カテゴリー: 地震

  • 地震調査委は余震長期評価を見直しました

    ようやくですが、政府の地震調査委員会の見解が変更になったようです。

    政府の地震調査委員会は11日の会合で、「今後もマグニチュード(M)7を超す余震が発生し、周辺でM7~8程度の地震が誘発される可能性がある」との見解をまとめた。三陸沖から房総沖で起こる海溝型地震の規模や発生確率を調査委が予想した長期評価が、実態とずれている恐れがあり、見直しを行うことも決めた。

    素人の予測よりも専門家たちの意見のほうがみなさんに説得力があると思うので、貼っておきます。

    余震域周辺でM8も=長期評価見直しへ-地震調査委
    http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041100959

    阿部勝征委員長(東大名誉教授)は「余震がどう減るか、半年は様子をみないと分からない」と指摘。南北約500キロの余震域以外に東北、関東、中部地方の内陸部などで、大規模な地震に警戒すべきだとした。

    先日の記事(http://kuippa.sakura.ne.jp/blog/2011/04/11/%e5%9c%b0%e5%bd%a2%e3%82%92%e8%a6%b3%e5%af%9f%e3%81%99%e3%82%8b/)でいう、地震空白域を評価したのだとおもいますが、中部地方の内陸部まで警戒の対象にいれたようですね。ユーラシアプレート境界と、フォッサマグナを評価したのだとおもいますが、ユーラシアプレート境界を評価したのであれば新潟や長野北部も警戒域にいれるべきなのではないかと思いました。

    M9クラスの地震がおきてしまうと、中央構造線沿いと糸魚川静岡構造線沿いにはひずみの解消のため地震がおきることも考えられます。大分などでおきている地震を考えるとその影響は広範囲であると考えていいとおもいます。

    もともと宮城県沖地震は30年以内に巨大地震が発生する確率は99%でした。

    宮城県による死者想定は今からすると164人であります。誠に残念ながら津波被害による被害想定が1行も書かれていません。

    http://www.pref.miyagi.jp/kenan/taisin-program/miyagi-taisin-program-outline.pdf

    http://www.jjjnet.com/jishin_kakuritsu.html

    日本を襲う主な巨大地震の確率今後 30年以内 に巨大地震の発生する確率
    根室沖 40%
    三陸沖北部 90%
    宮城県沖 99%
    首都直下型 70%
    東海地震 87%
    東南海地震 60%
    南海地震 50%
    安芸灘~豊後水道 40%

    これらの確率も今後5年以内での確率で再評価しなければならないと思います。

    あと、みなさん地元の自治体などの防災被害想定は一度通読しておいたほうがよいとおもいます。

    東京
    http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/material_h.html
    神奈川
    http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/saigai/chousakekka/soutei.htm
    千葉
    http://www.pref.chiba.lg.jp/bousai/jishin/higaichousa/h20-04.html
    埼玉
    http://www.pref.saitama.lg.jp/page/h19higaisoutei.html

    内閣府
    http://www.bousai.go.jp/5jishin/index.html
    http://www.bousai.go.jp/syuto_higaisoutei/pdf/higai_gaiyou.pdf

    東京都の場合、被害想定では帰宅困難者は約392 万人(首都圏では650万人)を想定しています。今回の東日本震災では300万人が帰宅困難になったと推定されています。今回は直下型でなく震度5でこれでした。また、一部地下鉄、電車などの公共交通は実際には動いているものもありました。かなり良い線を行っているとは思いますが、実際はもう少しおおくの人がと考えたほうがよいかもしれません。

    すでに想定されている地震の調査レポートがあるのであれば、危機感のあるうちに自分の住まう地域の被害想定を読んでおくべきです。もし、被害想定が十分になく納得がいかないようであれば、働きかけていかなければいけません。「言い訳は想定外」を許してはだめなんだぜ。

  • 地形を観察する

    先日の投稿でまとめた過去の地震の震源地の地図をプレート構造などをもとにすこし分かりやすく描きこんでみた。日本の地形はとても面白いなと改めて思った。

    画像なのでGoogleMapではありません。動かないよ!

    上は、前回までの分析を模式的にわかりやすくした図です。

    下の図は、そこに警戒空白域を書き込んだものです。

    黄色丸の赤!は、現在までの地震の1968年以降の空白域で個人的な予想ですが、今回の地震の震源地とプレート壊裂上にあるので、次におこるのはこの延長線上の空白域なのではないかと考えています。最大余震は気象庁の案内によれば、海溝部の場合平均で10日ぐらいで発生するといわれています。その慣例に従えば次に発生が予測される地震は”余震”には分類されないのかもしれません。

    ただ、過去の大地震を紐解くに、マグニチュードで1落ちた程度のものが最大余震として警戒すべき値であります。M8.9(9.0) の最大余震はすると、7.9ぐらいの地震となります。4/8に発生した7.2で終わりと安心したいところではありますが、外れてもいいから警戒だけはどうかあと3ヶ月はとかないでいただきたいところです。

    スマトラ島沖地震
    2004年12月26日 M 9.1 スマトラ島北西沖
    2005年3月28日 8.6 メダン南西沖
    間隔約90日

    ニュージーランド地震
    2010年9月4日 (Mw)7.0ニュージーランドカンタベリー
    2011年2月22日 (Mw)6.3
    間隔約160日

