投稿者: kuippa

  • 誰も小保方さんを擁護しなくなったのでいまさら擁護

    完全に逆張り。

    いまは紅茶屋だけれども、そういえば応用化学科で細胞系の研究室にいたことがある。学部だけど。化学系の人間なんかいっぱいいるだろーと思ってたけど、考えてみたら、化学で細胞やる人なんてすくないし、やったらやったでふつー関連にすすむだろうから、みなさん現在や今後の立場上言えないだろうし、そう考えると、まったく関係ないことをやってる自営業ぐらいしか自由に発言できないもんね。なので、てきとーに書いてみる。(ちなみに話題になってる大学ではありません)

     

    いままでの流れ。

    ニュースが流れる→そんな馬鹿な→詳報流れる→スゲー!!→論文でてくる→あれこれおかしくね?→いやミスかもよ?→→博論発掘される→無言→提供されてたマウスが違う型でした→はい終了Q.E.D.

    そして、誰も擁護しなくなっちゃったわけさ。

    自分も提供されたマウスの遺伝子の情報が出て、違うマウスでしたーというニュースが出た時点で、こりゃ単純なミスじゃなくて、悪意も混じってるぞと思って終了してたのだけど、なんかまだまだ報道が続いてるんだよね。ふるぼっこ状態が。彼女の研究室に所属した他の人の卒論とかまでチェックするとか完全にとばっちり状態。かわいそす。。。。

     

     

    で、思ったんだ。そもそもスタートの時点で科学記事が新聞の一面にくる程度のなんらかの力学が働いていると考えると、もっと、なにか違う可能性も考えなければいけないのかなって。ぶっちゃけ出回ってる情報を信じるとありあえないんだけど、「STAP細胞はあった」と仮定して、研究成果を擁護するとするならばどんな可能性があるかというのをお茶でも飲みながら考えてみたんだ。

     

    細胞の外部環境刺激によって、多機能性を獲得するなんていう現象とその非常に簡便なる手段が実在するのだとしたら、もう本当に彼女を殺したくなるほどの損害を被る人たちがいるよね。製薬、創薬とか医療系とかを中心に山盛り。

    で、一連の騒動の結果、実験が正常におこなわれていたという証拠が失われ、実験そのものが停止、追従研究もほぼなされそうにもない、と。今回の一連の騒動の結果、多分10年はこの刺激惹起性分野の研究は遅れるよね。

     

    うん。ミステリーとか、陰謀論をつくるには十分な素材だねw
    注目されるのも死体にムチ打つような報道がされるのもうなずける。

     
    ちょっと煮詰めてみよう。

    理学、化学は研究開始から実用可能になるまで30年はかかるといわれている。

    理論にもとづいて再現をおこなう工業的な化学だって商業化まで考えると10年のコース。

     

    今回のSTAP細胞については、理論の構築までもいっていないもっと根源的な現象を発見したというレベルにすぎない。方法をレポするのでみんなもやってみてねの段。新聞やテレビで流れる大衆ニュースとしては1~2年遅れて書いたところでニュース性は損なわれない。即時性がもとめられたのは、「専門誌に掲載される」という、タイミングにのっただけだ。

     
    実験ノートが2冊しかないとか、棚がスカスカだとか、論文がコピペだとか、写真も借りパクだとか、あれこれ言われている。

     
    えっと、今回は擁護側で書くことにしたので、フォロー。

     

    実験室について

    まず遺伝子関係の実験をするときは、国のなんだったかの法律でいわゆるバイオハザードが設定されるんよ。遺伝子組み換えしたものが外に出ないように物理学的にと生物学的に封じ込めなきゃいけない。なので、ちーっす壁塗装工事しまーっすって、実験はじまっちゃったらそんな簡単に外部の人間出入りできない。法律的にも禁じられているし、実験的にもとんでもない。実験をしている人間も自身の遺伝子が組み換えをおこす危険性があるわけで管理対象。組み換えがおきてないかを実験前と後で遺伝子検査する。
    なので、実験室は関係者以外の入室は厳しく制限される。取材で入ったカメラの人がどのような所属の人間かはわからないけれども、管理レベル低い部屋ぐらいしかはいれないんじゃないの?たしか通常で4段階ぐらいのレベルがあったと思う。それこそ、理研なんて国内有数の施設なんだから、知識もないうっかりさんが入室できるぐらいずるずるだったらうっかり人類滅びるべ。
    (ちょい調べたらP4があるのは理研の筑波の方だった。)

