代議士制についての検討


えらそうなタイトルで今日も上から目線!
政治というものが機能している実感があまりない。というか、まー、ほとんどない。

商店街のようなオールドエコノミーに触れるようになって、政治家っていうのはこういうところに生息しているんだと気がつくようにはなったけれども、それでも国会議員の秘書にフィリピンパブいかいないのと軽口いうぐらいしかすることはない。

政治活動はめんどくさい人たちが幅をきかせていているので絡んじゃダメなものだと、現認している。しかし、重要なことは一応はそこで決まっていて、社会統計とか、現場の実感からはそりゃねぇだろうょお代官様というのが庶民的実感。

 

で、議員定数の削減が叫ばれていますが、私は逆に少なすぎるんじゃねぇのと思うわけです。
うちの市とか18万人もいるんだから、市議とか200人ぐらいにしたらいいのにと思う。
いや、真面目に!

 

確かにね、議会運営費や、議員報酬、活動費、さらには議員年金までいたれりつくせりなうえに、議員立法どころか発言回数までゼロの議員の必要性は自分にはわからないのだけれども、そんな議員様は減っても決議権をもつ議員は増えてもいいんじゃないのと思うわけです。議員が多すぎるんじゃなくて職業議員が多すぎるんっすわ。

 

 

そもそも、地方議会の議員は手弁当で報酬もでず議員専業ではない国も多い。多いというか、諸外国では基礎自治体レベルの議員は名誉職と考えられているので規定の給与がある例のほうがすくない。というか、あるの?
北九州市で2年4ヶ月全議会を欠席しる議員へ報酬が3千万円超支給されたとかニュースになってたけど、さすがとしかいいようがないよね。それで財政収支赤字なんだよ?

cf.総務省資料:諸外国における地方自治体の議会制度について
www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chihou_seido/singi/pdf/No29_senmon_5_si2.pdf
英国:名誉職。議会では給与は基本支給されていない。
ドイツ:議会は夕方開催され、議員活動により収入に損失を受けた場合に補償される制度だ。こちらも名誉職の規定。
スウェーデン:基本は無給で専業職ではない。議長や委員長などコミッショナーのみフルタイム専業として報酬。
フランス:基礎自治体、コミューンの議員は基本的に無償。広域デパルトマン・レジオンには手当。
イタリア:出席に応じた日当を支給。
韓国:無報酬の非常勤であったが2003年に名誉職の部分を法改正で削除。

人口数千人の村ですら専業政治家を配備しようと制度設計されたのはなんでなんだろう?
イギリスやアメリカからの議会制民主主義の輸入であれば地方の議員は無報酬の名誉職になってるはずなんだけど。明治維新の士族や卒族への秩禄処分で生活が破綻しちゃうからとかの迂回とかかな????
現代までそれが続いていて、基礎自治体の収支をみると財政収支おかしなことになってるけれども、それを決める人たちが利害関係者だから議論もされないよね。
どのような経緯で議員に報酬がでることがあたりまえになったのだろうか?
総務省の資料をこうやってみると、各国並で日本の議員数が特段すくないようには見えない。

 

基礎自治体における議席数比較2016-02-09 18_22_32-No29_senmon_5_si2.pdf

基礎自治体における議席数
でも、本当かな???
日本で2,000人あたりに14議席もあるようには感じられないんだが????

 

代議士制が始まった、大日本帝国時の衆議院発足時の議員定数と日本の人口の推移とぶつけてちょっと調べてみた。

年代/衆議院議員定数/日本人口/何人あたり

1890年 300人 5,596万人 18.7万人 ←第1回衆議院議員総選挙
1925年 466人 5,974万人 12.8万人 ←普通選挙法公布
1954年 467人 8,829万人 18.9万人
1967年 486人 10,024万人 20.6万人
1970年 491人 10,372万人 21.1万人
1976年 511人 11,309万人 22.1万人
1986年 512人 12,167万人 23.8万人
1993年 511人 12,476万人 24.4万人
1996年 500人 12,586万人 25.2万人
2000年 480人 12,693万人 26.4万人
2015年 475人 12,689万人 26.7万人

※人口統計が1920年からなので1920年の人口データを使用
www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000000090004&cycode=0
www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h12ugoki/h12tokei/h12tou01.htm
衆議院議員定数の推移でまとまっているものがなかったので、あちらこちらから適当に虫食い引用。

