私の父はかつては外国人労働者だった


私の父はかつては外国人労働者だった。
もう数十年も前の話し。日本人があまり国外で働くというあまりない頃の話しなのだが、文化も風習も違う国で外国人として働くというのはなかなかに大変なことである。

今では考えられないけど当時はまだインターネットもなく、ちょっと国際電話をしただけで月の電話代が十万円を超えたこともあった。FAXも国際送信するためには、いちど日本の会社に送ってから手配してもらわなければならなかったし、飛行機代も今じゃ考えられないぐらい高かった。世界はいまより広かったし遠かった。

まぁ、主には英国だったからなおさらに遠くに感じただけなのかもしれないが。いまはロンドンで白人の割合が50%を切ったとかいう報道みると、ちょっと信じられないよね。まだEUとかができる前、あちらでは電車に乗ってても有色人種は自分ぐらいしかいないなな割合だったんだけど。伝統に対しては頑固な価値観をもつ英国人がそりゃブリグジットとか強行するのもわかるわ。

当時は州都クラスの街でも日本人なんて数家族もいしかいなかったし、アジア系もまだ返還前の英国領だった香港チャイニーズぐらいは居たけど、外国人って、あとは中東系ぐらいしかいなかった。香港の悪ガキどもが公衆電話のガラスとかを割ってキャッキャしてた時代から、あれからまだ1世代も経ってない。先週、ドイツのハイデルベルク大学(ドイツ最古の大学)から日本に留学に来ている子と打ち上げの席で隣になって今は便利な時代になったのぅ、みたいな、そんな懐かし話しをしてて思い出したので書いてみた。

入管法改正

改正出入国管理法(入管法)が改正された。
つか、報道みてても何がどう変わるのかさっぱり書いてないのがちょっとメディア死んでるなと思う。e-Govの法令検索も改正部分はわかんねぇし・・・。どこがどう変わったとか、いったい何みりゃいいんだろ??詳細とか要約どこ???

偏向的な断片的情報からしか語れないけど、労働集約産業から抜けようっていうタイミングで比較的安い労働力を入れちゃったら、産業構造の転換の抑止につながる。これは、よくないよね。

単純労働で人を雇うより機械のほうが安いとなれば、設備投資とか無人化が進んで余剰労働人口が別産業に移って社会がちょっと進歩するのに、安い労働力を手当できちゃったら産業寿命を終えたゾンビ産業まで延命して、産業の健康寿命を終えた要介護企業だらけになる。外国人労働者は就労ビザで処理すればよく、穴をあけるやりかたは関心はしない。設計はシンプルにしておけってやつだ。

今回の改正に含んでいるのかわからんが、無戸籍在日四世みたいな見てみぬふりをしてきた制度上からこぼれ落ち続けてきたものの手当や、前回の一部改正で投資・経営査証を使って日本の医療保険制度が悪用されて、経営者の親族枠で来日し高額な医療費の持ち出しが出ている問題、船舶観光上陸許可が緩和されて行方不明者が多数出ている問題、そういうのが手当されるならわかる。でも、技能実習生との話ししかでてこんのぅ?それだけなのかい??

入国管理局を庁にあげて、あとは省令で定めるってなってて、把握している人が存在しないパターンなのかな?白紙委任なのかもしれないけど、うん、もともと官僚行政じゃん?政治家が現場を知ってるともハンドリングできてるともおもえんのでしょうがないのかも。でも、何がどう改正されるのかぐらいはわかりやすところに出しとけよ。メディアもなおさらちゃんと仕事しよ?