    明治三陸地震
    1896年6月15日 M8.2~8.5 現・釜石市の東方沖200km
    1896年8月31日 M7.2 (陸羽地震)
    間隔約75日

    関東大震災
    1923年9月1日 M7.9
    1924年1月15日 丹沢地震 – M 7.3
    間隔約135日

    地震というのはテーブルクロスがずれるようなものなので、片方のシワがよれば反対側でも動きます。地球からみれば一瞬ですが人間には相応の期間だったりします。だから人間の尺度で日にちが経過したから、または場所が離れているからという理由で、決して楽観をしていいものではありません。
    まあ、1ヶ月ぐらいで最大余震が過ぎているものもあり、あまり心配するのも気に毒です。油断せず、かつ天地杞憂にならぬよういきましょう。
    http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/world/historical_country.php#japan

    マグニチュードが1違うと32倍エネルギーが異なるわけで、地震にすると10回分ぐらいの違いとなるそうです。日本の場合どこにいても地震などの自然災害とは無縁ではいられないので、備えあれば憂いなしということで十分に備えていただきたい。

    日本の地形は眺めているだけで実におもしろいですね。この岬なんだろうと調べると、中央構造線だったり、でっぱっているところにはその地下にでっぱった理由が何かある。プレートの重なりあって、ベクトルが回析するような場所にはその先に火山があったり、なんだり。

    中央構造線(メディアンライン)は地図をみてもわかるほどなのでみてて美しいです。綺麗に一直線にだれかが描いたような線がはいっています。フォッサマグナはプレートの重なりを考えると日本アルプスや富士山がそこにあるのもうなずけます。

    静岡や長野栄村でも大きな地震があったのも北米プレートの動きをみれば納得できますし、大分県や和歌山、沖縄でもマグニチュード4以上の震源地が観測されていますが、これもプレートがぶつかりあっていることを考えれば自然なことなのかもしれません。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E7%B7%9A

  • 1968年からの地震空白域

    プレート型地震の仕組みと地震の震源地で調べた過去1973年からの地震震源地と1968年の十勝沖地震での震源地、そして今回の2011年の東北域での震源地のマッピングを画像を重ね合わすことで可視化してみました。

    貞観地震(DC869 仙台沖とされる)などの科学的データが残っていないものはプロットできておりませんので、あくまでご参考までに。

     

    今回の地震の震源地といままでの震源地の模式図を重ねあわせたものです。

    今回の地震と1973年~から記録されている地震震源地を重ねあわせたものです。

     

    今回の地震の震源地地図と1968年の十勝沖地震の震源地を重ねあわせたものです。

     

    今回の地震と、1973年から記録されている地震震源地、そして1968十勝沖の震源地を重ねあわせたものです。

    1968年十勝沖地震の震源地を赤色で略式的に塗り、これらを重ねても見やすいように不必要な部分を削りました。

     

    これらを考慮するとまだ地震がおきていない空白域がおぼろげに見えます。黄色は比較的浅いところでのプレート崩壊、水色は深いところでの崩壊がおきていないのではないかと思います。

     

    関東近辺の黄色は、東京湾北部地震、都心西部直下地震、南関東直下地震などとして想定されている空白域なのではないかと思います。いずれも政府の被害想定によればM7程度が予測されておりますが、今回の地震でこれらが余震として誘発されることはちょっと考えたくありません。実際プレートの崩壊は千葉県犬吠埼沖で止まったとされていますが、これは南から入り込むフィリピン海プレートの北東端にぶつかったからだと考えられています。

    地殻の破壊、茨城県沖で止まった…その理由は?
    地殻の破壊、茨城県沖で止まった…その理由は?

    最大余震で素人ながら考えられるのは、今回の震源地のプレートの入り込んだ先、つまりユーラシアプレートと北米プレートの境界線、日本海側の部分(水色部分)で起きるケースと、今回の震源地から南東に約50キロぐらいの、福島の東の黄色で塗った地点あたりなのかなーと漠然と思うのでした。
    あと、長野栄村での地震などを見ると、フィリピン海プレートの北西端、ユーラシアプレートの東端あたりの複雑な構造の部分も、空白域といえば空白域になっているので怖いところではあります。あくまで素人がデータを眺めてて思った所感であります。まあ亀裂の伝達ということで考えればプレートの玉突きで反対側のプレートが動くことを予測するよりも破壊の進んでいった延長線上の空白域で発生すると考えるほうが自然かもしれません。スマトラ地震の時には震源の南で最大余震がおきてますね。ただ日本のようにのっかてるプレートが4枚ともなると正直素人にはなにがなんだか…。

    スマトラ島沖地震

    スマトラの場合は200キロぐらい離れてますね。M9クラスだとそれぐらい離れるのかな…。日本で200キロだと、東京、千葉沖か盛岡沖ぐらいかな?盛岡沖は十勝沖でくずれてるから大丈夫だとおもうんだけどなー。襟裳岬南沖?襟裳岬のところの北米プレートはなんでこんなに回折しているのだろうか?地球ってわからないことだらけですね。