第七夜 この規模のマネタリーベースでおきたら大変トリクルダウン


とある喫茶店。たまたま相席になった2人。2人ともお金にまつわる仕事をしているらしい。

「利子は俺が決めている。」
「へぇ、お宅も利子を決める仕事をされてるんですか?私もです。」
「うちはトイチじゃねぇトゴ(10日で5割)だ。」
「to go?あぁ、そうですよね持ち出しばっかりです。」
「あん?きっちり詰めて返させぇのか? おたくんところは貸し玉いくら溜まってるんだ?」
「いやぁ。ついに780(兆)を超えちゃいましてね。」
「あぁ? よく780(万)も貸したな…。ジャンプでもさせてるのか?」
「ジャンプ? ジャンププロセスですか?いやぁ、まあ一気に返済されても困ったことになるんで。」
「で、利子だけ返済させてるわけだ?」
「いやぁ、入りの43%は返してもらってますよ。新規に建ててもらってます。最近はほとんどゼロ利子ですし。」
「はあぁっ!?」
「こないだなんか利率マイナスで取引されてしまって。」
「ああぁぁあっ??」
「でも上司が『まだまだだ、ヘリコプターから撒くつもりでどんどん行くぞ』って」
「えっ!なにそれ。」
「で、実際ばらまきはじめちゃってるんですよ。」
「えぇぇぇっ!?なにそれ。こわい!!」

※この物語はフィクションであり、実在および漫画の世界の主人公とは一切関係がありません。

平成27年度日本の一般会計予算によると、税収は54兆5,250億円
歳出のうち国債費は23兆4,507億円(利払101,472億、償還133,035億)
現在は予算の約4割、36兆8,630億分が新規の国債発行でまかなっている。
これはつまり将来には償還額として36兆の予算が組まれることを意味している。

※この数字はリアルであり、実在の人物および団体に関係があります。プライマリーバランス?なにそれ美味しいの?

トリクルダウン?

トリクルダウンという言葉から想起されているものが、これ↓だとしたら、こんなものはおきねぇよ。


twitter.com/soinlove/status/528603411319500801/photo/1

公共事業というものが念頭にあり、政府、大企業、中小、従業員というお金が流れの図解にしたのかもしれないが、金融政策においては政府、銀行、その他であって、議論をするにもちょっといろいろごっちゃになりすぎ。
2014〜2015の時代においては、銀行がおこなう信用の再創造がどの程度の効率でおこなわれているのか? 銀行の預金に対して貸出、預貸率はどうなっているのか?などの方が話題にされるべきだ。
喩え公共事業であっても、耐久消費財であるコンクリートに流してしまってはトリクルダウンはかなり減衰したものになる。閉鎖していない系に質量保存の法則は効かない。

中央銀行

建前上、中央銀行は政府からは独立している。
中央銀行が独立していなければいけないのは、まだ独立していなかった中世~近代に戦費の調達をお金を刷ることで解決し、激しいインフレが起きてしまったからだ。為政者の求めるままお金を刷ると物価の安定がおこなえない。だから中央銀行は政治の都合に左右されないように物価の安定を第一とする。であるので今回も政府の方針ではなく中央銀行の方針で異次元緩和はおこなわれた。…ということになっている。

これは日本に限らない話しなのだけど、今は中央銀行の独立性が怪しなってきている時代なのではなかろうか。
というより、物価を維持するためには結局中央銀行は政治の思惑に沿った行動を余儀なくされるので中央銀行と政府の利害が一致してしまっている。だから政府の発行した国債を中央銀行が直接引き受けるという禁じ手ともいえる財政ファイナンス紛いのこともおこなわれる。これはかなりダメなことなのだと思うのだけど、他の国がもっとダメなのでじゃぁうちも解禁~みたいなノリでルール無用のステゴロファイト真っ最中だ。

お金が増えたり減ったりする?