移民

移民について、そもそも日本人というのは、義務教育などを通してかなり暗黙的な価値観や背景を同一にしていて、村社会に軋轢が生まれることは目に見えている。よくもわるくも村社会だ。

自分の中では文明国とそうじゃない国の線引には明確にひとつの基準があって、道を歩いてて、うんこしている真最中の人と目が合うような国とそうでない国だ。あと、道沿いになんらかの死体が転がっているのに平然とした社会とか、ちと、なんていうか、それがあたりまえだった世代が急激に発展してキレイなおべべを着るようになっても、現代日本人と価値観があうのには、なんというか、それで育った世代を超えないと無理なんじゃなかろうかと思う。

あと、日本の社会は、公共的につかわれている地域の公共物にみえるおおよそほとんどのものが税金で賄われ提供されている物だと認識されがちだ。でも、自分もおっさんになって地域にかかわるようになってから気がついたのだけど、公共インフラとされている駅や橋、公園、道路、街路樹、街路灯などなど、歴史的には実は篤志家や町会などによって提供されたり管理されているものも実に多い。特に戦後まもなくの頃からはこういう提供物によって地域がつくられた背景がある。無自覚なフリーライドを容認するのも、ゲストだからか仲間だからかなのだと思うが、ゲストでも仲間でもなく、どこかのだれかの利己的利益が動機により誘致されてきたとなると、こういう暗黙的な篤志家の善意が壊れかねない。これ、結構、地域力の源泉で、この生態系が壊れると、たぶん税率をどこまであげても賄えなくなり、今度は国内での徴用が必要になったりするじゃなかろうか。社会を壊して人頭税時代からやりなおさなければいけないなんてばかげたことだと思う。

外国人の権利と契約

これはなんか変な方向に議論が行ってるよね。労働は労働者と雇用者の契約が前提なのだから、外国人だからとか、技能実習生だから奴隷的に扱われるとか、そういうのは許されちゃならないよ。前提条件が破綻してたり、著しく不公平な雇用契約を敷いているのであれば、それを仲裁や監視管理するのが監督行政でしょ。しないなら辞めちまえよ。機能するところをつくろう?それが庁化?ほんと、なにが変わったんだか、変えようとしているんだかわかんねぇけど、機能してないのはわかる。

間違ってたらご指摘いただきたいのですが、20万人以上いる技能実習生のうち亡くなられる方が年間20人強ということは、死亡率(人口千人あたりの死亡者数)は、0.1人となるはず
twitter.com/adachiyasushi/status/1070712416508567552

なんか、Twitterで炎上してるのを見かけた。リプライもよくわからん事になってる。
技能実習生の20万中69人が死亡していて、そのうち12人が労働中の死亡だそうな?
いろんな数字が踊ってて、何が正しいのかわからんので調べて計算してみた。

平成29年の就業人口6725万中、過去三年の労働死亡災害は2,878人。技能実習生257,788人中12人と比較すると8.6%技能実習生のほうが死亡災害が多いようだ。
0.00428%:0.00465%

日本の就業人口6,725万のうち、過去三年の累積労働死亡災害は972+928+978=2,878人
0.00428%

技能実習生257,788人中12人の労働死亡災害
0.00465%

全体より技能実習生のほうが8.6%ぐらい高いね。
技能実習生の死亡者が仮に11人だったと0.426になって逆転するので、まぁ、ようやく統計上有意そうな数字が出た。よかった。

足立さんは日本人の労働者の死亡率を15〜64歳あたりの0.5とざくっと計算しているけど、多分農業とか介護分野の技能実習生には女性も多くいて女性の低年齢の死亡率は0.2ぐらいと男性と大きく異なるので、この死亡率前提の数字が読み間違ってたんじゃないかな。

※ はてなブックマークのコメントで最初、全産業でみないで製造業限定の死亡災害の人数で計算しちゃって8.1倍違うって書いちゃったけど、そこまでの差はなかった。なんかおかしいと思って、計算しなおした。

2018年 10月で、
15歳以上人口 11,104万人 15〜64歳 7,544万人
労働力人口 6,888万人 15〜64歳 5,991万人
平成28年の労働災害による死傷者数は11.7万人
うち過去三年の累積労働死亡数は972+928+978=2,878人

労働災害のレポには外国人労働者の死傷災害発生状況ってまんまな項目がある。

平成29年
死傷者数 2,494
外国人労働者数 1,278,670
0.195%

技能実習生死傷者数 639
技能実習生人数 257,788
0.248%

同じ外国人労働者でも技能実習生枠のほうが死傷災害にあいやすい職場、産業なんだろうね。
というか、死亡災害と死傷災害にわかれてるんだけど、どう違うんだろう?
死亡災害は即死で、死傷はその後死んだかもしれないけど怪我をおこしたことは確実な数??

