投稿者: kuippa

  • 平成最後の夏期講習PoliTechスポーツ健康について考える

    平成最後の夏期講習と題し、落合陽一氏、小泉進次郎氏の企画で、政策と技術であれこれ社会課題を解決しようというような大人の夏期講習がおこなわれたようだ。いろんな分野の人たちが5分程度のライトニングトークをして、それぞれテーマにわかれた島でディスカッションして最後に議論をまとめて発表するというような形式で、動画配信している。

    ポリティカル×テクノロジーでPoliTechだそうで、議論のしかたも今どきだし、いいねと思ったでのピックアップ。全体の様子およびガイダンス、講義・インプットおよびガイダンスはこちらで見れる。

    https://www.youtube.com/watch?v=fV37SGxMqZs
    • ●ヤフー株式会社CSO 安宅和人  我が国の未来に向けたリソース投下の現状と課題
    • ●株式会社メディヴァ代表取締役社長 大石佳能子  人生100年の幸せな老後
    • ●メディアアーティスト 落合陽一  今後10 年でやってくるテクノロジーの転換点
    • ●株式会社Campus for H共同創業者、予防医学研究者 石川善樹  社会保障のオリジン
    • ●一般社団法人WITH ALS代表 武藤将胤  障がいと向き合う事で、生まれるイノベーショ

    各テーブルごとの議論はこちらから。
    https://www.youtube.com/channel/UCcQ5QML9wkc-hj8aWEf-NYA/videos

    各位の議論はおいておいて、それぞれのテーマごとにせっかくなので、自分なりにポリテックについて考えてみたいと思う。今回はAの島のスポーツと健康について。

    まとめテンプレ

    • 今までの分野の課題
    • 今後の分野の課題
    • 問題解決の指針(何をどうしたら)
    • ポリ(政策的に解決するには)
    • テック(技術的に解決するには)
    • その分野の未来ビジョン

    A:スポーツ健康島

    第一回 平成最後の夏期講習(社会科編)A:スポーツ健康

    2018/7/31 第一回平成最後の夏期講習(社会科編)
    テーブルA<スポーツ・健康>
    「なんのための健康・スポーツか?― Well-beingという視点」
    ★株式会社Campus for H 共同創業者・予防医学研究者 石川善樹
    ・東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター先端医療情報技術研究部准教授 高尾洋之
    ・公益社団法人日本フェンシング協会 会長 太田雄貴
    ・株式会社Deportare Partners代表取締役 為末大
    ・国土交通省 総合政策局政策課 政策企画官 喜多功彦
    ・サイボウズ・ラボ主幹研究員/東京工業大学特定准教授/一般社団法人未踏理事 西尾泰和

    議論ピックアップ

    スポーツとエクセサイズをわけたほうがいい
    スポーツが社会参画の一助になっている
    イギリス、公園管理者には植物の専門家だけでなく、スポーツマネージャーがいる
    海外では公衆衛生法の中に公園があるところがある
    予防医学は病院で見れない
    病院は病気しか見ない、健康を見れない
    e-sports 対戦相手が必ずいるから寂しくない

    今までのスポーツ健康の課題

    スポーツや健康がいまだに根性論に支配された精神論であること。
    科学からいまだ遠い。
    疫学的な論理性、客観性、再現性がスポーツ健康分野でも必要。
    民間療法がいまだに幅を効かすことができるのは、その余地があるからだ。

    今、スポーツ選手のパワハラの問題が話題になっている。オリンピック候補生クラスの子がコーチにビンタされている様子などが動画が出回ったりあちらで会見、こちらで会見などがおこなわれている。指導の姿勢とかそういう以前に公の法律レベルでアウトなことは閉じた世界だからといってやっていいことではない。程度が低すぎて議論の余地もない。

    自分が子供の頃、水泳とか陸上とかは学校選抜になる程度に身体的運動能力に恵まれていた。小学生の頃、新潟県に数年間いた。新潟県は縦長なので上中下にわかれてるのだが、そのうちの上越と中越の大会で優勝したことがあるし、国際規格のプールで大会記録や会場記録なんかを持っていた。だが、通っていたスイミングでは中級コースに留まっていた。なんでかっていうと選手コースには絶対にいきたくなかったからだ。