    冷蔵庫に貼られているムーミンだけど、研究室の冷蔵庫は冷凍庫なんよね。-7℃やら-15℃とかの。温度設定が違う冷凍庫に酵素やらなにやらが山盛り入ってるとおもうのだけど、認識ラベルとして冷蔵庫ごとにキャラクターが貼ってあるのはとてもいいアイディアだなと思います。これはしばらく使わないから、ミーに保管しておいてとか、視覚と指示が一致するのヒューマンエラーに強くなります。あと、ムーミン、俺も好きです。いいよねムーミン。

     
    棚スカスカについて

    棚スカスカについては、別に生物系の実験に何んもいらんよ・・・。扱うの細胞だよ?遺伝子だよ??
    滅菌器と冷蔵庫、冷凍庫いくつかと遠心分離器、振動培養装置、PCR、ドラフト、紫外線のやつと、純水とか超純粋つくるやつとか、あと電子レンジとか・・・。いくつかは専門的なものがなければだめだけれども、普段やることはキッチンとあんまかわらない設備でできる。放射線同位体をあつかうみたいのは別の管理部屋だろうし、マウスも別部屋だろうし。そりゃ割烹着きて、これから料理します!って言ってもあまり違いはないとおもうな。逆に最近は料理だって分子ガストロノミーとかで遠心分離器とかつかうらしいよ!(by 食戟のソーマ)

    アガロース(寒天培地)つくるのなんてあんなん料理だよ。ところてんの道具でにゅってやって酢味噌で食べたいよね。温度管理して濃度管理してかき混ぜたり揺らしたり。料理は菌を減らすために頑張るけど、実験は特定の菌を増やすために頑張るぐらいの違いしかない。だからほんと割烹着でもいい。

    あとね実験の基本なんだけど混同や汚染がおきないようにテーブルの上には極力なにも置かないようにしないとだーめなわけです。逐次全部扉のついているところにしまいましょう的な。これができない人は、まじで爆発します。まじです。

    リケジョとかゆるふわ系がテヘペロって、劇物だらけのなかでどじっこ属性発揮されたら部屋どころか棟ごと吹っ飛んじゃう。実際、在学中に爆発して救急車きてた研究室とかあったし・・・。注意してても事故はおきるものです。今年も化学工場で爆発がおきて死亡した事故とかありましたよね。

    いや、生命工は爆発とかは大丈夫だけど、生命工には生命なりの危険があって遺伝子を染色するのに毎回エチブロとかつかうんだ。だけどこれ、しずくがはねて1滴でも肌につけば、ほぼほぼ速攻で癌になるからよろしくねーって注意をされる世界なわけですよ。散らかった机で作業なんかできるかっての。むしろスカスカで何もないような環境でないと。うっかり取り間違えて違うの混ぜちゃったみたいなヒューマンエラーを防ぐためには必要な措置。

    扱うものが多いからキッチンで砂糖と塩を入れ違えたぐらいの結果と頻度じゃすまないわけですよ。

     

    実験ノートやら博士論文やら
    同大学の研究室の卒論をチェックするらしいけど、「何も出ない」なんてことはありえないでしょ。早稲田の該当研究室の子流れ弾被弾っぷりが可哀想すぎるわ。日本中のどんな大学でもいいけど、卒論でも修士とか博士の論文をソーシャルチェックしたら何も出ないわけがない。自分の大学のときや、職場で仕事でつけているノートを思い返してみてくださいな。

     

    汝らのなかで卒論を大衆に晒せるものだけが彼女に石を投げなさい。

     

    いや、本当チェックするならそのチェックする人の卒論もチェックしないとダメだよね。そして誰も居なくなった的な。

    まあ、研究職にすすむんならもうすこし真面目にやっておけばよかったのにとは思うけれども、応用化学はあれだからね、他の学科の奴らに言っても信じてもらえないんだけど、有機、無機、化学工学、物理化学、そのほか物理、生物、情報やらなにやらで週にいくつも実験があって、提出用の実験レポートだけで市販のレポート用紙が一週間で1冊無くなる世界だからね。図書館とかで該当箇所を探しまくって引用しまくるのを盗窃とか言われると無理だよね。