@ひとりあたりの議員数

衆議院議員2015-12-16 14_40_44-05k5-4.xls- Excel
衆議院議員で26.7万人分の意見を代議することになっている。

 
同様に地方議会
地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調

最新の資料 平成26年12月31日現在 H26.12.31 の議員定数情報
www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/syozoku/ichiran.html

と、resas.jp の人口構成統計 2015から都道府県、市、23区特別区、町村の人口をフィルタ&集計して各議員定数で割った。

総人口 126,597,298人
都道府県議会議員定数2,733人
県議会議員は46,321人を代表する
特別区人口(東京23区)9,084,451人
特別区議員定数 906
都議会議員は10,027人を代表する
市人口125,839,822人
市議数定数19,024人
市議会議員は6,615人を代表する

町人口 9,788,030人
村人口 556,675人
町村人口計 10,344,705
町村議会議定数 11,467
超村議会議員は902人を代表する

有権者あたりのとすれば分母が小さくなるけれども、それでも、20歳未満人口を考えればせいぜい2割もないぐらいだろう。だとすればいちばん多い市の想定でも、せいぜい5,000人に1議席じゃない?
2,000人に14議席と35倍ぐらい差があるんだけど???

いんぼーだ!!(典型的なめんどくさい意見)

 
まあそんなわけで、代議士制を機能させようとするならば、議員定数は少なくとも10倍ぐらいにしたほうがいいんじゃねぇかなと。幸せの最大公約数、負担の最小公倍数として、地域で全体最適化をするのが代議士制なのじゃないかなとおもうのだけど、実態は無理な合議制にして声のでかい数人の意見がぶつかって座礁する、民主主義なわけで、ちょっとどうなんだろうねと。狭い範囲の意見しか代議しないから議会が決定権を持たずに前例ことなかれ主義にならざるを得ないよね。

 

もしこれが株式会社ならだよ?
全役職全階級募集で各自フォーマットの履歴書提出、ペーパテストはなく、面接(ただし試験官は質問はできない)のみとなれば、できない約束ばかりを繰り返す口達者な営業職しかいない会社が出来上がるのもあたりまえだわ。
「アレはオレがやった」だのの「アレオレ詐欺」が手柄を喧伝するだけになるよね。やらせてみたら何もできなかった。実態は官僚にアウトソースするだけ。「オレは入社試験を突破したんだ信を得ている」となる。

 

選挙により信を得ているとかいうけれども、実際は6,000人とか26万人の意見を代議しているわけではなく、ちょっと騒がし煩い人たちだったり利益誘導に熱心なグリード(貪欲)達の意見を代表するだけになるのもやむないこと。
せめて役職ごとに募集するか、テーマごとに議会をたてて有識者に代議してもらうか、いっそ陪審員みたいにサンプリングによる議会とかのほうが機能するんじゃねぇのと思う。ま、選挙カーぐるぐるまわすだけだと実質なにもできない議会しかできあがんないよね。なんでこんな風になったんだろうね。学術的な研究ないのかな?

 

 

 

 

 

追記:

書評で代議制民主主義なる本があることを知った。そのうち読んでみよう。
評 池内恵さん
dd.hokkaido-np.co.jp/cont/books/2-0045511.html?page=2016-02-14


軽減税率が負担軽減のためだなんて信じるの?


いや、そもそも税が再分配のために行われてるなんてことを信じて救われるのかい?
どんな商売でも率で相手が言い出した時は注意しろ?

h26エンゲル係数消費支出率
家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年) 第3表 年間収入五分位・十分位階級別1世帯 当たり1か月間の収入と支出(総世帯)より作成

年間171万以下の低所得者は月に30,424円を食費にかけるので2%軽減すると608円
年間941万以上の高所得者は月に92,253円を食費にかけるので2%軽減すると1,845円

複雑にすると、裁量が生まれる。裁量は権利であり利権だ。
ああ、だからシンプルにしておけって言ったのに、このバカ。
KISS(Keep it simple,stupid!)の原則はなにもエンジニアリング業界だけではない。
制度、施策はなぜもこんなにスパゲッティモンスターなのか。窓からどこまでも空高く投げ飛ばしたほうがいい。

