カテゴリー: コロナ

  • (1)Covid-19をPlague Inc Cureモードで振り返る

    2/17から医療関係者への新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まった。 相変わらずマスメディアのとんちんかんな報道は目にあまる。専門家が議論を戦わせているところに、ステージの違う弁というか便を並列に並べて開陳しているのはさすがに見るに耐えない。玉石うんこ混交甚だしい。

    写真やカメラの構造、性能議論をしている横で、「写真を取られると魂が抜かれますね」としたり顔で解説しているようなものだ。なんていうか、ない。30年ぐらい経ってから見ると超絶面白いのかもしれないが今は笑えない。

    さて、Plague Incという世界に感染症を広げ人類を絶滅させるっちゅうブラックジョークな名作ゲームがあるのだけど、現実のコロナの蔓延を受けてCureモードなるものを実装した。WHOの監修をうけ、なかなか本格的なシナリオだ。このゲームを分析するついでに現実世界の対応と突合比較してみたい。

    通常のウイルスを世界に蔓延させて人類を滅ぼすというPlagueのシナリオを超ハードモードをクリアしようとすると、できるだけ脅威度をあげないように病気を潜伏させ、感染力を強化しつつ、感染者が増えたところで脅威度、致死性をあげる方向に変異させるのが定石だった。
    「脅威」が高い病気は早い段階で死者が出てしまうので世界に発見されるのも早く、国境封鎖などで世界に広がる前に封殺してしまう。世界がCureという万能薬の開発に一致団結してしまうまえに、世界に散らばる必要がある。気候も違う国々に病気を広めるのは至難の技だ。

    これは初期に国境封鎖で検疫を強化してクリアしたパターン。このケースでは朝鮮半島が手遅れになってしまった。

    Cureモードでは世界のどこかに潜む病気の発見から始まる。 資金を集め、対策を打っていかなければならないが、死者が増えると権威が落ちきるとゲームオーバーになる。
    捜索団を組織してその国にたどり着いたときには手遅れなこともある。見つけるの遅いとその国が滅んでいたりすることがある。

    ゲーム内で取りうる選択肢を下記に列挙分類し、現状を書き添える形にしようとおもう。

    対応

    • 伝染病侵入の防除
      • 国境監視体制(国境での伝染病の監視)
      • 国境スクリーニング(国境での到着をスクリーニングする) 空港スクリーニング(全空港への到着をスクリーニングする)
      • 港湾スクリーニング(全港湾への到着をスクリーニングする)

    日本はおおよそよくやっている方の国だと評価しているが、それは国民の自主的な対応によるところが多い。行政として失敗があったとするならば、まっさきに糾弾されるべきはこの侵入防除についてだ。クイーンエリザベス号のときから定まらず酷かった。アメリカが中国からの入国を禁止したのちも諾々と旧正月中のアウトブレイク国からの入国を受け入れ、結果、日本から世界に行く渡航者が世界で隔離されるようになってしまった。新型特措法施行後、第二波になってからも罰則の規定も設けられず、陽性者が抜け出しても過料金のみである。
    旅行目的での入国は名目上止めたが、ビジネストラックで入国すればよいだけ。入国後の2週間の隔離も自主申告的におこなうのみで、もし空港にご友人という名目の白タクが迎えが来ればそのまま市中に抜け出すことができる。 せっかくの島国なのに、伝染病侵入の防除は尽く行われなかった。それも意図的に。

    • 検疫能力の向上
      • コンタクト・トレーシング1(検査部門と追跡部門を設立、濃厚接触者に通知)
      • コンタクト・トレーシング2(スマートフォンを使用し自動化)
      • コンタクト・トレーシング3(地域にチームを配備、追跡しガイドライン遵守を確認)
      • コンタクト・トレーシング4(セルフ検査キットを大量生産する)
      • 検査能力1(研究所で使用できる検査試薬や主要材料を確保する)
      • 検査能力2(検査スタッフを訓練、物流を改善)
      • 検査能力3(最新式の機器を入手、提供し高い感度と特異度での検査)

