知性と遺伝


知性と遺伝をからめて扱うときは気をつけなされぇとコメントをもらって、たしかにぃとおもったので、ちょいと書き書き。結論などない。
最近、相模原障害者施設殺傷事件(やまゆり園)で発生した、知的障害者の大量殺人事件もあったばかり。

トランプ、ドゥテルテ、ムカベとか世界もいろいろきな臭くなってきた。第二次世界大戦下でナチス・ドイツがおこなった優生思想に基づく民族浄化政策や、KKK(クー・クラックス・クラン)による白人至上主義団体など、遺伝を絡めると、わりと簡単に人類のタブーにたどり着ける。人類の暗部はすぐそこに今もある。

 

人種差別的偏見が認知力の低さに相関があると調査論文がでたのは皮肉なことであるが、そのようなやり過ぎジェノサイドも含め、過ちを繰り返すのも人類の本質の一部であると心するよりほかない。知能指数、IQなんちゅうものはそもそも年齢と比較しての発達をみるためのものでしかなく、同じスケールで計測できている段階でIQ80も120も単なる個体差にすぎない。同じモノサシの上にのっているものだ。

 

クジラとウシは兄弟

遺伝については世間的な認知度が人によって大きく異なるので、ちょっと遺伝的多様性について、ひいた所から書いていく。極端な例から詰めていくよ。
クジラもウシも同じ鯨偶蹄目である。

カラスはスズメ目で、犬はネコ目だ。

体重3キロ以下のチワワも体重100キロを超すセント・バーナードも同じイエイヌ亜種である。
羽生善治も吉田沙保里も同じホモ・サピエンス・サピエンス亜種で、どちらも日本人だ。
クジラは賢いから食べちゃだめだというが、遺伝的にはウシも同じ目なんだよね・・・。

カラスは賢いというが、遺伝的にはスズメさんのお仲間だ。チュンチュン。燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやっていうけど故人が鴉と類さなかったのは慧眼だよね。
生物は進化や分岐の分類で、界>門>亜門>綱>下綱>目>亜目>下目>上科>科>亜科>族>亜族>属>種>亜種のようにわけられる。ヒトを簡易的な分類で見ると次のようになる。

界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : サル目 Primates
科 : ヒト科 Hominidae
族 : ヒト族 Hominini
属 : ヒト属 Homo
種 : ホモ・サピエンス
亜種 :ホモ・サピエンス・サピエンス

現生人類はホモ・サピエンス・サピエンスのみ現存している。

黒人(ネグロイド)や白人(コーカソイド )、黄色人種(モンゴロイド)などは歴史的人種分類概念もあるが、これら外見上の肌の色や瞳の色は、単なるメラニン色素の量によるもので遺伝的にみると、約31億ある塩基配列のうち、わずか1~2ヵ所が異なっているに過ぎない。(と、現在までの科学では知られている。)

 

人類だいたい兄弟

身長は親子間で比較的つよい遺伝影響があるのは体験的にも実感があると思う。

背の高い親から生まれた子供は、背が高くなる可能性が高い。しかし、その身長の高さは子は平均に近くなることも知られている。

 

ちょっとこの理由を誰にでもわかるようにひとことで説明をするのがむずかしいのだけれども、これは分散の問題。偏差値で表現すると、たとえば身長偏差値75の親から生まれた子は、身長偏差値65ぐらいになって、さらにその子は55ぐらいになるというように、たしかに平均よりは高いけれども、より平均値、最頻値に近づく。

簡単な理由をあげると、交配しているからなんだけど、もし、遺伝で身長偏差値が85、95とどんどん離れる方向に動くなら、それは種の分化だ。遺伝的多様性は交配によってその種のなかでは収斂していく。

あと、江戸時代の平均身長が男性155~158cmなかったことからもわかるように、遺伝以外の環境要因も強く作用する。

 

遺伝由来の頭の良さ悪さが資質としてあったとして、同じスケールで測れる範囲であれば、そんなものは進化の系譜のなかでは個体差にすぎない。逆に突然変異種になってしまうぐらいの遺伝的変化が発生した場合は、そもそも同種と交配ができないか、交配してもその子がF1種や、ライオンと虎の子のライガーやロバと馬の子のラバのようにその子供が繁殖能力がなく結果絶えてしまう。