    なんで嫌だったかというと、指導とは名ばかりのプールサイドから割れた竹刀で頭を叩くぐらいしか、コミュニケーション・プロトコルをもたないおじさん達しかいなかったからだ。東京から引っ越してきた自分にはかなりのカルチャーショックだった。ここで何か水泳に役に立つ指導をされた記憶はないがこういう大人もいるのかという社会勉強にはなった。中級コースですら何回かはサボっていた。月謝を払って理不尽に堪えるのはなかなかマゾい。

    低年齢時におけるスポーツにおける競技成績など、おおよそは年齢に比較した発達ともとよりの生体機能でしかない個体差だと思う。

    水を飲むな!休むな!のように、ひたすら追い込んで、生き残ったやつがいい奴だみたいなトレーニング方法があるが、これはトレーニングではない。生存者バイアスと兵卒をふるい分けるときに用いられた新兵訓練方法だ。
    第二次世界大戦後、帰還兵に職を斡旋した際これらの訓練方法が野球などのトレーニング方法として取り入れてしまったことが現在までスポ根の悲劇の根底にあるように見える。

    知能テストは第一次世界大戦時に、新兵の兵科を決めるためにおこなわれたことをルーツとしている。この知能テストから漏れた新兵の練度をあげ脳筋に仕立てるための「しごき」がフルメタル・ジャケット的なブートキャンプである。
    中世時には口減らしの要素もあった戦争だが、近代戦において突撃兵ぐらいにしか役に立たない脳筋はかえって足手まといとなるようになった。戦争よりも高尚なスポーツの世界でならなおさら根性論の運用は辞めるべきであろう。

    今の一流のプロスポーツ選手を見ればわかるが、みなさん頭も切れる。例外もあるが・・・。
    「小人閑居して不善をなす」のことわざの通り、体力が有り余っている若者にはスポーツでもやらせておけという更生プログラムとしてのスポーツはもう役目を終えたことだと思う。今はなんだ?その役割はスマホゲームとかに任せておけばいいんじゃないかな?

    今後のスポーツ健康の課題

    最近では遺伝子タイプ別に投薬する抗がん剤を変えたり、遺伝的に速筋と遅筋の割合を調べマラソンに向くのか、短距離に向くのかなどの検査をおこなえるようにもなってきている。

    人間は同じように見えて個別に独立した生体であるため、同じことをおこなっても再現性がなかったり、結果や効果効用に差が生まれる。しかし、人間の細胞より人間の腸内にある最近の数のほうが多いぐらいなので、塊りとしての人間はそれほど単純でもない。だから統計的傾向により推論して精度をあげていくよりない。

    都合のいい結果が出たデータばかりをチェリーピッキングするのではなく、効果がなかったり、失敗したデータの蓄積こそがこれから重要になっていく。何事にも例外は生まれるが、これの取扱を間違ってしまうと、因果と擬似相関の取扱を間違えてしまうことになる。

    成功があるとすれば、それは失敗にかたどられた空白域である。だから失敗の蓄積をいかにしていくかが今後の課題となる。健康分野については成功談などではなく失敗にこそ価値がある。

    問題解決の指針(何をどうしたら)

    個人を診察したカルテは病院のもので個人の生体に関する情報を日本人はほとんど持っていない。
    把握しているのは身長体重血圧、よくってコルステロール値ぐらいなものだ。それも年に一度ぐらい健康診断で測定されて紙に印刷される程度のもので経過観察も困難だし、診察する病院が変われば前年度データへのアクセスも困難になる。正直、高級肉牛ほども人間の健康は管理されていない。

    熱心な人は睡眠時間や運動量などを記録したりしているが、不摂生で健康に難がある人ほど健康診断をうけなかったりする。だが、この分野の一律悉皆の強制はやるべきではないので、意識が高い系の人たちだけでも、ライフロギングをできるインフラを整え、データポータビリティを充実させる必要がある。それらのデータが貯まればあとは保険の掛け金など経済要因が調整してくれるだろう。

    ポリ(政策的に解決するには)

    データポータビリティ権はEUで施行されたGDPR(EU一般データ保護規則)で掲げられている権利だ。
    もしかしたら遠くない将来に個人の遺伝情報をフルスキャンできる時代がくるかもしれないが、それを私企業や公的機関がデータ保持の主体となると、自身にまつわる情報ですら自由に動かせなくなる。
    農作物、畜産動物などでは遺伝子特許が認められつつある現況において、こと人間、個人の生体情報の所属をその個人ではなくしてしまうと、生存権にも影響がでるだろう。

