カテゴリー: サイエンス

  • 科学技術週間国立4研究施設の一般公開

    JR中央線沿いの三鷹と京王線沿いの調布は電車などがつながっておらず南北の行き来が困難である。その交通の空白地とも揶揄されるエリアになかなかおもしろい研究施設などが集まっていて4月22日、科学技術週間の恒例行事として、海上技術安全研究所(NMRI)、交通安全環境研究所(NTSEL)、電子航法研究所(ENRI)、そして、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の4研究施設の一般公開がおこなわれた。

    このエリアは武蔵野台地のヘリとなっていて崖地となっている。そのため井の頭や深大寺のように掘らずとも自然と湧き水が出て綺麗な川が流れ出る地域である。青森についで日本で二番目に古い土器は井の頭公園でみつかったものだそうで、縄文時代には湧水が文化揺籃に重要だったことが推測できる。

    湧水と緑豊かなのでわさび田などがいまだにあり、昔の人がここに国立の天文台を立てようと考えたぐらいには空がよくみえた山の稜線なのである。江戸期は一泊ぐらいでいける行楽地として、明治後期には別荘地として開拓され、その後、中島飛行機などの軍需工場として住民の流入が相次いだ。江戸の大火や、東京大空襲のときの疎開地として街が興った。

    東京と八王子を結ぶといっておきながら三鷹と府中で終わっている東八道路は通称30メートル道路とも呼ばれ、比較的道幅が広くまっすぐな道路だ。真偽は定かではないのだが、一説によると、戦時緊急時に滑走路としても転用可能なように考慮されているとかなんだとか。本当のことはわからないけれども、多分転用はできるようにはなっている。

    上記の4つの国立研究所はその30メートル道路沿いにある。滑走路をそこにつくるなら、駐機場にするにはこれくらいの土地は必要だってくらいバカ広い。

    なぜ三鷹みたいな内陸に海の研究所や、宇宙の研究所があるんだよ!?と思うかもしれないけれども、おそらく戦中戦後、まだ人口密度が高くなかったころの名残だろう。現在、学園研究都市といえば、筑波だが、それくらいの郊外感覚で、電気通信大学や国際基督教大学、そして国立の研究所がたてられたんじゃないかなと推測する。全部推測だ。あはは。

     

    毎年、商店街に科学技術週間のポスター貼ってと送られてくるので存在はしっていたのだが、今回始めて見に行ってきた。これはいいものだよ。うん。前置き長くなりまくってしまったけれども、写真でもアップしようとおもう。

     

    海上技術安全研究所(NMRI)

    この馬鹿長い建物は、長さ400m×幅18m×水深8mもある水槽がはいっている建物。いっそあと600m足して東京オリンピックのカヌー会場にしよう。

    高校生時分水泳部だった自分らは、この近くの25mプールでせこせこ泳いでたので、一度でよいからこの400mプール泳いでみたかった。

     

    波の発生装置とかがある。お魚ロボットとか。

    極地の氷の上をどうやって進むかとか、氷が貼られているプールとかがあった。めちゃめちゃ暑い夏日だったが、圧扉のなかは寒い。宇宙よりも遠い場所だ。

     

    交通安全環境研究所(NTSEL)

    時速60キロ相当の風洞体験とか、交通シミュレーターとか。こちらも、鉄道運転体験装置とかあったのだけれども、子どもたちが写り込んでいるので、後ろ姿だけのこの写真だけ。

    電子航法研究所(ENRI)

    管制系とかシミュレーター系は子どもたちに大人気で、長いことならばいないといけなかったので残念ながら、駆け足にてちら見。

     

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)

    宇宙より遠い場所から、宇宙へ。

    みんな大好き。スパコン。

    みんな大好き大きなタービン。

    みんな大好きばかでか風洞。

    まあ、他にも機体とかいろいろあったけれども、まあこんな所で。

     

    あんま人がはいらないからか、よくわからない植生になっていて、雑草の一本から楽しかった。

    背高泡立草の群生とか、やたら茎の細い酸葉(すぱんぽ)の群生とか、15cmも背丈がない菖蒲だかあやめだかあからない紫の花とか、で、この紫のこいつは何者だろう。あんま見かけたことがない気がするので、パシャリ。

     

     

    まあ、そんなわけでみんなも来年はいけばいいとおもうよ!