    保健所のクラスター調査は、世界にも先駆け非常に機能していた。足で稼ぐような地道な作業には定評がある。しかし、人員、予算が着けられず、すぐにパンクした。いや、正確には予備費は早い段階で10兆円もつけられていたのに、なんの手当もされないまま、予算も3兆ぐらいしか消化されないまま冬を迎えた。

    接触確認アプリcocoaは、ローンチの段階から問題がなかったわけではないがその後はさらにひどいものとなった。code forなどのoss界隈の成果をかすめ取るようにHER-SYSだかを受注しているどこぞの業者が受託したが、アンドロイドos版が去年9月以降、実質動いてなかったことを2月になって発表した。導入当時の担当副大臣だった平議員が平謝りしていたが、祇園精舎の鐘の音が聞こえてきそうな寂しさだ。

    臨床検査技師や、検査スタッフの訓練は国内ではまったく手つかずのままだ。研修医などを総動員する学徒動員がかけられた程度である。人員は配備されていない。
    セルフ検査キットも大量生産されなかった。自動PCRの装置は日本がつくっているのに、国内ではほぼ活用されていない。流行後半になったら、陽性となっても保健所にも通知されない野良PCRが跋扈する事態となった。

    研究機関がPCR検査の負担を一部申し出てもそのまま捨て置かれたのは、厚労省の受託検査会社と試薬調達がボトルネックになってしまったのは日本が「検査能力1」で躓いたからだ。Roche社の研究用試薬の問題あたりは昨年2月あたりから本質的に変わっていない。厚労省がボトルネックになっている。

    • 感染率の減少
      • 国民意識(公式のアドバイス)
      • 手洗い(適切な衛生習慣の奨励)
      • 消毒用品(漂白剤やその他の消毒剤を配布)
      • 自己隔離(症状のある人は二週間の外出自粛)
      • 個人用防護具1(医療用マスク、フェイスシールド、ゴーグル、手指消毒剤)
      • 個人用防護具2(グローブ、医療用ガウン、人工呼吸器)
      • ソーシャル・ディスタンシング(2m以上離れる)
      • マスク着用(人々はマスクを着用しなければならなくなる)
      • ローカル・ロックダウン(地域を強制的にロックダウンする)
      • サプライチェーン改善(必需品の供給を守る)

    「3密」の発見からのコミュニケーションは、なかなかによいアドバイスだった。3Cを世界に広めたのは功績といっていい。
    手洗いや適切な衛生習慣がそもそも日本文化にプリインストールされていたのは、コロナウイルスのような感染症が東アジアの風土病だからだとも考えられる。握手ではなくお辞儀だし、手洗いをする文化もある。手洗いは疫病が流行った頃、崇神天皇(3世紀中頃)に神社に手水舎を設置することで広められた。柄杓の共洗いとか、土足禁止とか、食事にも手ではなく箸をつかうとか、食事の膳をわけるとか、 食事中喋らないとか は、だいた感染症対策とも通底するものがある。

    自己隔離は神経質なほどに対策をするひとと、夜の街に繰り出す勢の二極化が激しいが、後者は日本では少数派かもしれない。災害の多い日本では国民のストレス耐性が比較的高いというのもあるだろう。Plagueでいうところの対策不遵守リスクがどんなに抑圧されても、あまりあがらない。

    防護具は流行最初期ひどかった。東京都は防護服の備蓄などをおこなっていたがいつの間にか中国に送られたり、市中のマスクが買い占められたりした。数年後でいいので学術的な調査を積んでおいてほしい。衛生用品は、その後約一年をかけてサプライチェーン改善された。マスク増産や防護服増産などライン対応をした会社が煽りを食らっていないことを願うばかりだ。

    当初、マスクはウイルスのサイズを考えれば効果がないものと考えられていた。しかし、感染予防ではなく、感染拡大防止に効果があるエビデンスが積み上がってきている。マスクが文化的に忌避されていた日本以外の国では特に劇的な変化だろう。日本の悪役は目元を隠し、アメリカの悪役は口元を隠す。 屋外でもマスクをつけろとか、ウレタンマスク警察とか変な方向も見られるが、今年小学校に入学した1年生は友達のマスクをつけていない顔を見慣れていないという。パラダイムが変わった。