にしても、、、
日本では技能実習生26万人を含めると現在150万人も外国の人が働いてるんだね。労働力人口の10%。いま、こんなに多いんだね。おどろきだよ。

参考みたいの

労働災害発生状況(確定) 厚生労働省
www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/

2019年4月入管法改正情報
www.satomasami.com/%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%91%EF%BC%99%E5%B9%B4%EF%BC%94%E6%9C%88%E5%85%A5%E7%AE%A1%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E6%83%85%E5%A0%B1/


改正水道法やらについておもうこと


いわゆる水道民営化法案なるものが成立したそうな。
国内の生活インフラを海外水メジャーに売り払うようなもんだとか、水道料金がばか高くなるんじゃないかとか批判あがっているようだ。絶対、失敗する!と。

まぁするよね。
失敗っていうか、過疎の地域にまで上下水整備したけど、これから先維持できそうにないや!っていう諦めだと思うので、多分みんなの心配した通りになるんだろう。けど、どうせ避け得ないのではないかなと思う。上下水守って地方自治体を潰すか、民営だから失敗したんだとか申し訳つけて責任おっかぶせごまかしながら潰すぐらいの事しかもうできないと思うので、まあ、しょうがないんじゃないかなぁ。

もう何年前になるのか、わしの記憶もあやふやなんじゃがのぅ、中東あたりの水道事業で日本の水道事業がらみのメーカーがフランスの水道メジャーに負けたみたいな話しを聞いたことがある。曰く、日本のメーカーは逆浸透膜とか、そういう個々別々の製品のアピールや性能はすごかったんだけど、パッケージがないと。コーディネートがないと。他方、フランスのメーカーはそれらの部品は外部から調達しようがなにしようが、川上から川下まで抑えてくれるので発注する側としては世話がなくていいよね、と。日本は水道は公共事業なので、こういうフルカバレッジなサービス輸出ができない。今思えば、それがフランスの多国籍水処理メジャーのヴェオリア社とかだったのかな?

日本のメーカーは技術はつくれても商品はつくれないみたいな話しに通ずるところがあると思うんだけど、新幹線の輸出とかでも失敗していることはこれだよね、鉄道や線路だけ単品で売ってもしょうがなくて、運営から保守員の人材育成とかまでパッケージにしないと。まあ、負けるよね。

で、水道事業。
東京都の場合はだいぶ前に市区町村の運営から都営(東京都水道局:地方公営企業)に切り替えたと記憶している。wikipediaみると2000年ごろからか、三鷹市は2002年。未統合自治体がいくつかあって、たしか武蔵野市とかはまだだったんじゃないかな。うん、まだだね。
この頃から貯水槽水道方式から直結給水方式に切り替えられたりと、東京のまずかった水道水が格段によくなってきた。

自治体がそれぞれが開発運営してきたというところから、関係雇用とか、利権がらみもあったんだろうかね、この東京都の水道統合事業もなかなか難航したと伝え聞く。だけれども、地方自治体がそれぞれがちょっとづつ違うことをそれぞれが運営するっていうのは、なかなかに非効率なことで、費用もかかる。都とかそういう比較的広範囲な行政組織が公営にするっていうのは間違いではないと思う。

では、東京都ほど、人口も密集しておらず広域での管理が難しい地域はどうなるだろうか。
そんなん、どうしょうもないでしょ・・・?

かつて、さだまさしがまだ若い時、無人島を買って、生存権を縦に電気ガス水道を離島まで敷設させたが電話会社は民営だから断わってきたみたいな逸話が本に書いてあって読んだ記憶があるのだが、これは極端な例としても、数件とか、数人しか住んでいない山間や離島の村落のために、道路電気ガス水道橋梁トンネルって、受益者負担の原則から考えたら一人あたりおいくら億円かけてるんだよって話しだよね。
どこも紋切り型の田舎地方都市みたいにする必要はなくって、田舎の情景はそれぞれが素晴らしいんだから暮らしにくいかもしれないけど、どうぞそのままで。