 

数個前のエントリーで破局噴火について書いたが、トバ・カタストロフ理論によれば、今から7万年前から7万5千年前に人類は大量絶滅をしている。その時に生き残れたのはわずか1,000組~1万組ほどの夫婦である。1万組が72億人の現在人口のオリジナルの版下だ。江戸時代末期に3千万人しかいなかったのが平成の1億2千万人のルーツである。なので、本質的には兄弟種で、遺伝的にはほぼ同じものといっていい。

 

だが、ほとんど同じであるからこそ些細なところを比較することができるのだ。そして同質でありすぎるが故にその些細な違いが目立つのだ。

 
ここでY染色体ハプログループをみてみる。


一番最初のA~Bタイプの分岐が20~26万年前。

Bタイプの分岐が60,000~65,000年前。

Kタイプの分岐が47,000年前。

東南アジア、日本人にも多い、Oタイプへの分岐が23,000~32,000年前

 

ヒトの繁殖間隔を仮に15年で1世代とすると、20万年で1万3千世代。6万年で約4000世代となる。
※縄文人の平均寿命は14.6歳、15歳まで生きたヒトでも男性16.1年、女性16.3年だそうな。

 

暗黒品種改良

京都大学で60年もの間、まったくの暗闇で育てられているハエが居るそうな。

暗闇に適応できないと死ぬ、適応できれば有利に繁殖できるとという過酷な環境下で約1400世代を重ねた結果、通常のハエと比べると約5%の遺伝変異があるという。もともとヒトの肌の色が違うのはメラニン色素の量の問題だ。人間は紫外線を浴びることでビタミンDを合成するが極地と赤道付近で日照量が異なるために外部環境に適応が必要だった。まあわずか数千世代前の話。

 

農業をはじめたであろう最古のギョベクリ・テペで約1万年前。縄文後期で紀元前4500年ごろ。縄文人と現世人類はせいぜい300世代ぐらいしかなく、ぶっちゃけ変化がおきたとは考えにくい。どうにも日本人は海藻を消化できる遺伝子を手に入れているぐらいの変異ぐらいかねぇ。

 

知性と遺伝を並べたのは、同じイエイヌ亜種のなかで同じ犬種でもバカ犬と、賢い犬がいる。同じ親から同時期に生まれた子達でも性格が異なる。躾の効き方も違う。愛玩動物だけでなく、サラブレッドや家畜などでも血統証明書管理され、人為的な選択、選び出しによる、掛け合わせ、品種改良がおこなわれる。

 

遺伝的資質がほぼ同じだからこそ些細な違いを比較できるのだ。

 

交配によって最頻値に収斂していくのが自然の摂理なら、その摂理になんとか抗おうとするのが品種改良だ。より賢い犬、より乳がでる牛、早く走れる馬、肉付きのいい豚。そうやって些細な差を大きくすることが求められた。

 

どの文明にも見られる本人の意思に関係ない縁談や身分制度などは、人類の品種改良の歴史でもある。文官は頭の良さに、武官は体力に、農民は胆力に、職工は器用さに、商人は財力とかに特化しようとし縁談を組み、あれこれしてきたんじゃないかな。まぁここらへんもまだまだ配慮を要する分野か。ちょっと暴論すぎたね。

 

現代社会は自由競争の名の下、賢く利他するものよりも敏く強欲なほうが機会を得る。

 

評価基準も記憶力や定型条件下での問答の応答速度であったりする。まあ、そのようなことが得意なヒトもいよう。だが、それは局所最適にすぎない。全員をそのモノサシに乗せ過ぎれば人類の家畜化だ。遺伝的同質化が極端に進むと、過剰最適しているようなもんで環境変化とかの外部要因で簡単に大量絶滅に陥る。とても危険なことだ。

高いIQを求めるのは、成長が早熟であることを求めるのと同義であるが、そればかりを求めて、いったいぜんたいどのような次世代を作りたいのだろうか。十把一絡げにそれぞれの長短を潰してまで遺伝的収斂を急ぐ必要はまったくないとおもう。遊びのぶぶんたいせつ。

 

選択による品種改良のほか、もっと直接的に遺伝子組み換えもできるように我々は手段を手に入れた。社会的モノサシ、評価基準が最終的に経済に帰結してしまうような軸1つ2つしかもたないのは、いささか危険すぎる。