    ローカルロックダウンは日本ではついぞ実行されなかった。状況によっては箱根の関所が超えられないみたいな世界線もあったのかもしれない。

    • 死亡率の減少
      • 臨床治療(アセトアミノフェン、イブプロフェン、その他治療薬を用いて中核症状に的をしぼる)
      • 緊急準備(病院や介護施設での感染予防と感染対策の実践)
      • 人工呼吸器(呼吸を助けるための機械を提供)
      • 救命救急管理(最優良事例を厳密に特定し医療専門家と共有する)
      • 人員拡大(医学生を配備し、退職した職員を復職、他職業の再訓練)
      • 新しいインフラ(新しい救急救命病院と外部トリアージセンターを設立し医療能力を向上させる)
      • 治療効率(トリアージの事前評価、治療ユニットを使って感染患者)
      • ステロイド薬(デキサメタゾンなどの薬で重度の炎症を軽減)
      • 回復期血漿(病気から回復した患者の血漿を使用し治療に役立てる)
      • モノクローナル抗体治療(中和抗体カクテルをクローンし、症状緩和)
      • トリアージプロトコル(回復の可能性の最も高い患者にリソースを集中させる)
      • 急増プロトコル(待機手術をキャンセルし医療相談にビデオ通話を使用)
      • インファーフェロン治療(吸入器を介して投与するインファーフェロンβタンパク質を提供)

    アビガンとかレムデシベルとかの陰謀論はどうなったのだろうか。医学的には効果が認められなかったというレポートと、その投与量じゃだめだとか、やれ、抗リュウマチ薬だとか、 抗寄生虫薬だの、処方薬の知見はたまりつつある。
    特効薬はまだみつかっていないが、対処療法や処方薬のノウハウは如実に死亡率を下げ、重傷者寛解のための期間を短くしている。

    介護施設での感染対策は、私が通っていた介護施設は比較的大型で常駐の医師がいたからというのもあったかもしれないが、すさまじい鉄壁ぷりだった。病院はどうだったのだろう。通っていないので実態がわからないが、大苦戦しているという報道だけは聞こえてきていた。

    人工呼吸器が足りず、使えるものはなんでも使うというアメリカの自動車メーカー動員などは、戦時供給体制を彷彿とさせた。

    人員拡大は日本では最後まで医師会の砦は揺るがなかったと言っていいのではないだろうか。それどころか最前線の看護婦が集団離職するなど待遇面での不遇ばかりが目立った。ワクチン注射に警察官を駆り出してトレーニングして打たせるというような緊急避難的措置は日本ではついぞ取られなかった。

    トリアージの議論は日本ではかけらもなされなかったように思う。「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養について(東京都)」などをみても思うが、法律での明文化をさけ判断を現場に丸投げして、感染者には「お願い」をするだけで済ましている。リソースがないから現場はトリアージをせざるをえないが、判断しないことによる責任の回避をしているだけにも見える。憲法上人権の制約に制限があるからとか、立法事実がとか言っていたが、言い訳にみえる。

    血漿療法は、トランプなどが行った。だが、サバイバーの血漿が必要なので誰もが受けられる治療ではない。回復者が多く出たことで、上級国民は死なずに済むようになった。

    ビデオ通話が診療にあたるか否かで揉めていて宿泊療養にはいつも飲んでいる服用薬の処方もできないらしい。そんなわけだから、急増プロトコルなども各病院任せだ。

    監督官庁が判断をしないという不作為は誤った判断をするよりよいものだと考えているようにも見える。確かに公務員の処世術としては正しいのかもしれないが、今回の場合はそれで多くの人も死んだ。

    長くなりそうなので、また後日につ・づ・く

  • 湿度が高いと感染者が増えるのかも

    東京都における気温、湿度、日照時間とコロナウイルス感染者数を調べたよ。
    陽の光でなら殺せるって炭治郎も言ってたし、その実、太陽光によるウイルス不活化はとても優秀なので「あれ、もしかして日照時間と感染者数」って関係あるのかな? と、最近日の入り時間が日に日に長くなってるのを体感しながら不思議に思ったので調べました。データセット揃えてくれてるって便利!ありがとう偉い人。

    で、結果、

    「なんの発見もありませんでしたぁぁあああ!!!」

    まあ、そんなもんだよね。
    で、日照時間調べるついでに引っ張ったデータの中に、湿度や気温とかもあったので、ついで気温とか湿度も調べたよ。

    で、結果

    はっ?

