カテゴリー: 政治

  • 特定秘密保護法案のあったほうがいいところ

    「特定秘密保護法案」に賛成してる人なんているの?というお話しがありました。

    逆に聞きたい。この法案に賛成している人の意見を。
    http://watabelaw.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

    識者でもなんでもない個人事業主のおっさんですが、この手のお約束事はそもそも、ないとまずいんじゃないかなと思ったりするので、その理由でも書いてみようかと思います。

     

    「国民の知る権利」が脅かされるということで反対されていますが、それはまあもっともなので別にそこを議論の種にするつもりはありません。十分に懸念すべき点であると思います。
    と、同時に現行の秘密保護法が未整備である状態のリスクやデメリットも考えなければいけないと思います。現行の国家公務員法における守秘義務の規定はゆるく罰則は1年以下の懲役か50万円以下の罰金のみです。
    秘密を知るものの良心によりその秘密が守られたとしても、その秘密を知らんとすべく活動したものについて処罰する手立てはありません。スパイ天国と呼ばれる日本では産業スパイ、軍事スパイ、おいしい情報がリスクもなく簡単に手にはいってしまう。

     

    国家的な関与が認められる中央官庁を狙った標的型のサイバー攻撃が活発になっています。電子的な攻撃については不正アクセス禁止法のガードがありますが、アナログな方法で秘密を知る人物に秘密の漏洩を働きかけたりする、買収、ハニートラップやソーシャルハッキングを防ぐことはできません。重要な情報を奪わんとする者に対して秘密を知る人の良心しか防護壁がないのです。

     

    秘密の重要度や情報にアクセスできたものが管理されず規定されないことにも問題があります。公文書管理法でも問題があきらかになりましたが、そもそも秘密情報とされるもののなかには文書化も保管もされないものがあり、期限がすぎても公開もされない。「知ってるのワシだけ」状態になっているものがあります。海の向こうの国で情報開示がされ初めて知ることになったりする。なんじゃそりゃですよね。
    秘密が公になるまでだれがその重要な情報を管理するのか。その情報がルールで定められていない以上、情報が属人的なものにならざるを得ません。これは組織運営の観点からみても大きな問題です。
    「あの秘密を知るワシをもっと重鎮せぇ。さもなくば…」
    これに反論する手立てありますか?飲酒運転より罰則ゆるいんですよ?公務員ならまだ守秘義務がありますが、じゃあ政治家は?

     

     

    情報が人に属すのみでそれを管理する制度もなければ、意図をもってその情報を伝える人を選別したり、重要な情報があることを示唆するだけでその人物が重要度が相対的にまします。もし、体制に腐敗や癒着があり、それが理由で組織を変えても肝心の情報がついてきません。これでは例えその組織を改革してもどぐされ患部は影響力を残したままになるでしょう。これじゃぁ法治ではなく人治です。
    そんなわけで、「これ秘密だから!」って情報を定義する制度はむしろなんでいままでなかったんでしょうかと思う感じです。大臣から情報が漏れるなんていう国家安全保障上重大な事態があっても秘密情報として管理していなければ調査もできんもの。

     

     

    おまけ

    で、知る権利の問題だけど、そもそも今、何が秘密にされてるかなんて知ってる人いるの?

    ・・・・・・。

    特定秘密がなんであるか知りもせずに知ろうとしただけで理由もわからず勾留されるとかいうなんか凄い意見を言ってるのも見えましたが、名目上は日本はいちおう法治国家だから…、そのために裁判があるんだよと思ったりもする。

     

    パソコン遠隔操作事件の容疑で勾留されている子は裁判もされないまま一年ぐらい取り調べという名目で留置されてるので、こういうのこそなんとかしないと罪刑法定主義じゃないといわれてもしょうがねぇんじゃないかなと思うのですよ。

     

    ま、運用上は何が秘密にされたかを管理監督する組織はないとダメなんじゃねぇのと思います。

     

    公文書等の管理に関する法律
    http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21HO066.html

    秘密保全のための 法制の在り方について (報告書)
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jouhouhozen/housei_kaigi/pdf/10110808_houkoku.pdf

    日本弁護士連合会 秘密保護法とは?
    http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/secret/about.html

     

    提出回次:第185回
    議案種類:閣法 9号
    議案名:特定秘密の保護に関する法律案
    http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18505009.htm

     

     

    ・・・つか、法律文って意味わかんないよね。附則だらけでシングルスレッドだとコボルで書かれたダメな感じのレガシープログラムみてるみたいだよ。自然言語やめてプログラムみたいに論理言語で記述しないと例外判定もできないじゃない。古い法律も多いしさ、もうちょっとリファクタリングしようぜぇ…。

     

  • いまさら一票の格差もんだい

    1票の格差 最大で4.77倍だという。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130705/k10015816661000.html

    東京都は1086万6907人で5議席を争い、鳥取県の48万3734人で1議席を争う。
    単純計算で一票あたり差は4.77倍なのかもしれないがそれは一票の「格差」を正確に示す倍率だろうか?