    データポータビリティ権はこれから重要なものとなるが、これをどのように扱うか法制化できるのは政策的な動きだけである。

    中国のように個人格付けを中央で管理する統制型社会もありといえばありだが、そちらの方向にいかないのであれば、個人にまつわる情報も個人に帰属する財産として法文化する必要があろう。いずれにしろ検討も指針も決めないという無策は論外である。

    テック(技術的に解決するには)

    農工大の先生だったかな?
    歩行者の様子を画像解析してボーンをつくると、感情などは肩の動きに現れると言った先生が居て、デモ動画を見せられて、あー、ほんとうだーと関心したことがある。
    似たような研究に、医師でもわからない初期の認知症は歩行者の足の運びで検出できるとするものもあったように記憶している。警備の分野では不審者検知とか、迷子などの検出精度もあがってきているそうだ。

    うちの商店街は防犯カメラを数箇所に設置している。ネットワークに繋がってもいないスタンドアロンで警察がなにか事件があるとはしごに登ってSDカードを取り出したりしているが、機械学習バンザイの時代にちょっともったいないよなとも思う。けれども、権力とか監視社会が嫌いな人も多いのでセンシティブ。

    だが、テクニカルな面からだけ見れば、公共空間に設置されたカメラを社会リソースとして利用しない点はない。
    今は、個人が保持しているスマートフォンなどのデバイスで、加速度センサーなどをたよりに運動量の測定などをしているが、かなり不正確だ。こういうのは外部のカメラで全景センシングしたほうがいい。
    数百メートル離れた防犯カメラ間を何秒で移動したから歩行時速が何秒だとか、酩酊状態であるとか、自律神経に異常兆候がみられるとか、歩行者の姿勢などはウエアラブルなディバイスでは解決できない。

    これを国や行政が一元管理してしまうと問題があるので、先に定義しなければいけないのがデータポータビリティ権なのだ。
    自分の歩いている姿勢や歩行速度、毎日の表情などのロギングがどこかの誰かのものではなく自分のものになるのであれば、犯罪発生時にしかつかわれない監視カメラなどに別の役割が生まれる。

    地域防犯カメラなどのローカルインフラは有事以外意識もされないので、ごく一部の有志の負担者によって維持されているが、データポータビリティがうまく機能すれば平時にも活用できるので、設置維持も進むことだと思う。オンネットワークの防犯カメラなどまだセキュリティ面が難しいが、いずれにしろ無自覚なフリーライドはすくなくできるなくなる。

    スポーツ健康の未来ビジョン

    けん玉初心者がVRで特訓、9割が現実でも「できた」 驚きのVRゲームが生まれたワケ

    重力加速度は人間には制御不能なものであるが、仮想空間でならばコントロールが可能である。
    楽器の練習などであれば、ゆっくり弾いて弾けるようになったからだんだんテンポをあげるというようなことができるが、重力に支配されているけん玉やおてだまのようなものは一番簡単なものができないと、そこから修練を積む余地もない。

    だが、仮想空間であれば低重力下で反復練習を積んで慣れたのち、だんだん現実の重力に慣らすというようなトレーニングができる。

    早く走ったり、泳いだりする感覚を掴むためにゴムで引っ張ったりするトレーニングがある。体操でのバク転なども最初は介助者が支えることで重力の影響を直にうけないように、ゆっくり練習することから始まる。VRやARはこれらの新しい仕組みになりえる。

    スポーツ健康の俺未来ビジョン

    • 町中カメラ
      • 歩行がふらついているのを認知。メールが届く。
      • 認知症登録の人が歩いていたら家族に連絡が行く。
      • 歩行速度を記録。閲覧可能。
      • 歩行速度姿勢などから肉体加齢状況を推計。
    • 町中プロジェクションマッピング
      • ランニング記録から適切なペースメーカーがARでランナーの前に表示される
      • 歩幅が狭く緩慢になっている人に年代別の適切な歩幅を知らせる
    • どこでもスポーツ
      • アーチェリーや射撃のような専用の施設がないと困難だったものをVRなどで解決
      • e-スポーツにフィジカル要素(Virtuix Omni的なもの)
      • ポケモンGOが高齢者にも受けてるように、町中でARドラクエなど
      • 地域コミュニケーションにゲーミフィケーションを導入。(Xさんが5日見えません。姿を見かけたら声を掛けたらXポイントゲットなど)