    要領のいいやつは、その誰かがまとめたのを引用するんだけど。彼女はその「要領のいい人」だったんじゃないの。サークルやれてたぐらいだし。

     

    実験ノートが2冊しかないは信じないな。

    まあ、でも、みなさん仕事でつかってるノート、この数年で何冊書いた?毎日同じことをしてたら、記載内容は減るからそんなものなのかもしれないけど。管理されているノートが2冊だったってだけなのではないかな。データはPCで管理してて、形式上ノートもつけてただけだとか。

    どちらにしろ情報の整理はあまり上手ではなかったのでしょう。

    試行錯誤をくりかえす実験とそれを論理だてて証明する行為、実験の結果をアウトプットするスキルは必ずしも同じ人物に同程度に存在するスキルではないのは一般には想像されにくいのかな?

    料理が得意というのとそれをレシピに書き出すのが得意というのが全く違うように、まったくの別スキルですよ。

    ソフトウエアのコーディングと仕様書をまとめたり、その仕様書が実際の実装とずれてたりするのと同じようなもんです。

     

     

    ほんちゃんの論文、成果発表について

    やはり、まったくの捏造であれば、それを発表しようとする動機がわからない。
    レシピがぐちゃぐちゃで、料理の撮影写真も弄った痕跡あり。ほんとにその料理作ったの?という話しになってるのだけど、経緯をみていると全部が創作ということもないんじゃないかなと思うんだよね。少なくとも埋められた土器よりは他にも何かありそう。死滅細胞の蛍光発光現象ぐらいの発見なのかもしれないけどさ。

     

    というのはやはり蛍光マーカーで追えるようになったというのが大きいですよね。(緑色蛍光タンパク質、下村脩さんはこれで2008年にノーベル化学賞を受賞されてます)
    環境を変えたらどうこうなるっていう実験はとうの昔にやり尽くされているのかもしれないけれども、マーカーによりデバックできるようになったことで改めて別の大きな発見があるやもしれません。

     

    まあ、でも、傷跡弄ってたらイボができちゃったぐらいの感覚で、実はイボは多機能性細胞でしたぐらいのぶっとびぐあい。ほんと実在したらぶっとぶんだけどなぁ。イモリの手が生え変わるように、哺乳類ももしかしたら、傷を完治させないで紅茶にでもつけておけば結果的に手が生えてくるのかもしれないぐらいのインパクトがある。
    まあ、輸血がどうこうでも揉めるぐらいだから、iPSはじめ再生医療が受け入れられるためには3世代ぐらい必要なのかなって思う。

     

    で、論文について。

    揚げ足をとられないように体裁こそ整っているもののとんでもない事が書いてある公文書というものは数多存在するよね。超一流企業のIRだって、ちょっと眺めるだけでこれおかしいだろというのがどっちゃりあったりするわけですよ。なんでこれを特別利益じゃなくて売上に計上してるんだよ的な。おいこれ抜いたら赤字じゃねぇか。おいおいおい。みたいな。けど、みんな別にスルーだよね。言わないだけだけど。
    企業どころか国とか政党の政策提言とか、おい!まじかこれ!!みたいのがさらっとでてるけど、ことさら注目も集めない。言えないし言わない。

    生命は分野が新しいこともあり、すこしでも専門がずれるとなんのこっちゃわからなくなる。暗黙知として前提として知らなければ理解できない項が多すぎて、書く方もリファレンスしきれていない。結果、暗黙的な談合がおこなわれているのだと思う。

     

    注文住宅の設計図だって、まったくコピペをしないでは作られない。もし、トイレという概念すらも共有できない世界だとしたならば設計図というものはめちゃめちゃなものになってしまうので、トイレというものを定義しながら、こっちではキッチンを定義してと、ぐちゃぐちゃになって綻びだらけになる。

    そのような暗黙的な談合下でなんとか機能しているものを、突き崩すのは容易だ。その研究は邪魔だという動機さえあればいい。

     

     