     

    2010年の同参議院議員選挙の結果から考えてみたい。
    http://seiji.yahoo.co.jp/guide/election/sangiin2010/list/tokyo/index.html
    東京都で落選者に投票した人間の数は、1,516,299である。(総得票数の24.86%)
    当選者に投票した人間の数は4,581,468である。
    総得票数は6,097,767

     
    鳥取県で落選者に投票した人間の数は、153,333(総得票数の49.18%)
    当選者に投票した人間の数は158,445
    総得票数は311,778

     
    東京都の死に票の数は151万で鳥取の活票の数は16万…。
    無駄になった票は国会では一票にも数えられないわけで、これは倍率で表わすことができる格差なんでしょうか?

     

     

    東京都の当選者の得票数平均は916,294で他方落選者の得票数平均は79,805。
    東京都で当選するためには鳥取の5.78倍の得票数を得なければならないことがわかる。
    ちなみに東京都で落選した次点候補の得票数で鳥取県の当選したものより得票数がおおかったものは3名いる。
    55万票、30万票、20万票をそれぞれ獲得して東京では落選している。東京都で当選するためには最低でも656,029を獲得しなければならない。

     
    当落の票数を比率に直すと東京都では92:8
    対して鳥取は51:49

     
    東京では如実に落選者の得票率がひくい。これは東京に泡沫候補が集中して平均をさげているということもあるので、泡沫候補の影響を取り除くために諸派と無所属を合計値からはずして、落選者の得票数平均を出し直してみる。200,169となった。なんということだ。鳥取県の当選者の得票数より東京の政党所属の落選者平均のほうが多いではないか・・・。

     
    間接民主制の欠点をいまさらあげつらうつもりも地方を揶揄するつもりもないけれども、名前の連呼合戦だけの近代日本の選挙ルールというものは票の平均格差以前の問題。アホみたいなルールでもうまく回ってる間は問題ないけど、日本が政治が政治が機能してないとかいわれて久しいんだからなんとかしたらいいのにねぇ。

     
    4増4減とかネット選挙解禁とかがあるだけまだあれなのかな。
    庶民なんで、ほどよく期待してほどよく絶望します。

     

  • あなたの知らない商売の世界。無限端数殺法!

    消費税込みの価格で商談したら納入業者がなぜ喰われるか。消費税があがると納入業者がどのような不利益を被るか、官僚や政治家は商売をやったことがない連中ばかりで肌感覚としてわからないというので、「マジでか!?」と思いながら、自分も小売や卸しをやるまで知らなかったこともいっぱいあるので、商習慣をふまえて書き起こしておこうと思った。

    無限チョコレートgif http://24.media.tumblr.com/9bff5678b2f5ffcd18fba31b21f005c1/tumblr_mkdymqcJet1rjcfxro1_500.gif

    この、なぜだか増えた分が消費税転嫁分だ。商売の取引上発生した端数が力関係で転嫁される。本当にチョコレートが増えたと思ってるひとは減らないチョコレートを生計でもたてればいいんじゃないかな!

    最近、自民党のカフェスタを見ている。築地のおじさんが面白くて、あれこれ見漁ったのだ。ずぬけて、おもろい。現段階でどのアーカイブも3桁なのは寂しすぎるが、月曜日カフェスタは面白いのでおすすなんだぜ。

    で、掲題の消費税の話しになる。
    マスメディア側の報道でしか知らなかったので、なんで消費税還元セールはダメだとかわざわざ国会でやってんだ、ナンセンスだなーと思ってたのだけど、こういう狙いがあったのね。

     

    「消費税は還元するものではなく収めるものだ」とか、そんな馬鹿げた発言ばかり取り上げられてたから、意味わかってなかった。八百屋の仲卸(国会議員 平将明氏)と、魚屋の仲卸(築地魚河岸 鈴与三代目 生田よしかつさん)、卸売業のひとたちの話しを聞いて、うわぁ、そのレベルでの話しなのかと驚いちゃった。でも、消費税転嫁うんぬんは、メディア報道をきいても小売業でもピンとこなかったので、商売やったことないひとにはさらに伝わらないんじゃないかと思ったりもした。

     

    日本がこういう商習慣になっているのは、量販店などが絶え間ないロビー活動やら収賄政治の輝かしい成果なのだとおもっていたのだけど、単純に政治家や官僚に商売体験がないからというしょうもない理由が主たるところだったりだとするとひっくり返って泡吹いちまうよ。

     

    パンが無ければケーキを食べればいいじゃないとか、サービス残業が嫌なら職業選択の自由があるんだからヤメればいいじゃないとか、マグロが仕入れられなければ他から仕入れればいいじゃないという、どうしようもなく初歩的なつまずきが経済のボトルネックになっている可能性を知り愕然としている。利益誘導でわざとなんだと思ってたのだが・・・

    ブラック企業とよばれ労働者にその負担をつけ回すか、出入り業者につけ回すかが競争優位の源泉にしかならない産業が中心であれば、発展どころか循環可能な経済にはなっておらず終わっているのだが、もしかして、制度疲労の原因って、チョコレートは増えるという幻想をかかえちまって制度設計がされているからなのかも。化学の反応経路でもそうだけど、系の途中でエネルギーが抜け落ちないことはないからね!?