ピケティの21世紀の資本論では富めるものがさらに富み格差がというような論があった。
ここで、少し極端だけど世の中のお金の価値が倍になったと仮定してみよう。
同じ数字が掛けられるのであれば、そりゃぁ持っている数字が大きいひとの方が影響はでかくなる。
100円持ってる人と、1000円持っている人がいたとすると、双方等しく倍になっても結果の不公平感を感じることだろう。プラス100円なのか、プラス1000円なのか、大抵の人々は手元に入ったお金を足し算で考えるからだ。

お金の価値が倍になるという言い方がわかりにくければ、物の価値が半分になったというのでもいいし、なんでもいいが、お金だけを唯一のモノサシとしてしまわないようにしてもらいたい。
我々は「なにか」でお金を購入している。その何かは労働かもしれないし、物を売却したものや資産を貸し出したことによるものかもしれない。その「なにか」側から見ると、お金は実によく価値の動くものだということがわかる。

意図せざるにしろ、選択して現金を「購入」しているという視点が必要だそうだ。少し難しいメタ視点かもしれないが、これが無いと、モノの価値が変わったのか?お金の価値が変わったのか?の区別ができないし、選択できる利殖も相当限られたものになる。

税額が変わる前と後ではお金の価値は一緒だろうか?
通貨発行高、税額、政策金利は時々刻々と変わっている。
たとえばそれは原油価格高騰や原材料高、円安円高、何年ぶりかに行われたベースアップや、はたまた増税などに現れる。

同じ金額で買えるりんごの量が1個から2個、2倍になるなんていうことはありえなくもない。
しかし、それが季節が違うなど林檎の価値の問題なのか、それと林檎以外の価値の問題なのかは切り分けが必要だ。

マネタリーベース、マネーストック

いま注目してもらいたいのは世界の通貨流通量だ。
マネタリーベースとは供給された通貨量のことで、マネーストックとは金融と政府を除いた経済主体の保有する通貨量だ。
マネタリーベース=流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)+「日銀当座預金」
マネーストック=みんなの預金額(ただし銀行や保険会社、政府系は除く)

マネータリーサプライだの言いそうになるが、日銀はいまはマネーストックという統計をつかっていて、マネタリーベース、マネーストックについての詳細な説明は日銀のホームページにわかりやすい記述があるのでみてみてねっと。

で、このお金の流通量を測る統計値。今どうなってるかご存知?

記録が残ってる1970年からのマネタリーベース
マネタリーベース1

(財務省統計局データからグラフを作成した)

マネタリーベース2
2013/1に1,319,205億円だったものが、2015/01には2,753,859億円になっている。
わずか2、3年で2.5倍近く、流通現金が増えている。

マネーストックをみてみよう。
マネーストック1

マネーストック2

こちらはマネタリーベースと比べるとほとんど増えていない。
つまり、通貨は大量に発行されているが、市中にはまわっていないことを意味する。
それどころか最近発表されたデータによると家計の部はマイナス転だって!

預貸率の低い世界ではトリクルダウンなんておきねぇけど、もし本当にこのじゃぶじゃぶのお金でトリクルダウンなんかがおきたらおきたで大変なことになるね。

マネーサプライ世界
dollardaze.org/blog/?page_id=00023
参考までに世界の通貨流通量の積み上げグラフはこんな感じ。
流通するお金が増えるとお金の価値はどうなるか。お金持ちはどうなるか。それは日本の中だけでなのか。日本は世界から見るとお金持ちか、貧乏か。いろいろ考えてみてください。

他、参考

日本銀行 ホーム > 統計 > 日本銀行関連統計 > その他 > マネタリーベース
www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/index.htm/#p03

日本銀行 ホーム > 統計 > 通貨関連統計 > マネーストック
www.boj.or.jp/statistics/money/ms/index.htm/

主要時系列統計データ表(月次)
www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/m.html

アベノミクス:首相「トリクルダウン、我々の政策と違う」
毎日新聞 2015年02月02日 18時50分(最終更新 02月03日 00時40分)
mainichi.jp/select/news/20150203k0000m010025000c.html

日銀審議委員に原田氏起用へ 早大教授、リフレ派 2015/2/4 2:00
www.nikkei.com/article/DGXLASDF03H17_T00C15A2EE8000/