    このグラフは東京都感染者数と5日前の湿度をあらわしたグラフの12月から1月部分である。

    あれ・・・?
    湿度が高くなると感染者数も増えるんじゃね???

    という、湿度高いほうが感染者増えるとか、いままでの常識とは逆のなんとも微妙な仮説を得たのでご報告します。もうちょっと精査なデータ持ってるチームあったら研究よろぴこ。

    日照時間とウイルス感染

    デッドバイデイライト。あいつらは日の光に晒すと非常に短時間で死ぬ。死ぬというか、ぶっ壊れる。

    ウイルスの不活化、消毒方法は大別すると3種類しかなくて、熱、紫外線、化学。
    生物系の研究室でも熱(オートクレーブ)か紫外線(紫外線ランプ)、まああと、俺がいた研究室なんかは扱ってるのが菌だったので電子レンジ(チンで細胞膜がぶっ壊れるのでお手軽)をつかったりしてたけど、まあそんなもの。

    コロナは92℃でも15分壊れないので熱消毒は生活空間では現実的ではない。(※1)
    化学的消毒は、正直今出回っている消毒方法、ちょっと物申したいものばかりで、それコロナにも効くかもしれんけど、お前の遺伝子も壊れんぞ的な感じなので、「かんたんマイペット、キュキュット、ジョイ コンパクト、ママレモン、チャーミーマイルド」とかのそこらで売ってる界面活性剤系が俺てきにはおすすめ。つまるところ、こまめな手洗以上の効果は期待すんな。手洗え、手。

    うちの商店街の会合で利用する地区公会堂は、使用後アルコールスプレーでテーブルの上を拭き掃除とかさせられるんだけど、あんなんは逆に怖い。

    赤い霧吹きと、青い霧吹きを2つ作って、シューと霧吹いたあと、清拭したとしてさ・・・。
    うまく色が混ざって紫になっていたら、うまく消毒できたところ。赤が手についてたりテーブルに残ってたら汚染。トレーニングもしてない人の清拭じゃ、汚染域が引き伸ばされるだけで、手も真っ赤になるわ。無理。

    日光の話しに戻る。
    それに比べてなんと日光の優秀なことか。
    ステンレス表面に付着したコロナウイルスは、不活化まで湿度80%で6時間かかるところ、太陽光が当たると2分で半分になる。湿度20%なら1分半!!(※2)

    1分半、つまり90秒で半分ってことは、900秒(15分)なら1024分の1に。
    つまり日がさすところは、科学的消毒とかしなくてもお天道さまが全部やっつけてくださる。あ、窓ガラスは紫外線カットするのでお掃除するときは窓をあけてね。

    ってなわけで、接待を伴う飲食店とか夜の街で増えるのも然りで、感染者が闊歩したあとは、夜が明けるまでそこには汚染域になる。
    手にもった小さなアルコールスプレーと、形ばかりのマウスガードでマップ兵器に立ち向かう勇者に幸あれ。

    ・・・。
    気象庁から東京都の日照時間と、感染者報告数のデータを拾い集め。
    感染者数(左軸)、日照時間(右軸)、日時(横軸)

    なんかでこぼこしてるだけでさっぱりわかりませんね。
    感染者数は、病院や職場が休みとかの曜日の影響を強くうけるし、日照時間は晴れ、曇天でギザギザ。

    しかたないので、ちょっと均すために5日で移動平均をつくりました。

    うん。ごめん、なんの知見も得られませんでしたーーー

    湿度

    日照時間のデータの横に、湿度と気温のデータがあったので、せっかくなので、湿度と気温についても調べておこうと思った。

    感染者数(左軸)、湿度(右軸)、日時(横軸)

    最小湿度と平均湿度のグラフ。
    最小湿度のほうタイトル間違ってるね。ごめんして

    うん。
    ・・・あれ。なんか平均湿度のスパイクと、感染者数のスパイクになんか変な一致があるな。

    5日ほどシフト。

    11月あたりのスパイクには相関連動がみられないんだけど、12月からなんか妙にきれいに揃ってね?