英米法系と大陸法系

先に日本の法律体系について言っておかなければならない。
英米は判例重視で、運用してみて、なんか問題があったら裁判にして、判断を積み重ねる。
日本やドイツは事前に法で定義した範囲で運用する許認可制。ルールで許可されていないことはやってはいけない。

もし「XXX」 だったら やってもよい(大陸法系:許認可制)
もし「XXX」 だったら やっちゃだめ(英米法系:判例重視)

許認可制をうまく運用していくためには、物事がおきるまえに事前にXXXを定義していく必要がある。
だから、まだ技術や常識、倫理が確立していない新しく未知のものに対する取り組みはアメリカのような国で「やってみよう」というスタンスのほうがスピーディーに取り組める。また取り組んだ結果、裁判でやっぱダメーとなる「事故」も多い。
逆に日本ではやったことが裁判でひっくり返るような事故はまずないが、まだそれが起きてももないうちに審議を尽くさなければいけないので議論が見当違いだったり、ともかく足が遅い。
これは、どちらがいいというのではなく、それぞれの特徴。一長一短。

特に日本では、

  • お酒製造免許をもっていればお酒をつくってもよい
  • お酒製造免許取得には生産能力があること
  • 生産能力があることはお酒の製造実績により証明される

このような論理的に二律背反するサンドイッチで挟むことによって、だいたい何でもお上にお伺いを立て特別に許可をもらわないと「やっちゃだめ」という仕組みになっている。
まあ、だから運用のために認可をするのは人間系でカバーせざるを得ず、特定個人による裁量が入り込む余地が多くなってしまう。ロジックが破綻していることが多く、悪く言えば人治になっている部分も多い。
そこで「やっちゃダメ」の例外をつくるために、ともかく但し書きをつけていく。ただしYYYでZZZの時は除く。
法律にバッチをあてて穴をあけていく。
さて、これが議論の前提。

軽減税率はまさに穴あけ

消費税は10%とする。「但し」「XXX」は除く。
「XXX」とは「YYY」であること。
「YYY」であるためには「ZZZ」を満たすこと。
とかね、ともかく例外がずらりと定義される。

食料品とはどんな定義なのか、食玩付きのお菓子は食料なのか玩具なのか。高級品はいくらからが高級品なのか。それともグラム単位だとどうなるのか。など事細かく場合分けをしていく。if文だらけの糞プログラム。

ルールを複雑にすると、穴をついたり、その認定認可の過程で個人のごまかしや裁量が入り込む余地がおおきくうまれる。

分配はまさに権利

消費税は社会福祉に使うよという目的税なんだって。でも建前と実際が違うのなんて中学生だって知ってるよね。
結局、どのように分配するのか予算を決める過程で個人の裁量がはいりこむので、大きく目的とずれちゃうんだよね。

そもそもそれをチェックする仕組みがない。
企業の財務会計なら何にいくらつかっていくらのリターンがあったかがわかるようになっている。
自治体もようやく財務諸表が公開されるようになったが、結局はいまだにもって単式簿記。
予算が守られているかは確認するけれども、その内実、社会保障に割り当てられた予算が「再分配」にまわっているのか、社会保障関係の施設の「土地建物」にまわっているのかはチェックできない。

税による再分配.pdf

だからこうなる。税による再分配効果?税はとっているけど再分配なんておこなわれていない。よくわからないうちに取られてよくわからないところに消えていく。まずは会計をなんとかしないと議論もできないよね。

消費税増税の影響

途中がどうなってるかわからないから結果で追うしか無い。
制度を設計している人たちの目標が、それぞれがどれだけ大きな裁量を握るかというところに執着しているので、その制度の結果どうなったかというところは無視されがちになる。
消費税を増税したらどの程度の経済的影響があるかという議論はあったけれども結局どうなったかという評価もたいしてすることなく次の増税と軽減税率について論じようとしている。

でも、実際に観測されたのはコレだ。
消費税率引上げの影響 - 内閣府

消費総合指数

補助線を引いておく。

消費総合指数 補助線付き

この景気減速によるブレーキなければ税収もあがってたんじゃないかっていう話。

生かさず殺さずかね。むしろ殺しにかかってるよね。

でも死んじゃう!