    今のフィジカルVRはこんな感じになっていたりする。

    Virtuix Omni

    https://youtu.be/WDmwu5KQT7k
  • Adobe Education Forum 2018みるみる

    PDFとかフォトショップとかで有名なAdobeさんが、教育についてのフォーラムをしたそうな。動画のアーカイブが残ってたのでみてみた。

    Adobe Education Forum 2018 AI時代を生きる力 ~企業が求める創造的な学校教育とは~

    レポートのPDF、テキストのコピペもできないのはどうなのよ。動画が倍速で見れないの辛い。ピクチャーボックスで動画をプレビューすると、再生位置が飛ぶからよくない。youtubeにあげておくれなまし。ぶつぶつ

    個性重視が生み出す大学教育力

    国際ジャーナリスト モーリー・ロバートソン氏による基調講演。
    その昔、週末に徹夜するとあらわれてたラジオの陽気なおじさん。アーリーモーリーバードですっとばしてた頃の印象しかないので、最近ちらと見るテレビコメンテーターとかの文化人っぷりを見ると、更生(?)って可能なんだなって信じられる。もしかしたら、ところどころ飛んでいるのでピーなところは編集されているだけかもしれないけれど。

    才能が次の才能を呼び覚ますcritical junction

    悩んで手が止まってたジグソーパズルも、ひとつハマりだすと周りも急にハマりだすことがある。技術的障害があって越えられなかったことも、誰かがうっかり閾値を超えるとそれに続くことがある。アリの上にアリがのったぐらいじゃ越えられない障害も、数匹が重なることでアリが集中して、いつの間にか小川を越えるアリの橋になるようなものだ。

    半導体の発明がなければ、インターネットの発明もなかっただろう。

    古くには飛び杼が発明されなければ紡績機の発明もなかっただろう。

    これから日本がcritical junctionにつかまらならいために必要なのは、異分野間のweek tidesだろうと思う。じゃないと誰かが何かを乗り越えてもそのまま消失するか、再発見されるか、普及するまでの数十年を待たなければならない。

    化け学的な反応で言うならば、反応がすすむためには熱量が必要だ。だけれども、熱はかならず散ってしまう。アクティビティ(活動性)とポテンシャル(潜在エネルギー)の高い人材を局所に偏在させてギュッと圧力かければ、あとは反応は勝手にすすむ。人も同じだ。反応に必要な熱量を下げるための触媒などもあってもいい。だが、吸熱反応と発熱反応を混在させないことだ。

    かつてはそれが大学のような場や学会などであったのかもしれない。インターネット黎明期にはフォーラムや掲示板だったのかもしれない。現在の日本ではクリエイティビティの秘密基地はだいぶ散らばってしまったように思う。リアルに回帰しつつある?

    300万で映画を撮りたいと動いても、反応が進むより先に水をさされて熱が散ってしまうのは想像に難しくない。だが誰かがそれを乗り越えれば反応は続くやもしれない。

    AIなどにより人間のバリュエーションができるようになるか?

    身長や体重のように、コンピューターが人間の価値を算定する日はくるだろうか?これは、おそらくくるだろう。
    現在の社会実装のなかでも給与、保険の掛け金や機会損失時の損害補償など、人の経済的価値の算出はなされている。
    人材価値評価は大変手間がかかるものだが、AI、もといコンピューターシステムは運用を効率化することには長けているので、遠からずこれらの分野から実装されることになるだろう。つか、転職市場のマーケティングAIとかまさにこれだよね。

    モジュール化し、あらゆるものを代替可能に運用しようとする圧力がある世の中で、人材評価価値をあげるためには互換不能性、つまりレアリティを高めるよりない。
    コモディティな人材が一山いくらで価格付けがされるのに対し、希少価値があるものはオークション取引となるため価格があがるのは当然だ。
    まあ、正直、レアキャラは隠密行動しないと見世物小屋に入れられて辛い目に合うだけなので、既存のルールを変えるほどの強烈な個性・能力の場合は、まず隠者スキルを身につけるのが幸せだとおもうよ。これは本人の気質次第かもしれないけれども。

    企業×創造的破壊

    ファシリテーター:立教大学 経営学部 教授 中原淳先生
    パネリスト:ソニー銀行株式会社 執行役員 ルゾンカ典子氏
    キリン株式会社 事業創造部 部長 佐野環氏

    中原淳先生のはハズレがすくないのでいつも面白いですね。今回は特に氷結の母、佐野環氏がおもしろかった。

    課題発見力、設定力というのはこれから重要になるよね。プラグインという考え方もなかなか。商品開発のようなバリューチェーンのごくごくいち部分を捉えて創造的な仕事としてはいけない。