列島改造論に浮かされて公共事業をやりたいがために、いろいろ作っちゃったご先祖様方。
けれども、耐久消費財とか建造物っていうのは作ったらおわりじゃなくて、耐用年数の半分ぐらいで保守のために建造費の半分ぐらいのお金が必要だし、耐用年数が過ぎたら撤去や施設更新が必要になる。

鉄骨コンクリ製のトンネルだと耐用年数60年、橋りょう50年、ダムだと80年、上水道は30年。実使用年数で水道の鋳鉄管を見ると、40年だそうな。

参考資料 実使用年数に基づく更新基準の設定例 – 厚生労働省
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/kousinkijyun_2.pdf



高度経済成長期のいけいけどんどんの時期につくった公共インフラなんかが限界を迎えつつあって、そろそろ、施設の更新や大規模補修が必要になってくる時期なんだが、地方自治体は、もともと財政基盤が軟弱なうえ、そもそもが単年度会計で、それらの大規模更新を見越して複数年度で予算計画を立ててる自治体なんぞないのである。ってことで、わかってたけど予定していなかった出費により財政的に破綻するか、事故が起きるかの二択だよね、どうするんだろうね? って思ってたところに公設民営の改正でしょ? あ、そうするのね、っていう感想にしかならないよね。

財政破綻か事故るかの二択が、委託業者の管理下で事故になるか、ちゃんと運営できない委託業者のせいだっていう新たな二択もとれるようになった。委託される側の業者は逃げてーって感じだけど、多分、経験値がある会社は、そういうババな自治体は引かずに、美味しいところだけいただくんだろうね。ババ引かされて詰め腹を切らされるやついっぱい出るんだろうね。

原子力発電所でさえも耐用年数過ぎても、利益が出ている間はなんやかんや理由をつけて使い続けて事故にまで至ってるんだから、管理主体と運営主体が同じだと、正常化バイアスで事故は防ぎようもないのかもしれない。動いてるんだから触るな!な前例事なかれ主義と更新は相性悪いもんね。

でも、諸先輩方の負側の遺産、やらかしはどこかで帳尻をあわせなきゃいけないわけで、本当はこーいうのを技術の発展とかで「まかせろ!」ってなって欲しいけど・・・、上下水のインフラのほうでこの100年進化したのって、鉛管がビニール管なったぐらいかな?

埋設土木技術とかは汎用技術だから進歩してるんだけども、水道については全国的な競争はなかったから、ここに競争が入れば技術革新はあるかもね。もちろん、競争による弊害も出るだろうけど…。

空気中の水蒸気を復水できる小型な装置とか、ドラえもんの自動井戸掘り機~みたいな、一足飛びの技術革新未来かもん!

参考てきな

水道民営化促進で内閣府に出向した人の正体
7日成立予定の改正水道法に不透明な背景
安積 明子 : ジャーナリスト
toyokeizai.net/articles/-/253769

東京都水道局
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%B0%B4%E9%81%93%E5%B1%80

乾いた空気から水を取り出す装置、太陽光で動作 – MITとUCバークレーが開発
news.mynavi.jp/article/20170420-a052/


無実と無罪とゴーン


ルノー、三菱自動車、三菱自動車工業の会長であったカルロス・ゴーンが東京地検特捜部により身柄を拘束された。これについての報道や世間の反応をみていると、この国では無実と無罪の区別について思考放棄がすすんでるのかなとか感じたりもする。株式上場している会社について憶測を交えていいかげんなことを書くと風説の流布になってしまうので、あまり踏み込んだで書きたくないのだが、外形的なことを私的ブログでぐだぐだ言うぐらなら許されるだろう。

海外ドラマと海外法律

いつの間にか契約していたAmazon Primeで、BGMのように海外ドラマやらアニメなんかを流している。今は海外版の「suits」をシーズン6までみてるところ。もう最終盤。ドラマではハーバード・ロー・スクール卒業と弁護士を騙るニセものだけど天才と、実績も才能もあるけれども勝ちのみにこだわる冷血漢な師弟コンビが繰り広げるドラマなんだけれども、こういう海外ドラマを多く見すぎたせいか、今回の事もお国の事情が違うだけのことのようにもみえてしまう。法律や常識は国ごとに大きく違う。