 

まあ、なんども歴史は繰り返しているので、そうやってちょっと遠回りするのも人類。もしかしたら行き過ぎたらアルジャーノンがなんとかしてくれるかもしれないし、黒い頭のネズミが全部喰らいつくしちゃうかもしれない。
ま、なんとかなるさ(楽観)

 

参考

「IQの低さと偏見・人種差別主義の傾向に関連」カナダの研究チーム
news.livedoor.com/article/detail/6237319/

 

Bright minds and dark attitudes: lower cognitive ability predicts greater prejudice through right-wing ideology and low intergroup contact.
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22222219

 

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
肌の色について「個人差」と「人種による違い」の2点がどのようなメカニズムで起こってくるのか、についての資料を探しています。
crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000142944

 

トバ・カタストロフ理論
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%95%E7%90%86%E8%AB%96

 

Y染色体ハプログループ
ja.wikipedia.org/wiki/Y%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E3%83%8F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97
暗黒バエ
ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%97%E9%BB%92%E3%83%90%E3%82%A8

 

縄文人の平均寿命、男女ともわずか14.6歳だった
karapaia.com/archives/51581310.html
レファレンス事例詳細(Detail of reference example) 江戸時代の男女の平均身長はどれくらいか。
crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000013899


おれてきSTAP細胞4月まとめ


笹井氏の会見を見て、個人的には謎に思っていたところがいろいろ回答されてて結構すっきりした。例え寄せ木のいくつかのブロックが抜けても論文のほうが筋がとおってると思っていたのだが、やっぱり与太より、数段しくりくる。確度も高い。
でも、冒頭のエクスキューズの多さをみて大人だなーと思った。
ま、そんなわけでみなさん飽きてるとおもうけど、非科学的にまとめてみた。

 

STAP現象
├現象はよくわかんないから発表者に注目
│  └小保方
│    ├割烹着→正直怖かったですは正直な感想
│    ├私大理系だから→学閥原理主義
│    ├AO入試→ペーパーテスト至上主義
│    ├リケジョお姫様扱い←嫉み
│    ├若くして偉業←妬み
│    ├女性の活躍→ジェンダー問題
│    ├謝罪会見
│    │├こりゃまずい←急性ストレス障害出てます
│    │├私は信じるよ→同情的
│    │├許した→上から目線
│    │├許せない→女の涙にトラウマ派
│    │└許されない→地獄の業火に焼かれるべきものである
│    ├不適切な関係が→ゲスリング部
│    └守護霊!→宗教
│
├現象に注目
│  ├万能性獲得がすごい
│  │  ├iPSとかとの比較←行き過ぎた感
│  │  └再生医療分野→お金の匂い
│  ├追実験←いきなりヒト細胞をやってる奴らが居る…
│  ├詳細なプロトコールなど→今回は騒動に巻き込まれたせいで科学的な部分が停滞
│  └細胞外刺激による惹起がすごい→専門家たちは冷静だが混乱中
│      ├ストレスによるエピジェネティクス的な変質なのか?←素直な疑問
│      ├未解明の幹細胞のセレクションなんじゃないか→Muse細胞などのスクリーニング?
│      └さらに未知の何か←もうお手上げ
│
├論文に注目
│  ├問題点が指摘される
│  │  ├博士論文が発掘される←どう考えても黒歴史
│  │  │  ├研究室の卒業生まで炎上←流れ弾全弾被弾
│  │  │  └日本の博士量産問題→あまり議論されず
│  │  ├取り間違えだ→本人談
│  │  ├データを纏めたり体系だてたりが苦手なヒトだ→愚かさに理由はない
│  │  ├捏造だ
│  │  │  ├小保方プロデュースだ→佐村河内派
│  │  │  ├裏幕がいるに違いない→2時間ドラマ派
│  │  │  ├証拠を出すんだ→刑事ドラマ派
│  │  │  ├奴が犯人だ→頭脳はほげほげで体は子供
│  │  │  └実験が不正
│  │  │    ├ES細胞/TS細胞他の幹細胞とすり替え混同があったのでは←笹井氏による反論
│  │  │    ├実験すらしてないのでは→空想実験ノート
│  │  │    │├実験ノート数冊って←君仕事で最近何冊ノート書いた?
│  │  │    │└成功200回ありえない!←生命化学の実験したことねぇだろ…
│  │  │    ├死滅細胞による多能性マーカーの自家蛍光←笹井氏による反論
│  │  │    ├偽陽性で説明がつく←なにそれ妖精?
│  │  │    └データをいじくったのでは←その後のそれを証明するための実験はまるっとできないね
│  │  │  
│  │  └取り下げる?
│  │    ├著者達→今の騒ぎがからは開放されるかもね?
│  │    ├小保方、バカンティ→諸々の権利を失う
│  │    ├追実験をする科学者→追実験をする論拠や予算を失う
│  │    ├ライバル→発見者になれるチャンス
│  │    ├医療・創薬→理論環境の変化により発生しうる経営上の問題を先送りできる
│  │    └Nature誌→論文を重要な発見として一般公開に指定したまま
│  │
│  ├ネットの纏めなどでみた→専門外のヒトの大量流入
│  └論文上の不備は看過できない→専門外だけど科学者←まっとうな反応だけれども集まりすぎ
│
└組織に注目
  ├理研
  │  ├理研コンツェルン←GHQにより解体された財閥
  │  ├わかめスープ←理研ビタミン
  │  └理研の人たちが理研”筑波”ですとかいうのをみた
  │
  ├総合科学技術会議/特定国立研究開発法人
  │  ├スター研究者→日本も研究者を世界標準の待遇をできるようにしよう←頓挫
  │  ├若手研究者育成問題→ほとんどが死ぬようなストレスを与えて生き残ったやつが万能社員だ←ブラック
  │  └税金の無駄ぁー←ロングタームを公助しなかったらなんのための徴税か
  └メディア
    ├報道の質→びっくりするレベル
    ├記者会見などでの質問の質→うわーww
    └有名ブロガーによるありやなしや論→結局ただの悪口、ひどいなー、ひどいなー

