カテゴリー: 地震

  • 冬に向けて、今年は地震の備えもわすれずに

    http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20111118/dms1111181549019-n1.htm

    大震災“的中”の博士「関東近海でM9」と警告!その恐るべき根拠
    2011.11.18
     東日本大震災の発生を“的中”させた研究者が、マグニチュード(M)9・0級の地震発生リスクが高まっていると指摘し、注目されている。震源地は関東地方の近海、十勝沖の可能性があり、地震エコーと呼ばれるFM放送向け電波の乱れが「3・11」発生前と似たような動きを示しているというのだ。今度は首都圏や北海道に最大震度7の強烈な揺れや大津波が襲いかかってしまうのか。

    この図をみておもうところたがあった。
    自分が調べた地震空白域と重なるのだ。
    地震空白域
    黄色いところが1968年以降の地震空白域だ。

    詳しくは震災直後のこのころブログに書いた。
    地形を観察する
    1968年からの地震空白域

    空白域のほうは関東では若干内陸寄りだ。おそらく東京都が予測している湾北の海溝地震にあたるのではないかと思う。フィリピン海プレートがよこたわっているのでこの新聞報道のように東海地方にはかかっていない。というか、東北地方を中心に過去に起きた地震震源域を調べたので調べていないともいう。
    いやしかし、電波で予測して2つもあったらどっちかもしぼりこめないじゃないかと残念でならない。

    なんか言いすぎて口がすっぱくなってますが、日本に住んでいたら地震とは切り離せない土地柄です。今回の大地震に関係なく全国的に備えておきましょう。特に今年は、日本近海で大規模な地殻変動があり、地殻にヒビがはいった状態にあります。

    やわらかいホットケーキをたわませたところを想像してみてください。割れたホットケーキの亀裂というのは伝達して拡がっていきます。割れたときの衝撃が地震です。亀裂が伝達するときにも地震はおきます。東日本大震災では通常の400Km以上が1万倍以上の力で壊れているので、当然関連地震も多いです。

    怖がらせてばかりでもうしわけないですが、安心し惚けていい要素はあまりないので、ちょっと心配してください。でも、心配しすぎてしまっているひとは安心してください。3.11のような大震災ですら地震で死ぬ確率はガンで死亡する確率の1/10です。10年平均で考えれば1/100です。だから体調管理に割いている10%ぐらいの投資で対策しましょう。今年はリスクがあがっているので、ちょっと高めでもこんなもんかと思います。

     

    さて、冬の備えなしは2次災害で死ねるので備えあれば憂いなしということで、無駄かもしれませんが少し考慮してください。特に、経営者や教員など、人に対して、人の環境にたいして責任ある立場のひとは、まわりに同意を得ることは難しいかもしれませんが、思うばかりではなく行動が重要になります。

    http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/archive/news/2011/11/18/20111119k0000m040077000c.html

    東日本大震災:M7以上の余震発生確率15%…気象庁
     気象庁は18日、東日本大震災の震源となった宮城県沖で12月14日までの1カ月間にマグニチュード(M)7以上の余震が発生する確率が15.1%とする予測結果を、同日開かれた地震予知連絡会に報告した。「被災地では引き続き大きな余震に注意が必要だ」としている。

    潮位と地震の連動性を調べる奴はシステムとしては止めてしまいましたが、遅効性の移動平均と潮位の変動のクロスで地震の発生日の危険日ぐらいは出るような気もしています。この日だとかいって危険煽っても逆効果なのでそういうことはやめておこうと思ってたのですが、報道や関東の人々の感じをみるとだいぶ忘れてきているので、煽ったほうがいいのかなとも。
    まあ気がむいたら。

    ではでは!

  • 天明の大飢饉と平成の大地震

    歴史番組をやっていて、サッカーついでにちらりと見てしまった。8-0はちょっとかわいそうになりました。さてさて。

    さかのぼり日本史 江戸“天下泰平”の礎 第2回「飢饉(きん)が生んだ大改革」
    http://www.nhk.or.jp/sakanobori/
    天明3年の浅間山噴火と天明の大飢饉による被害は甚大で、東北地方だけで30万人の死者をもたらした。これを機に公共事業や子育てなど人の命を重んじる政治改革が起こる。