    PCR陽性確定まで前は2週間ぐらいかかってる感じだったけど、もしかして今は5日ぐらいに短縮できるようになった?なんか12月からなんか違うな。

    感染から発症まで5日が最頻値だったよね。東京都のデータセットからcountifで集計したんだけど、これって発症日だっけ?

    んー、このグラフから得られる仮説なんだけど、

    湿度は高いほうが感染者が増える。

    考察

    湿度と感染症の通説は逆。湿度が低いとだめというもの。
    空気が乾燥すると、分泌された粘膜も乾燥してしまう。口腔や気道、鼻の粘膜はウイルス蛋白を溶かすのでウイルス感染を防いでくれる。また、インフルエンザやコロナのようなエンベロープ(蛋白外殻)を持つやつは、湿度40%以下だと感染拡大するっちゅうようなことが言われてて、だから乾燥を避けるために加湿器を使いましょうねと。

    でも、新型のコロナウイルスが出たころ、加湿器はウイルス生存時間を伸ばすからだめとレポートしてくれるのがいくつもあったよね。東南アジアのような高温多湿のところでも感染広げてるから湿度関係ねぇぞみたいな。逆にウイルスの感染能力を長くするぞ。みたいな。

    コロナもエンベロープ系なので物体表面付着時には室温21度で20%湿度と80%湿度で18時間と6時間なので、圧倒的に多湿のほうが不活化までの時間は短くなる。

    しかし、問題は空中。エアロゾルのウイルス。
    コロナはインフルエンザより細かい飛沫で感染性を有する。
    同じ飛沫でも、インフルエンザ>コロナ>麻しんって感じだそうな。

    感染者の呼気により吐き出された細かな飛沫は、 100μm以上の 大きいものは2mも飛ばずに落ちるが(マスクやソーシャルディスタンスが大事な理由)、非常に細かくなった飛沫は自重により落下せずに空中に30分程度浮遊する(密閉がだめで換気が大切な理由)。

    だが湿度が高いことで空気中に浮遊するウイルスが乾燥を免れ感染性を有したままとなる。 それはつまり、30分前そこで呼吸をしていた感染者の影響もうけるわけだ。換気されない空間では30分間そこで呼吸をした人たちの密を考えなきゃならん。

    なお、マスクは5μmとかのエアロゾルを防ぐものでははない。(換気が大切な理由×2回め)

    「湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する」
    https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278

    気温

    11月中頃がピークだ。家に帰るど、3週間後に会いましょう!の動画をつい先日みておもわず笑っちゃったんだけど、気温が下がって、湿度が下がると感染者が増えるのはまあいままででは自明に近い道理だよね。

    今回の新型コロナウイルスは、各国で夏にも猛威を奮ってたので、あんま気温関係ないきがするんだけど、一応調べてみたよ。

    やる気のないグラフw
    わかんないね。

    最高気温、最低気温、平均気温が右軸、感染者数が左軸。

    これは、前日との気温差でみてみたよ。
    なんで前日との気温差を見るかというと、喫茶店をまあ、いっぱしに十年もやってると、変な知見が溜まっててさ、人の出とか客の入りとか、その日が寒いかどうかよりも、前の日より温かいかどうかのほうが影響あるんよ。で、人間が感知できる気温差は3度からとか言われてるよね。

    で、3度以上違う日とかをみてみるけど・・・
    あー、うん、なんにもわかりません!!