    ま、そんなわけであったら楽しいので追従研究は続けてほしいな。

     
    今日はこんなニュースがあったよ。

    三菱重工の横浜市の先進技術研究センターで、常温核融合的なニュース。
    理論はこれからだが、現象を確認しているという点では似ている。

    三菱重工は約20年、元素変換を研究してきた。→
    理論的なメカニズムはわかっていない→
    もっと変換の量が増えれば、文句がつけられなくなる→
    10年後には実用化したい

    やっぱりやり始めてから実用化までは30年はかかるんだよ。機械が機械を製造するようになって、テクノロジーがブレイクしてセンサー類などが格段な進歩をとげたとは言え、まだそれを論拠だてて設計しているのが人間である以上は人間の人生分のタイムスケールは必要。

     

    そういえばどこぞの政治家が常温核融合だのと言って半年ぐらいまえにネットでバカにされてたね。リークしてたの誰だっけ? この研究のことを示唆してたのかな。元素変換をとりあげて「放射性廃棄物の無害化に道?」とインデックスしまうぐらいには意図があるのもやむないことなのかなと思いますが・・・。

     
    しかし、30年もかかるこれらの研究が表に出ひっぱりだされたり、叩かれたりするのは、やはり純粋な研究発展とは別のベクトルがあるんだろうなと思うと、残念だなと思うわけです。

     

    そんなわけで、今ぼろくそ叩かれている刺激惹起による多機能獲得が再証明されても、みんなおどろいちゃダメよ。あと10年かかちゃうだろうけど。

     

     

    でも、本当に陰謀だったらこんな事かいたら、、
    ん? おや、こんな時間に、誰か来たようなのでここまで。

     

     

    http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%91%E8%89%B2%E8%9B%8D%E5%85%89%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/

     

  • 町内会のメーリングリストまじどうしよう

    18日にヤフーグループが終了する。困ってる。まじで困ってる。
    町内会というか、商店街なのだけれども。
    いままで見て見ぬふりして放置してきたけれども、やっぱり誰もなんともしないので根負けしてなんとかしようと思ったんだけど、よい移行先がない。

     
    まず、メールの読み書きがやっとという高齢者がおおい。携帯できたメールまでは読めるという程度のITリテラシだ。
    アプリなんてとんでもないし、普通のショートメールですら書き込んで返事をすることは難しい。だが、この来た情報は読めるという程度の情報伝達手段があるのとないのとでは大違いだ。
    もし、無いとどこで止まるんだかわからない回覧板というアナログシステムに全依存することになる。誰かが亡くなったというような訃報や、災害時などの緊急発呼手段としてメールすらも使えなくなる。三鷹は世界の最先端IT都市らしいんだがこんなレベルだ。

     
    SNS全盛期になって、Googleグループも終了したし、ヤフーグループも終了する。
    メーリングリストという仕組み自体が旧世代なのはわかる。サービスとしてフリーミアムにも乗らないのもわかる。
    freemlが候補にあがったが、高齢者の携帯が宣伝メールに埋もれたら、もう何を言われたもんだかわからない。
    サイボウズLiveも候補だが、グループウエアとしては申し分ないが、なんせメールでの投稿ができない。むしろそこだけの機能しかいらないのに。

     

    Google+やfacebook?いや、だからそんなのを利用できる人が(以下略
    ちなみにfacebookグループは有志で運用はされてはいるが、閑古鳥がないている。

     
    実はメーリングリストを作るだけなら、苦もなくできる。枯れた、使い古されたテクノロジーだし、新規性などない。10年前はよくつくったもんだ。

     

    さくらの月500円のシェアサーバレベルにだって、メーリングリスト作成機能があるぐらいだ。だが、しかし、一旦それを作ったが最後、誰が抜けるだの、誰が入るだので延々とメンテナンスをしなければならなくなる。運用管理を一手に担わなくてはならなくなる。一度ではなく、なんどでも。終わりなく。

     

    ついでに、やれホームページをつくれだの、やれパソコンを直せだの、そういうものも一揃いついてくる。だから、ヤフー程度の知名度で「ヤフーがわからないのはわからない人のせい」と思ってもらえるぐらいの、しきい値が欲しいわけだ。

    電子行政のための仕組みだなんだののまえに、こういう町内会、商店街クラスのグループのためのグループウエアは自治体が提供すべきもんだとおもう。つか、ほんとどうしよう。