軽減税率がなされると死ぬのは中小企業だけではない。
どんなレジスターにも企業独自の管理会計の仕組みにも、財務会計の仕組みにも商品ごとに税率を変更する仕組みなんてない。お金が絡むシステムすべてが作り直しになる。修繕じゃすまない。作り直し。

例えば、多くのお店が持っているレジスターにはPLUと呼ばれる商品ID(PK)と、部門、商品名、商品価格程度がはいっている。消費税率はレジスターに設定されている1つのみだ。

中小企業はまずこの時点で、すべてを内税にして売価として処理をしなければならなくなるが、例えば、値引きなどの日常的な処理が100円(外税)の40%引きなのか、110円(内税)の40%引きなのかはまるで違う結果になる。
例えば売上1000万円未満の零細企業でも、結局のところ仕入れ時に支払い消費税があるので、その分の原価変更をおこなわなければならない。

この原価変更によりお店取り扱いの商品のすべての価格が変更になる。
レジスター、店頭、全てね。これが全国のお店の数分おきる。お店本業とは関係ないところで、雑務で死んじゃうんだから。

で、値段変更しても、結局卸元からまた値段変更通知がくるでしょ?
そうするとまた値段変更するでしょ?
するとまた玉突きがおきて値段変更が発生するでしょ?
あっちが変更したらこっちも変更しなきゃで1年は価格が落ち着かないんだよ。

価格設定が1年に一回みたいな業界も多いのに、事前に売り出してたら仕入れ値が変わっちゃったとか悲劇だよね。

大手上場企業だって多くの業界で税引き前利益なんて5%もなくて、平均で食品3.8%卸1.49%とかなわけですよ。
消費税とかで2%とか3%とか軽くあげちゃってくれてるけど、そんな大雑把なことされても吸収できる余裕ないんだよね。

さて、この値段変更。利益にも結びつかなければ、生産性の向上とも結びつかないんだ。
コストセンターでしかない。
国民が「健康で文化的な生活を営む」ことを目標とするなら、なんら貢献のない労動だよね。
国民に朝方に穴掘って、夕方に埋め戻す仕事ばかりさせてたらみんな狂っちゃうよね。

大手ならPOSレジをいじるだけで対応できるでしょ?とか思ってるのかもしれないけど、そこらへん設計したこともあるけど、そんなふうにはなってねぇからな。税率変えるだけでしょとか言う奴いたらちょっとツイッターで呟いてごらん。

場合の組み合わせが跳ね上がるから、まじで作り直しなんだよ。商品テーブルだけだったのが、軽減税率テーブルと軽減税率品目テーブルを持たなきゃいけない。

州ごとに税率が異なったり、イートインとトゥーゴーで税率が違ったりする国はそういう社会資本やら文化資本があったうえでのその税率なんだよ。そもそもチップの文化で源泉徴収がされているとでも言うのかい?

全然軽減じゃないんだよ。じゃぁぁあああああないんだよっ。

エンゲル係数の統計では23%、年収300万ですべてを消費支出にまわしてたとしても年間食費は69万、ここから2%を軽減しても13,800円にしかならない。月1000円だよ?
そんなもののために仕組みをつくろうとしている。
なら低所得者に配るかその分予め引いておけばいいじゃない。
消費税を9%にするのと何が違うのか。結果ではなくプロセスで存在感を出したいからだけでしょ。

なにに税金をかけるのかということを決定する権力を持ちたいがために、いったいいくつの屍をつくるつもりなのか。

家計調査によれば別に年収250万だろうが2,000万だろうがエンゲル係数はその実あまり変わらない。消費支出のわりあいもあんまかわらない。
高級食材をあつかっているスーパーに行けば、物価の優等生である鶏卵だって1つ600円ぐらいする烏骨鶏があるんだ。
某金持ちの住まうエリアでは月間の食費に百万以上かけている家庭がゴロゴロと存在している。
年間2万もいかない税負担を軽減させるふりして、20万以上軽くなる家庭もあるからね。誰のための軽減だって話しだよ。

つうか、零細小売をやっている身としては消費税増税による値付け混乱という懲役から自由になりたいんで、軽減税率とかさらなる罰ゲーム勘弁してくださいというのが本音なんだけどね。まじで勘弁。