    で、ちょっと均すために平均気温の移動平均をとってグラフをつくったよ。

    あーー、うん。ここから得られる仮設は、

    寒くなると感染者が増える。

    かな、
    寒くなれば、換気もされないし、体温も下がって免疫も落ちるので風邪が流行る。 ま、そんなところかも。

    日照時間なんかあるとおもったんだけどなー。なんもひっかかりがなかったのは残念。
    湿度、高いほうで露骨に変な相関が出てたのは、すごく意外だった。
    でもま、ただの変な偶然なだけかもしれないから、他の都市のデータとか、一年後とかにまた追ってみたいですね。

    では、みなさまご健勝に。

    参考およびデータもと

    気象庁::ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 日ごとの値
    https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2020&month=11&day=&view=p1
    東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細
    https://catalog.data.metro.tokyo.lg.jp/dataset/t000010d0000000068

    (※1)
    熱 コロナウイルスは結構熱に強く、人間が生存できる温度帯では不活化できなさそう。92℃で15分
    https://www.wowkorea.jp/news/korea/2020/0420/10256654.html
    紫外線 日光だと1分20秒~2分で半減期。瞬殺。
    https://www.wowkorea.jp/news/korea/2020/0424/10257002.html
    化学的消毒消毒用エタノール(濃度70%以上95%以下のエタノール)次亜塩素酸ナトリウム (0.05%)、界面活性剤、次亜塩素酸水

    (※2)
    太陽光は新型コロナウイルスを急速に不活性化させるのか? 論文の公開求める声も
    https://www.afpbb.com/articles/-/3280303

    (※3)
    https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278
    https://wired.jp/membership/2020/11/27/covid-winter-is-coming-could-humidifiers-help/
    https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20210108-00216585/
    https://taisho-kenko.com/column/detail/28
    室温(約20℃)では低湿度(相対湿度30〜50%)より高湿度(80%)の
    環境でより迅速に不活化される一方,6℃では80%でも長い生存性を示している。
    https://www.saaaj.jp/covid/pdf/covid02.pdf
    QT:
    湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する

    グラフ作成につかったエクセル、DropBoxにあげておくよ。ほしければどぞ。https://www.dropbox.com/s/styr5zbq82j4evi/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%97%A5%E7%85%A7%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A8%E6%84%9F%E6%9F%93%E8%80%85%E6%95%B0.xlsx?dl=0

  • 2類から5類にすれば医療崩壊しなくてすむってさ

    大手門に敵が殺到しているから、門をあけて敵を引き込めば前線崩壊ではない。
    ウォールオブマリアが破られても、なに、まだ壁はある。

    言っているのはまさにそういう事でしかない。
    指定感染症の2類からインフルエンザ並みの5類にすることで、なるほど医療崩壊はしないかもしれない。 だが、それは医療崩壊という言葉の定義を変えているだけ。敗走ではなく、転進といえば負けじゃないといっているのに等しい。

    世の言説は明快を好むためか、白黒、明暗をつけたがる。
    フェイクだファクトだ、言った言ってない、正だ否だとで揉めがちだけど、下手な嘘にだって真実は散りばめ混ぜられるもの。自然科学でもだいたいの事象はグラデーションだ。花が咲いたという観測をしても、観測者や観測対象木によっては咲いている、散っている、まだ咲いていないなどが入り交じる。

    さて、現場で観測している人たちが、「もう限界だ」「これ以上は持たない」と声をあげている。
    まず現場の声は尊重しなければならない。
    そんなはずはない、病床はまだある。弾は十分にあるはずだ。まだ戦えるはずだとかいうのは、現場の声を見なかったこと、聞かなかったことにしているだけだ。

    崩壊にも段階があって、最先端の医療体制のキャパシティオーバーとか、救急の医療体制のキャパシティーオーバーとか、町医者まで死に絶えるとかいろんなステージがある。いま、その最前線の戦線が崩壊しているところだ。

    為政者が被害をへらすためにやるべきは法律の定義の変更によるごまかしでなく、ニューヨークのように1,000床からなる野営病院や臨時病院をいくつも建てることだ。

    感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
    https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=410AC0000000114_20190914_501AC0000000037