     

  • 3万年前の人類はどうやって海を超えたのか

    3万年前というと縄文時代(前14000年頃 – 前数世紀)より前なので、旧石器時代にあたる。

    旧石器時代はたいした石器もなかった。そのため海をわたるにしても木材を加工することはできない。木材を加工できないのであれば舟には草舟をつかったのではないかと仮説がたてられた。
    そんで、草舟で海を渡れるかという実験考古学というものが実行され・・・見事失敗したそうだ。

     

    草舟の航海 自力での到着ならず 人類渡航の謎深まる 7月18日 18時21分
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160718/k10010600141000.html

     

    すげぇ楽しそう。羨ましすぎて、ちょっと妬ましい。
    嫉妬に焦がれて、ちょっとそんなわけないじゃんとか、言いっ放してみたい。

     

    動機からの否定

    古代人が海の向こうの見果てぬ島にわたりたいという動機をいだくだろうか?
    まず抱くのは、数百メートルのちょっと沖にいけば大きな魚が取れるという程度の動機ではなかろうか。

     

    手段からの否定

    舟、船の完成形を知らない古代人が、沖に出る手段として草舟を編むだろうか?

    加工できるのが草しかないのだからしかたないという理由で葦などの素材を選ぶ?
    舟(海の上に浮かぶ状態)の形に至るまでに、試行錯誤が必要だ。
    完成形がわからない状態ではリーンスタートアップ、スモールケースが実行される。テストファーストだ!アジャイル開発だ。

    一人が数百メートルぐらい沖にでるための手軽な手段として、草の束をつかうアイディアははたして、最初のテストに耐えられるだろうか?

    葦がなどが生えてる群生地に行って、葦を束ねて、それを使って沖に出る。使い終わったあとは充分に海水を吸った葦を浜辺に引き上げる。せっかくつくった造形物は、数日、もって数週間でダメになる。そんな悠長なことをしていたら旧石器時代は生き残れない。というか、そんな草舟を設計して力をあわせて開発する能力があったら、先に日常使いされている石器のほうが発達するよね。

     

    捕まえてきた魚を裁くよりも前の発達段階なんだ。魚を捕まえなきゃいけない。

    まず、使うのは周辺にあるものだ。

    浜辺に打ち上げられた流木や海辺側の倒木を使うだろう。浮き輪代わりに小脇に抱えて、数百メートルぐらい沖にでて漁をすることだろう。

    そのうち数人で漁をするようになれば、もっと大きな流木を使うかもしれないね。なんせ鉄器も石器も人類が手にしていない原始の地球。浜辺なんてきっと流木だらけだよね。

     

    流木だらけなのに、「そうだ、草で舟をつくろう!!」とはならないでしょ……。

    流木1択なのにむしろなんで草だなんておもったんだい?草舟、、出土してるの???

     

    現存物からの否定

    ポリネシアやミクロネシアにはアウトリガーカヌーというものがある。

    シーカヤックと呼ばれる外洋にでていける高性能なもので、左右に浮きをつけて、舟の安定をとる。
    西はアフリカ沿岸のマダガスカル、東は南米沿岸のラパ・ヌイ(イースター島)まで広まった痕跡がある。
    詳しくはスター・ナヴィゲーションとか巨石文明とかそこらへん調べて。

    http://www.izuoutrigger.com/about/index.html

     

    アウトリガーカヌー
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%8C%E3%83%BC

     

    で、これが伝統的なアウトリガー・カヌー。Pōpao

    https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e1/P%C5%8Dpao.jpg/800px-P%C5%8Dpao.jpg
    ・・・。

    木材加工の技術必要か?

    流木で充分だよね。

    草を縄で造形する技術などいらず、木の皮とか蔦で結くだけだ。
    そのうえ浮力も草を束ねたものより強いし、抵抗もすくないので早く漕げる。

     

    丸木彫りをする必要すらなくて、丸太にまたがればいいだけ。
    木を削らなくても、火が扱えれば、焼き落としたり、炭にして形を整えたりすることができる。
    また、それだけでなく炭化することで腐食に大幅につよくなる。
    木を彫る石器なんかいらない。それこそ貝殻で充分だ。

     

    科学的知見からの否定

    縄文時代は寿命が14~16歳ぐらいなので、まあよく死んでいたようだ。
    3万年も前にもなればもっと短いサイクルで死んでいただろう。
    15年1世代としても遺伝的には、2,000世代程なので現世人類と遺伝的変異は数%程度だろう。
    つまり、日本人と他人種ほどの隔たりはそこにはない。

     

    旧石器時代の人間を猿かなにか程度の知恵しかないと思っているかもしれないが、教育が施されていないだけで、個体性能としては現世人類と大した差はない。というより、そこで渡ってきたのが我々の祖先なわけだから、分岐前と分岐後、つまり人種以上の遺伝差がないことは簡単に推測できる。