事実か事実でないかに違いがあるように、事実であってもそれが罪を構成するかは全く別のものである。日本で16歳がタバコやお酒を飲んだら犯罪になってしまうが、英国では16歳から可能なので高校にバーがあったりする。カナダなんかは先日、大麻が合法となった。ところがかわれば常識も法律も違う。

罪刑法定主義

独裁国家でも国民情緒法でもなく、罪刑法定主義を採用している近代国家は法律に明記していることが罪と規定される。法律にかかれていないことや、法が制定される前の事柄について罪に問うことはできない。法の不遡及の原則。これが法治国家だ。

日本は憲法はもちろんのこと法律のアップデートも著しく遅い国であり、商法の改正なんかは120年ぶりだそうな。120年前にはインターネットも携帯電話どころか固定電話も怪しいわけで、その時代に考えられたものを骨組みを弄らないまま増築と継ぎ接ぎだけでなんとかここまでやってきた。

裁判官が法の趣旨を斟酌して下した判例法とも揶揄されるものが逮捕や起訴の根拠になることはあっても、まぁ、それでも罪刑法定主義の原則はかわらない。

法体系には主には2種類あって、やってだめなことを規定するブラックリスト方式の英米法系と、やっていいことを規定するホワイトリスト方式の大陸法系がある。日本は大陸法系。

日本からなかなかイノベーションがおきないと言っているのも当たり前で、ホワイトリスト方式の法体系下で新しい技術ができたところで、ありもしないものを法が想定しているわけがない。許認可方式ではノーベル賞ぐらいの実績でさえも立法化までの道のりは険しく長い。

ホワイトリスト方式下で新しいことをやると、だいたいどこかが何某かの法に触れることになるので、罪を構成してしまう。今では当たり前になったWEBの検索エンジンですら著作物のフェアユースがない日本では著作権法に触れるので、最初の頃は国内にサーバーを置くと運営者が逮捕されるとか、技術だけでなくそういう回避行為を同時に考えなければならなかった。

だが、そんなようなことを法で規定するためには「USBの穴が穴でなにするがそんなことは部下に任せるので知らん」って人とポートとジャックの区別も怪しい人が議論ができるぐらいまでに基準や前例が必要となる。だから、ある程度技術が枯れてからじゃないと議論もできない。

アメリカとかは提訴大国だが、やらしてみて駄目だったら懲罰的損害賠償をあたえて手打ちにしようっていう考え方なので、新しいことも事故もばんばんおきる。他方、従前的なやりかたを続けていれば、大きな変化もないが、逆に大きく間違えもしない。どちらにも一長一短がある。その良し悪しはここではおいておくことにして、同じ民主主義国家でも国が違えば法律も罪もその構成も異なるって話。

ごびゅう、誤謬性

で、そのホワイトスト方式の日本では刑事裁判の起訴後有罪率は99.9%だそうだ。ダブルバインド、二律背反したような法律が日本にはいくつもあるので、起訴までいっちゃえば何某かの罪に問うことは容易で、こういうことになるのだと思う。ギルティとノット・ギルティが正規分布すると考えると、犯罪認知後の無罪の偏差値は80以上ってことになるが、おい、おい。

工業生産などの現場では不良品がないかをチェックするとき複数段階のチェックを置く。
このときのチェックががばがばでもきつきつでも生産効率は悪くなる。エラー検定率(第一種過誤)は通常、5%とか1%で設定されるそうだ。全体の20%をハジクようなチェックや、100%通してしまうようなものはチェック項目として間違っているのだ。

この有罪率の高さを見ると事前にふるいにかけているのだろうが、有罪にするものとしないものを担当者がアンダーデスクで振り分けるって、あー、それ、人治だよね?

司法取引

司法取引は早く導入されるべき制度だと思っていたのだけれども、まだ2回めだそうな。さすがに驚くほど未成熟ですな。なんだいこれ?やばみ!