だから、複雑なルールをつくって我が物顔させておくよりは、できるだけシンプルにしておけっていう話しさ。

参考引用資料など

www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je09/pdf/09p03023.pdf
第1節 労働市場の構造変化と家計行動>第3-2-13図 再分配効果の国際比較

僕が軽減税率には絶対反対な理由
rick08.hatenablog.com/entry/2014/12/05/135909

軽減税率はむしろ富裕層減税??
ameblo.jp/typexr/entry-11925151199.html

軽減税率で税金が安くなる! と喜んでいるあなたへ ・・・勘違いしてるだけです
cocoopit-2.hatenablog.com/entry/2015/09/14/140754

消費税
内閣府ホーム > 経済財政政策 > 白書等(経済財政白書、世界経済の潮流等) > 平成26年度 年次経済財政報告 >www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je14/index.html
第1-1-2図 消費税率引上げの影響
www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je14/h05_hz010102.html

内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 経済財政政策 > 月例経済報告関係資料 > 月例経済報告
www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/getsurei-index.html

家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 年次 2014年
www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001129456


2013に有識者がやった消費税議論を今振り返る(その2)


わずか1年ばかり前の消費税増税を決めたという議事録を掘ってみて、気がついたことは多い。経済は再現性がない故、言いっぱされるばかりで検証もされないことも多い。しかし消費税増税はわずか1年で繰り返す。経験からしか学べない私のような凡夫にも、体験してみれば過去に言われたことと、それがどのように違ったのかが今ならわかる。あと、一部の経済学者の類、正論はいうが予見を表明しないのは、処世術としては正しいのかもしれないが、ずるいなと思った。


議事録からの要点部分の抜き出し(その1)はこちら
kuippa.com/blog/2014/08/24/2013%E3%81%AB%E6%9C%89%E8%AD%98%E8%80%85%E3%81%8C%E3%82%84%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%B6%88%E8%B2%BB%E7%A8%8E%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%82%92%E4%BB%8A%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%82%8B/

集中点検会合の参加者について

前提知識がない人を入れるのはブレストとしては有意義であるが、このような議事進行であれば別に会合形式にする必要はないのではないかと感じた。
「消費税について」という曖昧もこみちなテーマ設定で、とりあえずヒアリングしましたというポーズととられてもしゃーない。本当に何をいっているのかわからない人が混じっていたりして、なんだかなと思った。また同じメンツでやるの?

財政規律

財政収支の件に触れている識者は多く居た。しかし増税は行われたけれども財政収支を正すための施策やビジョンが政治的にも実務的にも発せられていないように思う。財政規律を正そうとしてるところが出費を3兆3000億もふやしてんじゃねぇょと。税収が7兆も増える予定の予算組んで大丈夫なのかよと。世界から、財政ファイナンスをしていると取られてもしょうがない。
浜田 宏一氏がいうように「財務省の予算分配権の力が増える」ためだけととられても、ちがいねーや!という気分。
このままじゃ何人かの識者がいってたように税率を20%まであげても収支がプラスになることなんてないんじゃないかな。

Screenshot 2014-08-27 02.23.11
www.oecd.org/general/50190707.pdf
※財務省のグラフがなんか横に間延びしてて良いグラフではなかったのでOECDの2012のペーパーより採用
オリジナル→ 一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移:財務省
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

景況変化の予測と実績について

景気の腰折れ感がどの識者が予想したよりもひどかった。-5%程度と予測したところが多いなか(野村は-2%で予想)、実測-6.8%はまあ予想より下振れしたぐらいだとは思うが、小売業をやっている個人的体感としては4〜6期よりも7月のほうが鈍ってるように感じる。夏枯れかもしれないが、第3Qは+危ないじゃないかな?
消費税の上昇によりデフレ克服できなくなると一部、危惧されていたようだが、その気配は強まりつつあるように感じる。CPIとかに注目したい。

  • 2%のインフレ実現には、5年ぐらいはかかる、主として賃金の遅行性(菅野 雅明 JPモルガン証券チーフエコノミスト)
  • 購買意欲が上がってきてインフレが実現する。これには1年半ないし2年かかる、現在のインフレ率上昇は円安による輸入物価、あるいは電力料金の上昇(本田 悦朗 内閣官房参与)
  • 消費税を予定通りあげると3〜4年目に非常に大きいデフレ効果がおきる(宍戸駿太郎 国際大学・筑波名誉教授)
  • 現在起こりつつあるインフレ率は、コストプッシュ型(植田 和男 東京大学院経済)