    「一類感染症」
    エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
    「二類感染症」
    急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルス)、中東呼吸器症候群(MERSコロナウイルス)、鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ)
    「三類感染症」
    コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、
    「四類感染症」
    E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、ボツリヌス症、マラリア、野兎と病、既に知られている感染性の疾病
    「五類感染症」
    インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

    感染症の分類というのは上記のようになっている。
    疫病を無為に広げないために、感染症の取り扱い方法が定められている。
    なんていうか、法の素人から見ても下手くそな立法文書。「新型インフルエンザ等対策特別措置法」とかもそうなんだけど、法律のなかに直値で病名が書き込まれている、メンテナンス性の低いコードだ。
    なので「新型コロナウイルス感染症」が、政令で二類感染症に追加指定された。オーバーライド(上書き)だね。

    (新型コロナウイルス感染症の指定)
    https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78ab7336&dataType=0&pageNo=1

    なんていうか、プログラマブルじゃないバッチの当て方。つくづく筋が悪い。
    まずもって病名に「新型」とかつけちゃうところがセンスないよね。ファイル名に「最新版」「最終版」「納品版」とかいっぱいつけちゃって、どれが一番新しいんだかわけわかんなくなっちゃうやつみたいだよ。
    変異でSARS-CoV-3とかになったら、新々型コロナウイルスとかにするつもりなんだろうか?

    五類には後天性免疫不全症候群(AIDS)とか、最近日本で感染者が増えている梅毒、麻しん(はしか)とか、危険な病気も混じっている。しかし、ワクチンの開発や国内では一旦は終息を迎えたものが対象で、正直まだワクチン接種率が国内0.001%もないcovid-19を五類にするのは、一個前のエントリ、季節性インフルエンザとコロナの致死率、重症率比較のところでもみてもらった通り、危険すぎる。侮りすぎだ。

    四類は、最近国内で14年ぶりに感染が確認された致死率100%の狂犬病、映画とかでもバイオテロに使われがちな炭疽菌が属する。発生例が少ないか、ウイルス性肝炎のように発生件数は1000件近傍あるものの減少傾向にある病気だ。

    三類は、下水道などが完備されていない途上国に行く際には、予防接種か旅行保険をがっつりかける必要があるタイプの病気だ。O-157などはたまに国内でも流行が見られる。

    二類は、今回の新型コロナウイルス(covid-19/SARS-CoV-2)と、致死率40%とか20%のSARSコロナやMERSコロナがいる。致死率2~4%程度の新型コロナウイルスがここにいるべきかという議論はあろうが、感染爆発をしているとそれだけ変異は頻繁に起きるので、長い目でみれば宿主を殺さない方向に弱毒無害化した株が席捲をするだろが、うっかりSARSのように苛烈なやつになって強毒化タイプに変化しないとも言い切れない。というか、変化するだろう。

    現在4000種類ほど変異株が見つかっているというが、イギリス南西部、南アフリカで7割ほど感染力がある変異株がみつかっていて、実行再生算数を0.4ほど押し上げる可能性があるという。金利で言えば40%が80%になる世界線だ。Rt1.8とかになると人口密集地では簡単に感染限界上限に張り付く。そして、感染者が増えれば、突然変異数の可能性も増える。

    現在コロナウイルスは7種類みつかっていて、そのうち3種類、SARS、MERS、SARS2(今回の新型コロナ)が指定感染症となっている。

    それ以外の4種類は、まあ、普通の風邪だ。
    風邪の流行期には35%がコロナウイルスを原因としたものだと言われている。 コロナはただの風邪というのはその側面では正しい。無症状の人もいるし、熱が出ても37.5℃とかなので動けもする。ただ、重篤な肺炎やサイトカインストーム、血栓症をおこすので致死率が段違いというだけだ。風邪なみの気軽さで伝染るけど、インフルエンザの数百~数千倍死ぬ。

    まあ、でも、SARS、MERSよりは致死率はそれでも一桁低い。この絶妙なバランスが、なかなか封じ込めることができない理由でもある。季節性のインフルエンザと比較して、けっして野放しにしていいレベルの脅威ではない。無防備で社会免疫を獲得するというノーガード戦法をするとどうなるかは、スウェーデンや英国が率先して挑み、叡智を授けてくれた。同じ失敗を、しかも1年も遅れて後追いで検証する必要などない。