ヤクザの親分による殺人示唆と実行犯による殺人で、親分捉えたいがために実行犯をみのがして親分だけ狙うみたいな話しのように見えるよ。まあそれもありなのかもしれないけど、「suits」風に言えば、検察と内部通報者による共謀で悪意訴追ととられてもおかしくないよね。悪意訴追なんて法律日本にはないけど・・・。

もし100億の報酬を、50億に見せかけてた金融商品取引法違反って話しが本当なら、利益を得たのは会長かもしれないけれども、実行犯は故意を持って行動した経理やIRであり、それを監査する監査法人や弁護士には通報義務を放棄したことになるし、なにより善良な管理者の注意義務がある取締役はなにしてたんだって話しだよね?ここでどんな関与と罪の減免の司法取引をクローズドにしたまま、これは司法取引ですって、ちょっとかなり乱暴すぎない?なんで被害者側に立ってるの?君たちもまず捕まったうえで司法取引はなされるべきじゃない?

犯罪構成要件

ちょぼちょぼ情報のリークがあって内容が二転三転しているのが気に入らない。
最初逮捕された当初、過少申告による脱税かなとかおもわれたが、カルロス・ゴーンは日本に月の1/3も居住していないことから、申告地が日本にないことがわかると金融商品取引法で記載が義務付けられているIRの虚偽記載となった。売上の粉飾ならともかく、役員報酬の虚偽告知であるという。それで会長が逮捕!?証拠隠滅の恐れや逃亡の恐れがあるってことか???
だがこれも報道を聞いているとなにか要領を得ない。

現在のところ、どうも、会長職退任時に約束していた退職金の50億を報酬としてIRに載せろってことのようだ。金銭の授受に基づかない発生主義に則った退職給付引当金みたいなもんだろうか?まあ、いわんとすることは、わからなくもない。まあ、そんなもんが特損に乗ってたら投資家は逆に混乱すんだろ。
どうなるんだろう?貸借では固定負債について、損益では特損?キャッシュフローは動かないのか?わかんねぇな。この場合、わかる人のほうが少なそうだけど。もうちょっと詳しく事情がわかるようになったら誰か解説してほしい。

私的流用と投資

日産本体ではなく、海外子会社経由との報道もある。もうこうなるとわけわからん。
日本とフランスは国際租税条約を結んでいると思うので、主な在地がフランスであれば、フランスでの申告になろう。でも、フランス経由のオランダとかそういうタックスヘイブンのペーパーカンパニーを経由された所得だったりすると、日本側でなんかできることあるの?それで連結の虚偽記載においたの?その出資金は預け資産じゃなくて法人持ち株としての出資?財務活動のほうじゃなくて?

ブラジルの次期大統領選に出馬とかが噂されてたりするけど、主がブラジルだったりすると、日本とブラジルだと、犯罪者引き渡し条約すら結んでなかったよね?これだともっと厳しくなるよね。立件まで継続できるんだろうか?国際問題になるよね。間違いなく。

私的流用。
日本の不動産は新築の物件が買った瞬間に二次流通では半額になるが、これは世界では稀有な例で諸外国では異なる。特にゴーン氏が家族を住まわせたとされる、ブラジルやレバノンのような国では、年に4〜7%のインフレがあるので現金で所有するよりモノで持ったほうが価値が毀損しないどころか、10年も寝かすだけで倍値になる。都市部ではさらに値上がりが見込めよう。

その上、世界的に有名なカルロス・ゴーンが住んでいたというプレミアムが付けば、さらに高値で売ることができるだろう。海外住宅は家具はもちろんのこと冷蔵庫洗濯機、食器やスプーン・フォークまで住宅についていたりする。家族を住まわせていた、いつでも住めるようになっている、という事実と、それがまるごと売り物だという事実はなんら背反しない。

浪費や流用と投資の区別は、成果を見れば一目瞭然だろうが、不動産についてはちゃんと言い訳ができそうだ。コーポレートベンチャーキャピタルとか投資会社が民間投資しねぇで不動産ばかり買っているっていう非難はできるかもしれんが、投資会社が逆に財産の管理および運用とかを定款とかにいれてないのだとしたら、それは一体なんの会社だい?