たしかに燃料代、為替の影響で原材料価格などがあがった。
しかし、結果として4月以降に発生した物流の値上げは+3%どころじゃなかった。某大手流通の宅配便価格だがサイズによっちゃいままで600円で送れていたものが850円になったりするレベル。配送サイズの測定が厳密になり配送料金もあがったため最小値上げ分だけでも10%はあがってる。とほほ。

雇用と賃金について

結果として、賃金の上昇圧が、消費税分を指標として上回ることはなかった。

  • 企業の社会保険料負担増。経営者が賃金の引き上げにためらう(石澤 義文 全国商工会連合長 )
  • 完全失業率と構造失業率を比較し、労働市場が非常にタイトになると実質賃金が回復する(西岡 純子 アール・ビー・エス証券)
  • 失業率が3.5%まで下がると賃金の伸び率が加速的に上がる局面に入るかもしれない(白川 浩道 クレディ・スイス証券)

デフレ下の申し子である安い人件費で事業を成り立たせていた、マクドナルドやワタミ、すき家のゼンショーという企業が軒並み苦戦をしいられているようだ。商店街でみると1,000円でバイト募集してるのに人が来ないと、泣いている店長もいる。このタイミングで新規出店を目指したところは工事が人手不足によりストップして、言い値状態になってしまっていて泣いている。結構泣いている経営者は多い。
雇用という面では急激な回復局面にはいっているようだが、企業業績は駆け込み反動で悪化しているため、現在は雇用非雇用の双方が苦しい状態にあるように感じる。でも、つなぎ資金で重要となる銀行預貸率は改善してないようにも感じる。詳しくは調べてない。

永続的可処分所得の減少

税負担分の価格効果、家計の可処分所得減少による所得効果、永続的減少が発生するそうだ(トヨタ、大和ハウス)。過去に家と車で発生した減少幅をみてびっくりした。結構大変なこっちゃだ。過去97年の2%増税時には車で13%、家で20%程度の”永続的な”需要減が発生している。

商取引を化学反応だとすると、反応ごとに反応が成功するのに必要なしきい値が3%上昇すると(可処分所得の圧縮)、反復する経路ごとにエネルギーがロスするので、スタートとゴールがグロスで3%とはならず、さらに大きな反応エネルギーが必要となる。緩衝されどこかの値に近似するが、設定障壁で設定された値より通常は大きくなる。この現象は経済でもあんまりかわんねぇだろうと思う。

消費税の3%を単利で計算するか、反復継続される取引として複利で計算するかぐらいの差がある。
新車程度の金額までロスしていく3%を積み上げると結果としてその壁を乗り越えられない人達が合計で12%でてくる。家だと20%。そういうことなのではないだろうか? 結構恐ろしい数字だ。
積み上げるのに必要な反復回数が多くなればなるほど、その影響がでかくなるということか。これが逆進性というやつかな?
なんか重大なモデルが隠れている気がする…。

(1+3%)^n=(1+12%)とすると
えっと…n=log(1.12,1.03) // えくせるさーん計算お願い!!
3.834008035

新車購入における平均ローン年数は3年とか5年で組まれることが多いので、複利化された消費税による可処分所得の圧縮が3.8年とすると結構いい数字がでたきがする。
住宅の場合は20%
n=log(1.20,1.03)
6.168096911
こちらは6.1、住宅ローンは25~35年なので、まったく一致しない。
500万未満の頭金で住宅を購入する人が最も多く((http://jj.jp.msn.com/edit/msn/atamakin/100922/))、減少した可処分所得から積み立てて頭金の500万を貯めるために必要な年数が6.1と考えることもできそう。
すごい適当に増税による可処分所得の複利効果をあげてみたけれど、ここらへん面白いですな。
永続的可処分所得の減少の結果から考察した場合、なんか驚きがありそうだ。だれか研究とかしてないのかな?