    印象に残った言葉。
    「三年の蓄えなきは国にあらず」
    3年って多いなとは思ったけど、天明の大飢饉が数年も続いたことを考えると当時の危機感覚からは決して大げさな数字ではなかったのだろう。喉元すぎればなんとやら。天明の大飢饉(1782年)から230年も経てばそりゃ風化もするってもんだ。

    日本は石油などに関しては約90日分の備蓄を有し、コメは100万トンを国家計画備蓄している。
    日本のお米生産量が年間900万トン程度生産し、700万トンぐらいを消費しているそうなので、実質備蓄は60日分ぐらいになるのでしょうか。いくら凶作といっても0になるわけではないので、10%の凶作になったぐらいなら1年ぐらい持つなとも思いますが、…とも思いますが、天明の大飢饉の時の碑石によりますと文字通り食べるものがなくなったそうなので、”未曾有の災害”に遭遇した場合には前年度比20%減などではなく、収穫が20%だよという、現在の被災地のおみやげ屋さんのような事態になるということを教訓にしないわけにはいかないのです。破局的事故はありえないだとか、未曾有だとか、100年に一度とか、1000年に一度とか、無視できるほど確率小さくないよね。リスクが発生したときのそれをどのように許容するかのリスクアセスメントも常々重要だと考えるわけです。

     

    さて、天明の大飢饉が気になったので調べて見ました。
    史実の記録や番組中でも飢饉は浅間山の噴火が原因と言っていましたが、飢饉の後に噴火が起きているそうで、実際には、アイスランドのラキ火山の大規模噴火が原因だと現代では言われているそうです。

    噴火には数種類あり、もっとも爆発的な噴火のことをプリニー式噴火といいます。プリニー式噴火では、その爆発により山そのものを吹き飛ばし、噴煙は成層圏にまで達します。日本の例としては富士山の宝永大噴火(富士山の中腹にある噴火口)や天明の大飢饉の時期にあげられたラキ火山の噴火などがあげられます。1991年 フィリピン ピナトゥボ山でおきた、20世紀最大の噴火は成層圏にまで達した煙灰により太陽光が遮られ地球の平均気温は0.5度低下したそうです。アイスランドでの噴火で日本をはじめ世界は壊滅的な凶作に陥りました。

    ここまで書いて、ん?と思い当たる人がいるかもしれませんが、ちょっと堪えて、前知識として予備学習をしておきましょう。
    歴史をさらにさかのぼってみると、プリニー式噴火のなかにも破局的と称されるウルトラプリニー式噴火なるものがあることを我々は知ることができます。例えば、九州全土を火の海に沈め東北にまで火山灰が降り積もった阿蘇山カルデラや、鹿児島薩摩半島の南にある海がじつは巨大なカルデラな鬼界カルデラなどは日本でもその活動の痕跡を見ることができる噴火跡です。でかいよ!

    いまもっともホットなのは60万年周期なんじゃないかといわれながら前回の噴火から64万年経過しているアメリカ イエローストーン国立公園。こちらさんが噴火した日には”火山から半径1000km以内に住む90%の人が火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は10度下がり、その寒冷気候は6年から10年間続くとされている。”と、wikipediaにも書かれているほどです。
    さて、人類が体験した破局的噴火としては、7万年前のインドネシア トバ火山が有名で、地球の平均気温が5度下がった氷河期が6000年続いたと言われています。その時代に人類もほとんどが死に絶えて世界でわずか数万人程度にまで減ったとされています。恐竜を滅ぼすのに、わざわざ隕石なんかいらないです。

     

    そんなわけで、現代において地球温暖化だとか、気候変動だとか言っていますが、自然要因の気候変動は人類由来のものより激烈で壊滅的であります。過去の歴史をさかのぼり、ルネサンスなど文化が円熟した時代をみると、気候が温暖だったことが現代科学から伺いしることができるそうです。逆に安定しなかった時期は世界的に紛争が盛んで荒廃しています。

    さて、天明の大飢饉を調べてみようと思ったのは、それが天明の2年から3年にかけての出来事だったからです。改元は大災害などが起きたときにされることがあり、その2~3年後というだとするととても気になったのです。実際は光格天皇の代始改元だそうなので関係はないのですが・・・。もやもやしています。

     