日銀審議委員、原田泰・早大教授で調整
www.asahi.com/articles/ASH243301H24ULFA003.html

伊藤元重「瀬戸際経済を乗り切る日本経営論」
黒田日銀が追加緩和を決定、「異次元の金融緩和」の意味を考える
nikkei BPnet 2014年11月6日 
www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141106/423243/

財務省 2. 国の財政の現状は?
www.zaisei.mof.go.jp/theme/theme2/

財政ファイナンス
www.ifinance.ne.jp/glossary/japan/jap130.html

あとがき

なんか久々に書いたら。もはやピケティ関係なくなってきたww


PerfumeのSXSWライブでうにーっとなる謎の技術分析


SXSW(サウス・バイ・サウスウエストでPerfumeのライブがあり、その様子がustreamで公開されたようです。SXSWとは「毎年3月にアメリカテキサス州オースティン市で行なわれる、音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント」by wikipedia

このステージの生配信された冒頭部分がYouTubeで1カ月間限定公開されいます。
まー、まだ見てないひとは見てください。みたほうがいぃょ。まちげぇねぇ。

おらぁ、ぽかーんとしたね。
すごすぎて意味がわかんねぇや。なんで、答え合わせのない分析でもいっちょやってみたいと思う。技術のほうのブログに書こうとおもったんだけどドメイン失効してたからさ・・・放置されたピケティ連作のブログに紛れ込ませるんだよ!

数年前おこなわれた拡張仮想

渋谷ヒカリエのこけら落としか何かでPerfumeがやったライブで、フロントに貼ったフィルムに3Dホログラフィックを投影されたのがあった。指先につけたメタマテリアルかなにかのマーカーを拾ってそのフィルム上にリアルタイムで描画していくという数年経った今でもぶっとびの魔法のごときテクノロジー。
モニタ越しに覗きこむのがAR:仮想空間拡張なら、Perfumeがやってることは仮想の中でおきていることを現実世界になんとかしてひっぱってきて表現しようという、拡張仮想だよね。なんてことを、前に書いたことがあるんだけど(ドメインごとネットの藻屑に消えたw)、今回のライブのように仮想も現実もまぜごちゃにされると、もう脳みそついていけないよねって感じですよな。

AR?

まずわかりやすいところで13秒のところあたりにみえるAR(拡張現実)っぽいなにか。

p1

赤い太線で囲った部分ね。おそらく現実のライブ会場に居る人達には見えないもので、配信映像上で合成された地平のパース線なのではないかな。
これは実にARっぽいんだけど、ステージ上のどこかのマーカーに標準をあわせてるとかでやっているのかな? 人などの障害物を認識しているようにも見えるので、Kinect的な赤外線センサーとかで、奥行きぐらいはとっているかもしれない。

・・・と、まあ、これが単純なARだったら、誰もおどろいちゃくれねぇよ。
ARだけでは説明がつかない。

シームレスなモーフィング

次に、音楽に併せて多視点カメラの切り替えで、ほんげーーーぇぇえ!??ってなるんだけど、このカメラスイッチングがリアルタイム、シームレスモーフィングなんですよ。もう横文字すぎてなんのこっちゃって感じですが。

ひとつひとつ解説をしていきます。

多視点:これはライブを撮影している据え付け型のカメラが複数台あるということです。

スイッチング:カメラの切り替えってやつです。モニタールームで肩にセーターかけたディレクターさんが3カメーとか叫んでるやつですね(?)。これでどこのカメラ映像を使うかはディレクターが決めて、文字通りスイッチングしていくわけですが、普通のカメラワークであればスイッチングを頻繁にやり過ぎると意味がわからなくなるので、アップの絵だったり引きの絵だったり大抵3秒とか5秒づつぐらいは使われます。・・・が、今回はなんと音楽にあわせて1小節とか4分音符ごとにカメラパンパンしてます。酔っちゃう!