     

    つまり、旧石器時代といっても、現在の日本人を教育を施さないまま島流しにした中二病ランドのようなものだ。

     

     

    で、最近は遺伝子検査がすすみ、Y遺伝子(つまり父系の遺伝子がどこをルーツとするか)を追ったハプログループというものが整備されてきたのだが、南琉球人は、Oタイプが多いことが見て取れる。

    ここからわかることは、中国大陸で分岐して渡来してきたのではなく、

    https://en.wikipedia.org/wiki/Haplogroup#/media/File:Map-of-human-migrations.jpg

    http://livedoor.blogimg.jp/livereak-gekiyaku/imgs/1/b/1bfd5242.jpg
    http://www.gekiyaku.com/archives/30621292.html

     

    それより前のインド東北部あたりで分岐し、東南アジアから島嶼部に分岐した人たちの子孫が多くいることがわかる。
    つまり、遠いご親戚は草舟じゃなくて、いまだにPōpaoつかってるぞと。

     

    だから、正しいアプローチとしては流木でアウトリガー・カヌーは作れるだろうか?という実験なんじゃないかな。

     

     
    一方、江戸時代の佐渡ヶ島の娘っ子は惚れた男に会いに行くためにタライ(桶)を船にして40キロの日本海を渡った。人間って結構なんでもできちゃうもんだよね。

     

     

    参考

    縄文人の平均寿命、男女ともわずか14.6歳だった
    http://karapaia.livedoor.biz/archives/51581310.html

  • おれてきSTAP細胞4月まとめ

    笹井氏の会見を見て、個人的には謎に思っていたところがいろいろ回答されてて結構すっきりした。例え寄せ木のいくつかのブロックが抜けても論文のほうが筋がとおってると思っていたのだが、やっぱり与太より、数段しくりくる。確度も高い。
    でも、冒頭のエクスキューズの多さをみて大人だなーと思った。
    ま、そんなわけでみなさん飽きてるとおもうけど、非科学的にまとめてみた。

     

    STAP現象
    ├現象はよくわかんないから発表者に注目
    │  └小保方
    │    ├割烹着→正直怖かったですは正直な感想
    │    ├私大理系だから→学閥原理主義
    │    ├AO入試→ペーパーテスト至上主義
    │    ├リケジョお姫様扱い←嫉み
    │    ├若くして偉業←妬み
    │    ├女性の活躍→ジェンダー問題
    │    ├謝罪会見
    │    │├こりゃまずい←急性ストレス障害出てます
    │    │├私は信じるよ→同情的
    │    │├許した→上から目線
    │    │├許せない→女の涙にトラウマ派
    │    │└許されない→地獄の業火に焼かれるべきものである
    │    ├不適切な関係が→ゲスリング部
    │    └守護霊!→宗教
    │
    ├現象に注目
    │  ├万能性獲得がすごい
    │  │  ├iPSとかとの比較←行き過ぎた感
    │  │  └再生医療分野→お金の匂い
    │  ├追実験←いきなりヒト細胞をやってる奴らが居る…
    │  ├詳細なプロトコールなど→今回は騒動に巻き込まれたせいで科学的な部分が停滞
    │  └細胞外刺激による惹起がすごい→専門家たちは冷静だが混乱中
    │      ├ストレスによるエピジェネティクス的な変質なのか?←素直な疑問
    │      ├未解明の幹細胞のセレクションなんじゃないか→Muse細胞などのスクリーニング?
    │      └さらに未知の何か←もうお手上げ
    │
    ├論文に注目
    │  ├問題点が指摘される
    │  │  ├博士論文が発掘される←どう考えても黒歴史
    │  │  │  ├研究室の卒業生まで炎上←流れ弾全弾被弾
    │  │  │  └日本の博士量産問題→あまり議論されず
    │  │  ├取り間違えだ→本人談
    │  │  ├データを纏めたり体系だてたりが苦手なヒトだ→愚かさに理由はない
    │  │  ├捏造だ
    │  │  │  ├小保方プロデュースだ→佐村河内派
    │  │  │  ├裏幕がいるに違いない→2時間ドラマ派
    │  │  │  ├証拠を出すんだ→刑事ドラマ派
    │  │  │  ├奴が犯人だ→頭脳はほげほげで体は子供
    │  │  │  └実験が不正
    │  │  │    ├ES細胞/TS細胞他の幹細胞とすり替え混同があったのでは←笹井氏による反論
    │  │  │    ├実験すらしてないのでは→空想実験ノート
    │  │  │    │├実験ノート数冊って←君仕事で最近何冊ノート書いた?
    │  │  │    │└成功200回ありえない!←生命化学の実験したことねぇだろ…
    │  │  │    ├死滅細胞による多能性マーカーの自家蛍光←笹井氏による反論
    │  │  │    ├偽陽性で説明がつく←なにそれ妖精?
    │  │  │    └データをいじくったのでは←その後のそれを証明するための実験はまるっとできないね
    │  │  │  
    │  │  └取り下げる?
    │  │    ├著者達→今の騒ぎがからは開放されるかもね?
    │  │    ├小保方、バカンティ→諸々の権利を失う
    │  │    ├追実験をする科学者→追実験をする論拠や予算を失う
    │  │    ├ライバル→発見者になれるチャンス
    │  │    ├医療・創薬→理論環境の変化により発生しうる経営上の問題を先送りできる
    │  │    └Nature誌→論文を重要な発見として一般公開に指定したまま
    │  │
    │  ├ネットの纏めなどでみた→専門外のヒトの大量流入
    │  └論文上の不備は看過できない→専門外だけど科学者←まっとうな反応だけれども集まりすぎ
    │
    └組織に注目
      ├理研
      │  ├理研コンツェルン←GHQにより解体された財閥
      │  ├わかめスープ←理研ビタミン
      │  └理研の人たちが理研”筑波”ですとかいうのをみた
      │
      ├総合科学技術会議/特定国立研究開発法人
      │  ├スター研究者→日本も研究者を世界標準の待遇をできるようにしよう←頓挫
      │  ├若手研究者育成問題→ほとんどが死ぬようなストレスを与えて生き残ったやつが万能社員だ←ブラック
      │  └税金の無駄ぁー←ロングタームを公助しなかったらなんのための徴税か
      └メディア
        ├報道の質→びっくりするレベル
        ├記者会見などでの質問の質→うわーww
        └有名ブロガーによるありやなしや論→結局ただの悪口、ひどいなー、ひどいなー