     

    「5%買って、5%負けてを繰り返すと元本(資本金)はどんどん減っていく。」 金融トレードだと、このように言われたりする。

     

    これが直感的に理解できるか理解できないかは、人によってわかれるかもしれないが、念のため説明すると、例えば種銭を100円でスタートして、5%増えると105円だけれども、105円から5%負けると95円ではなく正確には94.75円になる。だから、これが5%増えても99.4875円にしかならない。

     

    端数なので四捨五入すれば100円だが、目に見えないところで細かく零れ落ちるところがあるところをわかってもらいたい。この僅かな量が、商品の卸しや、金融商品のような一回の取引額がおおきくかつ何度も反復される取引においては影響が甚大になっていく。

    元本×(1.05)×(0.95)
    元本×0.9975のn乘
    =$A$1*(1+$A$2)*(1-$A$2)

    という計算をループさせてみよう。
    このような取引を繰り返していくと、この僅かであった影響が大きくなり、5%利益だして、5%損してを繰り返すと、この取引の42回後には元本は90円を切ることになる。276回の往復で100円の元本は50円を割ってしまう。この往復利率が10%であった場合、わずか10回で元本は90円を割り、69回で元本は半分になってしまう。

     

     

    小売の卸し取引は、お客様への価格を上代といい、卸が扱う価格を下代という。
    慣例上、下代は「掛け率」なるもので表さることがある。「8掛け」とか「6掛け」と呼ばれる。たとえば「8掛け」の場合、上代100円の商品に0.8をかけるという意味になる。つまり、上代100円の商品を80円で卸しますよということだ。取引の価格交渉の場合この掛率、割引率の交渉になる。

    小売人は80円で商品を仕入れて100円で売ることで利益をあげ、その利益のなかから販売に必要な経費(家賃や人件費)などを出していく。商品を8掛けで仕入れている店があったとして、月の人件費を20万円家賃光熱費あわせて20万だとすると、最低限の経費を捻出するためには、最低200万円の売上が必要となる。卸になるともっと薄利多売なので必要な売上は小売のおよそ10倍ぐらいになる。100円のジュースを60円で仕入れて売るのが小売、100円のジュースを24本入りの箱単位で仕入れて一個あたり50円で買って60円で小売に売るのが卸しっちゅうような感じだ。

    さて、このような商習慣に消費税がはいってくるとどうなるか。

    みんな大好き「うまい棒」で考えてみよう。
    うまい棒は消費者は内税10円で買うことができる。
    消費税5%でこの時の本体価格は9.5円になる。消費税相当分は0.5円だ。
    仕入れは8掛けで一本あたり8円で仕入れたとしよう。
    この8円が内税であれば、本体価格は7.6円になる。

    卸はこの「うまい棒」の単価を8円でおろすのか7円でおろすのかで、利益が大きく変わってくる。もともと薄利なので利益を割り込むかもしれない。

    なので卸は一本あたりを内税で処理して価格をつけることができなくなり、外税にして最後に消費税計算をしたり、バルクや1ロット、もしくは一箱でなんぼという明細にするよりない。

    割り算と掛け算は順番を変えても問題ないというのが許されるのは学校のテストまでだ。
    税抜き価格X円のものを4掛けでN個買うのと、税込価格Y円のものを4掛けでN個買うのは…
    (X*1.05)*0.4*N=(Y*0.4)*N*1.05
    XもYも、いっしょでしょと。
    そんな奴は無限にチョコレートでも食ってろ! と・・・。

    実際には round(round(X*1.05)*0.4)*N ≠ round(round(Y*0.4)*N*1.05)
    こんな感じに小数点以下の丸めがはしるし、交渉でXやYに値引きのDC(ディスカウント)が%で入ってくるんだから
    結果は、ちがうよ、ちがうよ!全然ちがうよ!!

    科学系のひとたちは有効数字の桁数を気にするし、丸めのタイミングを気にする。
    とくにそれが指数の基数になるならなおさらのことだ。商売人も同様だ。

    古典的には銀行口座に振り込まれるべき端数をピンはねしたサラミテクニック(サラミのように薄く切ってしまえば一枚抜いてもわからない)と呼ばれるようなハッキング方法や、スキャルピングとよばれるような薄皮でも十分な利益がだせるのは、端数にレバレッジが効かせて集塵できるからだ。卸や量販というのはレバレッジを効かせた商売といっていい。

    もし端数の”まるめ”に四捨五入というルールを採用した場合は、同率の負けと勝ちを繰り返すことになる。
    勝率が同じであった場合、それが反復継続すれば説明したとおり元本はわずかな取引回数であっという間に利益率を割り込むちゅうわけだったのさっと。

    長く書いたわりに・・・あまりうまく説明できた気がしない。

     

     

    *参考~


    http://www.jimin.jp/activity/movie/0ch_cafe_sta/index.html