カテゴリー: ファイナンス

  • AppBankのIRをつかって財務三表のお勉強

    なんだおまえ山本派かよと、ちびっこ達に言われそうで怖いんだけど、やれ横領だ、やれ暴力団だと真偽わからん騒ぎは、まー、大変だねーぐらいの感想にしておくとして、上場企業なのでちょっとみんなIRを見に行ってお勉強しましょうよというお話しです。

     

    ま、で、IRみて、おもわず、ふふふ、って微笑んでしまいましたわ。

     
    上場している会社のIRレビューなので、書いてあることからわかることしか書きませんよ。みなさんも、あまり下手なことを書くと風説の流布になってしまうので、慎重におねがいしますね。あぶない橋はだれかさんにまるなげしましょう。

     

    財務3表と呼ばれるのは、資産の状態をあらわす貸借対照表(BS)と、その資産がどのように稼がれたのかを表す損益計算書(PL or IS)、で、実際どのようにお金が流れたかを表すキャッシュフロー計算書(CS or CF)の3つです。

     

    CFは2000年から上場企業に義務付けられたもので、これがあると黒字なのに資金繰りが行き詰まって潰れたというような黒字倒産とかを回避できます。実際、不正経理なんかをするとこの3表のどこかで辻褄があわなくなるので、結構簡単に見破れます。財務3表のつながりのお勉強をするとよいと思います。

     

     

     

    まあ、そこらへんは専門書に譲るとして、はい、なかなかのコンテンツなので物見遊山でのんびり見ていきましょう。ピクニック気分。

    2015年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (755KB)
    http://file.swcms.net/file/appbank/dam/jcr:4527c034-556c-4db2-84cc-08c0ca14739e/140120160216415993.pdf

    ん〜〜。数字がいっぱい並んでいてよくわかりませんね。

     

     

    ところで、ちょっと単位が大きいので

    M(メガ)=百万円
    K(キロ)=千円

    を使っていきましょう。

     

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    財務諸表の右上、単位は千円と書いてあるよね。基本単位がキロってことだよ。1,000gが1Kgだったり1,000mが1Kmだったりするのと同じようなことだとするとわかりやすいか、余計混乱するかのどっちかだね。やーい。

     

    単位千円と書かれていて、例えば現金のところに782,361とあるということは、782,361,000=782,361K=782Mと表すことができるんだ。つまり、7億8千2百万円という意味。数字が大きくなりすぎると見づらくなるから、カンマより先の782Mだけ見たほうが楽だべよ?

     

    で、桁はともかくとして、こんだけいっぽい数字の項目があるとどこから見ていいのかわからなくない?
    そこで、普通はとっかかりとして損益計算書の売上と、営業利益、経常利益、純利益とかをみるんだ。ありきたりだけど。

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    Appbankの場合はh27年が
    売上 3,966M
    営業利益 912M
    経常利益 861M
    純利益 551M

    h26年が
    売上 3,012M
    営業利益 644M
    経常利益 521M
    純利益 284M

    となっているよ。売上はそのまま売上たお金で、そこからそのお金を稼ぐために必要だったものを買ったおかねだの税金だのなんだの種別ごとに引いていって、最後に残ったのが純利益ってやつさ。残ったおゼゼだね。

    で、はい、次は貸借対照表。

     

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    現金及び預金がh27年は2,010M、h26年で782Mあるね。

    いきなりだけど、ごめん。細かくないところが気になるのが僕の悪い癖。去年の稼いだ純利益が284Mで今年が551Mなのに現金及び預金が2,010Mもあるんだね。事業規模に対すると十分大きいよね。なんでだろうね?
    本当に現金なのかな?
    はい、こういうときはキャッシュフロー計算書の現金をみてみましょう。

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    キャッシュフロー計算書の一番下。
    現金及び現金同等物の期末残高とありますね。

    去年が694M、今年は1,960Mもあることになっていますね。19億円!
    ゎぉ、お金持ち!!
    いや、上場企業としてはそれほどでもないんだけど売上が30億の会社だからね。
    ん?あれ、この一億なんぼの差額はfjこ

     

     

    まあ、去年上場したので、そこらへんかな!きっとそうさ。
    次は、貸借対照表の負債の部と純資産の部をみてみましょう。

     

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    株主資本合計が昨年は380M、今年1,128Mありますね。
    ・・・ふむふむ。と。

     

    あー、これはあれか、株式公開による資金調達ってやつだな。

     

     

    ・・・知ったかしてごめんなさい。
    僕にはよくわからないので、さ、次いきましょう。
    さ、次。次。

     

     

     