    創造的問題解決実践のフロントランナーたち

    Kids Creator’s Studio 第1回修了生 菅野晄さん(小6)

    某国際中高生向けプログラミングコンテストなら優秀賞とれるレベルだなと思った。プログラミングの内容が素晴らしいというよりは、それを対外的に説明できる能力がすごいですよね。練れてるよね。

    奈良県ココニワプロジェクト 第1期生 森川李奈さん (同志社女子大学2年)

    千葉大学 環境ISO学生委員会 内山桜さん(千葉大学3年)

    大学2年生、3年生とあるので、どちらも20歳前後だとおもうのだけれども、末恐ろしい。内容は無難なんだけれども、将来を嘱望されるっていうのはこういうのを言うんだろうね。

    創造的問題解決能力を育てる授業 ― 海外大学事例

    Adobe(米国) Senior Director, Worldwide Education Sales リサ・グラハム

    そうだよね、問題解決能力必要だよね。適切な課題設定や仮説が持てないと、AIみたいのが進歩しても使う側にはなれないし。

    学問分野で問題解決のプロセスを研究するのがあるんだけれども、プロセスの明確化、ここらへん日本なんかいつの時代もなんか弱いよね。昔、いい本がいくつかあったんだけれども今検索するとあまりよさげな本出てこないね。残念。

    創造的問題解決能力を育てる授業 大学事例

    筑波大学 図書館情報メディア系教授 長谷川秀彦先生

    なんか単位くれなそう(偏見)。

    Adobeのカンファレンスで正面切って、Adobeのなんちゃらクラウドのどこがクラウンドなんだよ、こんなものを買っておいて誰も使わないんじゃ困るとか喧嘩売っていく姿勢がすばらしかった。パワポもテキストオンリー。伝えるなんてどうでもいいぜっていうハードボイルドで流石大学人って感じ。
    典型的なスライデュメントで、こんな感じで大学で授業してるのかなって不安を覚えたんだけれども、講師やインストラクターはAdobeから来ているようなので一安心。やっぱ単位くれなそう(偏見)。

    筑波大学 芸術系教授・日本サイエンス ビジュアリゼーション研究会代表 田中佐代子先生

    サイエンス ビジュアリゼーションなるものをはじめてきいたのだけれども、テキストをビュジュアライズ化するそうです。これは面白い。
    アート系とサイエンス系の学生が同時に受講して30人程度の受講人数だそうです。もったいないね。

    ビュジュアライズは義務教育ぐらいでshow & tellと同じレベルで必修にしておいてほしいです。できればひねてない単位くれそうな先生で・・・。

    あと、プレートテクトニクスね。

    創造的問題解決能力を育てる授業 高校事例

    品川女子学院 情報科 主任 竹内啓悟先生

    いやぁ、まいった・・・。流石品川女子学院。すごすぎるぜ。
    アクティブ・ラーニング、プロジェクトベースドラーニングだ。
    模擬起業で保護者からなるファンドの前でプレゼンして出資を募るそうで、10万円しか90万得るクラスもあるそうな。こんなんやってみたすぎるよね。

    この先生は民間からの転身らしいけれども、やっぱり教育畑しか歩いてない人にはこれはできないよね。

    @しなじょ

    製作に向かうための教材はすべてオンラインで動画教材を用意しました。動画で50本ほど。
    生徒から複数同じ質問があったら、動画にまとめてあげておく。

    完全にアクティブ・ラーニング。

    子供のアウトプットは常識という名の偏見にとらわれていないので、無尽の可能性がある。馬鹿みたいな質問から気がつくことも多い、どうかしちゃってるアウトプットが世界には必要だ。

    品川女子じゃないんだけれども今年、千葉のほうの女子高生グループが三鷹のショートプレゼン大会に乗り込んできてネクタイをリサイクルするってプレゼンを聞いたのだけれども、会場の大人たち唸りまくってましたもんね。その後、南アフリカだかの方で開催された大会で賞を取ったとかなんだとか聞きました。日本のcritical junctionは今の高校生世代が打破していくのかもしれない。彼らの発熱反応から熱を奪う吸熱源を遠ざけてあげるのが大人の役割かもしれない。

  • 若年層に対するプログラミング教育の普及推進に向けた調査研究報告書よむよむ

    よむよむシリーズ第うん段。

    若年層に対するプログラミング教育の普及推進に向けた調査研究報告書
    平成29年7月 株式会社 電通 総務省 情報流通行政局 情報流通振興課情報活用支援室
    http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jakunensou.html

