熱が出るので動き回らなくなる。対してコロナは、潜伏期間が長く、熱も37.5度とかで、劇症化しなければ普通の風邪とふるまいは同じだ。

    インフルエンザ並に流行らせてはいけないのは、こたつに座ってでもミリ調べればわかることだ。 被害は2~3桁も異なる。若者で比べるなら季節性インフルエンザの数千倍死ぬ。こんなことは最初期から科学的異論のあがっていないことだ。

    死亡率だけでなく、既に国内の年間のインフルエンザ死者数を超える段にもなってもまだ、インフルエンザを引き合いに「コロナなんてインフルエンザより死んでないじゃないか」とかいうやつが居たら、こたつに座りながらでもいいからミカンの皮でも投げつければいいんじゃないかと思う。(中身はもったいないから食べてね)

  • 新規感染者数と複利の計算

    東京都の新型コロナウイルス感染者数が2400人を越えたそうな。
    感染してから発症し、そこから病院にかかって検査し、陽性の結果として数字にあらわれるのにだいたい2週間程度かかる。2週間前、つまり12/24、クリスマス・イブの人の出をみればさもありなん。元日の初詣も例年どおり人が並んでいた。この傾向は緊急事態以後もあまりかわらないので今後数週間、新規陽性者数が減少に転ずることはないだろう。お正月の長期休暇には期待してるんだけどな・・・。もしかしたら二極化するかも。

    このブログでは新型コロナウイルスについては、(俺の中では)抑えめに書いててあまり踏み込んで触れてこなかった。さんざん書いている気もするけど、前回の投稿が実は初コロナカテゴリー。新型自体がよーわからんのもあったけど、ある程度確からしい情報が出るまでと思ってるうちに一年が経ち、そして、事態は専門家も想定した通りになっている。あるいは、コロナ以外のことで今現在おきていることを加味するともっと悪いとも言えるかもしれない。

    なので、ブログのタイトルを今日から「ここは3.11後の日本」から「ここは19後の世界」に変えた。19は「covid-19」の19。3.11は日本人になんらかの影響を及ぼすものであったが、covid-19がもたらす影響はさらに大きなものになるであろう。収束の目はあったのに、やっぱり駄目だった理由を考えると、やはり、公衆衛生レベルは一番低いところに揃うというところに尽きる。そして利益誘導などの意図が絡んだ誤情報。

    マスクをしない人がいるとか、指先のアルコール消毒だとか、咳エチケットとかそういう本質的ではない瑣末な議論で相互監視をし、緊急事態宣言をすればおさまるんじゃないかとか、移動を制限すればいいとか、政治が悪い、パリピが悪いとかいうのをみてると、やっぱり終息は万能治療薬cureでもできない限り無理そうだ。

    実行再生算数Rtいまは1.4ぐらい。
    これは金利だと40%に相当する。

    「72の法則」というのがある、これは72を金利で割ると元本が倍になる年数がわかるというものだ。
    70÷40、つまり、金利40%なら1.8年で倍になる。
    金利は年率だが、新型コロナウイルスは、1人の人があらたにもう一人にうつす期間で考えなければならない。
    発症数日前から感染能力を持つので、再生産に必要な日数を仮に10日とすると、18日後には倍になる計算となる。つまり、東京都の場合、18日後には新規感染者数は5000人になり、36日後には1万人、54日後には2万人になる。闇金融が10日で1割なのに4割っちゅうのはウシジマくんもまっつぁおだ。

    複利の計算式がそのまま使える。

    n日後の感染者数=(現在の感染者数×実行再生算数Rt)^(n日/倍化日数)

    実際は、倍化日数は4月頃のデータを見ると7日((https://www.amahakuho.jp/central_cms/wp-content/uploads/%E5%B0%BC%E5%B4%8E%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E4%BC%9A%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9.pdf
    ))とかなっているし、たぶん5~10日ぐらいで見ておいたほうがいいだろう。

    ま、これは簡単に計算できるし、東京都あたりの公開されているオープンデータをひろってきてエクセル様に近似曲線引いてもらうだけで、1次関数しかわからない中学生でも簡単に予測できるだろう。指数関数が難しければ、対数グラフにしてしまえば線はまっすぐで引ける。
    これを収束にもっていくためには実行再生算数を1以下にする必要がある。つまり、1人の感染者が1人以上に感染させないようにすることだ。