個人的にはその後の関連実験がどのように分担されていたのかがわかっただけで、確度は数段あがる。
世間の考えているSTAP細胞というものと、発表者達が伝えたかったSTAP現象というものに、相当の齟齬があったのは確かだが、やはり、この細胞外の刺激によるリプログラミングを考えた時に、刺激惹起というのは確かに有力な仮説であると思う。

 

仮説に戻ってしまったのは残念だが、それはいたしかたのないことだ。だが、Natureが取り下げておらず、本人も取り下げるつもりがないものに対して、取り下げろと世論を形成し圧力をかけるのは科学ではなく政治的な振る舞いであるように感ずる。

もし、反証する仮説やデータがあるのであれば反論の論文を書けばよいのであって、無いことを証明する悪魔の証明とは根本的に次元が異なる。ES細胞との混入であるとするならば、混入したときにどのような振る舞いをするかは実験が可能である。またMuse細胞なのではないかという仮説があるならば、それも実験をすることは可能だ。それらの体系建てた論立ても実験もされていない論については、結論は待ちたい。

細胞外刺激によって、遺伝子に変質変様がおきているのかいないのか、それとも、もともと確率的に混在しているものが効率よくセレクションするための手段として細胞外刺激があるのかというのは、現段階では判断を得ない。多能性マーカーが蛍光することを考えると一言でスクリーニングといってしまうのはどうかなと思うが、生後1週間のマウスを使わないと再現できないとというコツが、…気になる。
ストレスと表現されているが、DNAメチル化されたフタがぶち壊わされるなんらかの機構があるか、もしくは、例えば成長ホルモンや酵素などの少量の何かが固定していた分化のためのフタの材料とか器具を細胞外からの環境ストレスで壊わせるからなのか。ぶっちゃけさっぱりわからない。でも、多能性マーカーとかLiveビューイングとか、そういう観測技術が向上したおかげで、いままで未知であったここにも何かが見つかる可能性もあるし、そこに着想し根気よく実験をされた小保方氏には敬意を評したい。

 

論文には何箇所かケチがついたようだけれども、あくまで個人の感想だが、それでも凄いなと思う。そして論文もケチがついているところ以外にも可能性を潰すために実にいろいろな実験をこの仮説立証のためにしている。

 