    メーリングリスト建てようかな。ついでにサービスまでつくっちゃおうかな。つかだれかつくってくれないかな。つか、どっかに落ちてないかな。商店街向けのグループウエア。

     

  • 原発奇計

    原発を再稼働しなければ、日本は経済的に沈むという経済的合理性と、原発のような過酷事故を起こしたものを再び動かすなんてとんでもないという心情的大衆性がぶつかっていまもたびたび非生産的な論争がうまれている。
    なんじゃかのぅ。

     

    専門家でもないし相手にされるとも採用されるとも思えないので、振り切って奇計奇略を考えてみたいと思う。きまじめな人気分わるくされたらごめんなせぇ。

     

    自分の現状認識

    もっと被害の大きい地震がそう遠くない時期にまたおきる

    襟裳沖、東京湾北、東海、南海、何度もおきる。日本を取り巻く地殻の応力は大規模に変化しており、M7クラスの地震は日本全国毎月ごとに%オーダーの発生確率がある。(※俺的計算による・・・)地球のタイムスケールでは10年はほぼ同時だ。

    噴火もおきる

    大規模地震と噴火が結びつかない歴史はない。関連で地震がおきれば富士山噴火もありうる。六ケ所村に火砕流の痕跡があったり近所の山が噴火する可能性もある。いや、まぁ、十和田火山噴火はぶっちゃけそうそうないとはおもうが、調査がほとんどされていないが北朝鮮国境にある白頭山の噴火なんかはそろそろ現実味がある。白頭山の噴火はかつて渤海国を滅ぼした。プリニー式噴火になれば、日本の発電送電網、また原発の冷却のような耐久消費財の維持コストは格段に跳ねあがる。災害による維持コストの変化は現況下では埋没コストとして検討しなければならない。

    1000年に一度の災害はけっこうおきる

    1000年サイクルの地震を起こす箇所が日本には何箇所あるかを考えると、いくつもあるもんだということがわかる。そして電気や飛行機という現代人が恩恵にあずかっているほとんどのテクノロジーはこのわずか100年のものだ。過酷な太陽風にさらされたこともなければ、降り積もる火山灰に高圧送電網がさらされたこともない。100年に一度の金融恐慌は30年ぐらいもあればおきるし、地球上はいつも紛争にまみれている。サリンを地下鉄でばら撒かれるなんていう凶行を一体誰が予見できただろうか。環境は変化する。いままでなかったから大丈夫だというのはこれらの外部環境の脅威の変化にたいしてあまりに愚鈍すぎる。

     

    跳ね上がる安全コスト

    超地殻変動期に突入したこんな時期に原発を動かすのはどうかしている。安全コストの問題だ。ヘッジではなくリスクアセスメント。同規模の地震が遠くない時期におきるとわかっている中で、環境変化の発生評価を311以前並みとはできない。経済的な投資をしたところで、汚染地区は経済的人的な投資をおこなっても現状復帰がおこなえない。半減期はお金では買えない。福島は30km圏内であったが、事故処理が間違えば300Km圏内が同じことになっている可能性は存分にあった。不幸中の幸いを何度も期待してはならない。大規模噴火の場合、逃げ遅れた人間はおおよそすべて死ぬというのはポンペイが教えてくれている。火山性ガスがあたりを覆い、火山灰で水流がつまり、空気中に電気を流す細かな石英が交じる、そのような状況下で原発のような高度産業構造物を平常稼働させるコストはいかほどか。それでも安全のためのコストは十二分に払われていて問題ないとするという言い分はわかるが、いくら論理的に納得できる資料が用意されようとも、すでに事故がおこってしまった今、心情的な同意が得られることはないだろう。急いて心情的なものを無視すれば、より無茶な考えや行動をおこすひとの材料にしかならない。それは不幸なことだ。

     

    原子力は学問として衰退する

    原子力発電で事故をまのあたりにした日本で育った子供は原子力分野を目指さなくなくなるだろう。10〜30年間は確実に多くの若者が夢見て志す環境ではなくなる。目指す若者が少なければ優秀なやつの存在確率も下がる。日本は世界的な競争のなかで劣位となり、産業分野として競争優位を確保することができなくなる。人材が確保できなくなる未来が想定される。そもそも新たな電力需要が喚起されない現代において大規模発電所+高圧送電網という重厚長大な建築物は成熟期から衰退期にさしかかっている。鉄鋼が大型炉から小型炉に以降したように、発電もユニット施設化するだろう。