    たとえば1707年の富士山宝永の大噴火の49日前に発生したM8.9クラスの宝永地震。その4年前に、元禄大地震が発生しています。元禄はこの地震をきっかけに改元されました。他にも噴火と地震の年次関係を見ると大規模地震の数年後にというひとつのパターンがあります。
    2004年に発生したスマトラ地震(M9.1)では、2005年(M8.6)、2007年(M8.5)、2009年(M7.5)、2010年(7.8、7.2、7.7)と、数年おいて、しかも震源を数百キロ移動して地震が発生しています。東北関東大震災の1000年前の貞観地震にもおぼろげながら、東北→関東→南海トラフの一連の変動がおきており、おきまりのコースなのではないかなとも思うわけです。

     

    海溝型巨大地震→1~5年 数百キロ離れたところで海溝型大地震→内陸地震→噴火→気候変動→飢饉

     

    どれくらいパターン化できるかわかりませんが。ちょっとデータ漁ってみたいですね。確か噴火の歴史情報も海外のデータベースで昔見た記憶があるので、地震と同じく突き合わせができるかもしれません。(だれかやらない?)

    天明の大飢饉の1780年前後には地震データベース上からは発見することができなかったのですが、1770年(38.60 142.00)、1771年(24.00 124.30)、1772(39.30 142.70)年と、日本近海で大きな地震が頻発した形跡はありました。
    http://neic.usgs.gov/cgi-bin/epic/epic.cgi?SEARCHMETHOD=1&FILEFORMAT=4&SEARCHRANGE=NO&SYEAR=1760&SMONTH=1&SDAY=1&EYEAR=1790&EMONTH=12&EDAY=31&LMAG=&UMAG=&NDEP1=&NDEP2=&IO1=&IO2=&CLAT=0.0&CLON=0.0&CRAD=0.0&SUBMIT=Submit+Search

     

    2010年2月、チリ地震(M8.8)、2011年6月、チリ南部 プジェウエ火山が噴火。
    いま、アフリカのツノとよばれる西アフリカではかつてないほどの深刻な飢饉が発生しています。大干ばつが原因とも言われていますが、他方、中国、オーストラリア、日本などでは歴史的な水害が相次いでいます。
    2010年4月、2011年5月にアイスランドで大規模な噴火があり、火山灰が成層圏にまでその噴煙があがりヨーロッパの航空網が麻痺しました。アイスランドやチリ南部の極地に近いところでの噴火は地球の気候にどのような影響を与えるでしょうか?

     

    日本の地震はこれら地球の現象のひとつに過ぎない。地球はいまも動いている。そしておそらく数百年程度の期間で俯瞰すればこの15年ぐらいは活動期にあたるだろう。人間は環境の影響を受ける。作物も環境の影響をうける。世界の穀物価格は変動している。経済などは環境を具体的に数値化した指標だ。

    おそらく、我々は天明の大飢饉に学んだほうが良いのではないかと思う。天地杞憂だと一笑にふすのもよいのだが、100年だけの統計を持ってきて、統計上ありえないとうのはリーマンショックだけでいい加減懲りてもいいのではないか。歴史に学ばざるはなんとやら。

     

    アフリカの西では、飢えた子供の全滅を避けるために、お母さんが弱い子供を見捨てざるを得ない状況なのだとか。残酷だと一概に避難はできない。日本もほんの200年前はそうだったのだ。口減らしのために子供を間引いていた。天明の大飢饉の惨状たるや戦乱の世よりも苛烈な餓鬼道人間道があったようだ。日本の国土は開発されかつての4倍以上に密集している。なんとかなるさではなんともならない。世界人口は10・31日とうとう70億人に達した。

     

    放射性物質の影響で今年は値段がつかないようなものは国が買い上げて備蓄とかに回したらいいんじゃなかろうかと、おもったりもする。

    ここで最初の言葉。
    「三年の蓄えなきは国にあらず」

    臆病なやつは全滅しないためには必要だ。

  • 災害対策記入式チェックシートをつくりました

    震災から今日で4ヶ月が経過いたしましたが、つい昨日震災後30日を経過してから初めてのM7以上の最大余震が記録されました。本州から離れたところで発生したため最大震度は3~4と小さかったため被害はでませんでしたが、以前日本は地震が起きやすい環境にあり予断を許しません。

    家庭や職場で防災対策をおこなえるようにチェックシートを作成しましたのでご自由にご使用ください。印刷をするなどして非常用袋にいれて保管されることをおすすめします。

    ↓サムネイル画像

    あくまで防災用ですので、防災意識の高いうちに、それぞれの家庭や職場が工夫をされ作成されてもよいと思います。

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