だけど、本人会見を見る限り、どう見ても心療内科医の出番だと思うので、ちょっとゴシップを振り払うために、海外とかで静養が必要なんじゃないかなと思いました。研究者が研究以外のところで、足元すくわれる現実とか不幸でしかないよね。

 

STAP細胞論文に関する笹井芳樹副センター長の会見時の資料について
www.riken.jp/pr/topics/2014/20140416_1/

 


STAP細胞の実験は継続したほうがいい


Q.結局STAP細胞ってなんなの?
A.細胞が外部からの刺激で多機能性を獲得した細胞。

Q.実在すんの?
A.たぶんしない

Q.実験は続けるべき?
A.実験は続けるべき。

Q.論文めちゃくちゃなのに?
A.論文めちゃくちゃなのに。

 

小保方さんはSTAP細胞の研究を続けるべきである。

みんなから酷いことも言われてる。着火剤として佐村河内氏による下草炎上があったからなのか、iPS細胞のときの森口氏のあれがあったからなのか、本来不燃物であるものまで炎上してなんか酷いなと思う。科学とは関係ないところに世間の関心があつまり大炎上しとる。

 

報告の否定(論文がおかしい)

結果の否定(論文にかかれてるデータがおかしい)

実験の否定(実験が正しくおこなわれなかったのでは)

組織の否定(それを監督してた組織はいったいなんだ)

人格の否定(あいつは嘘つきだ、隠れ巨乳の呼び声高い←ふぁっ!?)

 
全てのレベルがないまぜになって、なんかもうよくわからないけど、今なら叩いても大丈夫的な集合心理が働いていて恐ろしい。科学への冒涜だとか、あいつが犯人だとか、歴史を愚弄しとか、全否定しなければならないだとか、なんだとか。まじかよと思う。
報告書の不備は指摘修正されてしかるべきだとおもう。報告書が否定されたので、しかるに結果が否定されるという判断をする人がいてもよい。
そして、それを本人が形式を訂正することで担保できるのだから、修正したいという意思をもつことはありだとおもうし、それを掲載許可したNatureが、あまりに不適切ということで掲載を取り下げるという判断もありだろう。
だけれども、本人もそれを望んでいないし、Natureも掲載を継続している。しかも誰でもがタダで確認、閲覧、ダウンロードできるようにしてくれている。

Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency
www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html

Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency
www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12969.html

 

実験そのものを否定したり、組織を否定したり、あげくにこれを書いたやつは人間的にダメだとか、倫理的に破綻しているだとかそういうことだけを言うべきではないと思う。捏造や報告の形式の否定以上のことをことをするならば、追実験をして、再現できない旨を同じく論文でまとめあげるのが筋なのではないか。ましてやパーソナリティの揶揄や否定は、なんかもはやいぢめでしかない。

 

最終的に世論に求められる判断は、彼女は実験を続けるべきか、否かである。
自分は続けるべきであると思う。
論文がむちゃくちゃであろうが、泣きながら200回は成功したもんっていっていても、である。

 

実際、論文を読んだ人はどれだけいるだろう?
そしてその意味をすこしでも把握出来た人はどれほどの割合だろうか。
STAP細胞200回以上の感覚をどれだけの人が理解しているだろうか?

 
生命科学の実験はまさに料理のようなものだ。
同じ素材をつかって、同じようにやってもなかなか同じものはできない。
そして論文は料理のレシピにあたる。プロトコルなどはそのもまさにレシピだ。

料理人がかわり、キッチンも道具もかわれば、レシピどおりに料理を再現しようとしても、なかなか再現できるものではない。
レシピのために撮影された写真が、加工や転用された他のものであったとしても、レシピの本来の機能を奪うものではない。

レシピや制作日記だけで料理が存在したことを証明しようとするのが無理筋なのだ。だから一番シンプルな方法は存在を証明するなら料理を作るよない。

料理のために必要なスキルと、レシピにまとめ上げるスキルや綺麗な写真をとる技術はまったく別ものだ。
論文におかしい部分も倫理的にやっちゃダメなこともいっぱいあるのだろうけれど、たとえ全ての提示データが捏造だとしても批判に回っているほとんどの人が今回の論文ほどの構成のものが書けるとも思えない。
※博士論文はあまりにもあれなのであれしてください

 
あさがおの観察をしたことはあるだろうか?