    次に気になったのは、売掛金や買掛金の額かな。
    一般論だけど、おかしくなってる会社は売掛金、売ってるのにお金の回収をまだしてない額が大きくなってしまっていたり、買掛金、モノを収めてもらっているのに支払いがまだのバランスがおかしくなっていたりするんですよね。ほら、売れないでも売ったことにすれば帳簿上の売上はあがるから帳簿上の黒字をつくったりするときにつかわれるんです。だから、売掛や買掛と商品の額のバランスが物販の会社では本業の収益が正常循環してるかなーってチェックしやすい項目になってるんだ。いつもチェックするところだからね他意はないよ。ふつうのチェック項目さ。

     

    商品、これは多分AppBankさんの場合店舗があるからストアの棚卸高、つまりお店にストックしている商品の仕入原価の合計(低価法とか先入先出だのあるけど細かいことは気にすんな)なのだけど、商品が92M、売掛金は326M、買掛金167Mになっている。
    つまり、決算時にお店にある商品が9千万円分あんだけど、売ったけどお金をまだ回収できていないお金が3億2千万分あって、さらには買ったんだけどまだお金を支払ってない金額が1億6千万分というわけだ。

     

    ・・・ふむふむ。と。
    なんか解説がそろそろめんどくさくなってきたぞ。

    こんなんどない説明せぇっちゅうんじゃ。

     

     

    ちょうど、株主総会の通知がきてた百円ショップのキャンドゥの決算資料を貼っておくよ。ここも純利益でみればちょうど同じような事業規模だから。

    キャンドゥさんも社長が亡くなってから二週間後に孤独死しているのが発見されたという株主を驚かせた実績のある会社なのだけれども、株主優待で毎回2000円券をくれるいいショップなので、みんな使ってね!

     

    http://www.cando-web.co.jp/corporate/ir/22-4tansin.pdf

    売上65,241M、営業利益1,318M、経常利益1,478M、純利益560M
    売掛金491M、商品6,103M、買掛金8,545M

     

    売上高は20倍ぐらい違うけど、ほら純利益規模は似たようなものでしょ・・・。
    551Mと560M、実に似たようなもんだ。
    100円ショップだからね、利益が薄いんだよ。売る方はニコニコ現金払いですから、売掛金も小さいよね。うん。

     

    売上65,241M÷12ヶ月=5,436M/月

    ここから計算すると買掛金はだいたい1.6ヶ月分で、損益計算書から原価率はだいたい63%なので、在庫は2ヶ月分相当ぐらいかな。小売だとわかりやすいよね。

    Appbankさんは原価率が51%ぐらいで・・・、えっと、うん。小売がメインではないと思うので、商品をベースに売掛や買掛が何ヶ月分に相当しているかとかは考えないほうがよさそうなので計算はやめておきましょう!

     

    本業が動画作成とかになると、動画の外部制作委託費とかが買掛になって、広告収入からの支払いサイトも長いのかな??どうなんだろうか。
    難しくなっちゃったので、
    はい、次!

     

     

    で、本当は現金預金の多さから実はまっさきに気になってたことなんだけど、不思議な力がはたらいて最後に書くことにしたのだけど、損益計算書の営業外収益のところの、受取り利息ね。

    銀行にあずけてたりするともらえるわずか数円ばかりのお金。30年ぐらいまえは7%とかだった時代があったそうだよ。最近はマイナスになるんじゃねぇかってな話しまででてきたね。

     

    で、この利息。

    h26年の流動資産で現金が782,361K、h27年が2,010,935Kあるのに
    受け取り利息がh26年が83Kで、h27年が179Kなんだよね。
    ここから計算すると預金金利が0.01%、0.0089%とかになるんだよね。
    つい先日、日銀のマイナス預金の影響をうけて普通預金金利を0.02%から、
    0.001%に下げる銀行とかがでてきたんだけど、ちょっと低金利が適用されたのが一足はやかったのかな??

    ちなみに前述の100円ショップの会社、h27年で流動資産の現金及び預金の額が1,987,166Kで受け取り利息は14,188K。金利に計算すると0.71%、h26年は現金資産5,860,450で受け取り利息13,881Kなので利息は0.23%相当。

     

    う〜ん。

    預金金利がついていないってことは、

    いま流行りのタンス預金を一年早く先取って運用したのかな?

    なんせ社名Bankだし!

     

     

    というわけで、踏み外さないうちに、ダジャレ落ちで終わりにします。

     

     

    余談

    「AppBankは暴力団と関係がある」という事実はありません。

    あまり動画みたことなかったのだけど、youtuberってすごいね。誰かがクライマックスむらいって言ってたけど迫力すごい。youtuberってすごいんだなって関心しました。

     

    あと、財務3表については次の本がおすすめです。

     

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