    これまたバイオハザードの基本なのだが対策には物理学的封じ込めか、生物学的封じ込めしかない。 中国の場合、アパートのドアを溶接するという恐ろしい力技で、生物学的封じ込めをおこなっている。

    「中国、コロナが出たマンションの扉を溶接 2週間後、餓死した住民らを火葬」
    http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/2005473.html

    現代人権に照らせば著しく非人道的だが、こと疫病対策では行き着く終着点はここだ。 移動を制限するロックダウンが生物学的封じ込めで、火葬が物理学的封じ込めにあたる。
    ゾンビ映画とかでバタリアンとかを銃とかで倒すのが生物学的封じ込めで、最後ナパーム弾で生者もろとも焼き払うのが物理学的封じ込めだ。ゾンビ映画と違うのはあちらは、噛まれたら感染する血液感染で、こちらは飛沫感染というところだ。

    その実、黒死病やペストが流行った中世ヨーロッパでは、村人を村から出れないようにしてから火を放ったり、街から出ようとする人たちを殺したりすることで疫病の蔓延を防いだ。隔離と封じ込めしかないのだが、感染者が世界中、南極大陸まで津々浦々広がったウイルスは終息させることなどできない。ワクチンでもない限り。

    そしてそのワクチンがわずか1年という開発スピードで世界の人たちに摂取されだしている。

    ・・・。

    信じるも信じないもあなた次第。
    ・・・。

    というのは冗談で、ちょっと国会議員とかまで、インフルエンザと比較して怖くないとか、秒調べるだけでわかるあほみたいなインフォデミックに踊らされてるので、ちょっと今年はちゃんと情報発信していこうかと思います。

  • 2021年あけれて人類よろしく

    正月に遊びにきてた姉が「明けれておめでとうございます」と書かれた東京都の広報をみて、「さすが小池百合子はいうことが違うね。明けれてだってさ」と言っていた。苦難の2020、ようやく明けた年なのだとフカヨミしたのかもしれないが、ハンロンのカミソリ。筆で横書きしたから「ま」と「し」がつながっちゃっただけだとおもうんだけど真実はいかに。

    さて、突然だけどこんなこと言ってごめんね。新型コロナウイルスに終息はないとおもって動いたほうがいい。

    収束するとしても社会が機能回復をするのはあと数年後だ。
    日本ではあまり実感がないかもしれないが、アメリカでは第二次世界大戦より多くが亡くなられている。いますぐウイルスの驚異が去ったとしても、まっているのは復興フェーズだ。残念なことに亡くなられた方というのは戻ってこない。

    世界規模で同時多発的に、それぞれの国が東日本大震災の10倍規模の人的被害を被っている。1/3現在、ジョン・ホプキンス大のレポートによれば世界で1,830,612人が新型コロナウイルスを理由に亡くなれた。これが、まず現状だ。そんな半戦時状態にほとんどの先進国が陥っている。

    そして景気浮揚のために各国中央銀行がお金を擦りまくっている。貨幣の価値低下を背景に株式などはバブル来最高値を記録した。先物市場や株式市場は半年先の景気の先行指標ではあるが、現在のこれは好景気をあらわすものではない。

    マネーサプライやマネタリーストックに変化ないならそれでいいが、いまはじゃぶじゃぶにお金を刷られ、ばらまきまくられてる。カンフル剤を打たれ、「なんでもできるぞぉぉお!!まさにハイィィってやつだあぁああ!」になってるにすぎない。貨幣の価値が下がっているので、株や先物があがっている。世界的な金融緩和はここ10年来の動向であるが、ここ1年は底板を力で踏み抜かれた。
    グローバルサプライチェーン下において、これが生産供給能力や消費者物価に実際にあらわれてくるのは一年先。そのときに何がおこるかは既にリーマンショックの比ではなく第二次世界大戦と比肩している指標が示している。

    さて、上記はウイルスがいますぐ驚異でなくなったポジティブシナリオだ。
    mRNAワクチンという、今まで聞いたこともない、おそらくは軍事リソースのフル稼働によりもたらされた人類の叡智をもってしても、このウイルス騒動を収めることができないというさらによろしくないシナリオも考えなければならない。