「あさがおのタネが発芽するかどうかを確認する」という実験に、一回の実験にタネをひとつづつ植えるという計画しますか?

温度はどうだったのか、水はやったらどうなるのか、やらなければどうなるのか、もしかしたら種ごとに芽がでたり出なかったりするのではないか。
可能性を試すためにバリエーションを変えたり、もしくは同一条件にしたり、と、いくつも同時に比較できるように実験をするのでは?
「あさがおのタネがいくつ芽吹くのを確認しましたか?」
「200個です」
こんなやりとり、
「あさがおは1年草だから200個の発芽を確認するには1年じゃ終わらない!」
こんな指摘にどれほどの意味はあるだろうか。

 

マイクロチューブとかがホルダーにずらっと並んでいる映像とかを見たことはないだろうか?
こんな感じの
item.rakuten.co.jp/orange-benri/nas2-5054-02/

培養するのに8時間とか数日かかるんだから、普通バリエーションごとに一回に12発とか、24発とかいくつも同時並行でやる。
逆に一回に一個しかしなかったら、比較対象がなくなり何が原因で失敗したか判断できなくなる。

 

2年で200回がありえない、だからやつは地獄の劫火に焼かれるべきものである!とか言っちゃってる人は、もう泣きながら毎年あさがおのタネを一粒づつ植えていけばいいのではないかと思う。

 
何個失敗したのかも言わず、発芽は200個は確認しました!って言っちゃうほうもほうなんだけどさ、でもね、実験のうまさと体系だてた報告のうまさは擬似相関だからね。

 

「あさがおのタネもらったけどヒマワリが咲いたよ!」っていうヤツがいたら、そりゃ普通、先生はおこるのかもしれないけれど、
「先生、わたしタネすり替えてません。」って泣きながら言うんだし、しかもそこに再現性があるって本人が言うんだから、ちゃんと追いかけなきゃダメでしょ。

 
STAP細胞が小保方氏が報告したような多機能性の獲得じゃないにしても、何かあることになるし。その何かっちゅうのも、単純に本人の証言を信じて、ともかくやらせてみようというというだけじゃなくてね。
写真はでたらめだとしても論拠はこの論文で十分だとおもうけどね。
ま、ES細胞は使ってないのでコンタミはないって言ってたけど、問題になったFigure 1のiのマーカーレーンにES細胞ってあるんだがな・・・
げふんげふん

 

子供の頃、腹赤イモリを飼ってたんだよね。

イモリは、イモリ同士のケンカで腕を噛みちぎられたとしても、生えてくることがある。生えてこないこともあるけど。これが、再生力で、人間のような哺乳類からは失われた機能。
傷跡程度なら塞がるけれども、皮膚の細胞は皮膚の細胞にしかならないので、失われた腕が生えるようなことはない。プラリアナのように刻んだ数だけ頭まで再生するというなこともありえない。だけれども、人間もナメック星人みたく腕とか再生したら便利だよね。目とか腕とかとれても大丈夫だし。
肝臓とか腎臓とかやられて透析とかになっても、はいこっちで培養して復活しておいたよ!みたいな。っちゅうことを夢見て再生医療の分野の研究はながいことやられていたわけですよ。

 
で、とうとう1950年代、受精卵で体細胞クローンができるようになるわけですね。どの細胞にもなれる未分化の受精卵に遺伝子ぶっこむことで同じ遺伝子の別個体をつくることができる。でも、ぶっこまれたほうの受精卵は、独立したその個体としての生命を奪われるわけで倫理的に、どうなんじゃろと。

 

で、2000年代にご存知の山中先生によるiPS細胞、つまり、分化しちゃった細胞も遺伝子いじくればもとの受精卵みたいに機能するんじゃね?って手法が発見された。絶賛世界はしのぎを削って莫大なお金と才能を投資して研究競争をしているわけです。

 

 

そこに今回、STAP細胞は遺伝子いじくらなくても、刺激与えれば、多機能性確保できるよ!って発見だったわけで、

おまえ歴史的経緯無視すんな!
俺らいくら時間と金をぶっこんでるとおもってんだよ!
人間はカエルやイモリじゃねぇんだよってみんな激おこなわけですよ。
で、注目高まって、肝心な論文の写真はこれ、だめじゃねぇかって。
ほんとに実験してんのかって。
博士論文とか引っ張ってきて、ほらこんなヤツだよって。