    調査報告書とあるけれども、実施後のアンケートを纏めたものなので、この手の資料をさらにエッセンスにするのはしんどいね。調査報告書というよりは、助成金絡みの実証実験の実施報告書。

    元ネタは全国11ブロック11団体により行われた、クラウド利用型プログラミング教育実施モデル実証。
    調査研究報告書の中ではこれの実施期間が書かれてないのだけれども、「平成28年度第2次補正予算 公開講座の日程」資料を見る限り、平成29年(2017年)の7~11月頃に開催されたものについてのの模様。

    図表 2-1 プログラミング講座の流れと本書参考箇所

    少し冗長な報告書だったので、項目の順序等は入れ替えたりなんだりした。

    実施モデルの検討

    実施モデル検討におけるポイント

    • 地域や教育委員会・学校との連携
    • 地域性(地域の特産や伝統)を考慮したテーマ、カリキュラムに

    各授業がどのように開催されたのかがここではなく、詳細は読み取れなかった。ポイントであげられている項目をみると教える側の都合であり、これ教育のモデルじゃないよね。

    メンター育成

    ・プログラミングスキル以上に子供との接し方やファシリテーションスキルを重視した

    ・地域に根ざした指導者(メンター)を育成し、教育ノウハウを伝える
    ・基礎的なプログラミングスキルと子供への接し方に関する知識が必要最低限のスキル

    プログラミングスキルなしでも、子供への接し方に慣れている人が優先されたようだ。

    必要最低限という言葉に現されているように、できる子は放置しがちな日本の教育姿勢が伺える。
    だが、プログラミングとか論理思考に適正がある人というのは出現割合がすくないので、十把一絡げの教育とは一緒にしないほうがいいように思う。これではとんがった才能を持つ子が潰されてしまう。

    トップノッチを育てるなら初期メンターにもせめてもマジシャン級ぐらいにはアクセスできるパスは儲けておくべきだ。

    実施環境の準備

    学校のPCはソフトウェアの追加インストールが困難な場合が多い。
    実行環境をインストールしたPCを別途持ち込んだケース/…/端末の調達・持ち込みには大きなコストが発生するため、ScratchやHour of Code等のブラウザベースで動作する教材の利用や、実証環境をインストールしたUSBスティックタイプPCを持ち込む

    プログラミングに熟達した人でも実行環境を整えるまではしんどかったりする。だからDockerとか、最近だとKubernetesがはやったりするのだろうけども、公教育だといろんなリソースの問題で難しいかもしれない。

    ここでも全員がハイスペックのマシンである必要はなくて、低スペックでもいいんだけれども、芽が出つつある子を足並み揃えるためにロースペックに縛るような真似はしてほしくない。BYOD(Bring your own device)がんばってほしいですね。

    メンターの確保

    モチベーションの向上方法としては、メンター同士の横連携の促進や、活動へのインセンティブとして最低限の報酬の支払い、大学単位の認定、インターン制度の活用、公的機関によるメンターの認定制度等が考えられる

    これって労働の衛生環境であって、内発的なモチベーションに関わる部分じゃないよね・・・。
    まあ役務労働に近いから甘い言葉で誘って徴用するなら、労働環境も整える必要があるとは思う。
    つか、「最低限の報酬」とあるけれども、なんで最低限なの?
    なんでも機運の情勢でやりがい搾取、安く済まそうとする風潮よくないよね。
    効果効用を明確にして、つけるところには予算確保して継続的なしくみにしないと。

    地域でプログラミング教育を継続する際に必要とされる機能・人材

    • 継続的に地域のプログラミング教育をサポートする人材・団体
    • 地域の小中学校の授業をサポートする人材
    • 地域で発展的なプログラミングを学習できる場を提供する人材・団体

    これ今までの白書でも書かれてたけれども、これ「不足する人材」だ。
    いないもんそんな人。ないものねだり。
    いてもこんな状況で手なんてあげようものなら使い潰されるだけだから隠れるよね。