    当初、1本鎖RNAのコロナウイルスにワクチンなんてできないよと少しでも生物学をかじったことがある人間はおもっていた。私もその一人だ。

    風邪の流行期の35%はコロナウイルスによるものだという。コロナウイルスには7種類が発見されていて、そのうち今回のcovid-19を含め3つが特に致死率の高いウイルスとして指定感染症に指定されている。
    人は何度も風邪を引く。これは、免疫が比較的短い期間で消失することを意味している。

    DNAは2本鎖で片方が鋳型になるため、それほど複製時にエラーがおきない。だが一本鎖はそうではない。がんがん変異する。今回のSARS-CoV-2は4000種類を超える変異株がすでに発見されている。nextstrainとかをみるとその分岐具合に驚くかもしれないが、まあ、これも最初期から予想されていたことだ。
    そして、風邪も何度も罹るように、その抗体が長続きしないことも予想されていた。

    「コロナウイルスはただの風邪」とうそぶく団体もあるが、ある意味真実だから質がわるい。
    おまえら風邪をなめすぎじゃねぇのとは思うが、たしかにコロナは性質はただの風邪と同じなのだ。風邪ひいてる人のそばにいけば感染るし、手洗いうがいで相当程度防げる。
    ただ性能が段違いで、致死率が先進国でも4%、イタリアなどのEUを見るに医療崩壊時には20%に達している。ちなみにだが、風邪という病名はなく、なんだかわからないものを風邪として類型しているにすぎない。だから原因が特定できているのであれば、それは風邪ではなく、新型コロナウイルス感染症という病名がつくのである。

    インフルエンザと比較する人し、なぜか侮る人もいるが、季節性のインフルエンザと比較などできようもない。若者でインフルエンザで死亡率0.001%未満、70歳以上でみても0.03%だが、これが新型コロナウイルスでは、40代で0.4%、70代で14.2%となる。インフルエンザ並みに流行ったらどうなるかはすぐわかるはずだ。いや、わかるぐらい知性があったらそんな事いわねぇか・・・・

    季節性インフルエンザ
    https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf
    新型 コロナウイルス
    https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000649533.pdf

    新型コロナや新型インフルエンザが怖いのは、人類の誰もがその疫病にたいして抗体をもっていないからだ。 みんな生まれたてほやほやの新生児のようにころころと病気にかかっていく。

    うちの近所のお医者さんは、患者を診続けているが風邪に罹ったことがないという。理由を聞いたら低暴露し続けてるから免疫ができてるんだろうとのこと。新型ウイルスの怖いところは、こういう本来は感染しない医療従事者も感染するところにある。

    それを打開するのがワクチンである・・・が、この驚異的速度で開発されたワクチンが機能したとしても、有効期限はインフルエンザのそれより短いことが予想される。
    今年の3月ぐらいから医療従事者や救急、介護とか、そういう現場から回していっても先行組がうち終わるのは夏頃になる。でも一巡目が終わる頃に、最初期組の持続効果時間の短いワクチンを打ち直すことになるだろう。年に数度打たなければならないワクチン。これが恒常的に運用されるようになるまで数年単位でかかることが予想される。

    薬は病気の人に使うから、効いたか効いてないかは比較的すぐわかる。だが、ワクチンは健康な人に投与するから、すぐわからない悪影響もある。打つことを忌避するひとも出るだろうし、強制すれば反対運動もおこるだろう。今回はいろんな治験のステップもふっとばしているので粗悪品も多く出回るだろう。その悪影響は打ってすぐにはでるようなものでもない。英国や米国のように日本から3ヶ月ぐらい先行して摂取している国がその後どのようになるか注視せねばならない。

    「麻しん風しん混合ワクチン」の現在の有様をみてくれれば、皆保険がある日本でさえワクチンを行き渡らせることが難しいであろうことを知ることができる。ワクチンの開発により比較的撲滅が早かったため、一部世代はこのワクチンの接種をまったくうけていなかったり、1回しか受けてなかったりする。

    2018年ごろ、東南アジアで再流行し、日本にも台湾を経由して沖縄に上陸したため、自分なんかは流行の兆しがあった2017年あたりに自費で5000円ぐらい出して摂取した。