 

でもね、細胞外環境による刺激でなんらかの遺伝子発現がおきているのは、たとえ死滅細胞における発光現象だとしても、分野として面白いなーと思うわけです。
そんな19世紀にやりつくされたみたいな実験いまさらなんでよっていう話しなのかもしれないけれど、現代は遺伝子が発現したのを視認でトレースできるマーカーがあるわけですよ。
「哺乳類の腕を切っても再生したことはない」という観測事実と、「環境刺激により遺伝子の発現があることはない」というのは別なわけです。
今は細胞単位でその細胞がなんであるかが追えるようになったわけですから当然あらたなる発見もありうる。
たとえまとめた論文が科学倫理的にもおかしかったとしても、タイミング、着想としては面白いし、それを立証するためのスキーム構築はありなんじゃないかと。
こんな着想にたどり着いて、実験にとりくめたのは「未熟さ故に」ああいう論文になってしまったのかもしれないけれども、そこはかなり小保方さんは凄いとおもいます。ヴァカンティさんがすごいのかな?
つまり、レシピを見る感じ、作ったらけっこううまそうな料理できるんじゃねぇのと。思うわけです。もういっそのこと「写真はイメージです」とでも書いておけばよかったのにねw

 
でも、現象の報告に対して、科学的に反証や追証じゃなくて、倫理面での非難や、組織への非難、ひいてはパーソナリティへの攻撃はSTAP現象を報告したというもの以上の反応を獲得している様は、なんとも悲しい。

 
ノーベル賞の二度目の受賞にあったキューリー婦人でさえ、スキャンダルまみれになったことを考えれば、人がゲスリング部になるのはいたしかたがないのかもしれないけど。つくづく、ひどいなーと思うよ。

 

 
でも、断罪すべきであるとか、ぎゃーすかぷーすか言っている人たちよりも、そのひとらが言うところの「ダメな論文」のほうがよほどしっかり書かれているし説得力がある。

 

星新一賞の最優秀作品読んだ?あれよりよほどぶっとんでるw

 

 

余談だけど、エボラ出血熱がいまアフリカでパンデミクミクダンスしてるね。
なんかBSニュースの字幕で死者1,000人と書かれてた気がして、うゎぁと思ったんだけど、100人だったみたい。
WHOとか国境なき医師団のHPとかみると、感染地域が広く、もしかしたらさらに深刻な事態になるかもしれないなと心配しています。
チャレンジングだって。封じ込めに失敗すると人類近代文明存亡の危機に直結しちゃうね。
で、そのエボラ出血熱が日本に来た場合、バイオセーフティーレベル4を設備的に有している施設は日本国内には2つだけで国立感染症研究所と理化学研究所の筑波研究所しかないんだよね。
すっかりみんなの非難と好気の対象になってしまった理研だけど、なんだかんだいってもやはり国内有数。

いままでの成果を考えても設備的にみても尊敬にあたいする研究所だとおもいます。最先端研究がなんでこんなファンクなことになっちゃったんだろうね。
やっぱり割烹着報道あたりでポップスターにされちゃったからかね?

 

おまけ

成人ヒトの間葉系組織にMultilineage-differentiating Stress Enduring (Muse)細胞という新しいタイプの多能性幹細胞があることを発見しました。下等動物では臓器を再生したり、個体の断片から個体そのものを再生させるなど高い再生能力が見られ、間葉系組織に内在する多能性幹細胞が重要な役割を果たしていることが分かっております。しかし高等動物では、複雑な生体システムを進化させるのと引き換えに再生能力は限られたものになっていくと考えられています。従ってヒトの生体にMuse細胞という多能性幹細胞が存在するということは非常に大きな発見です。もしかすると我々が考えている以上にヒトの体は再生能力を潜在的に持っているのかもしれません。

東北大学大学院医学系研究科 細胞組織学分野・人体構造学分野 出澤 真理

意外と、人間みたいな生き物にも再生能力というのは失われてないのかもしれないね。

 
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB

twitter.com/yanwalee/status/451664926692503552

www.stemcells.med.tohoku.ac.jp/greeting/index.html