おれおれ仮説:増税による可処分所得減少は指数効果があり貯蓄額が一定額に達し購入行動に移れるまでの必要の年数で複利化される。

ちょっと悲しいね。だって住宅の場合、圧縮された可処分所得が反映された数字とは思えないので、返済に行き詰まるパターンじゃない。これ。たしかに30年の先の消費行動はなかなか予見できないので、頭金が溜まったところで踏み出しちゃうよね。。。

軽減税率について

品目を決定するために必要な政治コストや、税率が異なることによる事務コストが生まれるのでするべきではないとの意見が出た。私もすべきではないと思った。
しかし、農業や漁業という生産者が価格決定権がない業界は軽減税率の導入を強く求めた。

  • 競り・入札で価格が決定されるため増税分を魚価に反映することができない(全国漁業協同組合)
  • 供給変動、価格変動が頻繁にある農産物取引では価格転嫁が困難(全国農業協同組合)

なるほど、転嫁うんぬん以前に消費者が価格を決めるのだから、消費税じゃなくて売上税、生産者負担になっているといえばごもっともな意見だ。プライステイカーな業界、業種はそもそも価格転嫁が構造的にできないようだ。
解決策は思いつかない。他で補助いれるからってことで泣いてもらうよりないんじゃないのかな。

1%ずつ増税について

お店を初めて約10年、初めての消費税増税だった。それまで体感としわからなかったのだが、消費税があがるということに伴う事務手続きの多さはハンパねぇ!これ毎年やられたら死んじゃう!!

  • 1%ずつは実務的に莫大なコストがかかることはない、具体的にどういうコストがかかるのかよく分からない(本田 悦朗 内閣官房参与)

↑ふざけんな!と、怒りがふつふつと沸いた。

消費税対応をするのに3ヶ月近くかかった。単純にレジの設定を変えれば済む話しではない。価格を物理的に書き換えなければいけないし、うちみたいにネットショップが複数ある場合は、総チェックをしなければならない。数百点のアイテム数×ネットショップ数、リアル店舗の値札、取引先ごとの変更など。

これも3%にあがったタイミングで1回やれば終了ではなくて、仕入先が価格変更を通知してくるたびに再検討しなければならない。というのも在庫がハケて次の仕入れをするまで仕入れ価格というのはわからない。なんとか、価格変動ができるだけ少ないようにどこも苦心して1回にまとめようと苦心してくれるのだが、そのため変更のタイミングはみんな4月をまたいでくる。結果仕入れ価格が五月雨式に順次変わってくる。
半製品とかで材料の原価が変わると原価計算のやりなおしが発生する。都度だ。全部が出揃うまでなかかな価格変更の決定ができない。かといってうちが遅れればうちから買っている業者でも価格決定に影響がでる。
日用品は価格感受性が高く提示価格としての値段変更にもとても気を使う。おいそれと価格変更はできない。

無手順のドミノ倒しが非ターン制でおこなわれる感じ。コリジョン発生しまくり。取引先がみんな価格調整で苦労するから、仕入てみたらいつのまにか原材料が安い中国産とかに変わってしまっていて、売ったらお客さんから中国産なのでいりませんとか、突き返されたりして、もう涙だよね。価格を変えないようにするがために内容量が変わっていたしてしてさ、etc、そんな何年も積み重ねてやってきたものが、いっせいのせでどかーーんと何ヶ月かに集中して来るわけさ、もう死んじゃうよ!
設定を5%から8%に変えれば終了みたなことじゃ終わらないんだよ。実務経験してもらいたいよ。ほんと!
もう、この大変さがわからないんだったら、年賀状の郵便番号に8%掛けたものを外税として併記する罰を言い渡すよ!!

・・って、俺も実際にやるまでこんなめんどくさいとは思わなかったんだけどね。
こんなの二度とやりたくないんだけど、また来年やるの!?勘弁してよぉ・・・。

消費税価格転嫁

消費税価格転嫁の調査が封書で届いたり、ハガキで届いたりしていて結構真剣さが伝わってきます。実効性は謎だけれども。うちは価格転嫁を禁止されるような取引先はないのだけれども、そもそも、事務手続きとして仕入れの値上げがみんな4月以降順次なので、実質何ヶ月感は価格転嫁もできない感じですよね。

消費税還元セールがなぜ行われるのかようやく分かりましたよ。
値札の書き換えとか実務として1月ぐらいじゃとても間に合わんので、お店側が消費税分かぶってでもやるしかないもんね。