    メンターに必要とされるスキル・ノウハウ

    図表 3-2 メンターに求められるスキルのイメージ

    ふふ。「不足する人材」だね。スーパーマン信仰かな。ひとりに全部をもとめるのはやめよう。

    メンター研修

    本実証で育成されたメンターのうち、プログラマーやプログラミング経験者は1/3程度であり、半数近くはプログラミング未経験者であった。

    図表 3-6 研修受講前のメンターのプログラミングスキル
    図表 3-7 研修受講前のメンターの教育経験

    教育関係者が優先された図。ここ難しいよね。

    各実証地域におけるプログラミング教育講座の概要

    教材

    • Scratch(スクラッチ)
    • レゴWeDo 2.0
    • National Instruments「LabVIEW」(ビジュアル言語)
    • python(テキスト言語)
    • 教育版レゴ マインドストームEV3(ロボット)
    • Ozobot(ロボット)
    • OzoBlockly(ビジュアル言語)
    • ScratchX(ビジュアル言語)
    • AruduinoX(サーボモーター)
    • Audiuno(テキスト言語)
    • アーテックロボ(ロボット)
    • GLICODE(お菓子を用いるプログラミング体験ツール)
    • Hour of Code(ビジュアル言語)
    • ルビィのぼうけん(アンプラグド)
    • Swift、Xcode(iphoneアプリ開発)
    • Gamesalad(テキスト言語)
    • HTML/CSS、Brackets・Mozer(テキスト言語)

    ・・・。テキスト言語ってなんだろう・・・・??
    すごいな「テキスト言語」とかでググると教育界隈がいくつもでてくる。
    はっ!もしかしてスクリプト言語のことか!!?

    スクラッチはスクラッチなんだな。ブロック言語とかじゃないのか。
    アンプラグドってなんじゃらほい?エリック・クラプトンか?プラグインじゃなくて仮想環境で動くなにかかな?あれ、ルビィのぼうけんって、北欧の女の人が作ったやつじゃなかったっけ?
    Swiftとかはiphoneアプリ開発になっちゃうのな。
    不思議分類。実施者の自己申告かな?なんだろうこれ。

    小学生ならScratch一択かな。

    お金のある家庭で小学校高学年から中学生なら教育版レゴ マインドストーム。
    レゴはすでに国際的な教育プログラムを確立しているので、STEMとかチームビルド、プレゼンテーションまで学べるので超英才教育向けにいいと思う。何回か国際優勝したチームの某監督にだいぶ吹き込まれてるので、中立的な見方ができてないかもしれないけれど。
    それより上で興味があれば、AIとかにまでタッチしうるpythonとかその他の「テキスト言語」でいいんじゃねぇのと。

    unityとかを採用したところはないんだな?なんでだろう。今の中高生とかならunityスタートのほうがいいと思うのだが。

    スペック重すぎ問題かな?サンプルコンパイルしただけで実行ファイルG単位だもんな。

    自分だったらhtml5あたりで、UserMediaつかってカメラとか音声弄らせるかな。ブラウザ動くぐらいの実行環境でいいし、使うのもJavascript+html/cssぐらいだし。
    ま、ブラウザの仕様変更ですぐ動かなくなるけれども。
    まあ、そういうしちめんどくさい環境の部分は内包しておいてくれるのがScratchだからやっぱScratchでいいんじゃないの。

    教育理念

    • 物事を創りだす楽しさ
    • 「ものづくり」に対する興味の増進を促す
    • 「ものづくり」を通じて自分の特性を知り、自分の能力を伸ばす

    気になったのはこれ。
    ものづくりとかがあって、なんか「うげぇ」とおもった。高度成長期の亡霊だ。
    「ものづくり」と「プログラミング教育」は混同すべきではない。ものづくりの評価尺度ではプログラミングを評価できないからだ。
    ものづくりを絡めてしまうと「アルゴリズム」などの不定形、アウトプットが目に見えないものないものが評価できない。

    信越 (スタープログラミング)
    プログラミング教育を手段として、子供たちの学び合いをベースに、以下の5つの資質・能力を身についけることを目標とした。

    -創造力・イノベーション
    -論理的思考力
    -問題解決力
    -自己肯定感
    -プレゼンテーション能力

    目標は理念じゃねぇとかいろいろあるかもしれないけれども、教育理念(教育目標)としてはこれが妥当なのではないか。
    プログラミングはものづくりじゃなくて、仕組みづくりだからね。思考力や解決力をアウトプットされた製品(ガワ)でみるべきではないよね。

    プログラミング教育講座に関するアンケート結果ピックアップ

    図表 4-4 受講者の講座満足度

    【受講者】Q2.1 プログラミングは楽しかったですか?