    風疹(3日はしか)と混同されるために、軽視されがちだが、麻しん(はしか)はとてもとても怖く、そして非常に厄介な病気だ。

    インフルエンザが飛沫感染、コロナウイルスが微細飛沫感染(エアロゾル)とするなら、麻しんは空気感染(核種)で広がる。一度流行をしだすと爆発的に感染者がひろがり「命さだめ」といわれるような惨状を引き起こす。

    コロナウイルスは上気道で感染するため肺などの呼吸器系に障害や後遺症をだすが(新型は血管側にも出ちゃうのであちこちに梗塞おこす感じみたいね)、麻疹ウイルスはリンパ組織に感染するため、感染で死ななかったとしても、脳、神経系で後遺症を残してしまうのだ。10年とかじっくりとかけて後遺症が出る。脳だと機能回復しない。ぶっちゃけ新型コロナウイルスより怖い。

    だけど、ワクチンで防げる。
    しかも、現在は費用は国持ちで、抗体をもってるかどうかも無料。いたれりつくせりな状態なのだ。

    でも、対象世代の君たち、ちゃんと検査した????

    麻しんでこの有様なのに、大人にワクチンを摂取することがどれだけ大変か・・・。

    たぶん新型コロナウイルスのワクチン接種を悉皆にいきわらたらせるのはもっと大変であろう。大変っていうか無理だろう。

    セキュリティと一緒で一番低い水準に全体のレベルが揃う。欠けたコップや、切れ込みの入ったバケツ、桶に水を注いでも一番短い側板の高さまでしか水を貯めることはできない。
    公衆衛生も、一番低い人の水準に揃う。

    10代20代の体力のあったころ、いろんな途上国やスラムに行った。
    化学科だったし、バイオセーフティレベルの設定された研究室にも居たから、コンタミがどんな状態でおきるかとか、知識も技術もあるが、インドに行けば病原性大腸菌をもらうし、中国の屋台にいけば急性腸炎とかなんかよくわからない下痢とか、貝毒とか、ノロウイルスとか、もう個人が気をつけるぐらいじゃ無理なんだよね。

    どんなに街をキレイにしようとしたって、街中の人混みでうんこしてる人がいたら、その人の衛生レベルに街の水準は落ちるでしょ。実際そういう国やエリアもある。
    排泄はトイレでしてねって設備や機会が整えられてたって1世代はかかるよ。
    同じように大人を連れだしてワクチン注射をもれなく打つのは、 時間がかかる。

    ウイルスの不活化にはおもには3種類ぐらいしか方法はなくて、感染を封じ込めるためには物理学的封じ込めか生物学的封じ込めをするしかない。

    オリンピックやりたいっていってるまるでインパール作戦決断をするかのような政治に、その決断はできないでしょう。とくにコロナウイルスは人獣共通感染症。人間の感染者だけを封じ込めてもままならぬ。

    特別措置法で罰則を設けても実質的な解決につながらないのは、すでにロックダウンを実施している先行している海外事情をみればわかる。中国のように、濃厚接触者の家のドアを封鎖して超監視社会にしても、感染流入をくいとめる遅滞作戦でしかない。

    全国初の下水道普及率100%を達成した昭和34年当時の三鷹市長は「公共下水道無き都市は地上に如何なる文化施設を持つもそれはスラムである」とかいったそうな。

    たしか、感染症と下水の関係を説いたひとがドイツあたりにいて、そこで学んだ北里あたりが日本にもってきたんだと記憶してるけど、興味あったらしらべてみてください。

    まあ、何がいいたいかっていうと、公衆衛生大事。
    この公衆衛生にはそこに住まう人たちの振る舞いなども含む。そしてその水準は一番ひくい人に揃う。だからしばらく無理。 そして、病気と下水整備の関係を見出されたように、日光や二酸化炭素とか、そんな今まで考えてもなかったようなものがあたりまえになる日がきてようやくというところなのだとおもいます。

    ・・・。
    なんか変な対策とか意思決定ばかりを見ていると、Plague Inc Evolvedに出てくるような秘密結社ががんばってるんじゃないかという気もするんだけど、やっぱりそれもハンロンのカミソリ。ただ愚かなことに理由をみつけてしまっているのかもしれません。

    みなさまどうか今年も心安く