    重症化したあとの数字をみると、平均入院日数は40日にも及ぶ。残念なことだが、現在の国内の新規感染者数の推移をみるに最前線の奮闘虚しく医療崩壊は免れない。五類に転進したところで被害状況を改善してはくれない。いまのところ、交差抗体をもっていないために医療従事者も感染するウイルスなのだ。

    大型の病院でもクラスターを起こしている。
    ノウハウも設備もない街のクリニックにまで戦線を拡大したところで、状況は改善はしてはくれない。
    五類から二類にすれば、街のクリニックが感染拠点になって、学習ノウハウが積み上がるのが先か、力尽きるのが先かの勝負となる。

    必要なのは言葉の定義変更ではなく、人員と設備そして実行。

    医療従事者が足りないから、医師免許を持った教官や学徒、はたまた軍医まで徴用しようとする動きもある。
    人的な手当は一時的に改善するかもしれないが、そのあと、人員の教育が止まるので継戦能力が失われ回復しないだろう。種籾まで食いつぶす状態をとらまえて、それでも我が国は医療崩壊していないとはこれいかに。

    「アメリカも医療崩壊はしてないじゃないか」というような言説にはめまいがする。
    工兵つかってマンハッタンに1000床もの臨時病院つくったりセントラルパークとかに野営病院をあちこちたて、死者の埋葬すらおいつかず冷凍コンテナをつかって保管。これを見て・・・。
    ・・・医療崩壊していない?

    ああ、そうだね、崩壊したのは葬儀屋かなー?
    って、ブラックすぎるわーー。
    いったいこの一年何をみてきたんだいと。
    いったい、なにを学んできたのー。わたーしだって、わたーしだって。つかれるーわ。

    米国感染者数1位のニューヨーク州
    https://coronavirus.jhu.edu/data/state-timeline/new-deaths/new-york/0

    3月から4月の1つ目の山は感染者数と死者数がリニアにリンクしていて、完全に治療、医療がおっついていないことが見てとれる。概して2波目は、11月頃の感染拡大から2ヶ月以上死者数を抑え込めていて、医療が機能していることが見て取れる。

    米国感染者数2位のテキサス州
    https://coronavirus.jhu.edu/data/state-timeline/new-confirmed-cases/texas/0

    こちらは2波目も若干は抑え込めてはいるものの、ニューヨークほど勝ててはいない。
    ノウハウが溜まってきたこともあるんだろうけど、このコントロールできているかどうかが、医療が機能しているかどうかなんだとおもうよ。

    病床数について

    ICU等の病床に関する国際比較について
    https://www.mhlw.go.jp/content/000664798.pdf
    特定集中治療室管理料(5211床)、救命救急入院料(6411床)、ハイケアユニット入院医療管理料(5412床)

    ICU等の病床に関する国際比較についての見解
    https://www.jsicm.org/news/news200510.html

    医師数について

    医者やナースの数をOECDのデータから調べておいた。2018年のデータで抽出したが、日本がなかったので別途追加した。アメリカは、2018年のデータがなかったので他の年度をもってきた。


    https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=HEALTH_WFMI#

    2018年の各国の医師数
    2018年各国の看護師数

    日本の医療の現状と国際比較
    http://www.khk-dr.jp/shutyou/031115.pdf

    ICU+HCUや医師、看護婦の数を勘案すると、アメリカやドイツとさして遜色はないようにみえるのだが、100床あたりの国際比較にするとそうではないようだ。もしかしたらやたら病床数が多いのかもしれない。コロナ対策病床が2%にも満たないという報道があるが、その実、使えないだけなのかもしれない。

    https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0129-4c.pdf

    人口あたりの長期医療病床はどうも日本はやたら多いようだ。

    平成 30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 医師 327210
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/dl/gaikyo.pdf

    看護職員の現状と推移
    https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000072895.pdf

    看護統計資料 (2016)1,660,071
    https://www.nurse.or.jp/home/statistics/pdf/toukei01.pdf