    個人的にはその後の関連実験がどのように分担されていたのかがわかっただけで、確度は数段あがる。
    世間の考えているSTAP細胞というものと、発表者達が伝えたかったSTAP現象というものに、相当の齟齬があったのは確かだが、やはり、この細胞外の刺激によるリプログラミングを考えた時に、刺激惹起というのは確かに有力な仮説であると思う。

     

    仮説に戻ってしまったのは残念だが、それはいたしかたのないことだ。だが、Natureが取り下げておらず、本人も取り下げるつもりがないものに対して、取り下げろと世論を形成し圧力をかけるのは科学ではなく政治的な振る舞いであるように感ずる。

    もし、反証する仮説やデータがあるのであれば反論の論文を書けばよいのであって、無いことを証明する悪魔の証明とは根本的に次元が異なる。ES細胞との混入であるとするならば、混入したときにどのような振る舞いをするかは実験が可能である。またMuse細胞なのではないかという仮説があるならば、それも実験をすることは可能だ。それらの体系建てた論立ても実験もされていない論については、結論は待ちたい。

    細胞外刺激によって、遺伝子に変質変様がおきているのかいないのか、それとも、もともと確率的に混在しているものが効率よくセレクションするための手段として細胞外刺激があるのかというのは、現段階では判断を得ない。多能性マーカーが蛍光することを考えると一言でスクリーニングといってしまうのはどうかなと思うが、生後1週間のマウスを使わないと再現できないとというコツが、…気になる。
    ストレスと表現されているが、DNAメチル化されたフタがぶち壊わされるなんらかの機構があるか、もしくは、例えば成長ホルモンや酵素などの少量の何かが固定していた分化のためのフタの材料とか器具を細胞外からの環境ストレスで壊わせるからなのか。ぶっちゃけさっぱりわからない。でも、多能性マーカーとかLiveビューイングとか、そういう観測技術が向上したおかげで、いままで未知であったここにも何かが見つかる可能性もあるし、そこに着想し根気よく実験をされた小保方氏には敬意を評したい。

     

    論文には何箇所かケチがついたようだけれども、あくまで個人の感想だが、それでも凄いなと思う。そして論文もケチがついているところ以外にも可能性を潰すために実にいろいろな実験をこの仮説立証のためにしている。

     

    だけど、本人会見を見る限り、どう見ても心療内科医の出番だと思うので、ちょっとゴシップを振り払うために、海外とかで静養が必要なんじゃないかなと思いました。研究者が研究以外のところで、足元すくわれる現実とか不幸でしかないよね。

     

    STAP細胞論文に関する笹井芳樹副センター長の会見時の資料について
    http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140416_1/