    やたらに高い満足度が92%もある。
    今後、プログラミングを続けたいですか?の問いには「今後もプログラミングを続けたい。」が7割もいた。

    図表 4-6 保護者が希望するプログラミング講座の形式

    【保護者】Q3.2 引き続きプログラミングを学ばせるとしたらどのような形式が良いと思いますか?

    学校の授業として実施して欲しい。:放課後教室やクラブ活動として実施して欲しい。
    6:4と割れている。なんとなく察せられるが興味深い。

    子供の変化

    (1) 21世紀型能力について
    プログラミング教育には、21世紀型能力の向上に寄与すると期待されている。

    ・・・21世紀型能力?
    唐突にでてくる21世紀型能力。21世紀型能力の説明はない。一般常識なのかな?

    図表 4-10 プログラムを修正する際の動き

    こんなん大人でも何をどういう風に修正するかで対応が違うので、これを見てもなにも言えないなと思った。
    周りの人に聞いてばかりでは伸びないなとも思うけれども、手持ちの情報では解決できないのにまったく聞いてこないとただ無駄な時間を過ごすだけなになるので、聞かないといけないこともある。
    パラメーター系の言語なら、細かく修正したほうがいいし、ブロック型なら命令の組み合わせを変えることで解決できることもあろう。設計が未熟ならフルスクラッチで作り直すのも有効。

    図表 4-13 ロボット教材利用の有無別、受講者の継続希望割合

    いやぁ、ロボット押しだなぁ。
    ものを売りつけたいっていう商魂が透けて見える。
    そりゃフィジカルコンピューティングのほうが子供は楽しいけどね。こういうのも、全員一律な環境にする必要はないよね。
    教える側の都合で、学ぶ対象を制限するのはよくない。参加者のアンケート回答による定性的な評価ばかり。これでは教える側が経験が積めない。

    プログラミング教育に関する支援体制等の調査

    本調査におけるプログラミング教育とは、「子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育むこと」

    個人的な考えだけれども、子供のうちはコンピューターを使う必要すらないように思う。

    2人ペアになって電話越しとかに相手に指示を伝えて動いてもらうというような指示命令および状態報告だけで、たぶん詰まるだろうし、楽しいんじゃないかな。
    おもうように動かない相手のみが持つ不完全情報を制御しながら、目的を達するって多分大人でもなかなかできないよね。確かNASAの宇宙飛行士訓練で、片方が地図を持ってみたいなペア研修あるよね。

    図表 10-2 プログラミング教育に携わるプレイヤー

    この図だと国からの普及促進ってあるけれども、学びたいという子供からの欲求をみたしてあげる環境を整える側面も無視していいものではないよね。
    プログラミングとかは教授の関係ではなく、flipped learning(反転学習)とかactive learning(能動学習)の要素が強いので、能動的に学びたい欲求を持つ子を放置しない仕組みを強化したほうがいいように思うな。

    図 1-15 メンターの職業(N=73)

    ほとんど学生。教授に引っ張られたのかな?

    図 1-16 プログラミングスキル(N=94)

    高度なスキルを持つひとが16%もいるならいいとおもう。
    エンジニア志望で職についてても高度なスキルを持つ人そんな割合でいないと思うし。

    おまけ、感想

    エビデンスベースドラーニング

    別件、しつっこくエビデンスベースドラーニングについて引用しておく。

    教員は担当教科に関する知識はあるが,教授スキルは経験から獲得する。
    EBEは,教育・訓練への教育予算の裏づけ(インプット指標),そして,費用対効果の視点からの政策評価(アウトプット指標)の2つの面で政策プロセスの文脈にかかわるようになる。

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/60/1/60_20/_html/-char/ja

    教授スキルを経験からじゃなく定量的に分析できるといいよね。教科書とか教師に依存するのよくない。
    今回の若年層プログラミング教育についても、明らかにメンター、教師側の能力に大きく影響をうけるのだけれども、メンター側にプログラミングの経験がないのが恐ろしくてしょうがない。
    そのうえ、インプット指標とアウトプット指標をもたないままなんとなく現場におっつけてしまうのはよくないよね。

    教育者のキー・コンピテンシーが、横に展開されないままなのはよくない。

    コンピテンシー(英: competency)とは、企業などで人材の活用に用いられる手法で、高業績者の行動特性などと訳されている。

    特にプログラミングについては動画を使った教材、Mooc的な教材が重要になることだと思う。オープン教育リソース が日本でも充実してくるといいですね。

    Scratchで楽しく学ぶ アート&サイエンス

    スクラッチスクラッチ言ってたら紹介してという声がきこえた気がした