消費税の逆進性について

  • 消費税は逆進性が問題とされるが社会的弱者に対する所得移転(慶應義塾長)
  • 社会保障には、給付と負担の世代間格差が顕著。勤労世代や将来世代ばかりに負担を求め続けるような、現在の税構造であってはいけない(土居 丈朗 慶應義塾大学経済部)

給付付き税額控除は「臨時福祉給付金」という形で実装されましたね。10,000円とかなんで、どうなのよみたいな気がしますが。
短期でも失業率が改善しているので、雇用を選べる低所得者層にはよいのかもしれません。
他方、自分みたいな個人事業主には消費税対応で大変だわ、社会保証の恩恵にはあずかれてないわ、健康保険も健康なので関係ないわ、で、なんだろうね。ほんと世代逆進的な予算組みですな。労働資本をもっている若い人が金融資本をもっている年配者から価値移転をうけとらないと、まずいはずなんだけど、逆になってね?

消費税などの増税

集中点検会合では誰も触れてなかったですけど、今回の増税は消費税”等”で、実は所得税も相続税も贈与税などなども増税されてるんですよね。相続税もいままで庶民に関係なかったものが東京都だと2人に1人が申告対象になる程度の増税。かなりの人数が税においやれる未来が予見されます。とくに相続税、本当に詳細を把握してないと死ぬよ。

あと、減税措置のとりやめで実質増税になったもの、たとえば株主配当も10%から一気に20%へUP!してたりして、なんかあれこれうんざりするほど税負担が重くなったなと感じています。だいたい復興増税ってなんだろう。聖武天皇の頃から災害時には税の減免をするものであって、増税してどうするんじゃらほいと。

法人税だけは景気対策ということで減税されていますが・・・。もともと経費参入が厳しい日本では法人所得税を払うほどの企業は1/3ぐらいしかないから、あんま関係ないんですよね。


www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-10/2013071001_04_1.html

こんなデータとか見ると・・・

中世から四公六民っていって、税率が4割越して来ると生活できない人が増えて一揆とかがおきるらしいです。
現在日本の実効税率は財務省発表では38.5%となっていますが、例えば相続税負担などは、土地家屋などに対して現金納付となるので、事故的に負担額が4割を超えてくることは往々にしてありうるわけですよね。
社会保障とかの還元で手当しているんだけろうけど、若者世代へは酷いことになってるし。企業が負担する社会保険料とか、健康保険料とか、いろいろ大変です。

財務省のデータ
OECD諸国の国民負担率(対国民所得比)は日本は38.5%
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/238.htm

国・地方合わせた法人税率の国際比較は34.62%
www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm

ちなみにアメリカはカルフォルニアが選択されて日本より高くなっているけど、CAは破綻宣言していて州税が高い地域(8.84%)で有名なるところと比較されてもね・・・。作為を感じますよね。

課税所得が落ちてきているので、課税率をあげても、増収あがるんでしょうか?
このまま景気腰折れが決定化してしまいデフレ脱却も達成困難となると、ちょっと今は分水嶺なのかな。

東大日次物価指数
| |東大指数| 総務省公表値(注)|
|2014年05月の前年同月比| 0.08%の下落| 1.10%の上昇|
|2014年06月の前年同月比| 0.29%の下落| 1.04%の上昇|
|2014年07月の前年同月比| 0.25%の下落|   8月29日公表予定|
www.cmdlab.co.jp/price_u-tokyo/monthly
CPIも割れてきていて、なんかその他の指標も黄色になってきた気がします。

日銀の国債買受による財政ファイナンスぶちかまして、日本銀行券をデュープさせて借金ナイナイかますか、デフォルトなり、デノミなりして借金ナイナイかますか、一揆がおきようと税率をあげまくってなんとかするか。
とりあえず単年度予算形成やめて、ちゃんと決算書にも複式簿記いれて、キャッシュ・フロー計算書も書くようにして、政治家の費用は3万円以下の切手代とか新幹線代だろうとちゃんとつける事業主なみの会計報告にするところから始めないとだめなんじゃないかな。

2013年のときにみえていたシリア危機から、現在はウクライナ情勢だし、西アフリカのエボラはパンデミックしてるし、結構2014年というのはスリリングな年ですね。ま、乗り切れれば明るい未来がまっていると。そう思いながら紅茶でも飲みながらまってましょ。