モーフィング:で、視点をただパッッパと切り替えるとテレビのリモコンでザッピングしているような感じになっちゃうはずなんですが、今回はカメラ同士の映像の途中をつなぐ中間画像をいくつもつくってモーフィングしてから繋げてるわけですね。

モーフィングというと、Michael Jackson の Black Or Whiteでいろんな人の顔が次々に変わっていくというのの印象が深いかもしれません。

5:28〜のところ。

人の顔は目の位置や鼻の位置など同じパーツがあるので、数値化しやすい。左右の目が4cm離れた人を5.5cm離れた人に10段階で近づけていくには1.5mmづつ離していってやればいいわけだ。黒人の肌を白人のそれにするには色の中間色を経過音的にいれてやればいい。中間画像が一杯あるほど、むにゅーんと変化する顔がつくれるわけです。

実際には異なる2つの画像をつなぐ中間画像を細かくつくっていくことで、変化の変わり目をわかりにくくさせるやり方です。なので、このように左右の視点で同じ人の顔を捉えることで、擬似的な3D合成にもつかえる。

でも、今回モーフィングしてんのは顔じゃぁああないんだよ!

このシーンをみていただきたい。
シーンA:
p2

シーンB:
p3

シーンAからBに切り替わるわけだけど中間ってなんだ!???
特徴点分析をかけて特徴量ごとにQuadrangulationみたくメッシュ化して・・・できんの??

これはコマ送りで、抜き出した画像。

p4

AとBの中間にあらわれるこの映像。
AとBを合成したってこんな、正面からの撮影映像はでるわけがないんだよ・・・
こんな画像がでてきちゃった時点でモーフィングだけでは説明がつかない。

超多視点撮影

アメリカ人気のSuperbowl では、超多視点のEyeVisionなどが導入されている。
サッカーとかでも使われているのを見たのでだいぶ一般化してきたのかもしれない。


こういうの。20〜35秒ぐらいの部分を参照。
元画像から推測して合成なんてだるいこと言ってないで、その中間になる部分の映像も撮影すればいいじゃないの、といういかにも物量にものを言わせるアメリカ流。

ライブステージは固定なので、アメフトのようにカメラワークを連動させる必要はない。
もっと少ない台数と、低い設備投資で超多視点撮影と同じような効果を得ることができる。これなら、動いている絵をもとにモーフィングする必要がない。

でもね、

Screenshot 2015-03-20 23.30.12

・・・。客いねぇな・・・・・・。

こんなの、スポーツ中継でつかわれるようなマルチアングル撮影のシームレススイッチングだけでは説明がつかないじゃないのさ・・・。説明がつかないことだらけ。

リハーサル時の3Dモデルとブレンド

Perfumeのダンスの細密な再現度があってこそなんだろうけど、予め3Dモデルに落とし込んだデータが用意されているであろうことは、カメラ視点がホークアイぶっとびの俯瞰になっていることからもわかる。

多視点撮影なのも間違いない。でも、その中間をつなぐのは仮想データなのではないか。
言い換えれば、仮想空間のライブに、現実空間で撮影したライブのほうの映像を合成している。だからカメラアングルは自由自在に、カメラを動かした映像として出力できる。
同時にステージ上に展開しているプロジェクションマッピングも制御できるし一石二鳥だね!

ってな具合で、分析したつもりだけど、ほんとなんのこっちゃだよね。少なくとも中間画像はなんらかの形で作られていると思うんだけど、お手上げだよ。これ、静止画じゃないんだよ、カメラスイッチング中も客席が動いてるんだよ・・・。リアルタイムで、こんな速度でできるのかね?

予めリハーサル動画のほうで中間画像を合成していおいてるのかなとおもったんだけど、そんなちゃっちなもんじゃないんだよね・・・。
しかもこれが録画じゃなくストリーミングされたってのが、もう未来すぎて、絶句ですわ。
SxSWだし謎のテクノロジーがつかわれてるんだろうなと納得させるしかないのでありました。

推測結論

複数台のいろいろなアングルからのカメラからの撮影動画を、切り替えるときに、途中経路のカメラ映像を差し込んでカメラ間のスイッチングをスムーズモーフィングにしている。
その時、繋ぎ目を分かり難くするために仮想空間上の3Dモデルからの映像を混ぜることでシームレスにしている。
中間画像合成まではせずに、アルファブレンドの透過度を変更し、視覚効果をまぜることでぼかしている。

どこかで答えあわせ期待したいですね。

ちなみに

あーちゃん派です

追記

現地でみてた人の段によればカメラは10台ぐらいだったってYO!