     

    課題点と、これは酷いといいたくなるような解決策

    最終処分場の問題

    日本国内には安全な場所なんてない。噴火みたいな自然現象は10年もすりゃ安定化するけど、放射性同位体はあれだし、安定状態にできないんだから、キャスケットにでもぶっこんでロシアの永久凍土でも借りるよ他ないんじゃないの。

    資源とエネルギー不足

    火力の燃料費高騰により、経済と成長を食いつぶすから原発再稼働するよりないという経済的合理性があるとおもうのだけれども、安全のためのコストを埋没費用として考えた場合、経済的合理性なんて声高にいうほどないんじゃねぇのと思う。
    かといって、貿易赤字をそのままにしてものづくりのコストにエネルギー費用が転嫁されても、日本の経済的優位性は確保できなくなる。ものづくりは成熟国家の競争優位を確保できる材料なのか?という疑問はあるにせよ、現状それで成り立っているものを否定するわけにもいくまい。人工での労働生産なんて人口動態のボーナスが付く新興国のものだからそのものの未来ごとうっちゃってもいい気もするけど、産業移行期間を空白期間にもできない。
    そこでどうにかエネルギーコストの上昇を抑えなければいけないわけだ。じゃあ再稼働しかない。本当に?
    どうせ地震がおきたら100兆超規模の債権が発行されるし40兆しか税収がない国で100兆の予算組んでる財政規律だし、いずれデノミとかデフォルトはすることになるんだろうから、世間なみに通貨発行量増やして、エネルギー輸入コストの増大分には債権分をぶちあてて、形式上はお金を払いましたという構造で手当するよりないのではないか。酷いなぁとは思うが。
    戦争をもって戦争を養うという考えがかつてあった。圓や軍票の発行により、円の経済圏と切り離した。終戦にあたり結局円もデノミすることになったが、原発をもって原発を養うとか、いうとややこしくなるが、通貨発行戦争をもってエネルギーコストの上昇は養なえるのではないか。各国のマネーサプライだのマネーストックの上昇率をみれば、エネルギー費用の増加分ぐらいまぎれてもわかんねぇべさ。

    新エネルギー

    メタンハイドレートもあるし、藻類オイルもあるから未来明るいよねとつぶやいたら、

    2~3回死んでやり直してこいw という意味にもなる気もしたが、まあ実務のうえで考えるとそんなもんか。頭お花畑で夢想するだけにはエネルギー問題はそう遠くない時期になんとかなるんじゃないかと楽観していたりする。

    アメリカはシェールガス革命でエネルギーコストが下がるがこれはアメリカだけの問題であって、日本は恩恵にあずかれない。しかもこれは結構はやくに枯渇すんじゃねぇかと思う。
    他方、排他的経済水域ぐらいしか誇る資源がない日本だが、そこに貯蔵されるメタンハイドレートは真面目に産業化すればシェールガス並みのインパクトがある。国は平成30年には商業化の道筋をつけるとしているので、そんなに未来の話しではない。
    ここで重要なのは太平洋側のメタンハイドレートはメタン生成菌由来による生物合成であることがわかってきていることだ。石油は化石燃料とされているが、もともとは嫌気性菌や嫌気性の藻類の作った堆積物層にすぎないのではないか。植物類や藻類がカーボンキャプチャーしたものが炭泥層になり、酸素が含まれないため、メタン生成菌のような嫌気性の細菌やオーランチオキトリウムのような従属栄養の藻類により、炭素固定される。メタンだのスクワレンだのができる回路が解明されれば、オイルは管理下において作れるようになる。しかもその有機物を発電のために燃やしてもその炭素が彼ら嫌気性菌のごはんなのでカーボンキャプチャーストレージのサイクルはもんじゅより現実味がある。海底採掘は正直採算はどうかとおもうけれど、採集しかできなかった資源であったエネルギー資源というものは、栽培ができる資源になるんじゃないかと頭お花畑なのです。ま、俺が2~3死ぬ間にはきっとなんとかなるんじゃないかな。