家族旅行とかベルサイユ宮殿とかはどうだろう。これは正直よくわからない。
ただsuitu脳だと、コーポレートカードでそんなもの買ったりそんな贈り物だとかのお金の使い方して経費って認められるのか。恐ろしいなアメリカっていう日本とは違う常識の国があるのも確かだ。
財閥や華族が解体された日本では、放蕩なのは成金ぐらいだが、欧州のビッグファミリーとか王族とかと付き合うためのビジネス上の必要経費とすれば、庶民感覚ではないところで、妥当な必要経費なのかもしれない。100億、日本の自動車会社のトップとしてはもらいすぎの額でもアメリカ自動車産業と比べれば、それでも少ないそうなのだ。

民意と感情

理論では納得できても、感情で納得できないという話しはよくあることだ。
コストカッターで知られるってことは、多くのリストラをおこなったってことで、当然恨まれてもいる。

50億もらってるひとがさらに50億ちょろまかしてた、家族旅行で数千万つかってったっていう報道を聞いて、妬み嫉みから自由でいられるほどの寛容性をさすがに多くの日本人は持ち合わせていない。
だが、それを利用して誘導し煽っているようにも見える。それが今回眉間にシワがよるところだ。

でも、それが本当に罪を構成するのかは、感情に流されずに判断できるようになりたい。推定無罪なのに解任になる日産と、推定無罪で解任にならないルノー。ここに答えがあるようにも思える。
疑わしきは被告人の利益に。・・・なってないね?

手続き

FBIとかが逮捕のときに読み上げるミランダ・ルールにある「あなたは弁護士の立会いを求める権利がある!」が、日本にそんなものはない。弁護人はつけられても取り調べのときに立ち会わせることはできない。取り調べの可視化もされてなくて、録画も全体の1%程度と十分でない。そんでまた今回の共謀っぷりがぷんぷんの司法取引。悪意訴追を追求する制度もないし、警察内部に監察官みたいな部門はあっても、検察を捜査するような独立性の高い組織は日本にはない。検察審査会制度で申し立てがせいぜいだ。ちょっとだめかなと思う。江戸時代は北町と南町で輪番制が機能していたが、今のような、シングルスレッドの司法警察行政はフォールトトレラントじゃない気がする。

電撃不意打ちでルノー、日産、三菱自動車の会長を逮捕拘束したが、カルロス・ゴーンのような経済上の大物を捕まえて、もしこれが誤認逮捕だったとしても、刑事補償法上の補償内容は、一日で最大12,500円にしか請求できない。最大でだ。系列の工場勤務の派遣従業員でさえもっと大きな経済被害が出るだろう。ゴーン逮捕でどれほどの経済損失が生まれただろうか?インパクト50億どころじゃない気がする。

もし内部通報者のクーデターの為に、検察が共謀したのだとしてもそれを問うことができる仕組みは日本にあるだろうか?誤認逮捕とかで、うっかり死刑にしても最大で3,000万円にしかならない。刑事補償法はノータイムで改定したほうがいい。あと120年かかるかもしれないが、やったほうがいい。

ゴーンぐらいの大物相手でも代用監獄収容を繰り返すのだろうか?
我々は我々のやりかたになれすぎて違いに気が付けない。海外からも大きく注目される事件なので、こいうのでもきっかけでちょっとづつにでもよくなるといいね。

再びsuits

ジェシカは男子トイレでの喧嘩をなんでいつも仲裁できるのだろうか、不思議だ。なんでも織田裕二版のテレビドラマもあるんだとか。ハーバード・ロースクールの偽弁護士を最終盤、追い詰める証券取引委員会の調査員にショーン・ケイヒルが重要人物で登場するのだが、この役は誰がやるのだろうか? ぜひ。…to …. you!

参考

www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO3813554023112018EA2001&dc=1&ng=DGXMZO38135510T21C18A1EA2000&z=20181124
「ゴーン後継」巡り綱引き 日仏連合、成長戦略に暗雲
www.nikkei.com/article/DGXMZO38135510T21C18A1EA2000/

日本の刑事裁判の起訴後有罪率99.9%は本当か?検察の捜査力について
izumi-keiji.jp/column/jiken-bengo/yuzai-99-per

第一種過誤と第二種過誤
ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E7%A8%AE%E9%81%8E%E8%AA%A4%E3%81%A8%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E7%A8%AE%E9%81%8E%E8%AA%A4